個人年金の一括受取にメリットはある?年金受取との違い・税金・損しない選び方を解説

個人年金の一括受取にメリットはある?年金受取との違い・税金・損しない選び方を解説

(最終更新日:)

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橋本 優理

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高橋 明香

「個人年金の受取は一括と分割どちらがいい?」「一括で受け取ると税金面で不利?」

個人年金が満期を迎えた後の受け取り方に迷っていませんか。

一括受取には「まとまった資金を自由に使える」という魅力がある一方、税金や受取総額の面では年金受取のほうが有利になるケースもあります。

本記事では、一括受取と年金受取のメリットデメリット、税金の計算方法を詳しく解説します。

すでに満期を間近に迎えている人も、今後個人年金保険の加入を検討している人も、ぜひ参考にしてください。

この記事を読んでわかること

  • 一括受取のメリットはまとまったお金を自由に使え、一時所得の特別控除があること

  • 受取総額は年金受取のほうが大きくなる

  • 契約者と被保険者の関係によって税金の種類が変わるため要注意

目次

  1. 1.一括受取のメリットは「まとまった資金と自由度」税金・総額では年金受取が有利なことも

  2. 2.個人年金の受取方法は2種類|一括受取と年金受取の違い

    1. 2-1.一括受取・年金受取それぞれの仕組み

    2. 2-2.受取総額は年金受取のほうが多くなりやすい理由

  3. 3.個人年金を一括受取する5つのメリット

  4. 4.個人年金を一括受取する4つのデメリット・注意点

  5. 5.個人年金の一括受取にかかる税金|一時所得の仕組み

    1. 5-1.契約者=受取人なら「一時所得」(所得税・住民税)

    2. 5-2.契約者≠受取人なら「贈与税」に注意

    3. 5-3.一時所得の計算式|50万円特別控除と1/2課税

  6. 6.具体例でわかる税額シミュレーション

  7. 7.一括受取 vs 年金受取|税金・社会保険料・インフレで徹底比較

    1. 7-1.税金で比較(一時所得 vs 雑所得)

    2. 7-2.社会保険料・医療費負担への影響で比較

    3. 7-3.インフレの影響で比較

    4. 7-4.受取総額で比較

  8. 8.【自己診断】あなたはどっち?一括受取が向く人・年金受取が向く人

    1. 8-1.一括受取が向いている人

    2. 8-2.年金受取が向いている人

  9. 9.一括受取時の確定申告|必要なケースと手続きの流れ

    1. 9-1.確定申告が必要な人・不要な人

    2. 9-2.手続きの流れと必要書類

    3. 9-3.申告漏れ時のペナルティ

    4. 9-4.税金がかからない(申告不要になる)ケース

  10. 10.個人年金の一括受取に関するよくある質問(Q&A)

    1. 10-1.途中解約でも税金はかかる?

    2. 10-2.一括と年金は途中で変更できる?

    3. 10-3.受取開始後に死亡したら?

    4. 10-4.受取はいくらまでなら非課税?

    5. 10-5.外貨建ての場合は?

  11. 11.これから個人年金保険を選ぶなら|受取時に損しない選び方

  12. 12.まとめ|一括受取は「メリット」と「税金・総額」を天秤にかけて自分で選ぶ

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一括受取のメリットは「まとまった資金と自由度」税金・総額では年金受取が有利なことも

一括受取の魅力は、まとまった資金を一度に受け取り自由に使える点にあります。

一方、税金や受取総額では年金受取が有利になる場合も多く、状況に応じた判断が必要です。

まず全体像を早見表で確認しましょう。

一括受取年金受取
受取総額少なくなる多め(据置運用で増えやすい)
税金一時所得(受取年に一度課税)雑所得(毎年課税)
資金の自由度高い(使い道は自由)低い(毎年定額を受取)
インフレ耐性強い(受取後は自分で対応可)弱い(受取額が固定で実質目減り)
向いている人まとまったお金の使い道がある人計画的にお金を使いたい人

一括受取が向くのは、住宅ローンの返済など使い道が明確でまとまった資金が必要な人です。

また、受取時点でお金が必要なくても、その時点で条件の良い別の金融商品に預けなおすことも可能です。

一方、年金受取が向くのは、毎年の所得を抑えつつ長期で受け取りたい人や、少しでも受取総額を増やしたい人といえるでしょう。

女性コンシェルジュ

どちらが得かは、受取額・他の所得・資金の使い道によって変わります。以降で1つずつ掘り下げていきます。

個人年金の受取方法は2種類|一括受取と年金受取の違い

個人年金の受取方法は「一括受取」と「年金受取」の2種類です。

受取総額や税金の扱いが異なるため、まず両者の仕組みを整理します。

一括受取・年金受取それぞれの仕組み

個人年金保険の受取方法は、満期時にまとめて受け取る「一括受取」と、毎年分割で受け取る「年金受取」に分かれます。

一括受取は、本来分割で支払われる年金を、満期時に一括で受け取る方法です。

受け取ったお金は使い道が自由で、住宅リフォームや教育資金などにあてたり、他の金融商品で再度運用することも可能です。

年金受取は、契約時に定めた期間にわたって毎年一定額を受け取る方法です。

受取期間は商品やプランによってさまざまですが、主なものは次のとおりです。

  • 確定年金:生死にかかわらず、10年・15年など定めた期間受け取る
  • 保証期間付終身年金:保証期間中は生死を問わず受取、期間終了以降は生存中受け取る
  • 有期年金:生存を条件に、一定期間受け取る

年金受取の場合、受取期間中も保険会社は資金運用ができるため、一括受取よりも総額が大きくなる傾向にあります。

また税金の区分は受取方法で変わります。

契約者と受取人が同じ場合、年金受取は雑所得、一括受取は一時所得として所得税の対象です。

区分の違いが税額を左右するため、後の章で詳しく解説します。

(参考:No.1610 保険契約者(保険料の負担者)である本人が支払を受ける個人年金|国税庁)

受取総額は年金受取のほうが多くなりやすい理由

同じ個人年金保険でも、受取総額は年金受取のほうが多くなりやすい傾向があります。

理由は、据置期間中の運用にあります。

年金受取を選ぶと、まだ受け取っていない部分は保険会社が引き続き運用します。

運用が続くぶん、利息が上乗せされて総額が増える仕組みです。

一括受取では受取時点で金額が確定するため、据置運用による上乗せは受けられません。

たとえば、同じ払込総額でも、年金受取のほうが数%多く受け取れるケースがあります。

ただし年金受取は毎年課税される一方、一括受取は一時所得の控除を活かせる場合があるため、総額の多さだけで判断するのは少し早計です。

女性コンシェルジュ

受取総額と税負担の両面から比較することが、損しない選び方のポイントと言えるでしょう。

当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年9月1日―2026年9月30日)

個人年金を一括受取する5つのメリット

一括受取には、資金の自由度や手続きの面でメリットがあります。

一括受取のメリット

  • まとまった資金を確保できる:住宅ローンの完済、リフォーム、子や孫の教育資金など、大きな支出に一度で対応できる
  • 使い道が自由で自分で運用できる:受け取った資金を預貯金や資産運用にまわすなど、活用方法を自分で選べる
  • 受取総額を自分で管理・計画しやすい:受取時点で金額が確定するため、老後資金の全体像を把握しやすくなる
  • 確定申告がシンプルになる場合がある: 一時所得は受取年の一度きりの申告で済むことが多く、毎年申告が必要な年金受取より手間が少ない場合がある
  • 受取漏れのリスクが低い:存命中に確実に受け取れるため、長生きを前提とする終身年金で起こりうる「受け取り切れないリスク」を避けやすい

まとまったお金が必要な人や、その時点でより条件の良い金融商品に乗り換えたい人は、一括受取が選択肢になるでしょう。

また、長生きの時代とはいえ、いつまで健康で長生きできるかは誰にもわかりません。

女性コンシェルジュ

先にお金を受け取っておいたほうが安心という人は、一括受取を検討してみるのもおすすめです。

個人年金を一括受取する4つのデメリット・注意点

一方で、一括受取には注意点もあります。

受取総額の減少や税負担、社会保険料への波及など、4つのデメリットを押さえておきましょう。

一括受取のデメリット


  • 受取総額が少なくなりやすい:据置期間中の運用益を受け取れないため、年金受取と比べて総額が減る傾向がある
  • 一時所得として課税される場合がある:受取額が払込保険料を大きく上回ると、所得税・住民税の対象になる
  • 社会保険料や医療費の窓口負担に影響することがある:一括受取による所得の増加が、翌年度の国民健康保険料や後期高齢者医療の窓口負担割合を押し上げる場合がある
  • 老後資金が枯渇するリスクがある:一度に受け取った資金を早期に使い切ると、その後の生活資金が不足するおそれがある

特に3つ目と4つ目は見落とされがちです。

女性コンシェルジュ

一括受取後も受取後の資金管理計画を立てておくことが、後悔しないための鍵になります。

個人年金の一括受取にかかる税金|一時所得の仕組み

一括受取の場合にかかる税金は、契約者と受取人の関係で区分が変わります。

基本は契約者(保険料を支払う人)と受取人が同一であることが多いですが、別の人を設定している場合は贈与税に注意が必要です。

詳しく見ていきましょう。

契約者=受取人なら「一時所得」(所得税・住民税)

契約者(保険料負担者)と受取人が同じ人の場合、一括受取したお金は一時所得として所得税・住民税の対象になります。

一時所得とは、営利目的の継続的な行為以外から生じる一時的な所得のことです。

個人年金の一時金のほか、生命保険の満期保険金なども一時所得に含まれます。

一時所得には50万円の特別控除があり、さらに控除後の金額の2分の1だけが課税対象になる仕組みになっています。

そのため、受取額から払込保険料を引いた利益が少なければ、ほとんど税金がかからないケースもあります。

そもそも50万円以上の利益が出ていなければ、課税対象にはなりません。

会社員の場合、給与など他の所得と合算して所得税が計算されます。

女性コンシェルジュ

まずは、どの程度の利益が見込めるかを確認してみることが大切です。

(参考:No.1610 保険契約者(保険料の負担者)である本人が支払を受ける個人年金|国税庁) 

契約者≠受取人なら「贈与税」に注意

契約者と受取人が異なる場合、一括受取したお金は贈与税の対象になります。

たとえば、夫が保険料を払い、妻が受け取るようなケースが該当します。

贈与税は、1年間に受け取った財産の合計から基礎控除110万円を差し引いた残額に課税されます。

所得税に比べて税率が高くなりやすく、同じ受取額でも税負担が重くなる場合があります。

たとえば、基礎控除後の課税価格が390万円(一括受取額が500万円)のとき、一般税率では税額が53万円になる計算です。

税負担を抑えるには、契約者と受取人を同一人に設定しておくことが基本になります。

女性コンシェルジュ

加入時や受取前に契約内容を確認しておくことをおすすめします。

(参考:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁)

一時所得の計算式|50万円特別控除と1/2課税

一時所得の金額は、次の計算式で求めます。

一時所得 =(受取総額 − 払込保険料総額)− 特別控除50万円

さらに、課税対象となるのは求めた一時所得の2分の1です。

給与所得などと合算する金額は、次のとおりになります。

課税対象額 = 一時所得 × 1/2

たとえば受取総額600万円・払込保険料500万円の場合、利益は100万円です。

特別控除50万円を引くと50万円、その2分の1の25万円が課税対象になります。

なお、他の一時所得と合わせた利益が年間50万円以下であれば、特別控除内に収まり課税されません。

女性コンシェルジュ

給与所得者は、一時所得の2分の1後の金額が20万円以下なら申告不要ですが、住民税については、お住まいの市区町村へ申告が必要になります。

(参考:No.1490 一時所得|国税庁)

具体例でわかる税額シミュレーション

実際の数字で税額を確認しましょう。

契約者と受取人が同じ会社員が、一括受取したケースで計算します。

自分の数字に置き換えて試算してみてください。

受取総額払込保険料利益特別控除後課税対象額
A550万円520万円30万円0円0円(非課税)
B600万円500万円100万円50万円25万円
C700万円500万円200万円150万円75万円

課税対象額はあくまでもその金額に税率がかけられるもので、ケースCの場合で75万円の税金を払わなければならないという意味ではありません。

ケースAは利益が特別控除50万円の範囲内のため、課税されません。

ケースBは25万円、ケースCは75万円が、給与など他の所得に合算されて所得税・住民税が計算されます。

実際の税額は、合算後の総所得に応じた税率で決まります。

女性コンシェルジュ

所得税は課税所得が高いほど税率が上がる累進課税のため、受取年に他の所得が少ないタイミングであれば税負担を抑えやすくなります。

(参考:No.1490 一時所得|国税庁)

一括受取 vs 年金受取|税金・社会保険料・インフレで徹底比較

一括受取と年金受取のどちらが得かは、税金だけでは決まりません。

社会保険料・インフレ・受取総額の4つの視点から、多面的に比較します。

税金で比較(一時所得 vs 雑所得)

税金の区分は、一括受取が一時所得、年金受取が雑所得です。

それぞれ、課税のタイミングと計算方法が異なります。

一括受取の一時所得は、受取年に一度だけ課税されます。

特別控除50万円と2分の1課税により、利益が小さければ税負担を抑えやすいのが特徴です。

一方年金受取の雑所得は、年金を受け取るたびに毎年課税されます。

雑所得の金額は、その年の受取額から対応する払込保険料を差し引いた残額です。

年間の利益が小さく分散されるため、1年あたりの税負担は軽くなりやすい一方、受取期間中は毎年申告が必要になる場合があります。

女性コンシェルジュ

受取総額が大きく利益が多いほど、一時所得の控除メリットが効きやすいことを押さえておきましょう。

(参考:No.1600 公的年金等の課税関係|国税庁) 

社会保険料・医療費負担への影響で比較

見落とされがちなのが、社会保険料と医療費の窓口負担への影響です。

一括受取は所得税の特別控除だけで判断すると損をする場合があります。

一括受取による一時所得は、特別控除と2分の1を経たあとの金額が、翌年度の国民健康保険料や介護保険料、後期高齢者医療の窓口負担割合の判定に算入されます。

大きな一括受取があった翌年は、保険料や窓口負担が一時的に上がる可能性があるため注意しましょう。

例えば75歳以上の場合、一定以上の所得がある人は、医療費の窓口負担が2割になる仕組みになっています。

医療費の急激な負担増を抑える配慮措置は、2025年9月30日で終了しました。

そのため2025年10月以降は、一括受取で所得が増えて2割判定になった場合、負担増がそのまま反映されます。

女性コンシェルジュ

税額だけでなく、翌年の社会保険料・医療費まで含めて総合的に比較することが大切です。

(参考:後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?|政府広報オンライン) 

インフレの影響で比較

インフレへの強さも、受取方法を選ぶ判断材料になります。

物価上昇局面では、一括受取と年金受取で実質的な価値が変わります。

一括受取は、受取時点でまとまった資金を手にできるため、自分の判断で物価上昇に対応した運用や支出にまわせるメリットがあります。

一方、年金受取は、変額個人年金を除き、契約時に定められた額を長期間にわたって受け取る仕組みであることが一般的です。

物価が上昇すると、受け取る金額は同じでも、実際に買えるモノやサービスは目減りしていきます。

女性コンシェルジュ

受取期間が長いほど、インフレの影響を受けやすくなる点には注意が必要です。

受取総額で比較

受取総額で見ると、据置期間中の運用益が上乗せされるため、年金受取のほうが多くなりやすい傾向があります。

年金受取では、未受取分を保険会社が運用し続けるため、総額が増えやすくなります。

一括受取は受取時点で金額が確定するため、運用益の上乗せはありません。

ただし、総額が多くても毎年の課税や、長期受取によるインフレの影響を考えると、手元に残る実質的な価値は変わってきます。

女性コンシェルジュ

受取総額・税負担・インフレ耐性の3点をあわせて判断することが、後悔しない選び方のポイントです。

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【自己診断】あなたはどっち?一括受取が向く人・年金受取が向く人

ここまでの比較をもとに、自分に向いている受取方法を診断しましょう。

当てはまる項目が多いほうが、あなたに適した方法です。

一括受取が向いている人

  • 住宅ローンの完済やリフォームなど、大きな支出の予定がある
  • 受取額から払込保険料を引いた利益が少なく、税負担が小さい
  • 他の所得が少ない年に受け取れる見込みがある
  • 受け取った資金を自分で運用・管理したい
  • 長生きリスクよりも、確実に受け取ることを重視する
女性コンシェルジュ

一括受取が向いているのは、まとまった資金の使い道が決まっている人です。

また、利益が特別控除50万円の範囲に収まる人は、税金の心配が少なく一括受取のメリットを活かしやすいといえます。

受取後の資金計画を立てられる人や、他の金融商品で運用を始めたい人にも向いています。

年金受取が向いている人

  • 毎年の所得を一定に抑え、税負担を分散させたい
  • 受取総額をできるだけ多くしたい
  • 大きな支出の予定がなく、生活費として計画的に使いたい
  • 一度に受け取ると使い切ってしまう不安がある
  • 終身年金など、長生きに備えた受け取りを重視する

年金受取が向いているのは、計画的に長くお金を受け取って、老後の生活費等にあてたい人です。

女性コンシェルジュ

利益が大きく一括だと課税額が増える人や、資金管理に不安がある人は、年金受取で毎年少しずつ受け取るほうが安心です。

当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年9月1日―2026年9月30日)

一括受取時の確定申告|必要なケースと手続きの流れ

一括受取をしたら、確定申告が必要になる場合があります。

確定申告が必要なケース・手続き・注意点を順に確認しましょう。

確定申告が必要な人・不要な人

一括受取による一時所得が一定額を超えると、確定申告が必要になります。

確定申告が必要になりやすいのは、次のような人です。

  • 一時所得の2分の1後の金額と他の所得を合わせて、課税所得が生じる人
  • 給与所得者で、一時所得を含む給与以外の所得が年間20万円を超える人
  • 個人事業主など、もともと確定申告をしている人

一方、給与所得者で一時所得の2分の1後の金額が20万円以下の場合などは、申告が不要になることがあります。

女性コンシェルジュ

利益額がいくらになるか計算し、確定申告が必要か確かめておきましょう。

(参考:No.1490 一時所得|国税庁) 

手続きの流れと必要書類

確定申告は、一括でお金を受け取った翌年の申告期間に行います。

手続きの大まかな流れは次のとおりです。

  • 保険会社から届く「支払調書」や受取額のわかる書類を用意する
  • 払込保険料の総額がわかる書類を確認する
  • 一時所得の金額と課税対象額を計算する
  • 確定申告書を作成し、申告期間内に提出・納税する
女性コンシェルジュ

申告書の作成は、国税庁の確定申告書等作成コーナーを使うとオンラインで完結します。必要書類を事前にそろえておくと、手続きがスムーズです。

申告漏れ時のペナルティ

確定申告が必要なのに申告しなかった場合、ペナルティが課されることがあります。

追加の税負担が発生するため注意が必要です。

申告漏れや期限後申告があると、本来の税額に加えて次のような税がかかる場合があります。

  • 無申告加算税:申告しなかった場合に加算される
  • 延滞税:納付が遅れた日数に応じてかかる
女性コンシェルジュ

意図的な所得隠しと判断されると、さらに重い加算税の対象になることもあります。受取年の翌年に忘れず申告することが、余計な負担を避けるうえで大切です。

税金がかからない(申告不要になる)ケース

一括受取でも、利益額が小さい場合、税金がかからず申告も不要になることがあります。

一時所得は、受取総額から払込保険料を引いた利益が、他の一時所得と合わせて年間50万円以下であれば、特別控除内に収まり課税されません。

給与所得者の場合、一時所得の2分の1後の金額が20万円以下なら申告不要になることもあります。

女性コンシェルジュ

たとえば受取総額500万円・払込保険料480万円なら、利益は20万円で特別控除の範囲内です。

(参考:No.1490 一時所得|国税庁) 

個人年金の一括受取に関するよくある質問(Q&A)

一括受取に関して、多く寄せられる疑問をまとめました。判断に迷いやすいポイントを解消しておきましょう。

Q. 途中解約でも税金はかかる?

A. 途中解約で受け取る解約返戻金にも、税金がかかる場合があります。

契約者と受取人が同じ場合、一時所得として扱われます。

解約返戻金から払込保険料を差し引いた金額が利益となり、一時所得の特別控除50万円を超えると課税対象です。

利益が控除内に収まれば、税金はかかりません。

女性コンシェルジュ

解約時も、受取額と払込保険料の差を確認しておくことが大切です。

(参考:No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき|国税庁) 

Q. 一括と年金は途中で変更できる?

A. 受取途中で変更できるかは商品によって異なります。

多くの商品では、年金受取開始前や受取開始時に選択します。

年金受取を選んだあとでも、残りの受取分を一時金に変更できる商品もあります。

女性コンシェルジュ

変更の可否や条件は保険会社ごとに定められているため、契約時の書類で確認しておきましょう。受取開始前に方針を決めておくと安心です。

Q. 受取開始後に死亡したら?

A. 年金受取の開始後に受取人が死亡した場合、保証期間が残っていれば、のこされた家族が残りの年金や一時金を受け取れます。

相続などで年金受給権を引き継いだ場合、受け取る年金は課税部分と非課税部分に分けて計算されます。

相続税と所得税の二重課税を避けるための仕組みです。

女性コンシェルジュ

契約時に保証期間や受取人の設定を確認しておくことをおすすめします。

(参考:No.1620 相続等により取得した年金受給権に係る生命保険契約等に基づく年金の課税関係|国税庁)

Q. 受取はいくらまでなら非課税?

A. 契約者と受取人が同じ場合、受取総額から払込保険料を引いた利益が年間50万円以下なら、一時所得の特別控除内で非課税になります。

利益が50万円を超えても、特別控除後の2分の1が課税対象のため、実際の税負担は抑えられます。

給与所得者は、2分の1後の金額が20万円以下なら申告不要になる場合もあります。

女性コンシェルジュ

自分の利益額を計算式に当てはめて確認しましょう。

(参考:No.1490 一時所得|国税庁)

Q. 外貨建ての場合は?

A. 外貨建て個人年金でも、課税の区分は円建てと同じです。

契約者と受取人が同一なら、一括受取は一時所得、年金受取は雑所得になります。

外貨建ての場合、受取時の為替レートによって円換算額が変わり、為替差益も含めて所得が計算されます。

円安時に受け取ると利益が増え、課税額が上がることもあります。一方で、円高時に受け取ると為替差損が発生し、受取総額が払込保険料を下回る(元本割れする)リスクがある点に注意が必要です。

女性コンシェルジュ

受取時期の為替も考慮して判断することが大切です。

(参考:No.1610 保険契約者(保険料の負担者)である本人が支払を受ける個人年金|国税庁) 

これから個人年金保険を選ぶなら|受取時に損しない選び方

これから加入する人は、受取時のことまで見据えて商品を選ぶと、あとから後悔する事態を避けられます。

加入時に確認しておきたいポイントは、次のとおりです。

  • 受取方法を柔軟に選べるか:一括受取・年金受取のどちらにも対応し、変更の余地がある商品か
  • 返戻率の水準:払込総額に対して受取総額がどれくらいになるか
  • 受取人の設定:契約者と受取人を同一にすることで、贈与税を避けやすくなる
  • 据置期間の有無:据置運用により、受取総額を増やせる仕組みがあるか

加入時の設定次第で、受取時の税負担や手取り額が変わる可能性があります。

女性コンシェルジュ

自分のライフプランに合った商品設計ができるよう、加入前に確認するべきポイントを押さえておきましょう。

まとめ|一括受取は「メリット」と「税金・総額」を天秤にかけて自分で選ぶ

個人年金の一括受取は、まとまった資金を自由に使える点が最大のメリットです。

一方で、年金受取に比べて受取総額が少なくなるなどのデメリットもあり、多角的な視点で受取方法を決めることが大切です。

税金やインフレリスクも加味して、どのようにお金を受け取るかを考えてみましょう。

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監修者 ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

高橋 明香

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

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執筆者 保険ライター/2級FP技能士

橋本 優理

大学卒業後、ほけんの窓口グループ株式会社へ入社。約300組のライフプランニングを行い、保険販売業務に従事。その後、異業種にて法人営業を経験し、株式会社エイチームフィナジーで保険EC事業の立ち上げに参画。インターネット上で保険の無料相談ができるサービスの責任者として、自身も多くの世帯のライフプランニングを行う。2023年に株式会社モニクルフィナンシャル入社。経済メディア「LIMO」で300記事以上を執筆。現在は、より多くの人に、より気軽に、自分に合った保険の選び方を知ってほしいとの思いでコンテンツ制作や執筆作業に従事。 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、生命保険募集人資格、損害保険募集人資格保有。

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