「申し込もうと思った保険が無配当だけど損している?」「加入している保険の配当はいつもらえる?」と疑問に思っていませんか。
保険には、定期的に配当が発生する有配当保険と、配当なしの無配当保険があります。
配当がもらえるからといって一概にお得とは言えないため、配当だけをみて商品を決めない要注意です。
配当金が生まれる仕組みと保険選びのポイントについて詳しく解説します。
これから保険を検討する人も、今加入している保険の配当の仕組みについて知りたい人も、ぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
有配当保険と無配当保険の違いは、配当金の有無と保険料の水準の2点
配当金は運用益の分配ではなく、多めに集めた保険料の事後精算の意味合いが大きい
配当金は決算しだいで変動し、ゼロになる場合もある
目次
4-1.有配当保険のメリット
4-2.有配当保険のデメリット
4-3.配当金の4つの受取方法
5-1.無配当保険のメリット
5-2.無配当保険のデメリット
10-1.配当金はいつ受け取れますか?
10-2.無配当保険は保障内容が劣るのですか?
10-5.配当金を受け取ると税金はかかりますか?
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有配当保険と無配当保険の違いを一覧表で確認
有配当保険と無配当保険を分けるのは、配当金の有無と保険料の水準の2点です。
保障内容の手厚さとは基本的に関係ありません。
| 有配当保険 | 無配当保険 | |
| 配当金 | 剰余金が生じた場合に受け取れる | 受け取れない |
| 保険料の水準 | 高め | 低め |
| 受取額の見通し | 決算により変動する | 変動要素がない (外貨建や変額保険の場合は変動あり) |
| 販売チャネルの傾向 | 対面販売に多い | 非対面販売に多い |
保険料に差が出ることがあるのは、有配当保険の場合、配当として還元する分をあらかじめ保険料に織り込んでいるためです。
有配当保険は多めに集めて後から返す設計、無配当保険は最初から抑えて集める設計です。
どちらが優れているわけではなく、保険の仕組みの違いです。
配当の有無で保険は3タイプに分かれる
無配当保険か有配当保険かの2択ではなく、有配当保険はさらに2種類に分けられるため、全部で3種類の仕組みに分かれます。
生命保険は、配当金の分配がある有配当保険と、分配のない無配当保険に大別されます。
そのうえで有配当保険は、3利源配当タイプと利差配当タイプに分類されるという構造です。
- 3利源配当タイプ:保険料の計算に使う3つの予定率すべての差益を配当の原資とする
- 利差配当タイプ:運用による差益のみを配当の原資とする
- 無配当保険:配当の分配がなく、有配当保険より保険料が低く設定される
保険料の水準は、3利源配当タイプ、利差配当タイプ、無配当保険の順に低くなる傾向にあります。
パンフレットに「5年ごと利差配当付」と書かれた保険は、真ん中の利差配当タイプにあたります。
保険はペットネームと言われる商品名の部分と、正式名称の部分に分かれます。
正式名称を見れば、配当があるタイプか、配当はどのタイプかが分かるので、パンフレットや約款を確認してみましょう。
(参考:消費生活相談マニュアル 第6章 保険料と配当金|生命保険文化センター)
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そもそも配当金とは?保険料の「払いすぎ」を精算する仕組み
配当金は運用で増えた利益の分配ではありません。
あらかじめ多めに集めた保険料を、後から精算して返す性質のお金です。
保険料と、保険会社の利益の決め方を見てみましょう。
保険料を決める3つの予定率
保険料がどう決まるかを知ると、配当金の正体が見えてきます。
生命保険の保険料は、契約時に予定された3つの基礎率をもとに計算されます。
3つまとめて「予定率」と呼ばれる数値です。
| 予定率 | 内容 | 保険料への影響 |
| 予定死亡率 | 性別・年齢別の死亡者数の見込み | 高いほど保険料は上がる |
| 予定利率 | 保険料を運用して得られる利回りの見込み | 高いほど保険料は下がる |
| 予定事業費率 | 契約の締結や維持管理にかかる経費の見込み | 高いほど保険料は上がる |
すべてに「予定」とつくのは、契約の時点では何人が亡くなるか、運用でどれだけ収益が出るか、経費がいくらかかるかがわからないためです。
保険会社はある程度将来を予測して、保険料を決めています。
予定率は保険会社ごと、保険種類ごと、契約時期ごとに異なります。
同じ保障内容でも会社によって保険料が違う理由のひとつが、予定率の設定差にあります。
保険料を抑えられる商品がないかを調べたい場合は、ほけんのコスパの保険料シミュレーション機能を利用してみてください。
(参考:保険料の仕組み|生命保険文化センター)
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剰余金を生む3つの利源(死差益・利差益・費差益)
予測はあくまで予測に過ぎないため、実績とのズレが生じます。
ズレがプラス方向に発生した場合に生まれるのが、余剰金です。
剰余金の源泉は3つあり、まとめて「3利源」と呼ばれます。
- 死差益:予定していたより亡くなった人が少なく、保険金の支払いが想定を下回った場合
- 利差益:予定利率を上回る運用成果が出た場合
- 費差益:予定した経費より実際の経費が少なく済んだ場合
3つを通算した差益が剰余金となり、一部が内部留保に、一部が配当金として契約者に分配されます。
配当金は3利源の通算結果であり、運用成績だけで決まるものではありません。
保険会社によっては、毎年発行するディスクロージャー資料に3利源の損益を掲載しています。ただし公表は義務ではないため、掲載していない会社もあります。
(参考:配当金の仕組み|生命保険文化センター)
(参考:生命保険の基礎知識 STEP.7 保険料と配当金の仕組み|生命保険協会)
配当金は「必ずもらえる金額」ではない
有配当保険を検討するうえで、注意しておきたい点です。
設計書や提案書に配当金の金額が書かれていても、金額は保証されたものではありません。
直近の決算による配当率がそのまま続くと仮定して計算された試算値にすぎないため、決算の状況が変われば配当にも影響があります。
設計書やパンフレットなどには、「経済情勢等により変動し、0となる場合もあります」といった注記が添えられていることがあります。
実際に、契約時に提示されていた配当金の水準を下回るケースも少なくありません。
預貯金の利息とは異なり、配当金は決算結果しだいで変動します。
「配当金がいくらもらえるか」を前提に保険を選ぶと、想定が崩れるリスクを抱えることになります。
有配当保険を検討する場合は、設計書の配当金額を除いた金額で比較するのが良いでしょう。配当を除いても納得できる内容かどうかが、判断基準のひとつとなります。
(参考:消費生活相談マニュアル 第6章 保険料と配当金|生命保険文化センター)
共済の「割戻金」と配当は違う?
県民共済やコープ共済で受け取る割戻金も、剰余金を返す点では配当金と似た仕組みです。
ただし、根拠となる法律と組織の性格が異なります。
生命保険会社は保険業法と会社法にもとづいて事業を行います。
一方共済は、農業協同組合法や消費生活協同組合法など、協同組合ごとに定められた法律にもとづく事業です。保険業法は、協同組合が行う共済事業には適用されません。
ただし契約の中身については、保険法という法律が保険契約と共済契約の双方に適用されます。
告知、証券の交付、共済金・保険金の支払期限、契約の解除といった基本ルールは共通です。
加入者保護という点では、共済も保険も同じ枠組みで守られています。
割戻金は、協同組合の「事業利用分量配当」と同じ考え方にもとづくお金です。
組合員から受け取った費用が運営に必要な経費を上回って剰余金が生じたとき、いただき過ぎた部分を返すという趣旨で配分されます。
利益の分配ではないため、税務上も費用として扱われます。
有配当保険の配当金も、割戻金も、基本的な考え方は「払いすぎの精算」で共通しています。
名称が違うだけで、もらえる仕組みの本質は大きく変わりません。
(参考:共済Q&A|一般社団法人日本共済協会)

Q1
入院時の費用は?
有配当保険とは?メリットとデメリット
有配当保険は、剰余金が生じたときに配当金として還元される仕組みの保険です。
貯蓄性のある商品や、対面販売の商品に多く見られるタイプです。
有配当保険のメリット
有配当保険を選ぶ利点は、払い込んだ保険料の一部が戻ってくる可能性がある点です。
運用環境が好転したり、死亡率が想定より改善したりすれば、剰余金が発生します。
剰余金の一部は配当金として契約者に分配されます。配当金を積み立てておけば、将来の解約返戻金や満期保険金の上乗せとして機能します。
配当には、毎年または数年ごとに分配される通常配当のほかに、特別配当があります。
特別配当は長期継続契約に対して支払われるもので、死亡や満期によって契約が消滅するときなどに支払われます。
過去の通常配当で還元しきれなかった部分や、株式の売却益などが財源です。
長く続けた契約ほど、受け取れる可能性が高くなります。
金利が上昇する局面では、利差益が生まれやすくなります。
(参考:消費生活相談マニュアル 第6章 保険料と配当金|生命保険文化センター)
有配当保険のデメリット
見過ごされやすい弱点が3つあります。
第一に、同じ保障内容の無配当保険と比べて保険料が高く設定されている点です。
配当として返す原資をあらかじめ保険料に含めているため、その分保険料も割高になる傾向があります。
第二に、受取額が確定しないため資金計画を立てにくい点。
剰余金が生じなければ配当金はゼロになります。
第三に、設計書の記載額と実際の受取額に差が出るリスクです。
個人年金保険では、設計書に書かれた年金額のうち「増加年金」「増額年金」と呼ばれる部分が、配当金で買い増しされる部分にあたります。
配当金が低い水準で推移すると、実際に受け取れる年金額が設計書の記載を下回ります。
終身保険から年金保険へ移行するケースでも、積立配当金がわずかだったために年金額が想定を下回った事例が報告されています。
有配当保険を検討するときは、配当金を含まない保障額と解約返戻金だけを基準にすると、想定とのズレを防げます。
(参考:消費生活相談マニュアル 第6章 保険料と配当金|生命保険文化センター)
代HS-25-529-430(2026.2)
代HS-25-529-430(2026.2)
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年8月1日―2026年8月31日)
配当金の4つの受取方法
配当金の受け取り方は4種類あり、主に使われているのは積立です。
- 積立:保険会社に積み立て、所定の利息が付く。途中の引き出しも可能
- 買増:配当金を一時払の保険料として保障を買い増す
- 相殺:配当金と保険料を相殺し、保険料負担を軽くする
- 現金支払:分配のたびに現金で受け取る
積立を選んだ場合、満期や死亡のときには保険金と一緒に配当金を受け取ります。
個人年金保険では、積立配当金を年金原資に繰り入れて年金額を増やす扱いも可能です。
買増によって増えた保険金は「増加保険金」「増額年金」などと呼ばれます。
注意点として、保険種類によっては受取方法が積立のみで、変更できないケースがある点が挙げられます。
また個人年金保険料税制適格特約を付けた個人年金保険では、積立配当金を引き出せず、全額が年金原資に繰り入れられます。
積立配当金の引き出しには所定の書類の提出が必要ですが、インターネット経由で手続きできる保険会社も増えています。
積み立てた配当金があるか気になる人は、契約者専用サイトで残高を照会してみてください。
(参考:消費生活相談マニュアル 第6章 保険料と配当金|生命保険文化センター)
無配当保険とは?メリットとデメリット
無配当保険は、剰余金が生じても配当を分配しない設計の保険です。
掛け捨てタイプの商品を中心に、現在の主流となっています。
無配当保険のメリット
利点として挙げられるのは、保険料の水準です。
無配当保険は配当の分配がない仕組みで、その分有配当保険よりも保険料が低く設定されています。
近年は無配当の医療保険や終身保険も増えています。
もうひとつの利点は、比較検討のしやすさです。
配当という不確定要素が入らない分、保障内容と保険料だけで各社を横並びにできます。
同じ保障額で複数社の保険料を並べると、差額が年間で数万円になるケースもあります。
浮いた保険料を保障の上乗せに回すか、貯蓄に回すかは自由です。
同じ予算でより手厚い保障を確保できる点が、無配当保険を選ぶ実質的なメリットになります。
当サイトでは、保険料を抑えやすい無配当型保険を複数取り扱っています。
まずは年齢と性別で保険料をシミュレーションしてみましょう。
(参考:消費生活相談マニュアル 第6章 保険料と配当金|生命保険文化センター)
無配当保険のデメリット
弱点として挙がるのは、還元の機会がない点です。
運用環境が好転しても、契約者への還元は行われません。
金利が上昇する局面では、有配当タイプとの差が意識される場面もあります。
ただし、還元がないことは必ずしも損であるとは限りません。
予定利率は保険料の計算にあらかじめ織り込まれ、予定利率の分だけ保険料が割り引かれています。
配当がゼロであっても、運用収益が契約者に全く還元されていないわけではない、という点は押さえておきたいところです。
なお、解約返戻金があるかどうかは配当区分ではなく商品の設計で決まります。
無配当の終身保険や養老保険には解約返戻金や満期保険金があり、掛け捨てタイプの定期保険や医療保険にはほとんどありません。
貯蓄性を求める場合は、配当の有無ではなく解約返戻金の水準を確認してください。
貯蓄と保障を分けて考えるなら、保障は無配当保険で確保し、貯蓄は別の手段で行う組み立て方も選択肢です。
(参考:消費生活相談マニュアル 第6章 保険料と配当金|生命保険文化センター)
代HS-24-275-430(2024.11)
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当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年8月1日―2026年8月31日)
利差配当タイプ(5年ごと利差配当付)とは?
利差配当タイプは、3利源のうち運用による差益だけを配当の原資とする仕組みです。
有配当と無配当の中間に位置づけられます。
3利源配当タイプが死差益・利差益・費差益をすべて通算するのに対し、利差配当タイプは予定利率と実際の運用成果との差だけを対象とします。
毎年の損益を一定年数ごとに通算し、剰余が生じた場合に配当金として分配する流れです。
主流は「5年ごと利差配当型」で、5年ごとに通算して分配されます。
保険会社によっては「3年ごと利差配当型」を取り扱うケースもあります。
分配が始まるのは、通常、契約後6年目の契約応当日からです。以降は5年ごとに支払われます。
保険料の水準は、3利源配当タイプより低く、無配当保険より高い傾向にあります。
終身保険や個人年金保険といった貯蓄性のある商品で取り入れられていることが多く、保険証券に「5年ごと利差配当付終身保険」と記載されていれば該当します。
利差配当タイプが向いている人・向いていない人
利差配当タイプは、金利環境の変化を受け取りに反映させたい人に適しています。
向いているのは、20年、30年と長期で保有する前提の人です。
運用期間が長いほど、金利上昇による利差益が積み上がる可能性があります。
終身保険や個人年金保険を老後資金の一部として検討している場合、候補の一つになります。
向いていないのは、保険料負担を抑えることを最優先する人です。
有配当タイプは無配当タイプと比べて、保険料が割高になる傾向にあります。
また利差配当は5年ごとの分配であるため、受け取りの実感を得るまでに時間がかかります。
契約から6年目まで配当は発生しません。
保障期間が10年、20年と区切られる定期保険や収入保障保険では、そもそも利差配当タイプの選択肢がほとんどありません。
保障目的の保険を探している段階では、検討対象に上がってこないタイプと考えて良いでしょう。
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「有配当のほうがお得」とは限らない3つの理由
有配当のほうが感覚的にお得に思えますが、必ずしもそうとは言い切れません。
有配当保険の仕組みをもとに考えていきましょう。
理由1:配当を出す前提で保険料が高く設定されている
配当金は、何もないところから生まれるお金ではありません。
生命保険は「収支相等の原則」にもとづいて設計されています。
保険料の総額と保険金の総額が一致するように計算する原則です。
有配当保険では、配当として還元する分を含んだ水準で保険料が設定されます。
つまり、受け取る配当金の原資は自分が多めに払い込んだ保険料です。
配当金の有無だけで保険を比べるのではなく、払込総額と受取総額の関係で比べることが大切です。
(参考:消費生活相談マニュアル 第6章 保険料と配当金|生命保険文化センター)
理由2:配当金は約束された金額ではない
保険選びの前提として、配当金の金額は確定していない点を押さえておく必要があります。
配当金は毎年の決算結果によって変動します。
剰余金が生じなかった年は、配当金がゼロになります。
契約時に受取総額を確定できないため、そもそも比較材料として使いにくいのが現状です。
予定利率の高い契約では、配当金の分配がない年が続く場合があります。
予定した運用収益を実際の収益が下回る「逆ざや」が発生すると、配当予想を下回る可能性があるため注意が必要です。
配当を含めた設計書の数値は、あくまでも試算値で、将来の支払いを保証するものではありません。
(参考:消費生活相談マニュアル 第6章 保険料と配当金|生命保険文化センター)
理由3:生命保険料控除は配当金を差し引いて計算する
税制上の取り扱いにも、違いが出ます。
生命保険料控除で使う「支払保険料等」とは、1年間に支払った金額から、同じ年に受けた剰余金や割戻金を差し引いた残額を指します。
主契約と特約がある契約では、主契約と特約それぞれの支払保険料等の比に応じて剰余金の分配額を按分し、各保険料から差し引く扱いです。
配当金を受け取った年は、控除の対象となる金額が目減りします。
手元に入ってくるお金は増えますが、その分税制上の優遇枠は削られる、という関係になります。
また2026年(令和8年)分については、押さえておきたい変更があります。
年齢23歳未満の扶養親族がいる場合、新生命保険料に係る一般生命保険料控除の適用限度額が4万円から6万円へ引き上げられる特例が実施されます。
給与所得者の保険料控除申告書にも、23歳未満の扶養親族の有無を判定する欄が新設されます。
ただし注意点が2つあります。
拡充されるのは一般生命保険料控除の枠だけで、介護医療保険料控除と個人年金保険料控除は各4万円のままです。
そして3区分を合計した上限12万円は据え置きです。
「子どもがいれば合計14万円になる」というわけではないため注意しましょう。
(参考:No.1140 生命保険料控除|国税庁)
(参考:令和8年分 年末調整のしかた|国税庁)
検討中・契約中の保険が有配当か無配当かを確認する方法
自分の保険がどちらのタイプかは、手元の書類ですぐに確認できます。
保険を新規で検討中の場合と、既契約の場合でそれぞれ確認方法を見ていきましょう。
これから加入する場合:商品名と設計書の確認ポイント
配当区分は、商品名に明示されているのが一般的です。
ただし、保険の愛称であるペットネームではなく、正式名称の部分を確認する必要があります。
パンフレットや設計書に、「無配当」「5年ごと利差配当付」といった表記があるか確認してみましょう。
配当付という文言が無ければ、基本的に無配当であると理解して問題ありません。
すでに契約している場合:保険証券とマイページの確認ポイント
契約中の保険の確認方法は、主に3つあります。
最初に確認したいのは、保険証券の商品名欄です。
「5年ごと利差配当付」などの記載があれば有配当タイプにあたります。
証券が見当たらない場合は、契約者専用のWEBサービスで契約内容を照会できます。
保険会社からの通知も判断材料になります。
有配当保険では、配当金の有無と金額が保険会社から通知されるのが一般的です。
通知の形式と時期は、保険会社や保険料の払込方法によって異なります。
積立配当金のお知らせが届いているなら、有配当タイプの契約を持っていることになります。
インターネットでの残高照会に対応している保険会社も増えています。
契約者専用サイトから積立配当金の残高を確認でき、引き出し手続きまでオンラインで完結する会社もあります。
積立配当金は原則としていつでも全額または一部を引き出せます。
ただし個人年金保険料税制適格特約を付けた契約では引き出せません。見直しを検討する前に、まず積立配当金の残高を確認しておくと良いでしょう。
【注意】相互会社だから有配当とは限らない
保険会社には、よく耳にする「株式会社」と、契約者が社員となる「相互会社」があります。
相互会社では「社員配当金」として社員である契約者に、株式会社では「契約者配当金」として契約者に還元される仕組みになっています。
株式会社の場合、契約者配当のほかに株主への配当も行われます。
相互会社では、剰余金の分配方法を定款に記載するよう保険業法で定められています。
株式会社についても、契約者配当を行う場合の基準が保険業法および施行規則で定められています。
株式会社であっても契約者配当の仕組みは制度として存在します。
つまり、株式会社の保険会社が販売する商品にも有配当タイプはありますし、相互会社が販売する商品にも無配当タイプはあります。
会社形態から配当区分を推測せず、商品名で確認することが大切です。
有配当か無配当かは「選ぶ」ものではない|実際の保険選びで見るべきこと
有配当か無配当かだけで保険商品を選ぶのはおすすめしません。
ここからは、保険選びのポイントをご紹介します。
商品タイプ別・配当区分の対応表
「有配当の医療保険に入りたい」という選び方は、近年では難しくなっています。
単体で販売されている掛け捨て型の医療保険やがん保険は、無配当タイプがほとんどです。
ただし、主契約に特約を組み合わせたパッケージ型の商品では話が変わります。
有配当の終身保険を主契約として、入院特約や医療特約を付ける設計であれば、医療保障を持ちながら配当を受け取る形になります。
日本社の対面販売の商品や、過去に契約した商品によく見られる仕組みです。
主な商品タイプと、配当区分の傾向は次のとおりです。
| 商品タイプ | 配当区分の傾向 |
| 医療保険・がん保険(単品) | 無配当がほとんど |
| 定期保険・収入保障保険(単品) | 無配当がほとんど |
| 終身保険 | 無配当と利差配当付の両方が存在 |
| 個人年金保険 | 利差配当付が多い |
| 養老保険 | 有配当・無配当の両方が存在 |
WEBで申し込める保障重視の保険がほとんど無配当である理由
インターネットで申し込める保険に無配当タイプが集中しているのには、販売コストの構造が背景にあります。
生命保険は、対面で加入する人が今でも多い状況です。
2025年の調査によると、直近加入した契約の加入チャネルを問う質問に、営業職員と回答した人が45.2%と最も高い結果となりました。
営業職員による対面販売には人件費がかかり、予定事業費率に反映されます。
一方、WEB完結型の商品は募集にかかる経費を抑えた設計です。
予定事業費率を低く設定できるため、配当として返す原資を保険料に上乗せせず、最初から低い保険料で提供する形をとっています。
保険料が安いのは、保障内容を削っているからではなく、販売にかかる経費構造が違うためです。
「無配当」の3文字を見て不安になる必要はありません。あくまでも保障内容や保険料を基準として比較するのが良いでしょう。
(参考:2025(令和7)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター)
代HS-24-275-430(2024.11)
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当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年8月1日―2026年8月31日)
本当に比較すべきなのは「同じ保障内容での保険料」
配当の有無を軸に保険商品を比較するのはおすすめできません。
配当は保障の手厚さとは関係しない部分です。
実際に保険を比較するときのポイントは次のとおりです。
- 保障額をそろえる(死亡保障なら金額、医療保障なら入院日額と一時金の額)
- 保障期間をそろえる(10年更新か全期間か、終身か)
- 保障範囲をそろえる(支払いの対象となる状態、免責期間の有無)
- そのうえで月々の保険料を並べる
3つの条件をそろえずに保険料だけを見ると、安いほうが保障も薄いという当然の結果を「お得」と誤認してしまいます。
掛け捨てタイプなら払込総額で、貯蓄タイプなら払込総額と解約返戻金の関係で比べましょう。
条件をそろえた比較は、手作業では手間がかかります。
比較サイトの保険料一括シミュレーション機能を使うと、同じような条件で複数社の保険料を調べることができます。
貯蓄目的の場合だけ、配当区分が比較材料になることがある
例外的に配当区分が判断に関わるのは、貯蓄性のある商品を検討するときです。
同じ保険会社の終身保険で、利差配当付と無配当の両方が用意されているケースがあります。
ただし配当の有無を直接判断材料にするのではなく、払込総額に対する解約返戻金の水準を比べることが大切です。
配当金は変動して確定しないのに対し、解約返戻金は契約時に金額が示されます。
ドル建ての終身保険であっても、ドルベースでの解約返戻金は決まっていることが多くなっています。
もうひとつの注意点が予定利率です。
生命保険の予定利率は、一部の保険種類を除き、契約時の利率が保険期間の満了まで適用されます。
契約した時期によって条件が固定される仕組みのため、古い契約ほど有利な予定利率であることも珍しくありません。
貯蓄目的で新規に検討する場合は、配当区分を脇に置き、払込総額・解約返戻金・保障額の3点で並べるのが良いでしょう。
有配当保険・無配当保険に関するよくある質問
配当金をめぐって寄せられることの多い疑問を、5つまとめました。
保険選びの参考にしてください。
Q. 配当金はいつ受け取れますか?
A. タイプによって受取開始時期が異なります。
3利源配当タイプの「毎年配当型」では、通常、契約後3年目の契約応当日から毎年分配されます。
決算で剰余が割り当てられ、契約応当日に支払われる流れです。
利差配当タイプの「5年ごと利差配当型」では、契約後6年目の契約応当日から5年ごとに分配されます。
いずれの場合も、剰余金が生じなかった年は配当金が発生しません。
契約から数年間は配当がないことを、あらかじめ押さえておきましょう。
Q. 無配当保険は保障内容が劣るのですか?
A. 配当区分と保障内容の充実度は無関係です。
保障範囲や給付条件は、商品ごとの設計で決まります。
配当の有無は、剰余金を還元するかどうかという別の軸の話です。
無配当の医療保険でも、付加できる特約が充実していたり、最新の先進医療や自由診療に対応できるものもあります。
比較するべき項目は、支払いの対象となる状態、入院給付金や一時金の額、免責期間といった保障の中身です。
設計書の「無配当」という表記だけで、保障が手薄だと判断する必要はありません。
Q. 今から有配当保険に加入することはできますか?
A. 加入できます。ただし商品の選択肢は限られます。
有配当タイプが用意されているのは、終身保険、養老保険、個人年金保険といった貯蓄性のある商品が中心です。
単体の医療保険や収入保障保険で有配当タイプを見つけるのは難しくなっています。またWEB完結型の商品では、有配当タイプの取り扱いがほとんどありません。
Q. 契約中の有配当保険を無配当保険に変更できますか?
A. 契約後に配当区分だけを変更することはできないのが一般的です。
変更したい場合は、新規加入と既契約の解約という手続きになります。
ただし、乗り換え時には注意が必要です。
生命保険の予定利率は、一部の保険種類を除き、契約時の利率が保険期間満了まで適用されます。
予定利率が高い時期に契約した終身保険や個人年金保険は、いわゆるお宝保険であるかもしれません。保険証券で契約年月日と予定利率を確認してください。
Q. 配当金を受け取ると税金はかかりますか?
A. 受け取り方によって扱いが分かれます。
保険期間中に受け取る配当金は、支払保険料から差し引く扱いとなり、課税されません。
一方、保険金や解約返戻金と一緒に受け取る配当金は、保険金等に含めて課税対象となります。
また、満期保険金等を一時金で受け取る場合は一時所得扱いです。
受け取った総額から払い込んだ保険料を差し引き、さらに特別控除50万円を差し引いた金額の2分の1が課税対象になります。
なお、解約一時金とともに、または解約一時金の支払いを受けた後に受け取る剰余金の分配は、一時所得の収入金額に算入するため、支払保険料から差し引く必要はありません。
(参考:No.1140 生命保険料控除Q&A|国税庁)
(参考:No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき|国税庁)
まとめ:違いを理解すれば、自分に合うタイプは自分で選べる
無配当保険だからといって、損をしているわけでも、保障が手薄なわけでもありません。
配当を無くしている分、保険料を抑えられるケースも多く見られます。
配当だけで商品選びをするのではなく、保障範囲、毎月の保険料、保険期間など、中身で比べることが大切です。
ほけんのコスパでは、無配当型で保険料を抑えられる商品を複数掲載しています。
まずは年齢と性別で保険料をシミュレーションしてみましょう。
FP橋本
有配当保険は、過去に加入した保険や日本の大手生命保険会社のパッケージプランに多いタイプです。
私自身も、お客様の保険見直しにおいて、有配当タイプの証券をいくつも拝見しました。
しかし、配当を理由に保険商品を選ぶ方は多くありません。
それよりも、毎月の保険料や保障内容を重視する方がほとんどを占めていました。
もちろん、個人年金や終身保険などの貯蓄性がある商品であれば、配当を加味して実際の返戻率を比較することもあります。
ただし配当は確実に受け取れるものではないので、注意が必要です。





















