弊社の社員で実際に病気やケガを乗り越えた体験談から、保険の必要性について考える「わたしの保険体験談」。第2回は、突然の腹痛から病院に行ったところ、盲腸と診断され緊急手術となった30代のBさん。
医療保険に加入していない状態での手術と入院。病気をする前後で医療保険に対する考え方も変わったみたいです。詳しく話を聞いてみましょう。
腹痛かと思ったら盲腸で緊急手術!
編集部
腹痛だと思っていたら急性虫垂炎(盲腸)だったそうですね。そのときの状況を教えていただけますか?

Bさん
前日の夜から軽い胃痛があり、朝には動けないくらい激しい痛みに変わっていました。
痛みが少し軽くなったタイミングで近くの病院に駆け込み、CTなどを撮ったところ、虫垂が腫れているのがわかり盲腸だろうと言われました。
編集部
診断内容にびっくりされたんじゃないですか?

Bさん
はい。強めの胃腸炎くらいだろうと思っていましたし、盲腸は若い人が罹るイメージがあり、同年代で盲腸になった人の話を聞くこともなかったので自分には無関係な病気だと思っていました。
いろんな病気でいわれることですが、まさに「まさか自分が?」という気持ちでした。
編集部
盲腸は若い年代で多い傾向にありますが、幅広い年代で罹るみたいですね。その日はそのまま手術されたのですか?

Bさん
はい。病院で手術か薬物療法のどちらにするか尋ねられ、虫垂炎の状態から薬物療法だと再発リスクもあり得ると言われました。
再発リスクを考えると切ってしまったほうがよいとすすめられましたので、手術することを決め、そのまま緊急手術となりました。
編集部
緊急手術となると不安は大きくなかったですか?

Bさん
盲腸の手術はありふれた手術だと思っていたので、手術自体にはそこまで大きな不安はありませんでした。
ただ、独身で一人暮らしだったこともあり、親兄弟に入院手続きなどの準備の依頼を急いで連絡しないといけなかったのが大変でした。
編集部
確かに一人暮らしからの入院は誰に手伝ってもらうのか迷ってしまいますね。
手術してから職場復帰まで、どのくらいの期間がありましたか?

Bさん
当日手術を行い、4日で職場復帰しました。
私は虫垂の炎症もそこまで強くなく、腹腔鏡手術でしたので術後の回復も早く、比較的すぐに退院できました。虫垂の状態によっては1週間以上入院することもあるとのことでした。
編集部
今は早く退院できるものなのですね。その後の通院などはありましたか?

Bさん
はい、退院して1週間後に経過観察を行うため1度だけ通院しました。その時は動くと手術跡に多少の痛みがあったので家族に送迎を依頼しました。
もし送迎が頼めなかったら、体の負担を考えてタクシーを使っていたかもしれません。
編集部
そうなると通院時の金銭的な負担も出てしまっていましたね。
貯金があるから医療保険はいらないと思っていたけど…
編集部
Bさんは医療保険に入っていなかったということですが、なぜ入っていなかったのか教えていただけますか?

Bさん
20代までは両親が入ってくれていた医療保険を継続していました。
30代になり保険を見直したときに、ある程度の貯金があれば、何かあっても高額療養費制度もあるので治療費が払えるのではないかと思い解約しました。
また、心のどこかで大きな病気なんてしないだろうという楽観的な考えもあったのだと思います。
編集部
確かに十分な貯金があれば医療保険が不要な方もいますね。
今回入院することになって、医療保険に入っていないことで不安はありませんでしたか?

Bさん
盲腸なので余程のことがない限り、長い入院にはならないとわかっていましたし、高額療養費制度もあるので、治療費も貯金でまかなえると想定できていました。
一方で、高額療養費制度が使えることが頭ではわかっていても、初めての手術・入院でしたので、治療費ってどれくらいお金がかかるんだろうという漠然とした不安は退院時まで感じていました。
編集部
初めての入院・手術となるとわからないことも多いですもんね。

Bさん
そうなんです。
高額療養費制度が支払い時に適用されるのかも理解しておらず、退院まで治療費が実際にいくらになるかわかりませんでした。
また、私の場合、手術後に個室に入っていて、「この個室は差額ベッド代がいるのだろうか…」と考えたりとわからないことで不安になることは多々ありました。
金銭的負担ではなく、精神的な負担が掛かる
編集部
治療費の話が出てきましたが、実際の治療費の支払いはどうでしたか?

Bさん
幸い支払い時に高額療養費制度が適用され、自己負担額分のみの支払いで済みました。貯金もあり問題なく支払えたのですが…
編集部
やっぱり医療保険に入っておけばよかったと感じましたか?

Bさん
私の場合、外来と手術・入院した病院が別で、高額療養費制度で合算基準できず、2万円ほど支払いが増えてしまいました。
実際に会計時に支払った金額は合わせて10万円程度で問題なく支払えています。
ただ、病気したときのための貯金という意識があまりなかったため、気持ち的に余計な出費になったと感じました。
今回はこの金額で済んでいますが、治療期間が長い病気になったときには少しずつ負担が蓄積しそうだなと不安になりました。
編集部
確かにまとまったお金が出ていくのはつらいですよね。

Bさん
そうですね。手術をしたということだけで精神的に参っているのに、出費もかさんだとなると思っていた以上に心の負担が大きかったです。
出ていくお金を見ると、「このお金であれができたな…」と考えてしまいます。もちろん治療して元気になったことが一番なんですが。
そういった意味では、医療保険に入っておけば金銭面においては余計な心の負担を感じずに済んだのかなと思います。
編集部
そういった思いを感じられる中で医療保険に対する考え方というのは変わりましたか?

Bさん
十分な貯金があれば医療保険は必要ないという考えは今もそのとおりだなと思います。
ただ今回病気になり、「貯金があるから払える」と「まとまったお金が出ていくことに精神的な負担を感じない」は別だと強く感じました。
治療費は医療保険で補えると分かっているのは、思っている以上に安心感につながります。
編集部
貯金があるからと思っていても、医療費以外にも突発的な出費がかかることもありますしね。

Bさん
そうですね。
医療費も1回の支払いだけだと問題なくても、長期の治療で何カ月も医療費が掛かったり、高額療養費制度も月をまたいでしまうと恩恵を受けれず、思っていた以上に出費がかさんでしまうことも考えられますしね。
編集部
では最後に、医療保険に入るか迷われている方へアドバイスをお願いします。

Bさん
医療保険の加入で迷うとき、支払った保険料に対して損にならないかと考えがちです。
しかし、いざ入院や手術をすることになったときは、支払済みの保険料と保障の損得勘定なんて考える余地もなく、ただただ給付金が出る安心感だけが残ると思います。
もちろん、十分な貯金があるから医療保険は不要という考えでもよいと思います。
そのときは、まとまったお金が出ていくことに精神的な負担を感じるかをもう一度考えて、負担に感じるようであれば医療保険に入っておいたほうが、いざというときに余計な心労を掛けずに済むかもしれません。
編集後記
医療保険の加入で迷っている人の中には、今回のBさんのように「貯金があるから医療保険に入る必要がない」「自分は健康だから大丈夫だろう」と考えている人も多くいるのではないでしょうか?
病気は突然やってくることもあります。楽観的に考えすぎず、もし病気をして入院することになったらどれくらい費用がかかるのか想定しておきましょう。想定費用に対して支払いの心配があるようだったら医療保険を検討してみるのが良いでしょう。
医療保険が気になったらまずは保険料を確認
