「シングルマザーに必要な保険ってなに?」「自分や子どものために保険に加入しておきたいけど、保険料負担が心配」など、保険選びで悩んでいるシングルマザーの方も多いのではないでしょうか。
ひとり親世帯の場合は働き手が1人しかいないため、さまざまなリスクを抱えています。
自分自身の病気やケガのリスクだけでなく、子どもの教育資金についても考えておく必要もあります。
シングルマザーが受けられる公的保障をふまえたうえで、不足する部分は保険で備えておくことが重要です。
本記事では、シングルマザーが備えておくべきリスクと保険の選び方について、プロが詳しくご紹介していきます。
この記事を読んでわかること
シングルマザーは「病気やケガのリスク」「万が一のリスク」「将来の教育資金」の3つに備えておいたほうが良い
公的保障やひとり親世帯が受けられる保障を加味したうえで、不足する部分を保険でおぎなう考え方が大切
子どもの成長に合わせて保険の見直しをする必要がある
シングルマザーが備えるべき3つのリスク
シングルマザーが備えるべきリスクは大きく分けて以下の3つです。
・病気やケガのリスク
・万が一のことがあるリスク
・子どもの教育資金が不足するリスク
シングルマザーの場合、病気やケガによる治療費負担や収入の減少だけではなく、死亡保障の重要性も高くなります。
また、自分自身に何かあったときの備えはもちろん、将来の教育資金についても備えておく必要があります。
ひとつずつ詳しく解説していきます。
①病気やケガのリスク
シングルマザーにとって、病気やケガによる治療費負担はリスクのひとつです。
入院や手術が必要になると想定外の費用がかかるため、あらかじめ備えておくのが良いでしょう。
また、入院中は働けないことによって収入が減少してしまう可能性もあるでしょう。
ひとり親世帯は働き手が一人しかいないため、リスクが大きくなります。
加えて、入院中の家事や育児についても、親族を頼ったりシッターを利用する必要があるかもしれません。
特に子どもが小さいうちは考慮に入れておくのが良いでしょう。
シングルマザーにとって、病気やケガで入院したときに必要になる費用や、収入の減少に備えておく必要性は高いといえます。
差額ベッド代
入院時にかかる費用の中には、公的医療保険の対象外となるものがあります。
公的医療保険でまかなえない主な費用として、差額ベッド代が挙げられます。
差額ベッド代
差額ベッド代とは、入院時に個室療養を希望した際にかかる費用で、入院1日ごとに費用が発生する
1人部屋(個室)を利用する場合、1日の平均費用は8322円です。(令和4年度時点)
1日ごとに費用がかかるため、入院が長引くほど負担額は大きくなってしまいます。
また、差額ベッド代は地域によって異なり、都心の医療機関ほど高くなる傾向にあります。
いつ入院するかはわからないため、自身が住んでいる地域では差額ベッド代がいくらなのか調べておくと良いでしょう。
高額療養費制度
高額療養費制度
高額療養費制度とは、1カ月の医療費負担が上限額を超えた場合、超過分が返還される公的な制度
公的医療保険制度を利用すれば、医療機関での負担額は実際の医療費の1~3割となります。
しかし、入院や手術にかかる費用は高額です。
たとえ3割負担であったとしても、治療費が家計に影響を与える可能性があります。
そのため、負担額をさらに軽減できるよう、高額療養費制度が設けられています。
高額療養費制度で定められた自己負担上限額は、その人の収入によって異なります。
例えば、69歳以下の人で年収が370万円~770万円までであれば、ひと月の自己負担額上限はおおむね9万円~10万円前後になります。
ただし、入院が月をまたいだ際は上限額がそれぞれの月ごとに計算されるため、負担額が増えることになります。
また、差額ベッド代など公的医療保険制度対象外の費用は別途支払が必要です。
まずは、自分の年収をもとにどれくらいの自己負担額が必要になるかを把握しておくことが大切です。
②万が一のことがあるリスク
自分に万が一のことがあったと考えると、のこされた子どものその後の生活が心配になるでしょう。
人はいつ亡くなるかわかりません。
シングルマザーに万が一のことがあった場合、子どもが経済的な負担を負う可能性があるため、備えを用意しておくことが大切です。
特に子どもが成人して独立するまでの期間は、死亡保障の必要性が非常に高くなります。
葬儀費用だけでなく、その後の子どもの生活費もふまえて死亡保障額を決める必要があるでしょう。
いくらくらい必要になるのか、必要な保障額についてはこの後詳しくご紹介します。
③子どもの教育資金が不足するリスク
子どもが大きくなるにつれて教育費も必要になります。
大学へ進学する場合はもちろん大きな費用が必要になりますが、それ以外にも、進学のタイミングや塾、習い事など出費はかさみます。
子どもが成長するにつれて、何かとお金が必要になるものです。
急にまとまったお金を捻出しようとしても、難しいこともあるでしょう。
「親としてできるだけ子どもの望む進路を叶えてあげたい」と考えるのであれば、計画的に教育費を準備しておく必要があります。
まずは、幼稚園から大学卒業までにどれくらいの教育資金が必要になるかを把握しておきましょう。
参考)幼稚園から大学卒業までに必要な教育資金
教育にかかる費用は、進学先が公立か私立かによって変わってきます。
仮に、幼稚園~高等学校まですべて公立に進学したとすると、子ども1人あたり平均約150万円程度かかります。
大学にかかる費用は平均で約677万円というデータがあるため、合計すると約827万円が必要です。
進学先によっても費用は異なりますが、親としては子どもの進路をできるだけ叶えてあげたいと考えるかもしれません。
教育ローンなどを利用する方法もありますが、自身の老後にも影響を与えないよう、あらかじめある程度の費用を準備しておきたいところです。
(参考:家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要|総務省統計局)
(参考:令和3年度子供の学習費調査|文部科学省)
(参考:令和3年度「教育費負担の実態調査結果」|日本政策金融公庫)
シングルマザーにおすすめの保険
シングルマザーが抱えているリスクについて考えてきました。
ここからは、備えたいリスク別におすすめの保険を解説していきます。
①病気やケガのリスクに備えたい場合
病気やケガによって入院が必要になる事態は、比較的若い世代でも起こりえます。
特に女性の場合、30代以降はがんのリスクも高くなります。
病気やケガによる治療費に備えたい場合は、医療保険やがん保険がおすすめです。
また、療養が長引き働けなくなるリスクには、就業不能保険で備えることができます。
それぞれ詳しくご紹介していきます。
医療保険
医療保険は、病気やケガで入院・手術をした際に給付金が受け取れる保険で、治療費負担に備えることができます。
主な保障は、入院日数に応じて受け取れる「日額保障」と、手術を受けた際に受け取れる「手術給付金」です。
近年は短期入院が増えているため、入院日数に関係なく受け取れる「入院一時金」も人気の保障となっています。
日本は公的医療保険制度が充実しているため、民間の医療保険は必要ないと考える人もいます。
しかし、高額療養費制度を利用したとしても、入院が長引くことで実際の負担額が高額になったり、公的医療保険制度対象外の費用がかかるケースもあります。
十分な貯蓄があり、入院費用などを支払っても、まったく家計に影響はないようであれば医療保険の必要性は低くなります。
しかし、家計に影響がありそうな場合は基本的な保障として医療保険に加入しておくのがおすすめです。
がん保険
がん保険は、文字通りがんに罹患した場合に保障される保険のことです。
がんは生涯で2人に1人が罹患するといわれている病気で、特に女性は30代から女性特有のがんのリスクが高くなります。
がん保険の主な保障は、がんと診断されたときにまとまったお金を受け取れる「診断一時金」と、がんによる薬剤治療を受けた月ごとに給付金を受け取れる「治療給付金」です。
「診断一時金」は、ある程度まとまったお金を診断時に受け取ることができるため、その後の治療費だけでなく収入の減少などにも充てることができます。
また、再発転移に備えるため、診断一時金は一度きりでなく複数回受け取れる保険商品が一般的になっています。
「治療給付金」は、抗がん剤などの薬剤治療を受けた月ごとに給付金を受け取れるため、長引くがん治療で懸念される経済的な負担に備えることができます。
そのため、診断一時金と治療給付金の2つの保障を組み合わせることで手厚いがん保障となります。
シンプルなプランで保険料を抑えたい場合は、診断一時金を優先させることでがん罹患時のさまざまな経済的負担に対応しやすくなります。
参考)傷病手当金
病気やケガが原因で働けなくなってしまった場合、会社員であれば「傷病手当金」を受け取ることができます。
傷病手当金は、連続した3日間の休業のあとの4日目から支給され、給与の約2/3が保障されます。
支給限度は通算1年6カ月です。
病気やケガによって仕事を休むことになっても、傷病手当金を受け取ることができるため、すぐに収入が途絶えてしまうわけではありません。
しかし、傷病手当金は給与が満額保障されるものではなく、公的年金や社会保険料の支払も免除されない点には注意が必要です。
また、傷病手当金は個人事業主やフリーランスの場合、受け取ることができません。
働けなくなってしまったときの備えについて、あらかじめ検討しておくのがおすすめです。
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就業不能保険
病気やケガで働けなくなってしまったときの経済的な負担をカバーできるのが、就業不能保険です。
入院もしくは医師から在宅療養を命じられている状態を保障対象とする商品が一般的で、回復するまで毎月給付金を受け取れる特徴があります。
中長期間働けなくなってしまったときのことを考えると、就業不能保険を準備しておくのがおすすめです。
就業不能保険を検討する際には、いくつか注意点があります。
まずは、免責期間です。
免責期間とは、保障対象外となる期間のことで、多くの就業不能保険では「給付金の支払条件に該当してから60日間」などと定められています。
就業不能状態になってすぐに給付金が受け取れるわけではないため、実際にどのような条件で給付金を受け取れるのかは加入時に確認をしておきましょう。
次に、精神疾患についてです。
就業不能保険では一般的に、精神疾患での入院のみを保障対象としています。
精神疾患で在宅療養のみをしている状態では給付金を受け取れないため、注意が必要です。
参考)母子世帯の生活保護の受給数
病気やケガが原因で働けなくなってしまったことで家庭が困窮してしまい、生活保護を受給することになった世帯もあります。
参考として、母子世帯の生活保護受給数を見ていきましょう。
令和5年度の厚生労働省の調査によると、生活保護を受給している母子世帯は6万5461世帯にのぼります。
働き手が1人しかいない母子世帯では、収入が減少してしまうと家計に大きな影響を及ぼします。
病気やケガで働けなくなるリスクに備え、就業不能保険を検討しておくと安心です。
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②万が一に備えたい場合
自分に万が一のことがあった場合、子どもにお金をのこしたいと考える人は多いでしょう。
死亡保障を準備できる保険にはいくつかの種類があり、ニーズに合ったものを選ぶ必要があります。
ここからは、死亡保障について詳しく解説していきます。
生命(死亡)保険
被保険者(保険の対象となる人)が亡くなってしまったとき、受取人に死亡保険金をのこすことができる保険のことを死亡保険といいます。
死亡保険には主に以下の3つの種類があります。
・定期保険
・養老保険
・終身保険
定期保険は、期間を定めた死亡保険で保険期間満了後は死亡保障もなくなります。
保険期間満了時に受け取れるお金はなく、いわゆる掛け捨てタイプの保険です。
子どもが小さい間など、一定期間大きな保障を持っておきたい人におすすめの保険です。
養老保険も定期保険と同様、期間を定めた死亡保険ですが、保険期間満了時に満期保険金を受け取れる特徴があります。
終身保険は、定期保険や養老保険とは異なり、死亡保障が一生涯続く保険です。
こちらも掛け捨てではなく、解約時には解約返戻金を受け取れます。
掛け捨てではないため、定期保険と比較した場合保険料が高くなる傾向にありますが、期間を定めず死亡保障を準備しておきたい人にはおすすめです。
収入保障保険
収入保障保険とは、定期保険の一種です。
一般的な定期保険が保険金を一括で受け取れるのに対し、収入保障保険は毎月給付金を受け取れます。
そのため、受け取れる保険金の総額は保険加入から年数が経つにつれて減少していきます。
一般的に、子どもが成長するにつれて必要な保障額は減少していくといわれています。
必要な保障額は子供の成長とともに変わるため、死亡保障を効率良く準備できる保険の1つといえるでしょう。
また、万が一のことがあった際にいつでも同じ額が受け取れる定期保険よりも、保障額が減少していく収入保障保険のほうが一般的に保険料は低廉になります。
近年では収入保障保険で死亡保障を準備しておく家庭も増えています。
参考)遺族年金
シングルマザーで母親に万が一のことがあった場合、条件に当てはまれば子どもが遺族年金を受け取ることができます。
母親が厚生年金に加入していた場合、子どもは遺族厚生年金と遺族基礎年金の両方を18歳の年度末(3月末)まで受け取ることができます。
しかし、のこされた子どもが父親(別れた夫など)と同居する場合、遺族基礎年金が停止される可能性もあるため注意しましょう。
また、遺族厚生年金の額は母親の収入をもとに決まります。
一般的に、母子世帯は父子世帯と比べて収入が低い傾向にあり、万が一の時に受け取れる遺族年金だけでは生活に困るケースもあります。
公的制度を理解したうえで、不足額を民間の保険でおぎなうようにしましょう。
③子どもの教育資金を保険で準備したい場合
母子世帯にとっては、子どもの教育資金の準備も大きな課題となります。
将来必要になる子どもの教育資金は、できるだけ効率よく準備したいものです。
ここからは、子どもの教育資金のために活用できる保険商品をご紹介していきます。
学資保険
学資保険とは、子どもの教育資金の準備を目的とした保険のことです。
保険期間中に支払った保険料が積み立てられていき、将来お祝い金や満期保険金として受け取ることができます。
また、保険期間中に契約者(親など)に万が一のことがあった場合、保険料の支払が免除され、満期時に予定通り保険金を受け取ることができるのも特徴です。
学資保険を検討する際は、支払う保険料の総額に対して満期保険金をどれくらい受け取ることができるのかを表す「返戻率」を確認しておく必要があります。
返戻率が100%を超えていれば、支払う保険料の総額よりも大きな金額を満期時に受け取ることができることになります。
商品によっては銀行に貯蓄しておくよりも利率が良い場合もある点に加え、自分自身に万が一のことがあったときも、予定通りの満期保険金が受け取れる点は、学資保険の大きなメリットです。
終身保険
終身保険の特徴である貯蓄性を利用して、子どものための教育資金を準備する人もいます。
終身保険は一生涯の死亡保障を用意できる生命保険ですが、途中で解約した場合は解約返戻金を受け取ることができるため、その解約返戻金を学資目的で利用することも可能です。
子どもの教育資金に対する備えも兼ねて終身保険を検討する場合、「保険料払込期間」に注意が必要です。
終身保険では、一生涯の死亡保障に対して何年間で保険料を支払い終えるかを決めることができます。
例えば、払込期間を15年とした場合、加入から15年間で保険料の支払いが終わり、その後は死亡保障が一生涯継続されることになります。
払込期間終了後から、解約返戻金が増加する特徴があります。
そのため、子どもの教育資金に解約返戻金を活用する予定がある場合、払込期間は子どもの成人前までに終わるよう設定しておくのが良いでしょう。
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参考)学費の支援・免除制度
子どもの教育資金が不足してしまう可能性がある場合、教育ローンや奨学金といった制度を利用することができます。
教育ローンは学生の保護者が利用することが一般的なのに対し、奨学金は学生本人を対象とした金銭的な支援制度です。
教育ローンは奨学金に比べて金利が高いため、まずは奨学金の利用を検討する人が多いでしょう。
奨学金には、「給付型」と「貸与型」の2種類があります。
給付型の奨学金には返済義務がありませんが、利用するためには世帯年収などの審査をクリアする必要があります。
一方、貸与型は大学卒業後から返済の義務が発生します。
奨学金を利用する人の多くが貸与型で、卒業後に働きながら奨学金を返していくことになります。
将来学生本人が返済していく必要があるため、借り入れる金額や返済計画について事前に考えておくことが大切です。
シングルマザーの死亡保障額はいくら必要?
自分に万が一のことがあったときの子どものための保障は、どれくらい準備しておくと安心なのでしょうか。
ここからは、シングルマザーにとって必要になる死亡保障の額について、詳しく解説していきます。
死亡保険の保障額の計算方法
死亡保険の保障額を決めるときには、「必要保障額積み上げ方式」で考えるのが良いでしょう。
必要保障額積み上げ方式とは、遺族のその後の生活費や必要資金の総額から、遺族年金や預貯金などの想定される収入を差し引き、その不足分を死亡保険の必要保障額とするものです。
STEP1:子どもが独立するまでの生活費
現在の生活費を基準とし、遺された子どもの生活費が年間どれくらい必要になるかを算出します。
STEP2:別途必要資金
生活費とは別に、まとまって必要になる資金を算出します。
例として、子どもの教育資金や住居費用、葬儀費用、その他の予備費などが挙げられます。
STEP3:収入見込み
遺族年金、死亡退職金、預貯金など期待できる収入を見積ります。
STEP4:必要保障額の算定
STEP3で算出した収入から、STEP1とSTEP2で算出した必要資金を差し引きます。
収入見込ー子どもが独立するまでの生活費+末別途必要資金=必要保障額
参考)シングルマザーが受けられる公的保障
シングルマザーなどのひとり親世帯は、働きながら子どもを育てていかなければならず、さまざまなリスクを抱えています。
そのため、そういったひとり親世帯を支援するための公的保障が整えられています。
ひとり親世帯が受けられる代表的な公的保障は以下のとおりです。
・児童扶養手当
・児童育成手当
・ひとり親家族等医療費助成制度
・ひとり親家庭住宅手当
これらはひとり親世帯を対象として補助金や手当金を受け取れる公的制度ですが、その他にも収入によっては税の減免を受けられるケースもあります。
どのような保障を受けることができるのか、事前に確認しておくことが大切です。
シングルマザーが最低限入っておくべき保険【年代別】
さまざまなリスクを抱えているシングルマザーですが、最低限どのような保険に加入しておくべきなのでしょうか。
ここからは、シングルマザーを含むひとり親世帯で検討しておくべき保険について、詳しく解説していきます。
20代~30代
20代~30代の比較的若い世代であれば、将来必要になる子どもの教育資金を準備しながら、自分自身に何かあったときに必要な保障を備えておく必要があるでしょう。
シングルマザーの場合、死亡保障はもちろん、病気やケガで突発的に治療費が必要になったり、働けなくなってしまって収入が減少してしまうような状況にも備えておく必要があります。
高額療養費制度や傷病手当などの公的保障を理解したうえで、不足分を医療保険や就業不能保険でカバーしておくのがおすすめです。
また、教育資金の準備方法としては、万が一の時にも保障がある学資保険や終身保険を活用するのがおすすめです。
保険を使って資産形成をしていれば、自分自身に万が一のことがあったとしても、子どものための教育費を確保することができます。
40代以降
40代以降は、自分自身の病気のリスクに注意が必要です。
特に女性の場合、乳がんなどの女性特有のがんのリスクが高くなってきます。
入院や手術にかかる費用だけでなくがんの通院治療にも備えられるよう、医療保険に加えてがん保険を用意しておくことをおすすめします。
一方、子どもが独立していれば、大きな死亡保障の必要性は低くなります。
子どもの成長に合わせて、死亡保障の見直しをしていきましょう。
また、年齢を重ねていくと自身の老後への備えも心配になるでしょう。
老後の資産形成を目的とした保険として、個人年金保険があります。
毎月の保険料が積み立てられていき、老後に年金形式で積立金を受け取ることができる保険商品です。
個人年金保険の中には、日本円だけでなく外貨や投資信託の仕組みを活用して運用ができるものもあります。
資産形成は一朝一夕にできるものではありません。
計画的に毎月コツコツと貯蓄しておくことが大切です。
毎月の保険料負担を抑える方法
さまざまなリスクに備えておく必要があるとはいえ、保険料は固定費です。
できるだけ保険料を抑えたいと考える人もいるでしょう。
適正な保険料は年収に比例します。
2022年度の生命保険文化センターによる調査では、年収100万円~300万円未満の女性の平均保険料は年間16.1万円ですが、年収が300万円~500万円未満の場合は年間21.2万円、年収500万円以上の場合は年間34.8万円となっており、年収が上がるほど負担している保険料の平均も高くなることがわかります。
一般的に、保険料の目安は収入の6~8%に抑えるのが良いとされています。
毎月の保険料が家計を圧迫しないよう、支払い続けられる範囲の額で保険を選ぶようにしましょう。
(参考:令和4年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター)
必要最低限の保障にする
保険料をできるだけ抑えるためには、今の自分に必要な保障を最低限準備することが大切です。
不安だからといってすべてのリスクに手厚い保障で備えていては、保険料負担が大きくなってしまうかもしれません。
まずは備えておくべきリスクに優先順位をつけ、それから保険選びをするようにしましょう。
また、子どもがすでに独立しているのに数千万円もの死亡保障を用意していたり、医療保障を重複して持っていたりすると、その分保険料を多く支払っていることになります。
自分のライフステージに合った保障になっているか、重複している保障はないかを定期的に確認することで、無駄のない保障選びができます。
定期保険にする
基本的に、保険料を抑えられるのはいわゆる「掛け捨てタイプ」の保険です。
特に子どもがまだ小さく大きな死亡保障を必要とする場合は、定期保険や収入保障保険などの掛け捨てタイプの保険を活用するのがおすすめです。
終身保険は貯蓄性があり保障も一生涯継続されるため、その分保険料が高くなる傾向にあります。
保険料を抑えつつ、子どもが独立するまでの死亡保障を用意したいようであれば、定期保険や収入保障保険のほうが適しているでしょう。
払込期間を長期間にする
保障が一生涯続く終身タイプの保険の場合、保険料の払い方を「終身払」にすることで、毎月の保険料を抑えることができます。
特に医療保険やがん保険は終身タイプの商品が多く、一生涯保険料を払い続ける「終身払」、特定の年齢で保険料の払込を終える「有期払」を選ぶことができます。
毎月の保険料を少しでも抑えたい人は、「終身払」にすることで月々の負担を軽減できます。
一方、長生きをするとその分保険料を払い続けなければならないため、「有期払」のほうが累計での保険料負担を抑えられる場合もあります。
予算に合わせて、保険料の払い方を検討しましょう。
複数の保険会社の商品を比較する
同じ保障内容であっても、保険会社によって保険料は異なります。
そのため、ひとつの保険会社ですべて決めてしまうのではなく、複数の保険会社を比較してみることで、より保険料を抑えられる場合もあります。
少し手間はかかりますが、保険料をできるだけ抑えたいのであれば複数社で比較をして最も保険料が低廉な商品を選ぶのが良いでしょう。
まとめ
今回は、シングルマザーにとって必要な保険やその選び方について解説してきました。
ひとり親世帯にとって、万が一のリスクや働けなくなってしまうリスクは非常に大きく、公的保障でまかなえない部分をカバーするための保険が必要になります。
とはいえ、自分ひとりで保険選びをするのは難しく、どの保険を優先したら良いかわからない人も多いでしょう。
ほけんのコスパでは、簡単な質問に答えるだけで自分にとって必要な保険を診断できる、「ほけん必要度診断」をおすすめしています。
家族構成や現在の状況に合わせて、どんな保障を優先すべきかの無料アドバイスをスマホで受けられます。
保険選びに迷ったときには活用してみてはいかがでしょうか。