高齢者の入院、費用はいくらかかる?保険金・給付金の請求手続きとやっておくべきこと完全マニュアル

高齢者の入院、費用はいくらかかる?保険金・給付金の請求手続きとやっておくべきこと完全マニュアル

(最終更新日:

執筆者:

長井 祐人

監修者:

橋本 優理

「年金生活でもし入院したら医療費は払える?」「親が突然入院して費用が心配」と悩んでいませんか。

年齢を重ねるにつれて、病気やケガのリスクは高くなります。

これまで健康に自信があった人でも、いつもしものことが起こるかはわかりません。

高齢者の入院費用や、民間保険の請求手続きについて詳しく解説します。

この記事を読んでわかること

  • 公的医療保険制度を利用すれば1カ月の医療費は抑えられる

  • 入院した場合、加入している民間の医療保険から給付金を受け取れる可能性がある

  • 認知症リスクに備え、医療保険には指定代理請求人を設定しておくのがおすすめ

高齢者の入院費用は1カ月いくら?

もし入院が決まったら、まずは落ち着いてだいたいの費用を想定しておくことが大切です。

まずは、70歳以上が負担する医療費について詳しく見ていきましょう。

70歳以上・75歳以上(後期高齢者)の自己負担限度額は?

医療機関で負担する医療費の割合は、年齢・所得に応じて決められています。

70歳以上75歳未満の自己負担割合は原則2割ですが、現役並み所得者の場合は3割負担となります

さらに、75歳になると加入している健康保険から後期高齢者医療制度へ移行します。

後期高齢者医療では、一般所得者は1割負担、一定以上の所得がある方は2割、現役並み所得者は3割負担となっています

また、入院等で自己負担額が高額になった場合、高額療養費制度を利用することで1カ月の自己負担は限度額までに抑えることができます。

70歳以上の医療費の自己負担限度額は所得によって大きく異なります。

 参考資料:高額療養費制度について


高額療養費制度とは、1カ月の医療費の自己負担額が一定額を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。

手術や高額な抗がん剤治療を受けても、医療費が青天井になることはありません。

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ただし、高齢者は若い人に比べて入院が長引く傾向にあり、入院が数カ月に及ぶとその分毎月医療費の支払いが必要になります。

保険適用外の「おむつ代」「差額ベッド代」「食事代」

病気やケガで入院した場合、かかった費用のすべてが公的医療保険や高額療養費制度の対象になるわけではありません。

診察費や治療費、入院費の一部は公的医療保険でカバーされますが、「おむつ代」「差額ベッド代」「食事代」などは保険適用外となり、全額自己負担が必要です。

保険適用外の費用は高額療養費も適用されないため、経済的な負担が重くなる可能性があります。

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特に入院期間が長引くほど自己負担額は増える傾向があるため、事前に入院予定がどの程度かを確認しておくことが大切です。

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【入院が長引きやすい病気別】高齢者の平均入院期間

75歳以上の平均在院日数


アルツハイマー:285.3日

脳血管疾患:80.1日

骨折:45.2日

高齢者は、体力の衰えなどから若い人と比べて入院が長期化する傾向にあります。

たとえば、神経変性疾患のひとつであるアルツハイマー病は合併症が起きやすいことやリハビリに時間がかかることから、平均入院期間が約285日と非常に長くなっています

また、三大疾患のひとつである脳血管疾患では約80日骨折約45日が平均入院期間の目安となります。

特に骨折は高齢女性に多く、加齢や筋力低下によって転倒しやすいため注意が必要です。

そのほか、統合失調症やうつ病などの精神疾患も入院が長期化しやすい病気のひとつとされています。

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高齢者の病気は治療や回復に時間がかかるケースも多いため、長期入院の可能性を念頭に置いておくことが大切です。

(参考:令和5年(2023)患者調査|厚生労働省)

親の医療保険・生命保険の確認方法と「いくらもらえるか」の目安

親が民間の医療保険に入っている場合、入院や手術の際に給付金を受け取れる可能性があります。

民間保険の保障内容の確認方法と、いくらもらえるかの目安を見ていきましょう。

高齢の親が入院したら、まずは保険証券を探そう

保険証券には、保険会社名や証券番号など、保険金・給付金の請求に必要な情報が記載されています。

そのほかにも、保険の種類や保障内容、受取人といった重要な情報も記載されており、保険金や給付金の請求には欠かせません。

親が病気や事故によって入院してしまった場合、保管場所が分からないと保険証券を探すのが難しくなります。

そのため、事前に保管場所を親と確認・共有しておくことが大切です。

入院給付金はいくらもらえる?税金はかかるの?

入院した際に受け取れる「給付金」は、保険証券や保険設計書などで確認することができます。

入院給付金は「入院日数×日額」で計算され、入院一時金手術給付金などの特約が付いている場合は、さらに上乗せして給付金を受け取ることができます

例えば、がんで7日間入院し、手術を受けた場合の給付金額は次のとおりです。


(例:日額5000円、入院一時金5万円、手術給付金5万円)


計算例:入院日数(7日間)×日額(5000円)=3万5000円

   入院一時金(50000円)+手術給付金(50000円) =10万円

   合計:13万5000円

契約内容に応じて、給付金額や受け取れる給付金の種類は異なります。

まずは、保険証券等で保障額や支払条件を確認してみましょう。

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なお、給付金は原則として非課税のため、税金がかかることはありません。

古い保険の落とし穴

保険は、医療技術の進歩に合わせて日々変化しています。

そのため古い保険に加入したままでは現在の医療事情に適しておらず、いざというときに十分な給付金を受け取れないことがあります。

たとえば、10年以上前の医療保険では「入院5日目以降を保障」のような条件が付いているケースも多く、短期入院では給付金が受け取れない可能性があります

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せっかく保険に加入していても十分に活用できなければ本末転倒です。現在の医療制度に合った保険を選ぶため、定期的に見直しを行うことが大切です。

Q. 本人が死亡した後の入院給付金はどうなる?

A. 死亡給付金受取人、または法定相続人が入院給付金を受け取ることができます。

入院給付金は、入院した日数に応じて(入院日から死亡した日)保険会社から支払われます。

通常は被保険者が受け取りますが、本人が死亡している場合、死亡給付金受取人もしくは法定相続人が受け取ります

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給付金の請求漏れがないよう、故人が加入していた医療保険がないか確認することが大切です。

当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年4月1日―2026年4月30日)

高齢者の保険金・給付金請求やお金の引き出しで直面する「2つの壁」

高齢の親が認知症を発症すると、保険の手続きや現金の引き出しができなくなる可能性があります。

親が元気なうちに、対策を取っておくことが大切です。

①親が認知症で手続きできない!「指定代理請求制度」を活用

医療保険の給付金請求は、原則として被保険者本人が行う必要があります。

しかし、親が認知症を発症していたり長く入院していたりすると、本人からの給付金請求は困難になるでしょう。

そこで、あらかじめ指定代理請求人を指定しておくことで、本人の代わりに給付金請求の手続きを行うことができるようになります。

指定代理請求人制度とは、被保険者が病気やケガなどによって保険金・給付金の請求手続きが行えない場合に、あらかじめ指定された家族が本人に代わって請求できる制度です。

一般的に、次のようなケースで利用されます。

  • 事故や病気などで本人が保険金・給付金が請求できないとき
  • 判断能力の低下によって、請求内容が理解できないとき
  • 高齢で手続きが困難になったとき

指定代理請求人は無料で設定することができ、契約途中でも変更することができます。

一般的には、配偶者や子ども、兄弟を指定します。

親が高齢の場合、将来のことを考えると配偶者ではなく子どもが代理人になっておくのが良いでしょう。

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加入している医療保険に指定代理請求人が指定されているか、登録者を変更する必要がないか、確認しておくことが大切です。

②銀行でお金が下ろせない?高齢者の引き出し限度額問題

高齢者が銀行やATMでお金を引き出す際には、年齢や判断能力に応じて一定の制限が設けられることがあります。

高齢になると意思能力の低下に伴う詐欺被害を防ぐため、高額な現金の引き出しやATMの利用が制限される場合もあり、従来のように自由にお金を引き出すことが難しくなるケースもあります。

ただし、代理人カードや成年後見制度を活用することで、家族が本人に代わって手続きを行うことが可能になります

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両親が元気なうちに財産管理について話し合っておくことで、入院などで急にお金が必要になった場合でも、スムーズに対応することができます。

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高齢者の入院費用が「払えない」と思ったときの対処法

日本には公的医療保険制度が整備されているとはいえ、入院が長期にわたると自己負担もその分大きくなっていきます。

ここからは、医療費の支払いに困った場合の対処法をご紹介します。

「限度額適用認定証」「マイナ保険証」の活用

医療費の自己負担限度額は、年齢や所得に応じて定められています。

限度額を超えて支払った分は、加入している健康保険へ申請することで、通常約3カ月後に超過分が払い戻される仕組みとなっています。

しかし、一時的でも費用を立て替えることが難しい人もいるでしょう。

そこで、「限度額適用認定証」や「マイナ保険証」を活用すれば、窓口で支払う医療費を自己負担限度額までに抑えることができます。

例えば、医療費が100万円の場合、3割負担であれば30万円を支払う必要があります。

しかし、限度額適用認定証」または「マイナ保険証」を提示することで自己負担限度額(一般的には8万円〜9万円)までの支払いで済み、医療費の負担を軽減することができます。

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なお、限度額適用認定証は事前申請が必要ですが、マイナ保険証であれば原則として事前申請なしで限度額が適用されます。

独居老人・身寄りがない場合の「保証人」はどうする?

入院や介護施設への入所・賃貸契約などでは「保証人」を求められるケースがあります。

しかし、独居老人や身寄りがない場合は、保証人を頼める人がいません。

その場合、民間の身元保証サービスを利用する方法があります。

身元保証人の代行だけではなく、日常の生活支援や亡くなった後の事務手続きなどをサポートしてくれるサービスもあります。

ただし、利用するには事前にまとまった費用が必要になることが多く、サービス内容や料金体系も会社によって異なるため、事前準備が必要です。

また、判断能力が低下した場合に本人に代わって財産管理や身上監護を行う「成年後見人」を立てる方法もあります。

ただし、後見人は身元保証人の役割をすべて担えるわけではなく、利用には継続的な報酬が発生する点にも注意が必要です。

入院による「親の衰え」への備え

高齢者の場合、入院が長引くことで体力や認知機能が衰えるリスクがあります。

親の介護のリスクについても、これを機に考えてみましょう。

入院による筋力低下・認知症が進行するリスク

入院期間中はベッドで過ごす時間が増えるため、筋力低下を招きやすく「廃用症候群」と呼ばれる肉体的・精神的な機能が低下した状態になる傾向があります

さらに、認知機能の低下によって「認知症」が進行するリスクも高まります。

入院中は、普段の生活環境や生活リズムが大きく変化します。

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身体的な負担や環境の変化によって患者の状態が不安定になりやすく、特に手術後や長期入院の際には、廃用症候群や認知機能の低下に注意する必要があります。

食事が食べられない・点滴のみになった場合の対応

病気やケガによって高齢の親が「食事が食べられなくなった」「点滴のみになった」というケースも少なくありません。

状態が悪化した場合、まず担当医師から現在の状態や今後の回復見込みについて説明を受けることが大切です。

その上で、介護や緩和ケアが必要になる可能性も考え、事前に準備を進めておく必要があります。

たとえば、退院後に介護が必要になることが想定される場合は、老人ホームや訪問介護(ヘルパー)などを事前に探しておくことでスムーズに対応しやすくなります。

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また、余命宣告を受けた際には「どのように過ごしたいか」といった本人の意思を尊重できるよう、家族で話し合っておくことも重要です。

高齢者(70代・80代)に医療保険は必要?

公的医療保険が整備されている中、そもそも民間の医療保険は必要?と考える人も多いでしょう。

保険の必要性は、経済状況や健康リスクによっても大きく異なります。

では、高齢者にとっての医療保険の必要性について、詳しく見ていきましょう。

医療保険が必要な人の特徴

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医療保険の必要性が高い人の特徴として、「貯蓄が十分にない人」や「援助できる家族が身近にいない人」が挙げられます。

日本には高額療養費制度や傷病手当金などの公的制度が存在しますが、入院時の自己負担がゼロになるわけではありません。

病気やケガで入院した場合、公的制度を活用しても約10万円〜20万円程度の費用がかかる場合があります。

入院が数カ月に及ぶと、さらに自己負担は大きくなります。

医療費の支払い時にすぐにお金を用意できない場合や、一時的に資金を確保できない場合には、医療保険で病気やケガに備える必要があります。

一方で、貯蓄に余裕がある人でも「老後資金には手を付けたくない」と考えるケースも少なくありません。

医療保険の給付金を活用することで、貯蓄を取り崩さず医療費負担に対応することができます。

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入院時の費用は?

参考:

80歳以上でも入れる!持病があっても入りやすい保険の選び方

持病や過去の手術・入院歴がある場合、一般的な医療保険に加入できないことがあります。

また、年齢によっては加入制限が設けられていたり、特別条件が付加されていたりするケースも見られます。

持病がある高齢者でも加入しやすいように設計されているのが「引受基準緩和型保険」です。

保険会社によって加入に必要な告知内容は異なりますが、一般的な告知内容は次のとおりになります。

質問のすべてに「いいえ」と回答できれば、申込が可能です。

持病がある人でも加入しやすく、高齢者でも検討できるのが特徴ですが、その分保険料は割高に設定されています

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毎月の予算と保障内容のバランスを考慮しながら、加入を検討することが大切です。

まとめ

今回は、高齢者の入院費用や、民間保険の活用方法について見てきました。

「親が保険に入っているか分からない」「医療費を払えるか不安」と悩んでいる人は、まず本人ともしものときのことについて話し合ってみましょう

ほけんのコスパでは、70歳以上でもインターネットから加入できる医療保険を複数掲載しています。

まずは年齢と性別を入力して、保険料のシミュレーションから始めてみましょう。

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監修者 保険ライター/2級FP技能士

橋本 優理

大学卒業後、ほけんの窓口グループ株式会社へ入社。約300組のライフプランニングを行い、保険販売業務に従事。その後、異業種にて法人営業を経験し、株式会社エイチームフィナジーで保険EC事業の立ち上げに参画。インターネット上で保険の無料相談ができるサービスの責任者として、自身も多くの世帯のライフプランニングを行う。2023年に株式会社モニクルフィナンシャル入社。経済メディア「LIMO」で300記事以上を執筆。現在は、より多くの人に、より気軽に、自分に合った保険の選び方を知ってほしいとの思いでコンテンツ制作や執筆作業に従事。 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、生命保険募集人資格、損害保険募集人資格保有。

執筆者 ファイナンシャルアドバイザー

長井 祐人

日本大学国際関係学部卒業後、東洋証券株式会社に入社。 国内外株式、債券、投資信託、保険商品の販売を通じ、主に個人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事する。 自身でも幅広く投資を行ってきたため、豊富な金融知識を活かした顧客ニーズに沿う提案が強み。 3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP3級)、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有。

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