「もしも精神疾患などが原因で万が一のことがあったら保険はおりる?」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
中には、親族が自殺によって亡くなり、生命保険の請求ができるのか知りたい人もいるかもしれません。
結論、契約から一定期間(免責期間)が経過していれば、保険金が支払われるケースが一般的です。
今回は、自殺が原因で亡くなった場合に保険金は支払われるのか、免責となるのは具体的にどんなケースかを保険のプロが解説します。
この記事を読んでわかること
契約から3年以内の自殺は保険金が支払われない可能性がある
3年以内であっても精神疾患による自殺は保障対象となる場合や、逆に3年経過していても犯罪行為があった場合保障されないこともある
死亡保険は万が一の時家族の支えになるもの。契約状況は家族間で共有しておきましょう
目次
生命保険における「自殺免責」の基本ルール
多くの生命保険(死亡保険)では、自殺による死亡が発生した際に保険金が支払われるかどうかを「自殺免責」のルールに基づいて判断します。
保険加入時から1~3年の免責期間を定めているものが多く、その期間中に自殺が発生した場合、基本的に保険金は支払われません。
逆に、免責期間を超えていれば自殺でも保険金が支払われることになります。
多くの保険会社が自殺免責を定めているのには理由があります。
例えば、多額の債務を抱えている人が自殺して保険金を受け取ることを前提に、生命保険に加入することが増加すると、保険会社の経営バランスは崩れてしまいます。
ほかの契約者との不平等も発生するため、保険金目的の加入(モラルリスク)を防止するために、死亡保険には自殺免責が定められています。
保険料 見積シミュレーション
人気の商品をカンタン比較
自殺でも保険金が支払われる2つのケース
保険法の中には、自殺による死亡の場合保険金は支払う必要がない、と表記されています。
しかし、実際には保険会社ごとにルールが定められており、亡くなった原因が自殺だったとしても、加入している生命保険から保険金が支払われるケースがあります。
具体的に見ていきましょう。
自殺免責期間が過ぎている場合
冒頭に述べた通り、免責期間が過ぎてからの自殺であれば、基本的に死亡保険金は支払われます。
免責期間は3年と定められていることが多いですが、中には1年に短縮されている商品もあります。
自殺を前提に保険に加入することは絶対にあってはいけませんが、保険加入後に精神疾患を抱えるなどの事情があり、免責期間経過後に万が一のことがあった場合、遺族は保険金を請求することができます。
万が一のことがあったら、まずは加入中の保険の約款等で免責期間を確認し、加入時期と照らし合わせてみるのが良いでしょう。もちろん、普段から加入している保険の内容について家族に共有しておくこともとても大切です。
精神疾患が原因で判断能力がないと判断された場合
精神疾患による意思決定能力の喪失から自殺が起こったと判断された場合、免責期間中であっても保険金が支払われるケースがあります。
ただし、加入時点では健康で告知内容に問題がないことや、違法薬物使用等の犯罪行為が無いことが前提となります。
「保険加入時に保険金目的ではなかったこと」「保険金目的の自殺ではないこと」を確認できれば、保険金を支払うと定めている保険会社もあります。
規定は保険会社によって異なるため、詳細は約款を確認するか、保険会社に直接問い合わせてみるのがおすすめです。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2025年11月1日―2025年11月30日)
自殺が原因で保険金が支払われない4つのケース
反対に、自殺が原因で保険金が支払われないケースもあります。
詳しく見ていきましょう。
契約から3年以内の計画的自殺
一般的に、死亡保険では契約から3年間の自殺免責が定められています。
そのため、契約から3年以内に計画的に自殺を行った場合、死亡保険金が支払われないことがほとんどです。
ただし、免責期間中であっても精神疾患が理由で自殺に至ったと証明された場合、保険金を支払うと定めている保険会社もあります。
免責期間中の自殺については各保険会社ごとに取り扱いが異なるため、約款等で確認しておくとよいでしょう。
保険金目的での故意の死亡
自殺免責の期間を過ぎていても、保険金目的での故意の死亡であることが分かった場合、保険金が支払われないケースもあります。
特に保険金額が大きい契約の場合、保険会社は保険金を支払って良いかを判断するために調査を行うことがあります。
被保険者の生前の医療機関受診記録や、警察の捜査結果等から、計画的な自殺であることが分かった場合は保険金が支払われない可能性があります。
保険会社によって規定が異なるため、詳細は約款で免責事項について確認しておくのがおすすめです。
参考)自殺免責に関する最高裁判例
自殺免責に関して、いくつかの裁判例があります。
例えば、平成16年の判例では、免責期間経過後の自殺による死亡について、犯罪行為等が介在しないことや独断の事情がない限り、保険金目的の自殺であっても免責の対象とはしない(保険金の支払い対象となる)と認められています。
この判例では「犯罪行為等が介在しないこと」が条件として挙げられており、他のケースでは被保険者に自殺を執拗に強要するなどの自殺教唆があった場合、免責とする(保険金を支払わなくてよい)との判断がされています。
自殺時に保険金が支払われるかはケースバイケースですが、「免責期間中か」に加えて「犯罪行為があったか」がポイントになるようです。[object Object]
契約者・受取人による教唆・幇助
死亡保険の約款には、免責事項に「契約者や受取人の故意によって死亡した場合」と記載されていることが一般的です。
例えば、死亡保険受取人が保険金を受け取ることを目的に、被保険者に自殺を強要することは場合によっては犯罪行為となります。
また、実際に自殺を手伝う行為も自殺幇助として罪に問われる可能性があります。
故意に被保険者を自殺に追いやった場合は、免責事項として生命保険の保険金は支払われません。
虚偽の告知による契約無効
保険加入時には、健康状態等を保険会社に告知する必要があります。
告知の際、精神疾患を隠して保険に加入するなど、重大な違反があった場合は保険金が支払われない可能性があります。
告知時にはありのままを正しく告知する義務(告知義務)が被保険者に発生します。
その義務に違反した場合、保険会社は保険金の支払いを拒否したり、契約を解除することができると定められています。
保険会社は、健康保険の利用歴や医療機関への調査で、告知時に違反があったかを調査することがあります。
告知義務違反があった場合、保険会社の調査で発覚する可能性が高いため、注意が必要です。
関連記事
家族が自殺で亡くなった場合の保険金請求手続き
突然の出来事で、遺族の立場になってしまった人もいるでしょう。
精神的にも肉体的にも負担が大きい中、死亡保険の請求はどうすれば良いか悩むかもしれません。
ここからは、家族に万が一のことがあったときの保険金請求手続きについて解説します。
保険金請求に必要な書類
死亡保険の請求時に用意する必要がある書類は、主に次のとおりです。
- 保険証券
- 死亡診断書(死体検案書)
- 受傷状況報告書(自殺の場合必要になるケースがある)
- 被保険者の住民票
- 保険金受取人の本人確認書類(戸籍謄本など)
- 保険金受取口座の情報が分かるもの(通帳またはキャッシュカード)
死亡診断書は、医師による死亡確認後に医療機関から受け取れるケースが一般的です。
受け取ったら、必ずコピーを取っておきましょう。
死亡届を役所に提出する際、合わせて死亡診断書も提出が必要になります。
原本は手元に残らないため、事前にコピーしておくことでその後の保険金請求がスムーズになります。
保険金請求の流れ
まず、加入している生命保険会社に保険金請求をしたい旨を連絡します。
証券番号を尋ねられるため、保険証券が手元にある状態で連絡すると良いでしょう。
その他、亡くなった方の名前や生年月日、亡くなった日、亡くなった原因等も尋ねられることがあるので準備しておきましょう。
保険金請求の連絡をしたら、その後保険会社から必要書類が送られてきます。
請求手続きの案内も同封されているので、まずは内容をしっかり確認しましょう。
保険会社所定の請求書を記入し、その他の必要書類を同封して保険会社に送り返すことが一般的です。
保険会社が書類を受領してから、1~2週間程度の審査期間があります。
審査上問題がなければ、指定口座に保険金が振り込まれます。
Q.保険金が支払われるまでにはどれくらいかかる?
A.ケースバイケースですが、審査がスムーズに行われた場合は5営業日以内の支払いと定めている保険会社が多いです。
死亡保険金は、遺族がその後の生活を立て直すためにすぐに必要なお金です。
葬儀費用でまとまった出費があり、早く保険金を受け取りたい人もいるでしょう。
そのため、保険会社としては請求があってからできるだけ早く受取人に保険金を届けるため、請求書類が届いてから5営業日以内に支払いをすると定めていることが一般的です。
ただし自殺が原因で亡くなった場合、保険会社の調査に時間を要することがあり、保険金支払いが遅れることも考えられます。
後悔しない保険選びのポイント
死亡保険は、万が一のことがあったときに遺族を支えるための大切な保険です。
もしもの時に後悔しないよう、自分に合った保険を選ぶことがとても重要です。
ここからは、後悔しない死亡保険選びのポイントを保険のプロが紹介します。
自殺免責期間を契約時に確認する
自殺することを前提に死亡保険に加入する人はいないでしょう。
しかし、念のため免責事項や免責期間について確認しておくことは大切です。
自殺免責の期間は保険会社によって異なる場合があります。また免責期間後の自殺についての取り扱いも、会社によってさまざまです。
自殺以外にも、犯罪行為や薬物使用、飲酒による事故での死亡は保障されないと定められている場合もあります。
保険加入時には、約款に記載されている免責事項について確認しておくようにしましょう。
万が一の事態を想定して保険金額を設定する
万が一のことがあったとき、遺族がその後生活していくためにどれくらいのお金が必要か、葬儀のためにいくら残しておきたいか、しっかりシミュレーションしたうえで保険金額を設定することが大切です。
毎月の保険料だけを見て保険金額を決めてしまうと、いざというときに遺族に経済的負担がかかるかもしれません。
「必要な期間」「必要な保障」をしっかり確保できるよう、家族と相談しながら適切な保険金額を決めましょう。小さな子どもがいる家庭の場合、国から受け取れる遺族年金もふまえて、不足額を保険でまかなうように意識すると良いでしょう。
関連記事
保険加入後は家族に契約情報を伝えておく
保険加入後は、必ず家族に契約情報や保険金請求時の連絡先を伝えておきましょう。
死亡保険の場合、保険金請求をするのはのこされた家族です。
少しでも家族に負担をかけないよう、保険証券をファイリングし保管場所を共有しておくなど、健康なうちに準備しておくことが大切です。
保険料 見積シミュレーション
人気の商品をカンタン比較
一人で悩みを抱えている場合は公的な相談窓口へ
日本では毎年2万人を超える方が自ら命を絶っており、非常に深刻な社会問題となっています。
自殺を選んでしまう背景には、経済的困窮や精神的な問題、家庭内の問題など様々な原因があります。
悩みを誰にも相談できないことでさらに自分自身を追い詰めてしまうケースも少なくありません。
「自ら命を断つことを考えてしまう」「家族が自殺で亡くなってしまった」など、悩みを抱えている人は、だれでも利用できる公的な相談窓口に相談してください。
「いのちの電話」や厚生労働省主導の「こころの健康相談統一ダイヤル」、地方自治体が運営するカウンセリングサービスなど、プライバシーを守りながら無料で相談できるサービスがあります。
こころの健康相談統一ダイヤル
0570-064-556
(参考:自殺対策の概要|厚生労働省)
(参考:警察庁自殺統計原票データ|警察庁)
生命保険の保険金支払いに関するよくある質問
ここからは、生命保険の保険金支払いに関するよくある質問に、保険のプロがわかりやすく回答していきます。
生命保険の自殺免責期間は全ての保険会社で3年ですか?
A.自殺免責期間は3年と定めている保険会社が一般的ですが、中には1年など短い期間になっている場合もあります。
加入中の保険の自殺免責期間については、重要事項説明書や約款に記載されています。
免責事項と合わせて確認しておくと良いでしょう。
契約から3年経過していれば必ず保険金は支払われますか?
A.免責期間を過ぎていても、計画的な自殺や犯罪行為が関係している場合は保険金が支払われない可能性があります。
例えば、保険金目的で契約者や受取人が被保険者に自殺を強要した場合や、違法薬物などの影響下での自殺など、犯罪行為が関係しているケースでは保険金が支払われない可能性が高くなります。
犯罪行為が無く、免責期間が過ぎてからの保険金目的の自殺の場合は、保険金が支払われるケースもあります。
いずれにせよ保険金が支払われるかはケースバイケースになるため、前提としての免責事項を確認しておくのが良いでしょう。
精神的な病気が原因の自殺でも免責期間は適用されますか?
A.一部の保険会社では、精神疾患が原因で自殺したと証明されてた場合、免責期間内であっても保険金を支払うと定めている場合があります。
基本的に免責期間中の自殺は保障対象外となります。
ただし、一部の保険会社では精神疾患による自殺には免責を適用しないと定めていることがあります。
念のため、加入している保険商品の約款を確認しておくようにしましょう。
自殺による死亡の場合、保険金以外に何か返還されますか?
A.免責に該当するなどの理由で保険金を受け取れない場合でも、解約返戻金が支払われるケースがあります。
貯蓄性のある死亡保険に加入していた場合は、契約期間中に支払った保険料の一部が戻ってくる可能性があります。
ただし、保険種類や契約内容によって金額は異なるため、詳細は保険会社に確認する必要があります。また、保険会社によっては免責に該当して保険金が支払われなかった場合、解約返戻金も支払い対象外とする場合もあります。
事前に契約内容についてはしっかり確認しておくことが大切です。
生命保険の自殺免責について契約時に必ず説明されますか?
A.生命保険の自殺免責については、取扱者が契約時に顧客へ説明をすることが義務付けられています。
しかし、契約時の説明を一度受けたからといって、正確な内容をずっと覚えていられるわけではないでしょう。
契約中に気になることがある場合は、約款を確認したり保険会社に直接問い合わせることがおすすめです。また、契約時に疑問に思ったことは遠慮なく取扱者(担当者)に質問しましょう。
まとめ
今回は、自殺の場合に生命保険が支払われるのか、詳しく解説してきました。
ほとんどの保険で、契約から3年間の自殺免責が定められています。
3年以内に自殺で亡くなった場合、保険金が支払われない可能性があります。
また、免責期間を超えていても、犯罪行為が関係している場合は保険会社から保険金支払いを拒否されるケースもあります。
もし、家族が自ら命を断ってしまった場合には、冷静に保険金請求手続きを進める必要があります。
精神的につらいときは、公的な相談窓口を頼りましょう。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2025年11月1日―2025年11月30日)
























.jpg&w=3840&q=75)








