「30代になったら保険は必要?」「女性はどんな保険に入るべき?」とさまざまライフイベントを迎える中で、保険の加入や見直しについて考え始める30代の人も少なくはありません。
女性の場合、30代は20代よりも女性特有のがんにかかるリスクが高まるため、医療保険やがん保険を見直すタイミングでもあります。
令和元年のデータによると、女性の5人に1人は保険(全生保)に加入しています。
保険にもさまざまな種類があるため、どの保険に入るべきか悩む人も多いでしょう。
本記事では働き盛り世代である30代独身女性を中心に、保険のプロが保険の必要性や保険選びのポイントをしていきます。
この記事を読んでわかること
30代女性の生命保険加入率(令和元年:全生保)は82.8%
30代女性の年間払込保険料(令和元年:全生保)は平均15.1万円
30代のうちに保険に加入するメリットは「若いうちに加入すれば保険料が安くなる」「保険の選択肢が広がる」など
目次
30代独身女性の保険の必要性【3つのリスクに備える】
保険では「どんなリスクに備えるか」という視点が必要です。
30代独身女性の場合、次の3つのリスクを考えましょう。
- 入院や手術で貯金や収入が減るリスク
- 老後資金が不足するリスク
- 自分が亡くなった場合のリスク
1.入院や手術で貯金や収入が減るリスク
病気やケガが原因で入院や手術をした場合、貯金や収入が減るリスクが考えられます。
入院治療が短期化している現在、通院しながら数年単位の治療を行うケースが増えています。
治療が短期間であれば、ある程度の預貯金で足りるかもしれませんが、長期に及ぶと預貯金の額にも影響が出てくるでしょう。
場合によっては、仕事を休まざるを得ない場合もあるかもしれません。そうなると必然的に収入が下がり、これまでの生活水準を維持したり、貯金のペースを保つことが難しくなるリスクがあります。
2.老後資金が不足するリスク
将来の生活費が公的年金だけでは賄えない状況も、私たちが抱えるリスクといえるでしょう。
長生き自体が老後資金の不足する原因になっているのは残念な状況ですが、若いうちから老後の生活について考えておくことに越したことはありません。
特に介護状態になった時など、どの程度資金が必要かなどを考えておけば、ある程度の準備をすることができるでしょう。
3.自分が亡くなった場合のリスク
自分が亡くなった後は、残されたご家族、兄弟、親類が死後の管理をしてくれることになります。
葬儀代など諸々の費用に関しては、できれば自分で用意しておきたいものです。
家族がいる場合は、遺された家族の生活費や教育費などを考えておく必要もあるでしょう。
30代で起こるライフスタイルの変化で保険が必要に
今は独身でも、女性にとって30代とは結婚・妊娠・出産などライフスタイルが大きく変化する年代です。
妊娠や出産による身体上のトラブルや万が一のことがあった場合に備えて、保険へ加入する必要が出てきます。
また、30代は比較的収入が上がり、生活に余裕が出てくるタイミングでもあります。
これまでは「保険が気になりつつも収入面で断念していた」という人も、収入が上がることで検討できるようになった声も聞かれます。
30代独身女性の保険の必要性【調査データから読み解く】
では、30代の女性はどれくらい保険に加入しているのでしょうか。
実際の加入率を確認してみましょう。
生命保険加入率
30代女性の生命保険加入率は82.8%、20代は59.9%になり、30代にかけて保険に加入する女性が増えていることがわかります。
公益財団法人生命保険文化センターが調査した生命保険加入状況によると、女性全体の平均は82.9%、女性の5人中4人は保険に入っていることになります。
老後保障に対する保険加入率
30代女性の約6割が老後資金の準備を始めています。
老後資金準備の方法に関する内訳は、約5割が年金型や貯蓄型の保険、約4割が預貯金、残りが有価証券やその他の方法でした。
保険というと入院や手術のイメージが多いと思いますが、実は老後の資産形成としての機能もあります。
保険に加入すると生命保険料控除を受けられるので、貯蓄をしながら節税をすることもできます。
この点は、保険で老後資金を準備するメリットの1つといえるでしょう。
年間払込保険料の平均
公益財団法人生命保険文化センターが調査した年間払込保険料によると、女性全体の年間払込保険料の平均は16.8万円。
30代女性の平均は上図によると15.1万円のため、少し低めの金額です。
一般的に年齢が上がるにつれ、保険料は高くなります。
グラフを見てみると、50代で保険料はピークになり、60代で少し下がっていますね。
60代は子どもが独立して必要な保障が少なくなったり、多くの人が退職を迎える時期です。
老後に備え、保険の見直しをした結果、保険料が下がった人も多いのではないでしょうか。
入院時の自己負担費用の平均
30代の平均入院日数は13.5日、約2週間です。
8日~14日入院した場合、自己負担費用の全体平均は21万円です。
入院費用を貯金から出せる人も多いと思いますが、せっかく貯めたお金はできれば楽しいことに使いたいものです。
入院時の生命保険の充当割合
加入している保険で入院費用をどのくらいカバーできるのでしょうか。
全年代の平均で見ると、入院で実際にかかった費用などのうち、78.5%は生命保険でまかなえたと回答しています。
また、30歳代のみで見てみると、実際にかかった費用などの75.5%は保険で補うことができ、3割の人が実際にかかった費用などはすべて生命保険で賄えたと回答しています。
慣れない入院は精神的にも体力的にも疲れてしまうものです。そんな時の経済的ダメージは、保険に加入していればある程度避けられるでしょう。
30代の罹患率が高いがん種
30代のがんで最も多いのは「乳がん」、次いで「子宮頸がん」です。
上の表は男性と女性を合わせたデータのため、「女性系のがん」が全体で見ても多いことがわかります。
乳がんは、ピンクリボンキャンペーンでの自己啓発が進んでおり、セルフチェックから発見されるケースも多く、罹患率の上昇につながっているようです。
子宮頸がんは妊娠時や結婚前のブライダルチェックなどで検査する方も多いでしょう。
また、子宮頸がんは妊娠時の検査や結婚前のブライダルチェックなどで判明する場合もあります。
女性特有のがんが上位を占めているため、年齢が若くとも女性の場合は特に注意が必要かもしれません。
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メリット①若いうちに加入すれば保険料が安くなる
保険料は、統計や保険会社が独自で収集するデータなどに基づいて決定されます。
保険料の負担を公平にするため、病気のリスクが比較的少ない若い世代は保険料が安くなる傾向があります。
30代は、これから収入が上がっていくことが期待される反面、まだ不安定な時期でもあります。
保険料が安いうちに入っておけば、急に病気になってしまっても経済的負担が少なく済みます。
メリット②健康であれば加入できる保険の選択肢が広がる
保険は相互扶助の仕組みで成り立っています。
全員が同じ条件で保険に加入することが前提なので、何らかの病気に罹患している人は加入できない場合があります。
加入できたとしても保険料が割高だったり、保障内容に制限がある可能性があります。
保険はできれば健康で元気なうちに入っておくのが望ましいといえます。
保険商品の選択肢も広がるため、希望の保険に加入できる可能性が高くなります。
メリット③30代と40代では健康リスクに差がある
病気になるリスクは、30代と40代では大きな差があります。
2018年の国立がん研究センターの調査によると、30代女性でがんにかかった人数は1万892人でしたが、40代は30代の3倍以上の3万6673人でした。
40代になるとガン罹患のリスクが急激に高くなっていることがわかります。
40代は社会的な立場も加わり、働き盛りの年代です。社会的な立場を諦めることなく、治療に専念できる準備はできる限り事前に行っておきたいものです。
実際に自分が保険を使うケースを考えて、いざという場合に安心できる保障を選びましょう。
デメリット①経済的負担がかかる
30代女性の年間保険料は15.1万円。月々で考えると毎月1.3万円弱を払っている計算になります。
年間で計算してみても決して安い金額ではありません。
とはいえ、保険に加入しなければ万が一の場合の入院代や手術費用、休職時の経済的負担が自分にのしかかります。
保険に加入すると毎月一定額の金銭的な負担が生じるのが悩ましいところかもしれません。
デメリット②保険を使わなかった場合に損する可能性がある
保険契約は、保険料を払っている間に万が一のことが生じた場合、保険金が支払われる仕組みです。
保険を使った人は加入したメリットを感じられるかもしれませんが、使わなかった人の中には「損をした」と考える人もいるかもしれません。
掛け捨て型の保険の場合、保険を使わなくても、一度払った保険料は戻ってくることはありません。
保険には掛け捨てではない商品もありますので、自分に合った商品を選んで、加入したことを後悔しないようにすることも大切です。
30代が知っておきたい生命保険の基本知識
生命保険を選ぶうえで、最低限知っておきたい基本知識について見ていきましょう。
生命保険とは
生命保険とは病気や怪我、死亡、介護など、もしもの時の経済的負担に備える金融商品です。
大勢の人が加入して保険料を出し合い、もしもの時に保険金や給付金が支払われる仕組みになっています。
今回、30代に必要な保険として、
- 医療保障の保険
- 働けなくなった時に収入を保障するための保険
- 老後に備えるための保険
- 死亡保障の保険
上記1~4に分けて、各保険の特徴について解説していきます。
(関連記事:【専門家監修】生命保険の選び方!年代別・目的別に本当に必要な保険を解説)
1.医療保障の保険
医療保障には公的医療保険と民間の医療保険があります。
日本の公的医療保険は国民皆保険制度のため、制度への加入が義務付けられています。
公的医療保険は入院・手術などの医療行為を受けた時に、病院の窓口で支払う自己負担額が軽減される仕組みです。
民間の医療保険は各保険会社が販売する保険商品で、個人の必要に応じて、個人の判断で加入するものです。
公的医療保険でカバーされない費用は、私たちが自己負担分として支払う必要があります。このような場合、民間の医療保険に加入していると、自己負担分をカバーすることができます。
ただし、美容整形や検査のための入院など、治療を目的としないものについては原則支払いの対象にはなりません。
1-① 医療保険(定期・終身)
入院や手術をすることになると、治療によっては高額な支払いが求められる場合もあります。
突然の思わぬ出費に備えて加入しておくと安心なのが医療保険です。
医療保険には保障期間が決まっている定期タイプと、加入時から一生涯保障が続く終身タイプがあります。
定期タイプは保険料が安いのがメリット。
ただし保険期間があらかじめ決まっているため、いずれ更新や再加入を検討する必要があります。
同じ保障内容を継続すると保険料が高くなる場合が多く、注意が必要です。
終身タイプは、加入時の保険料と保障内容が一生涯変わらないのが特徴です。
保険料の払い方もさまざまで、払い方で解約返戻金の増え方が変わる場合があります。
また、保険料を短期間で払い終える方法の場合、月々の保険料は上がりますが、保険料の負担を早めに終わらせることができます。
1-② がん保険
がん保険は、高額化、長期化しやすいがん治療にかかる費用をカバーするための保険です。
がん治療は実にさまざまで、手術と数日の入院だけで済むケースもあれば、治癒後に再発したり他の部位に転移していたり、思わぬ事態が起こって治療が長引くケースもあります。
一旦治療を終えても、再発を抑える服薬やその他の治療が続くこともあり、長期的な治療計画が必要になることが多いのもがん治療の特徴です。
がん治療の多様化に伴い、がん保険においても診断確定から各治療段階に合わせて、給付金が受け取れるようになっています。
保障内容が年々進化しているのががん保険の特徴ともいえるでしょう。
2.働けなくなった時に収入を保障するための保険
病気や怪我のリスクで意外と見落としがちなのが「働けないリスク」です。備え方について詳しく見ていきましょう。
2-① 所得補償保険
所得補償保険は、損害保険会社が販売する「一時的な収入減を補う」ための保険です。
設定できる保険金の金額は、契約前の年収の約50〜70%程度が上限となっています。
一般的に保険期間は1年〜5年などの短期で、働けなくなってから保障が開始されるまでの期間(免責期間)も数日程度の短いものが多くなっています。
ただし、回復が難しい状態でも途中で補償が打ち切られてしまう可能性があります。
数日〜数週間働けないだけで収入に直接影響が出るような自営業者などは、加入を検討しても良いでしょう。
2-② 就業不能保険
就業不能保険は、生命保険会社が販売する「働けなくなった時に給与の代わりに収入を補う」ための保険です。
保険期間は60〜70歳程度まで長期間の設定ができます。
例えば、若年層でも脳血管疾患や交通事故などで麻痺が残ってしまい、復職が現実的ではない状態になっても、保険の満期まで収入を保障し続けることができます。
免責期間は60日が一般的で、設定できる給付金は年収により月10〜50万円程度まで設定することができます。
働けなくなった場合に備え、毎月必要な社会保険料や生活費用分は保険に加入しておくと安心です。
3.老後に備えるための保険
次は老後(長生きリスク)に備えられる保険を見ていきましょう。
個人年金保険(定額・変額)
個人年金保険とは、概ね60歳や65歳まで将来の年金の原資となる保険料を支払い、年金受取開始時期が到来すると、年金原資を一時金や年金として受け取れる仕組みの保険です。
支払った保険料は払い方などにもよりますが、個人年金保険料控除の対象となる場合があります。
個人年金保険には、契約時に将来受け取る年金額が決まる「定額年金」と、運用実績によって年金額が変動する「変額年金」があります。
定額年金は契約時に将来の年金額が確定するので安心感がありますが、固定金利のため、インフレリスクがあります。
一方、変額年金は運用実績によっては年金額が増えることが期待できますが、逆に払込保険料を下回る可能性もあります。
上記はいずれも、公的年金を補う私的年金という位置づけになります。
4.死亡保障の保険
死亡保障の保険について、保険料の支払われ方や保障の内容で見ると、下記のように分類することができます。
4-① 定期保険
定期保険とは、保障の期間(保険期間)が決まっている保険のことで、必要な期間だけ割安な保険料で大きな保障が持てるのが特徴です。
保険期間中に万が一の事態が起こった際には保険金が支払われますが、保険期間終了後には支払われません。
保険料は基本的に掛け捨てで、終身保険などの貯蓄性があるものに比べ、割安な設定となっています。
保険期間は10年、15年といった年数で設定する「年満了」と、60歳や70歳までなど、被保険者の年齢で設定される「歳満了」などがあります。
年満了タイプは期間満了後に更新できますが、更新時の年齢で保険料が計算されるため、更新後の保険料は高くなります。
4-② 終身保険
終身保険は一生涯保障が続く保険のことです。
死亡保障タイプは貯蓄性があり、途中で保険を解約した場合、解約返戻金を受け取ることができるため、貯蓄と保障を兼ね備えた保険といえます。
解約返戻金は保険加入期間が長くなると、既払済保険料が増えるにつれて、解約返戻金も増加していく仕組みです。
(関連記事:終身保険とは?定期保険とどっちが良い?図でわかる仕組みと知っておきたいデメリット)
4-③ 養老保険
養老保険とは保険期間中に被保険者が亡くなった場合に支払われる死亡保険金と、満期で受け取れる満期保険金が同額であることが特徴の生命保険です。
加入すると保障と貯蓄、両方の機能を持つことができます。
しかし、現在の日本の低金利下では、満期保険金が払い込んだ累計保険料を下回ることが多くなっているため、貯蓄面での養老保険のメリットは薄れてきています。
4-④ 収入保障保険
収入保障保険は万が一の場合に、死亡保険金を受け取れる定期保険の一種です。
定期保険との最大の違いは、保険金の受け取り方にあります。
被保険者に万が一のことがあった場合、保険金を年金形式で受け取ることができるのが収入保障保険の特徴です。
また、保険金額は加入時がいちばん大きく、年数を経るにしたがって逓減していくため、保障を効率的に得られるメリットもあります。
保険料は他種の保険商品に比べ、比較的安く設定されています。
万が一に備え、大きな保障を得たい人、大切な保険金を毎年(毎月)決まった額で受け取りたい人に向いている商品です。
Q.最近よく聞く変額保険、外貨建て保険ってどんな保険?
変額保険は保障を得ながら、運用を通じて将来の資産形成ができる保険です。
金利収入では実現できない高い運用成果を期待したい人、長期運用したい人向けの商品といえるでしょう。
満期保険金や死亡保険金、解約返戻金は運用の成果により変動します。
そのため支払った既払込保険料より満期保険金が少ない可能性もあるので注意が必要です。
一方、外貨建て保険は外貨建てで運用する保険で、保険料の支払いや保険金、解約返戻金の受け取りは外貨で行うことになります。
為替により保険料や死亡保険金、解約返戻金が日本円に換算すると変動します。
低金利が続く日本円よりも金利の高い通貨を選ぶと、高い利率で運用することができるでしょう。
将来の病気や怪我に備えて保障をしっかりつけたい人
おすすめの保険▼
医療保険・就業不能保険・介護保険
加齢に伴い入院・手術・介護などのリスクが上がっていくのは自然なことですが、20代〜30代でも大病を患うこともあります。
特に女性の場合、妊娠や出産時のトラブルで入院する可能性も考えられます。
また、女性特有の病気は30~40代に罹患率が高くなる傾向にあるため、健康なうちに加入しておくことを検討すると良いでしょう。
独身女性の場合、死亡保障は必要ないと考える人もいますが、医療保険・就業不能保険・介護保険のように、自分のための保険は加入しておくと良いでしょう。
女性特有のがんに備えて保険金を準備したい
おすすめの保険▼
がん保険(一時金タイプ、継続治療対応タイプ)
女性特有のがんといえば、乳がん、子宮頸がん、子宮体がんなどが代表的です。
がんに罹患して治療を行う場合、精神的、体力的に大きな負担がのしかかることが予想されます。
仕事にも影響が出るかもしれません。
がん保険の中でも、診断確定で一時金が受け取れる保障と継続治療に対応できる保障をセットで加入しておくと、「収入減+毎月の治療費」のどちらもカバーすることができます。
最低限の保障にしつつ、老後資金を貯めたい人
おすすめの保険▼
終身保険・個人年金保険・変額保険
「万一のことが起こらなかったら、保険料がもったいないのでは?」と感じる人もいるでしょう。
終身保険は万が一のことがあれば保険金を、無事に老後を迎えた際には解約金(または満期金)としてお金を受け取ることができる保険です。
特に保障は必要ないという人には個人年金保険がおすすめです。
個人年金保険は死亡保険金が少ない分、保険料を運用に回すことができ、効率的に運用されているのが特徴です。
また、変額保険は死亡保障を確保しながら、運用を通じて将来の資産形成ができる保険商品です。
価格変動のリスクがありますが、将来に向けて高い収益を期待したい人は検討しても良いでしょう。
保険料支払期間中には生命保険料控除などの税メリットを受けることができるのも、保険加入によって得られるメリットといえます。
加入前に確認しておきたい公的保障
保険に加入する前に、国の公的な保険制度についても確認しておきましょう。
遺族年金
遺族年金とは、一家の大黒柱が亡くなった時に、遺族が受け取れる年金です。
亡くなった人が加入していた年金の種類や、遺族年金を受け取る家族の年齢や子ども(18歳未満)の有無などによって、下記のように受け取れる年金の種類が異なります。
【国民年金に加入していた人が亡くなった場合】
→「遺族基礎年金」を受け取ることができる
→子どもがいる配偶者またはその子どもが受け取ることができる
【厚生年金に加入していた人が亡くなった場合】
→「遺族厚生年金」を受け取ることができる
→遺族が受け取ることができる
※遺族の中で優先順位がある
遺族年金に関する詳細は日本年金機構のHPにてご確認ください。
高額療養費制度
高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1ヶ月の上限額を超えた場合、その超えた額の払い戻しが受けられる制度です。
自己負担の上限額は、年齢や所得に応じて定められています。
例えば「標準報酬月額が28〜50万円の場合」の自己負担上限額は下記のとおり計算します。
自己負担限度額=「80100円+(総医療費※-267000円)×1%」
※総医療費とは保険適用される診察費用の総額(10割)
もし、総医療費が100万円だった場合、高額療養費制度を適用後の自己負担額は「8万7430円」になります。
詳細は全国健康保険協会のHPにてご確認ください
(参考:高額な医療費を支払ったとき | こんな時に健保 | 全国健康保険協会)
傷病手当金
傷病手当金は、被保険者が病気や怪我を原因で会社を休み、事業主から充分な報酬を受けられない場合に支給される手当のことをいい、被保険者やその家族の生活を保障するための制度です。
傷病手当金の支給期間は、支給開始日から通算して1年6ヶ月に達する日までが対象となります。
傷病手当金の1日あたりの支給額は下記の式で計算できます。
【支給開始日(※)以前の継続した12ヶ月間の各月の標準月額を平均した額】÷30日×3分の2
※最初に給付が支給される日
詳細は全国健康保険協会のHPにてご確認ください。
(参考:病気やケガで会社を休んだとき | こんな時に健保 | 全国健康保険協会)
まとめ:30代独身女性の保険選びは3つのリスクのバランスが大切
30代はライフイベントが多く、まさに人生のターニングポイントともいえます。
健康・仕事・老後といろいろなことが気になったり、今後の人生計画をきちんと考えてみようと思い始める人も多いでしょう。
30代独身女性の場合、老後資金の準備から、老後までに万が一のことがあった場合の備えも必要です。
- 入院や手術で貯金や収入が減るリスク
- 老後資金が不足するリスク
- 自分が亡くなった場合のリスク
上記3つのリスクのバランスを考えて保険を選び、将来に備えていきましょう。