親の介護費用が毎月家計を圧迫し、今後の生活に不安を感じていませんか。
親の面倒を見たい気持ちと、自身の生活費や教育費の板挟みになる辛さは計り知れません。
介護自体も自身で行っている場合、肉体的な疲労と重なって大きな負担になるでしょう。
介護費用を親の資産でやりくりする鉄則から、費用負担を減らす制度まで具体的に解説します。
この記事を読んでわかること
親の介護費用は親の資産内におさめ、子どもの資金援助は避けるのが基本
資金不足の際は世帯分離や生活保護などの公的制度を活用
介護費用の上限を超える分は高額介護サービス費等で補填する
目次
7.まとめ
親の介護費用は「親の年金と貯蓄」でやりくりする
親の介護にかかる費用は、親自身の年金と貯蓄の範囲内でまかなうのが健全です。
子どもの家計からの持ち出しは極力避けたいものです。
まずは、親の介護にかかる費用の工面方法から見ていきましょう。
子どもが援助を始めたり「介護離職」したりすると共倒れになる
親の介護費用を子どもが負担し始めると、子どもの老後資金や教育費が枯渇する恐れがあります。
生命保険文化センターの調査によると、介護機関の平均は4年7カ月となっています。
介護が長期間に及ぶと、子どもの家計に大きな影響を及ぼすかもしれません。
また、総務省の調査においても「家族の介護・看護を理由とする離職者数」は年々増加傾向にあることが分かっています。
介護費用に加え離職による収入減少が重なると、生活が困窮する可能性が高くなるでしょう。
親への情から身銭を切る行動は、最終的に親族全体の生活破綻を招く恐れがあります。
親の年金受給額と預貯金残高を基準にし、手持ちの資金内で利用可能な介護サービスを選択する方針を徹底しましょう。
(参考:介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?|生命保険文化センター)
(参考:令和6年育児・介護休業法改正について【介護関係を中心に】|厚生労働省)
まずは親の資産を正確に把握し、予算内でケアマネジャーに依頼する
親の介護が必要になったら、最初に親の預貯金額や年金額、有価証券などの資産状況をもれなくリストアップしましょう。
親の資産額を明確にしたうえで、月々支払える上限額をケアマネジャーに伝えてください。
ケアマネジャーは予算の範囲内で最適なケアプランを作成します。
親の資産が足りない場合でも安易に不足分を補填せず、ケアマネジャーと代替案を考えてみましょう。
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親の介護費用の平均相場と、親のお金が足りない場合の「最終手段」
在宅介護と施設入居における費用の目安と、親の資金が不足する際の負担軽減策、最終手段である生活保護について解説します。
在宅介護と施設入居(老人ホーム)にかかる初期費用・月額の目安
生命保険文化センターの調査によると、介護費用の月額平均は約9万円です。
在宅介護であれば、月額費用は数万円程度に収まる傾向があります。
一方、介護付き有料老人ホームなどの施設入居では、入居一時金として数百万円、月額費用として15万円から30万円程度が必要になるケースも珍しくありません。
親の介護度や希望する生活環境によって必要資金は変動するため、現在の親の資産で施設入居が可能かどうかを早めに見極めることが大切です。
(参考:介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?|生命保険文化センター)
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親の年金が少ない場合は「世帯分離」で自己負担の上限を下げる
親と子が同居している場合、住民票の世帯を分ける世帯分離を行うことで、親の介護保険料やサービス利用料の自己負担限度額を引き下げられる可能性があります。
世帯分離にすると、親単独所得で負担区分が判定されるため、より介護費用の負担を軽減できるかもしれません。
特に親の年金収入が少ない場合、世帯分離の手続きが有効になるケースもあります。
市区町村の窓口で世帯分離の申請条件を確認し、早めに手続きを進めましょう。
どうしても足りない場合は、親の「生活保護」受給も視野に入れる
親の資産が底をつき、公的制度を利用しても生活が立ち行かない事態では、親自身の生活保護受給を検討する必要が出てきます。
子どもに扶養義務はありますが、子ども自身の生活を脅かしてまで援助する法的な義務はありません。
家庭裁判所の実務でも、扶養義務者の社会的地位にふさわしい生活を維持したうえで余力がある範囲での援助が求められます。
親の住所地を管轄する福祉事務所へ相談し、生活保護の申請手続きについて説明を受けてみましょう。
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揉める原因を絶つ!きょうだい間の「介護費用分担」3つの鉄則
きょうだい間で介護の負担割合や金銭トラブルを回避するためには、事前の明確なルール作りと情報共有が不可欠です。
揉める原因を絶つためのポイントをご紹介します。
鉄則1:直接介護する人(キーパーソン)の金銭負担は必ず軽くする
親の介護を直接担う人は、身体的・精神的な疲労に加えて、交通費や日用品の購入費用など見えない出費を日常的に抱えています。
ひとりだけに金銭的な負担を強いる状況は、きょうだい間の亀裂を生む要因になります。
直接介護をしない人は、介護を担当してくれているきょうだいの労力を鑑みて、実費以上の資金援助を行うようにすると良いでしょう。
ねぎらいや感謝の言葉を定期的にかけることも大切です。
鉄則2:「遠方にいて手を出せないなら、口は出さずにお金を出す」
遠方に住むきょうだいが介護方針に異議を唱えると、現場で動く人のモチベーションを下げてしまいます。
介護をしていないのに「こうすべき」「これはよくない」などの口出しをすると、ハレーションを生むことになります。
物理的に介護へ参加できないのであれば、現場の判断を全面的に支持し、経済的な支援に専念しましょう。
金銭の支援をすることで介護に関与している姿勢を見せることが大切です。
きょうだい間の不公平感を緩和し、円滑な協力関係を維持できるよう心がけましょう。
鉄則3:立て替えた領収書はすべて共有し「着服の疑い」を晴らす
親の資産を管理する人は、介護費用として支出したすべての領収書やレシートを保管し、定期的にほかのきょうだいへ提示できるようにしておくと安心です。
使途不明金が存在すると、親の資金を着服しているという疑念を招き、深刻な親族トラブルに発展します。
スマホを活用できる人は、クラウドサービスなどを利用して支出状況をリアルタイムで共有するのもひとつの方法です。
さらに負担を減らす「高額介護サービス費」などの公的制度一覧
介護保険以外にも、負担を減らすために利用できる公的サービスがいくつかあります。
具体的に見ていきましょう。
月々の負担上限を超えたら払い戻される「高額介護サービス費」
高額介護サービス費は、1カ月間に支払った介護保険サービスの自己負担額が所得に応じた上限額を超えた場合、超過分が介護保険から払い戻される制度です。
一般的な所得水準の世帯では、月額上限は4万4400円に設定されています。
上限額を超過した月には市区町村から申請書が送付されるため、速やかに必要事項を記入して申請手続きを行ってください。
(参考:高額介護サービス費の負担限度額が変わります|厚生労働省)
医療費と介護費の合算で戻る「高額医療・高額介護合算療養費制度」
高額医療・高額介護合算療養費制度は、同一世帯内で1年間に支払った医療費と介護費の合計額が基準額を超過した場合に、超過分が支給される制度です。
基準額は所得や年齢ごとに細かく設定されており、たとえば70歳以上で一般所得者の場合は年額56万円となります。
計算期間は毎年8月1日から翌年7月31日までとなります。
医療機関での治療と介護サービスの両方を頻繁に利用している世帯にとって、大切な経済的支援になる制度です。
(参考:高額医療・高額介護合算療養費制度について|厚生労働省)
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年4月1日―2026年4月30日)
親の介護を通して気づく、自分自身の「将来の介護リスク」への備え
親の介護の現実を目の当たりにすると、将来自身が介護状態になった際の資金計画を見直す必要を感じるかもしれません。
ここからは、将来の介護リスクへの備え方をご紹介します。
将来、ご自身の子どもに「お金がない」と同じ苦労をかけないために
ご自身が将来要介護状態になった際、子どもに経済的な負担をかけないための準備を、健康なうちに進めておくことが大切です。
特に安定した給与がある現役世代は、介護費用を準備するのに適しています。
給与から一定額を介護費用として貯蓄したり、民間の介護保険に加入する方法が有効です。
現在の貯蓄で足りるか、民間の介護保険の必要性をチェックする
現在の預貯金額で将来の介護費用を十分にまかなえるか、具体的なシミュレーションを実施しましょう。
貯蓄だけで不足する懸念がある人には、民間の介護保険への加入が選択肢のひとつになります。
民間の介護保険は、所定の要介護状態に認定された際に一時金や年金を受け取れる商品です。
公的介護保険が介護サービスを一定の負担で受けられる「現物給付」であるのに対し、民間の介護保険は所定の介護状態で現金が受け取れる「現金給付」の仕組みです。
万が一の際の資金を確保する選択肢のひとつとして、民間保険の活用を検討してみましょう。

Q1
入院時の費用は?
早めのシミュレーションで、家計に合った無理のない備えを
介護保険への加入を検討する際は、家計の収支バランスを崩さない範囲で保険料を設定することが重要です。
複数の保険会社で、支払要件や毎月の保険料を比較してみましょう。
民間の介護保険には、支払条件に該当した場合に一時金が支払われる「一時金タイプ」と、決まった年数や介護状態が続く限り毎年年金を受け取れる「年金タイプ」があります。
保険料を抑えたい場合、一時金タイプがおすすめです。
複数の保険会社のプランを比較し、自身のライフステージに最適な保障内容を選択しましょう。
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親の介護費用の負担に関するよくある質問
ここからは、親の介護に関する資金調達やきょうだい間の法的な義務についてよくある疑問に、専門家の視点から回答します。
Q. 親が認知症で口座が凍結された場合、介護費用はどう引き出せばいいですか。
A. 全国銀行協会の指針により、親が認知症で意思能力を喪失した場合でも、親族が医療費や介護費用の支払い目的であることを証明できれば、特例として預金の引き出しが認められる可能性があります。
銀行の窓口で事情を説明し、必要な診断書や請求書を提出しましょう。
また、親が健康なうちに「代理カード」を発行していれば、家族が代理でお金を引き出すことができます。
最終的な解決策としては、成年後見制度の利用手続きを進める必要があります。
(参考:金融取引の代理等における考え方|全国銀行協会)
Q. お金も労力も出さないきょうだいに、法的な支払い義務はありますか。
A. 民法上、直系血族および兄弟姉妹には互いに扶養する義務が定められています。
ただし、扶養義務は自身の生活を維持したうえでの余力で行う義務(生活扶助義務)と解釈されます。
資金を出さないきょうだいに対して、家庭裁判所に調停を申し立てて費用分担を求めることも不可能ではありませんが、きょうだいの経済状況によっては支払いが命じられないケースも少なくありません。
まとめ
介護破産を防ぐためには、親の資産の範囲でやりくりする冷静な判断が必要です。
また同時に、将来自分の子どもに同じ負担をかけないための備えも急務となります。
民間介護保険の必要性を感じたら、まずは現状の資金で十分にまかなえるか確認してみましょう。

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