「ペースメーカーを入れたから、もう保険には入れない」とあきらめていませんか。
定年後の医療費や、のこされた家族への保障を思うと、不安が募るかもしれません。
結論から言うと、ペースメーカーが入っているから全く保険に入れないわけではありません。
持病がある方向けの緩和型保険など、選択肢はいくつかあります。
本記事では、ペースメーカーを使っていても入りやすい保険や、保険選びのポイントをご紹介します。
この記事を読んでわかること
引受基準緩和型や無選択型など、入りやすい保険が複数ある
差額ベッド代や先進医療は公的制度の対象外で、民間保険で備える意味がある
保険は必要な保障から絞り込み、同じ条件で複数を比べれば自分で選べる
目次
3-2.告知で問われること
3-3.告知義務違反のリスク
5-1.高額療養費制度の仕組み
5-3.身体障害者手帳による支援
5-4.障害年金などの公的保障
ペースメーカーを使っていても入れる保険はある
ペースメーカー使用者でも、一定の条件を満たせば告知項目を絞った緩和型保険に加入できる可能性があります。
保険加入時には健康状態を申告する「告知」が必要で、ペースメーカーを使用していると通常タイプの医療保険や死亡保険などの生命保険は加入できないケースが多いです。
しかし、選択肢がなくなるわけではありません。
持病がある方向けの緩和型保険であれば、一定期間入院や手術歴がないこと、入院手術を勧められていないことなどを条件に検討できる可能性があります。
ペースメーカーが入っているから無理、と諦めるのではなく、今の状況から加入しやすい保険を探してみましょう。
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ペースメーカー使用者が入りやすい保険の種類
ペースメーカーを使用している場合、告知項目を絞った保険が主な選択肢になります。
それぞれの特徴とメリット・デメリットを整理しましょう。
引受基準緩和型保険
引受基準緩和型保険は、健康状態に関する告知項目を限定した保険です。
限定告知型と呼ばれることもあります。
入院や手術に備える医療保険や、万一の死亡保険など、さまざまな保障内容の緩和型保険が各社から販売されています。
告知項目は保険会社や商品によっても異なりますが、代表的な例は次のとおりです。
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告知項目に当てはまらなければ、持病がある人や通院・服薬中の人も原則として申込が可能です。
契約前からの病気の悪化や、過去に治療した病気の再発も給付対象になる点がメリットです。
ただし、ペースメーカー手術から間もないケースでは告知に該当してしまう可能性があるため、退院から最低でも1年以上経過してから保険探しをするのが良いでしょう。
緩和型保険は加入しやすい分、通常の保険よりも保険料が割高になるため、保障内容とのバランスを見て選ぶことが大切です。
(参考:健康状態に不安がある人でも、契約できる医療保険とは?|生命保険文化センター)
(参考:医療保険|生命保険文化センター)
無選択型保険
無選択型保険は、健康状態の告知も医師による診査も必要ない保険です。
死亡保険が中心ですが、中には医療保険の無選択型を取り扱う保険会社もあります。
ペースメーカーの有無にかかわらず申込むことができ、直近で入院歴があっても検討できるのがメリットです。
ただし注意点もあります。
保険料は緩和型よりも高額になることが多く、加入から一定期間は病気による死亡や入院等が保障されないなど制限が設けられているケースが目立ちます。
まずは通常の保険や引受基準緩和型に申し込めるかを確認し、難しい場合の選択肢として検討すると良いでしょう。
(参考:告知や医師の診査なしで契約できる生命保険とは?|生命保険文化センター)
一部のがん保険
一部の保険会社では、がんに特化したがん保険であれば、ペースメーカーが入っていても加入できる場合があります。
ペースメーカーが入っている事実ががんの発症に直接影響することは少ないため、診査上問題ないとすることもあるようです。
ただし、診査の基準は保険会社によって異なります。
中には、ペースメーカーが入っている場合はがん保険であっても加入を断る保険会社もあるため、注意が必要です。
1社で断られた場合、他の会社で再度検討してみるのも方法のひとつです。
通常の保険に入りづらい理由と告知の仕組み
ペースメーカーを入れていると保険に加入しづらくなるのは、生命保険全体の仕組みと告知義務が関係しています。
詳しく見ていきましょう。
ペースメーカーを使っていると保険に入りづらいのはなぜ?
保険は、多くの加入者が保険料を出し合い、万一のときに給付を受け取る助け合いの仕組みです。
加入者間の公平性を保つため、申込時には健康状態や過去の傷病歴を、ありのままに伝える告知義務があります。
健康状態によっては、保険会社が申し込みを引き受けない場合があります。
ペースメーカーを使っている場合、健康な人と比べてその後の入院等のリスクが高いとみなされ、加入を断られたり、特別条件が付いた契約になる可能性が高くなります。
通常タイプの保険に加入できなかった場合は、引受基準が緩和されている持病がある方向けの保険(緩和型保険)などの選択肢があります。
ペースメーカーを入れているから保険に加入できない、と諦める前に現状で検討できる商品がないか探してみましょう。
告知で問われること
告知では、現在の健康状態、過去の傷病歴、入院や手術の有無、職業などが問われます。
ペースメーカーの装着状況や、原因となった心疾患についても申告の対象です。
通常タイプの保険では最大過去5年間の健康状態を、緩和型であれば1~2年以内の入院歴や5年以内のがん等の罹患歴を問われます。
該当する項目には、正しく回答する必要があります。
あとからトラブルにならないよう、告知項目をひとつずつ確認し、該当するものがないか慎重に判断しましょう。
告知義務違反のリスク
事実と異なる告知や、事実を伝えない行為は告知義務違反にあたります。
違反があった場合、保険会社は契約を解除でき、入院給付金・手術給付金などの給付金を受け取れないことがあります。
たとえば、ペースメーカーが入っている事実を隠して医療保険に加入した場合、心疾患が原因で入院をしても給付金は支払われない可能性が高いです。
「黙っていればバレない」と安易に考えて保険に加入しても、いざというときに役に立たないため注意が必要です。
保険会社は、原則として責任開始日から2年以内であれば契約を解除できます。また、2年が経過すれば必ず安心というわけではありません。
告知義務違反の内容が悪質と判断されると、契約そのものを解除される可能性があります。
告知の質問事項に該当する場合は、詳細を正しく申告するようにしましょう。反対に、質問事項に該当しないことは申告する必要はありません。
(参考:保険金や給付金が受け取れないのはどのような場合?|生命保険文化センター)
これからペースメーカーを入れる人向け|今入っている保険は使える?
すでに保険に加入している人は、ペースメーカーを入れる手術が保障対象になるか、他に請求できる給付金はないかが気になるポイントです。
今加入している保険をどこまで利用できるか、詳しく解説します。
ペースメーカー植込み手術は給付対象になるか
基本的に、ペースメーカーを埋め込む手術は医療保険の「手術給付金」の支払対象となります。
また手術の入院日数に応じて「入院給付金」も受け取れる可能性があります。
手術給付金の保障タイプには2種類あり、公的医療保険連動型と88種(89種)型に分かれます。
比較的新しい医療保険では公的医療保険連動型が採用されており、ペースメーカー手術を受けた場合にも保障対象となります。
また88種(89種)型の場合も、ペースメーカー手術が保障対象に含まれていることが一般的ですが、詳細は約款に記載されている対象手術の項目を確認する必要があります。
不明点がある場合は、加入している保険会社に直接問い合わせてみるのが確実です。
保険料の払込免除に該当するケース
保険料の払込免除とは、所定の状態になったときに、以後の保険料の払い込みが不要になる仕組みです。
ペースメーカーの装着が、ただちに払込免除につながるわけではありません。
一般的に、寝たきりや両目失明のような高度障害状態に該当した場合、以降の保険料が免除される可能性が高くなります。
ただし、「三大疾病保険料払込免除特約」を付加している場合、がん・心疾患・脳血管疾患で所定の状態に該当した時点で保険料が免除されます。
ペースメーカー装着の原因となった心疾患が対象になっていれば、保険料免除になる可能性があります。
まずは加入中の保険証券で付加されている特約を確認し、該当するものがないか確かめてみましょう。
公的制度で備えられる範囲を先に知る
民間保険を選ぶ前に、公的制度でどこまで守られるかを知ると、必要な保障が見えてきます。
医療費の上限や身体障害者手帳による支援を確認しましょう。
高額療養費制度の仕組み
高額療養費制度は、1カ月あたりの医療費の自己負担が上限額を超えたとき、超えた分が払い戻される制度です。
上限額は年齢や所得によって決まります。
たとえば入院や手術で医療費が100万円かかったとしても、3割の30万円ではなく、所得ごとの上限額を負担すれば良い仕組みです。
ただし、 差額ベッド代、先進医療の技術料、入院中の食事代、自由診療は高額療養費の対象外です。
実際の負担は上限額よりも大きくなることを理解しておきましょう。
また、高額療養費は1カ月ごとに再計算されます。入院が2カ月に及ぶとその分負担額も大きくなるため、注意が必要です。
【注意】2026年8月以降の制度改定
高額療養費制度は、2026年8月から自己負担の上限額が引き上げられました。
あわせて、年間の負担に上限を設ける「年間上限」が新設されています。
年収約370万~約770万円(標準報酬月額28~50万円)の現役世代の場合、上限額を計算する際のベースとなる金額が引き上げられたため、たとえば総医療費が100万円かかった場合の自己負担額は、約9万円台(約9万3000円)となります。
一方年間上限が設けられたことで、月ごとの負担が積み上がっても一定額以上は負担が発生しない仕組みになっています。
ただし、高額療養費制度は2027年にも改定が予定されており、収入区分の細分化が行われることになっています。必ず最新の情報を確認しておきましょう。
(参考:医療保険制度改正法が成立しました|厚生労働省)
身体障害者手帳による支援
ペースメーカーを装着すると、心臓機能障害として身体障害者手帳の対象になる場合があります。
手帳を取得すると、医療費の助成や税の軽減、各種割引などの支援を受けられます。
注意したいのは、ペースメーカーの装着で必ず1級になるわけではない点です。
以前は植込みで一律1級とされていましたが、2014年4月からは日常生活活動の状態に応じて、1級・3級・4級のいずれかで認定される仕組みに見直されました。
等級によって受けられる支援の内容は変わります。
認定は住んでいる市区町村の審査によるため、具体的な等級や支援内容はお住まいの自治体の窓口で確認してください。
(参考:身体障害者手帳|厚生労働省)
障害年金などの公的保障
心疾患で日常生活や仕事に一定の支障がある場合、障害年金の対象になることがあります。
ペースメーカーの装着も、障害の程度を判断する要素の1つです。
難治性不整脈でペースメーカーを装着した場合、原則としてと認定されます。
ペースメーカーを装着した日を障害認定日とする特例も設けられています。
障害年金は公的な生活保障の1つとして、公的医療保険とあわせて把握しておくと安心です。
受給要件や請求時期の詳細は、日本年金機構の認定基準で確認できます。
(参考:国民年金・厚生年金保険 障害認定基準ペースメーカー使用者の保険の選び方

公的制度で足りない部分を把握したら、「ほけんのコスパ」のほけん必要度診断を活用してみてください。年齢や家族構成を入力するだけで、自分に必要な保障の目安を自分で確認できます。
ペースメーカー使用者の保険の選び方
「健康状態を理由に相談を断られるのではないか」「他人に病状を話すのは気乗りしない」と思う人もいます。
基本的な保険選びのポイントを押さえておけば、自分に合う保険をWEB上で選ぶことも可能です。
ここからは、保険を自分で選ぶための考え方をご紹介します。
【自分はどのタイプを検討したら良い?】保険選びフローチャート
まずは、自分がどの保険を検討すべきかを整理しましょう。
当てはまるものを選んでみてください。
- 5年以上前に通院や治療が終わっている、または通常の保険を試したい → 通常の医療保険・生命保険から確認
- 持病や通院歴があるが1~2年以内に入院・手術歴はない → 引受基準緩和型保険を検討
- ペースメーカーの装着術を受けたばかり→1年経過後に緩和型を検討or無選択型を検討
- がんへの備えを重視したい → がん保険もあわせて検討
治療歴や健康状態を整理したうえで、申込できる保険に目星を付けておくと選びやすくなります。
必要な保障から絞り込む
保険を選ぶときは、保険料の安さから入るのではなく、必要な保障から考えることがポイントです。
ペースメーカー使用者の場合、大きく分けて医療保障と死亡保障のどちらを優先するかを整理しましょう。
入院や手術の費用に備えたいなら医療保障、のこされた家族の生活を支えたいなら死亡保障が中心になります。
定年後の医療費が不安なら、医療保障の入院給付金や手術給付金を軸に検討します。
必要な保障を先に決めることで、余計な保障に保険料をかけずに済みます。
まずは優先順位を紙に書き出してみると整理しやすいでしょう。

Q1
入院時の費用は?
保険料と保障のバランスを比べる
引受基準緩和型や無選択型は、通常の保険より保険料が割高になりやすい傾向があります。
保険料と保障のバランスを見て、負担を続けられる範囲か確認しておきましょう。
保障を手厚くすれば保険料は上がり、保険料をおさえれば保障は薄くなります。
保険料の安さだけを追い求めると、いざというときに十分な保障を得られず、後悔するリスクもあります。
▶毎月の予算から保険を探してみましょう
予算から持病がある方向け医療保険を探す
月々の希望予算の上限
あなたにピッタリな商品が見つかる

複数の保険を同じ条件で比較する
保険は1社だけを見て決めるのではなく、複数の保険を同じ条件で比較することが大切です。
年齢、保障額、保障期間をそろえて比べると、保険料や保障の差が明確になります。
同じような保障内容でも保険料が異なる場合も多いため、必ず複数社で比較しておくようにしましょう。
「ほけんのコスパ」の人気ランキングページでは、加入者に選ばれている保険を条件別に見比べられます。
複数の保険を並べて、自分の希望に近い保険を探してみてください。
代HS-26-028-430(2026.4)
代HS-26-028-430(2026.4)
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年8月1日―2026年8月31日)
ペースメーカーと保険に関するよくある質問
ペースメーカーを装着している人が保険選びの際に感じる疑問をまとめました。
Q. 持病がある人向けの保険は保険料はどのくらい高くなりますか
A. 保険会社や商品によっても異なりますが、通常タイプの保険と比べて1.3~1.5倍、年齢によっては2倍近く割増になることもあります。
引受基準緩和型保険や無選択型保険は、通常の保険より保険料が割高になる傾向があります。
告知のハードルを下げたぶん、保険会社が引き受けるリスクが高くなるためです。
具体的な保険料は、年齢、性別、保障内容、保険会社によって変わります。
同じ保障でも商品ごとに差があるため、一律にいくらとはいえず、上記はあくまでも目安です。
正確な金額を知るには、保険料シミュレーションツールで試算してみることがおすすめです。
Q. ペースメーカーが入っていても県民共済には入れますか
A. ペースメーカーの装着状況や健康状態の告知内容によっては、加入が難しい場合があります。
都道府県民共済は、告知事項に該当した時点で加入できない「ノックアウト方式」を採用しているケースが多くなっています。
ペースメーカーを装着していると告知に該当する可能性が高く、申込を断られることがあります。
共済が難しい場合は、告知項目を絞った引受基準緩和型保険など、民間の選択肢を検討すると良いでしょう。
Q. ペースメーカーを入れると高度障害保険金の対象になりますか
A. ペースメーカーの装着が、ただちに高度障害保険金の対象になるわけではありません。
高度障害保険金は、約款で定める高度障害状態に該当した場合に支払われます。
注意したいのは、身体障害者福祉法の1級に認定されても、約款上の高度障害状態に当てはまらなければ支払われない点です。
手帳の等級と、保険の高度障害状態は別の基準で判断されます。加入中の保険の約款で、高度障害状態の定義を確認しておきましょう。
Q. ペースメーカーでもがん保険に入れますか?
A. 保険会社によっては加入できる場合もあります。
ペースメーカーを使っていても、がんに関する告知に問題がなければ申し込める商品もあります。
ただし、加入できるかは各保険会社の基準によって変わります。
必ず入れるとは限らないものの、心疾患を理由に一律で断られるわけでもありません。
もし1社で加入を断られた場合は、他の会社で再度検討を進めてみるのも選択肢になります。
Q. 海外旅行時の保険はどうなりますか
A. 海外旅行時の備えは、医療保険や生命保険とは別の海外旅行保険で対応します。持病やペースメーカーがある場合、補償の範囲に条件が付くことがあります。
海外旅行保険は、旅行中のケガや病気の治療費などを補償する商品で、損害保険会社から販売されています。
持病に関する治療が補償対象になるかは、商品ごとに異なります。
旅行を予定している場合は、加入前に補償の範囲と条件を確認しておくと安心です。
まとめ|ペースメーカーを使っていても保険は自分で選んで申し込めます
ペースメーカー使用者でも、保険の選択肢は残されています。
持病がある方向けの緩和型を中心に、現在の健康状態でも申し込める商品を探してみましょう。
まずは「ほけんのコスパ」の保険料シミュレーションツールで保険料の目安を確認し、ほけん必要度診断で必要な保障を把握してみてください。
人気ランキングページで複数の保険を見比べれば、自分に合う保険が見つかります。
WEBであれば、自分のペースで保険をじっくり選べます。
FP橋本
ペースメーカーを装着していると、「保険加入は断られるのでは」と思いがちです。
近年では、各生命保険会社が持病のある方向けの商品にも力を入れており、通常の保険と同じような保障を持つことができたり、特約のレパートリーが豊富な商品も増えています。
持病がある方向けの保険は、過去1~2年以内に入院・手術歴がなければ検討できるものも多いです。
ペースメーカーの手術から一定期間経過している場合は、加入できる商品があるか確認してみましょう。
橋本優理(2級FP技能士)
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