「医療保険に入れない病気って何?」「健康状態以外で医療保険に加入できなくなる原因はある?」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。
医療保険に加入する際は、持病や既往歴の有無、職業、収入等について告知する必要があります。
告知内容によっては保険会社の加入審査に落ちることもあります。
今回は、医療保険には入れない人の特徴や、審査に落ちたときの対処法を詳しく解説していきます。
この記事を読んでわかること
医療保険に入れない理由は「健康状態」「職業」「モラルリスク」のいずれかが原因
契約者間での公平性を保つため、保険会社は告知書等を基に加入審査を行う
健康状態が理由で医療保険に入れなかった人には、引受基準緩和型医療保険がおすすめ
目次
医療保険に入れない人の特徴
医療保険の加入審査に落ちてしまう人にはどんな特徴があるのでしょうか。
ひとつずつ見ていきましょう。
既往歴や持病がある
過去5年以内に通院歴があったり、現在治療中の病気がある場合、内容によっては医療保険への加入を断られる可能性があります。
特に、がんや急性心筋梗塞(虚血性心疾患)、脳血管疾患等の罹患歴があると、通常の保険への加入が難しくなります。
また、うつ病や統合失調症などの精神疾患も厳しい判断となります。
その他にも、自分自身では大きな病気だと思っていなくても、保険加入を断られることもあります。
例えば、風邪が完治していなかったり、睡眠薬のみ処方されているといったケースでも、加入は難しくなります。
一方、高血圧や糖尿病などの生活習慣病では、現在の数値や治療歴によっては加入できることもあるので、ケースバイケースといえるでしょう。
健康診断で指摘を受けている
医療保険に加入する際は、過去2年以内の健康診断結果についての告知を求められることが一般的です。
健康診断で要再検査等の指摘を受けているのに再検査を受診していなかったり、検査結果の数値が保険会社の基準を超えている場合は、加入を断られる可能性があります。
再検査を受けて異常なしと診断されていれば加入できるケースもあるため、要再検査以上の指摘を受けている場合はすぐに再検査を受診しましょう。
リスクが高いとされる職業である
保険に加入する際は、健康状態だけでなく職業の告知も必要です。
「会社員」「自営業」といった大まかな職業ではなく、事務や営業、ドライバーなどといった業務内容まで申告する必要があります。
病気やケガのリスクが高いとされる職業の場合は、保障額に制限がかかったり、加入自体を断られることもあります。
健康状態に問題が無いのに保険に加入できなかった場合は、職業制限の対象になった可能性も考えられます。
モラルリスクが疑われる
モラルリスクとは、保険金や給付金の不正受給などの危険性のことをいいます。また、継続的な保険料支払いが難しいと判断されるケースも含みます。
モラルリスクが疑われる例
- 収入に対して過剰な保障、保険料の場合
- 生活保護を受給している
- 複数の保険会社で同じような保険に加入している
- 反社会的勢力とのつながりが疑われる
- 過去に犯罪歴がある など
モラルリスクが疑われる場合、保険加入を断られる可能性が非常に高くなります。
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Q.県民共済・都民共済に入れない人はどんな人?
A.民間の医療保険と同様に加入審査があるため、持病があると加入できない可能性があります。
県民共済や都民共済も、民間の医療保険と同様に審査があります。
過去に入院・手術歴があったり、現在持病を抱えていると加入を断られるケースもあります。
また、職業によっても加入できる保障に制限が設けられていることが一般的です。
審査基準は共済組合によって異なるので、自分が加入できるかどうか気になる人は直接問い合わせてみるのも良いでしょう。
Q.団信に入れない人はどんな人?
A.団信も医療保険などと同様、健康状態に関する告知があるため、持病があると加入できないことがあります。
住宅ローンを組む際に併せて検討する団信(団体信用生命保険)ですが、加入時には健康状態に関する告知が必要です。
万が一のことがあったり、三大疾病に罹患した場合にローン返済が免除される保険が団信です。
そのため、健康上のリスクを抱えていると判断された場合は、加入できないこともあります。
団信の審査基準は明確にされていないため断言はできませんが、がんや三大疾病など大きな病気に罹患していたり、精神疾患で治療中の場合は加入できないことがほとんどです。
なぜ医療保険には加入審査が必要?
保険会社が審査を行うのは、保険契約者間での公平性を保つためです。
保険は、契約者の中で保険金・給付金支払事由に該当した人がいたときに、契約者が支払った保険料の中から、保険金・給付金を支払う仕組みになっています。
入院や手術をする可能性の高い人が医療保険に加入してしまうと、すぐに給付金を受け取ることになり、他の契約者との公平性が保たれません。
また、リスクが高い人ばかり加入してしまうと、保険会社の経営にも影響を与えることも考えられます。
そのため、医療保険に加入する際は加入審査が必要になるのです。
医療保険の3つの審査項目
では、医療保険の審査項目は具体的にどのようなものでしょうか。
ひとつずつ見ていきましょう。
健康状態
医療保険に加入する際の告知では、主に過去5年以内の健康状態について問われます。
健康状態は告知書に記入し、場合によっては診断書や健康診断結果の提出を求められることもあります。
保険会社は、告知書や健康診断書等を確認し、診査基準と照らし合わせて保険に加入できるかどうかを判断します。
参考)一般的な医療保険の告知項目
一般的な医療保険の告知項目は、次の通りです。
保険会社によっても少しずつ告知項目は異なりますが、主なポイントは3つです。
- 直近3カ月に医師の診察等を受けているか
- 過去5年以内に定期的に通院していた時期があるか、入院や手術を受けたか
- 過去2年以内の健康診断や人間ドックで指摘を受けていないか
告知項目に該当したからといって、医療保険に加入できないわけではありません。
治療経過等を詳しく申告することで、問題なく加入できるケースもあります。
職業・業務内容
告知書には、職業や業務内容も記入する必要があります。
保険会社は業務内容を確認して、危険性が無いかどうかを審査します。
そのため、「会社員」のような大まかな職業だけでなく、どのような業務を担当しているかも申告する必要があります。
Q.専業主婦(夫)や学生でも医療保険に入れる?
A.基本的には加入できます。ただし、男性で専業主夫の場合は加入できない保険会社もあります。
専業主婦や学生でも、医療保険には基本的に加入できます。
保険会社によっては、加入できる保障額に限度を設けていることもあるので注意してください。
また、男性で専業主夫の場合、加入できないと定めている保険会社もあります。
Q.無職でも医療保険に入れる?
A.安定的な収入や資産が無いと、加入を断られる可能性があります。
無職の場合、保険料の支払能力に問題があると判断され、加入できない可能性が高くなります。
ただし、資産生活者の場合や家事手伝い(主婦)の場合は問題ないことが一般的です。
モラルリスク
告知書には、現在の収入も記入が必要です。
収入に対して過剰な保障と判断された場合は、審査に落ちることがあります。
また、保険会社は契約者の氏名と生年月日でデータベースと照会し、他社の契約状況や反社会的勢力でないかも調べることができます。
審査の結果モラルリスクを疑われる場合、保険に加入できないこともあります。
Q.タトゥーがあっても保険に入れる?
A.保険会社によって異なりますが、加入できない可能性が高いです。
タトゥーや刺青があると、肝炎やアレルギー性疾患などのリスクが高いと判断される場合があります。
また、古い考えのように思えるかもしれませんが、タトゥーがあることで反社会的勢力とのつながりを疑われ、保険加入を断られることもあります。
近年では、タトゥーの数やサイズ、デザインによっては加入できるとしている保険会社も増えています。気になる方は保険会社に問い合わせてみるのも良いでしょう。
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医療保険の審査結果
医療保険の審査結果は、主に次の3つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
無条件成立
告知した内容に問題が無ければ、申込内容のまま契約が成立することになります。
無条件で契約が成立するためには、健康状態に問題が無いことや、職業やモラルリスク上の懸念もないことが必要になります。
特定疾病・部位不担保
既往歴や現在の健康状態によっては、特定の病気や体の特定の部位が、一定期間または永年保障対象外となることがあります。
不担保期間が定められている場合、その年数を超えれば保障対象に戻ります。
ただし、永年不担保の条件が付いた場合、契約期間中は常に保障対象外となるため注意しましょう。
特定疾病・特定部位不担保の条件が付いても、保険料は申し込み時と変わることはありません。
その他、特定の特約のみ付加できないなどの条件が付くこともあります。
その場合、特約を外した状態での保険料で再計算されます。
審査の結果何らかの条件が付いた場合、保険会社からの案内を確認し、条件を承諾できるのであれば承諾書を記入し返送することで契約は成立します。
条件が付いて勝手に契約が成立する、ということはないので、まずは条件の内容をしっかり確認して承諾するかどうかを考えましょう。
参考)特定疾病・部位不担保になる可能性がある病気
特定疾病・部位不担保になる可能性がある病気の一例
- 椎間板ヘルニア
- 緑内障
- 白内障
- 子宮頸部異形成
- 喘息
- 不妊治療
- 子宮内膜症
- チョコレートのう胞 など
例えば椎間板ヘルニアを抱えている場合、医療保険では頸椎等に不担保の条件が付く可能性があります。
特定疾病や部位不担保になる病気はこれに限りません。
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不成立(謝絶)
健康状態や職業、モラルリスクなどの観点から、保険会社が契約を引き受けられないと判断した場合、申込は不成立となります。
不成立になった場合、それまでに保険料の引き落としがされていたとしても返金されます。
医療保険の加入審査に落ちたらどうしたら良い?
加入審査に落ちる理由によっても対処法は異なります。
ここからは、健康状態が原因で保険に加入できなかった場合にどうすれば良いかを解説します。
他の保険会社で再度検討する
健康状態に関する診査基準は、保険会社ごとに異なります。
そのため、同じ病気でもA社は断られたがB社には加入できた、ということもあります。
一度医療保険の加入審査に落ちてしまったとしても、すぐに諦める必要はありません。再度別の保険会社で検討してみましょう。
引受基準緩和型医療保険を検討する
通常の医療保険への加入が難しい場合、持病がある方向けの引受基準緩和型医療保険を検討するのがおすすめです。
引受基準緩和型医療保険とは、通常の医療保険と比べて告知項目が緩和されており、健康に不安を抱えている人でも加入しやすい保険です。
引受基準緩和型医療保険には、持病があっても加入しやすいだけでなく、審査に通れば持病の悪化も保障されるといったメリットがあります。
通常の医療保険で特定疾病・部位不担保が付いてしまい、条件に納得できない人にもおすすめです。
一方、加入しやすい分通常の医療保険よりも保険料が割高に設定されているデメリットもあります。
しかし、近年では各保険会社が商品開発を積極的に行っており、保険料を抑えながら保障を準備できる商品も増えています。
緩和型の医療保険を検討するときは、保険料と保障のバランスに注意してプランを組んでいきましょう。
また、商品によっては加入から一定期間、保障が削減される期間を設けているものもあります。
加入前にしっかり確認しておきましょう。
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参考)引受基準緩和型医療保険の告知項目
一般的な引受基準緩和型医療保険の告知項目は、次の通りです。
告知項目に「はい」か「いいえ」で回答し、すべて「いいえ」であれば基本的に申し込みが可能です。
告知項目は保険会社によっても少しずつ異なるため、複数の保険会社で比較してみるのが良いでしょう。
複数の保険会社で比較してみる

無選択型保険を検討する
無選択型保険とは、加入時に健康状態を問われない保険のことです。
既往歴に関係なく加入できるのは大きなメリットですが、その分保険料は緩和型の保険よりも割高に設定されています。
また、加入から一定期間保障対象外となる「免責期間」が設けられている商品も多くなっています。
そのため、まずは通常の医療保険や引受基準緩和型医療保険を検討し、どうしても加入できるものが見つからないときに無選択型保険を視野に考えていくのが良いでしょう。
持病を隠して医療保険に入っても良い?
保険に加入するために、持病を隠して手続きをしようと考える人もいるかもしれません。
しかし虚偽の告知をすると、後から発覚して大きなトラブルにつながる可能性があります
故意または重大な過失によって虚偽の告知を行った場合、「告知義務違反」と判断され、いざというときに給付金が支払われなかったり、契約を解除されてしまうこともあります。
告知は必ず正しく行うようにしましょう。
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そもそも医療保険って必要?
医療保険の必要性は、経済状況や家族構成によっても異なります。
ここからは、医療保険の必要性が高い人とそうでない人の特徴について見ていきましょう。
医療保険の必要性が高い人
十分な貯蓄がなくいざというときに医療費を支払えない可能性がある人は、医療保険の必要性が高いといえます。
また貯蓄はあったとしても、「子どもの学費のため」「老後のため」と使用目的を決めている人もいるでしょう。
突然の医療費負担のために貯蓄を取り崩したくない、先進医療などの高額な治療が原因でライフプランに影響を与えたくない、という人は医療保険で備えておくと安心です。
持病を抱えている人は、健康な人と比べて入院や手術のリスクが高いため、その分医療保険で備えておく必要性も高くなります。
医療保険がいらない可能性がある人
突然医療費の支払いが発生しても問題がない人は、医療保険の必要性が低いといえるでしょう。
ただし、入院が長引いて負担額が大きくなったり、入院中に働けないことで収入が減少する可能性については考慮しておく必要があります。
十分な貯蓄があり、経済的なリスクを感じない人は、医療保険に敢えて加入する必要は無いかもしれません。
また、老後の生活費だけでなくいざというときの医療費もすでに確保できている人は、医療保険の必要性は低いでしょう。
年齢を重ねるにつれて病気やケガのリスクは高まります。
老後の医療保障を確保するために医療保険に加入する人もいますが、すでに十分な資産がある人は問題ないでしょう。
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まとめ
今回は、医療保険に入れない人の特徴や、保険会社の審査基準について詳しくご紹介してきました。
医療保険には入れない理由はいくつかありますが、健康状態が原因になることが多いでしょう。
加入審査に落ちてしまったら、引受基準緩和型医療保険を検討するのがおすすめです。
保険は、同じ保障内容であれば年齢が若いうちに加入したほうが、月額の保険料やトータルで支払う保険料も抑えられる傾向にあります。
また、年齢を重ねて健康状態が悪化すると、加入できる保険の選択肢が狭まってしまう可能性もあります。
いずれ医療保険に加入したいと考えている人は、後回しにせずに早めに保険に加入しておくようにしましょう。
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