年金の郵送物や確定申告の書類で「付加保険料」という言葉を見て、何のことを指しているか分からず戸惑っていませんか?
付加保険料には国民年金と生命保険で全く別の意味があり、混同しやすい用語です。
本記事では、付加保険料の2つの意味を整理していきます。
特に、国民年金を自分で納めている個人事業主やフリーランスの人に役立つ内容となっています。
ぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
「国民年金の付加保険料」と「民間の生命保険の付加保険料」で意味合いは異なる
国民年金の付加保険料は月400円
生命保険の付加保険料は保険会社が事業を運営するための経費に充てられる
目次
付加保険料には2つの意味がある【早見表】
「付加保険料」という言葉は、公的年金である国民年金と、民間の生命保険の両方で使われます。
それぞれ意味が異なるので、整理しておきましょう。
| 国民年金の付加保険料 | 生命保険の付加保険料 | |
| 意味 | 定額保険料に上乗せして納める月400円の保険料 | 保険料のうち保険会社の運営経費に充てられる部分 |
| 目的 | 老後に受け取る「老齢基礎年金」を増やす | 保険会社の事業運営 |
| 関係する人 | 自営業・フリーランスなど国民年金第1号被保険者 | 生命保険に加入するすべての人 |
| 知っておくメリット | 月400円で年金額を増やせる | 保険料の内訳を知ることができる |
年金の通知書で見かけた人は次の章から、保険料の見直しが目的の人は「【生命保険】付加保険料とは」の章から読み進めてください。
【国民年金】付加保険料とは?月400円で年金が増える「付加年金」
国民年金の付加保険料は、定額保険料に月400円を上乗せして納める保険料です。
納めた月数に応じて、将来受け取れる年金に「付加年金」が上乗せされます。
付加年金はいくら増える?受給額シミュレーション
付加年金の金額は「200円×付加保険料を納めた月数」という計算式で決まります。
年額として、老齢基礎年金に生涯上乗せされる仕組みです。
2026年度(令和8年度)の定額保険料は月1万7920円のため、付加保険料(月400円)と合わせると月1万8320円を納めることになります。
納付期間ごとの目安は次のとおりです。
| 納付期間 | 納めた付加保険料の総額 | 増える年金額(年額) |
| 10年(120カ月) | 4万8000円 | 2万4000円 |
| 20年(240カ月) | 9万6000円 | 4万8000円 |
| 40年(480カ月) | 19万2000円 | 9万6000円 |
例えば10年間納めた人は、納付総額4万8000円に対して毎年2万4000円を追加で受け取れます。
受給開始から2年で納付額に到達し、3年目以降は受け取るほど上乗せ分が積み上がる計算です。
実際に自身のケースでシミュレーションする場合は、「200円×納付予定月数」に当てはめて、増える金額を試算してみましょう。
(参考:付加保険料の納付|日本年金機構)
付加保険料を納付できる人・できない人【YES/NO判定表】
付加保険料は、誰でも納められるわけではありません。
働き方や納付状況によって対象が決まっているため、まずは自分が当てはまるかを確認しましょう。
| 年金保険の加入状況 | 納付の可否 |
|---|---|
| 自営業・フリーランス・学生など(第1号被保険者) | ◯ できる |
| 65歳未満の任意加入被保険者 | ◯できる |
| 会社員・公務員(第2号被保険者) | ✕ できない |
| 会社員などに扶養される配偶者(第3号被保険者) | ✕できない |
| 保険料の免除・納付猶予・学生納付特例を受けている人 | ✕できない |
| 国民年金基金に加入している人 | ✕できない |
| 65歳以上の任意加入被保険者 | ✕できない |
個人事業主やフリーランスで働く人は第1号被保険者に該当し、納付の対象となります。一方、会社員は厚生年金で上乗せがあるため対象外になっています。
(参考:付加保険料の納付|日本年金機構)
付加年金のメリット
- 受給開始から2年で納付額を回収できる
- 老齢基礎年金の繰下げ受給を選ぶと付加年金も同じ率で増える
- 納めた付加保険料の全額が社会保険料控除の対象になる
付加年金は、毎月少ない保険料負担で、将来受け取る年金額を増やすことができるのがメリットです。
おおむね、受給開始から2年で納付額を回収できる計算になります。
納付額は月400円でも、上乗せは「200円×納付月数」が毎年続くため、長生きするほど受取総額が増える仕組みです。
また、老齢基礎年金の繰下げ受給を選ぶと付加年金も同じ率で増える点もメリットのひとつです。
付加年金は老齢基礎年金とセットで支給されるため、繰下げによる増額率がそのまま適用されます。
65歳時点ですぐに年金を受け取る必要がない場合は、繰り下げ受給を視野に入れるのも良いでしょう。
その他、納めた付加保険料の全額が社会保険料控除の対象になる点もメリットとして挙げられます。
国民年金の保険料は所得税・住民税の計算で全額を所得から差し引くことができます。
確定申告をしている個人事業主にとっては、年金額を増やすだけでなく税負担も抑えることができる魅力的な制度です。
(参考:No.1130 社会保険料控除|国税庁)
(参考:国民年金保険料|日本年金機構)
付加年金のデメリット・注意点
付加年金はメリットの多い制度ですが、注意点もあります。
加入前に次の4点を確認しておきましょう。
- 物価スライドがない:上乗せ額は「200円×納付月数」で固定され、物価が上がっても増えません。
- 受給前に亡くなると掛け捨てになる:納めた付加保険料は返金されず、受給期間が2年未満の場合は納付額を下回ります。
- 繰上げ受給では同じ率で減額される:老齢基礎年金を繰り上げると、付加年金も同率で減少します。
- iDeCoの掛金限度額に影響する:第1号被保険者のiDeCo掛金は付加保険料などとの合算で上限が決まるため、満額まで拠出したい人は注意が必要です。
月400円と負担は非常に軽いですが、リスクがまったくないわけではありません。
長く納付できる見込みがあれば、費用を回収できる可能性も高くなるため、ライフプランや老後の生活設計をもとに加入するかどうかを判断しましょう。
付加年金・国民年金基金・iDeCoの違い【比較表】
第1号被保険者が年金を上乗せする方法には、付加年金のほかに国民年金基金とiDeCoがあります。
3つの制度は掛金や増え方が異なるため、比較して自分に合うものを選びましょう。
| 付加年金 | 国民年金基金 | iDeco | |
| 掛金(月額) | 400円 | 6万8000円以内で自由(iDeCoと合算) | 6万8000円以内(基金・付加保険料と合算) |
| 増える金額 | 200円×納付月数で確定 | 加入口数に応じて確定 | 運用成績により変動 |
| 税制優遇 | 全額所得控除 | 全額所得控除 | 全額所得控除 |
| 付加年金との併用 | ― | ✕できない | ◯できる |
国民年金基金は制度の中で付加年金相当分を代行しているため、付加保険料との併用ができません。
一方、iDeCoは付加年金との併用が可能です。
なお、2025年6月に成立した年金制度改正法により、第1号被保険者の拠出限度額は月6万8000円から7万5000円へ引き上げられる予定です(2026年12月施行、2027年1月引落分から適用)。
制度改正の移行期にあたるため、限度額いっぱいまで拠出したい人は最新の取り扱いを公式情報で確認しましょう。
まずは負担の軽い付加年金から始め、余力に応じてiDeCoを組み合わせるのも方法のひとつです。
(参考:FAQ 基金の加入・再加入|全国国民年金基金)
(参考:年金制度改正法が成立しました|厚生労働省)
付加保険料の納付手続き(申込方法)
付加保険料を納めるためには、自分から申し出る必要があります。
手続きの流れは次のとおりです。
- 市(区)役所・町村役場または年金事務所に「国民年金被保険者関係届書(申出書)」を提出する
- 申し出た月の分から付加保険料の納付が始まる
- 後日届く納付書などで、定額保険料と合わせて納める
マイナンバーカードを持っている人は、マイナポータルからの電子申請も利用できます。
窓口に出向く時間がない人は、電子申請を検討しましょう。
納付期限は対象月の翌月末日で、期限を過ぎても2年以内であれば納付できます。
やめたいときは辞退の申出書を提出すれば、いつでも中止が可能です。
(参考:付加保険料の納付|日本年金機構)
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【生命保険】付加保険料とは?保険料の内訳を理解しよう
民間の生命保険における付加保険料とは、毎月支払う保険料のうち保険会社の運営経費に充てられる部分のことです。
保険料の内訳を知ると、保険会社ごとに保険料の差が生まれる理由が見えてきます。
純保険料と付加保険料の違い
生命保険の保険料は「純保険料」と「付加保険料」の2つで構成されています。
純保険料は、将来の保険金や給付金の支払いに充てられる部分です。
年齢・性別ごとの死亡率を予測した「予定死亡率」と、保険会社が見込む運用利回りである「予定利率」をもとに計算されます。
一方の付加保険料は、保険会社が事業を運営するための経費に充てられる部分です。経費の見込みを示す「予定事業費率」をもとに算出されます。
例えば月1万円の保険料であれば、一部が将来の保険金の原資となる純保険料、のこりが会社運営に使われる付加保険料という構造になっています。
純保険料と付加保険料の割合は公表していない保険会社が多いですが、保険料を比較するときは、「保障の対価」と「運営コスト」が混ざっている点を意識してみてください。
(参考:保険料の仕組み|公益財団法人 生命保険文化センター)
付加保険料に含まれる3つの経費
付加保険料は、さらに3つの経費に分けられます。
何にお金がかかっているかを知ると、保険料の差を読み解く手がかりになります。
- 予定新契約費:契約の募集や広告、営業活動など、新しい契約の獲得にかかる費用
- 予定維持費:契約内容の管理やシステム運用など、契約を維持するための費用
- 予定集金費:保険料の収納にかかる費用
例えば、営業職員による対面販売や店舗の運営には人件費・賃料が発生し、新契約費や維持費として付加保険料に反映されます。
WEB専門の保険会社であれば、付加保険料を抑えられる可能性があります。
加入を検討する保険がどのような販売形態かを見ると、経費構造をイメージしやすくなるでしょう。
付加保険料は開示されている?確認する方法
「自分が払う保険料のうち、経費はいくらか」を知りたくなりますが、ほとんどの保険会社が保険料の内訳を公表していません。
中にはインターネット系保険会社で、純保険料と付加保険料の割合を公表している場合もありますが、業界全体で見ると少数派です。
消費者は、保険料の中身が見えなくても、最終的に支払う保険料で各社の比較をすることができます。
保障内容と保険期間をそろえて保険料を並べれば、経費の差は保険料の差として表面化します。
付加保険料が低いと保険料は割安になる?
同じ保障内容でも保険料に差が付く主な理由は、付加保険料にあります。
純保険料は死亡率などの統計をもとに計算されるため、会社間で差が生まれにくい部分です。
特に死亡保障の場合、国が発表している生命表をもとに保険料を決めるため、純保険料に極端な差は生まれにくい傾向にあります。
一方、付加保険料は各社の経費構造で決まるため、差が生じやすいという特徴があります。
一般に、営業職員や店舗を持たずWEB申し込みで完結する保険は、人件費や店舗費用を抑えやすく、付加保険料を低く設定しやすい傾向にあります。
つまり、保障内容が同じであれば、保険料の安さは経費の少なさを反映している可能性が高いといえます。
保障を削らずに保険料を抑えたい人は、販売形態にも注目して比較してみましょう。
ほけんのコスパの保険料シミュレーションを使えば、年齢と保障額を入力するだけでWEB申し込み型保険の保険料を確認できます。
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付加保険料の知識を活かして、割安な保険を自分で選ぶ3ステップ
保険料の内訳を理解したら、次は実際に保険商品を選んでみましょう。
相談窓口に足を運ばなくても、3つのステップを踏めば自分に合う保険を自分で選ぶことが可能です。
STEP1:自分に必要な保障を把握する
保険選びの際は、商品から見ていくのではなく、「自分に必要な保障」を把握することから始めましょう。
自分や家族にとって必要以上の過剰な保障を準備することは、純保険料・付加保険料の両方をムダに支払う原因になります。
必要な保障は、家族構成・収入・貯蓄・対象となる公的保障によって大きく異なります。
例えば、幼い子どもがいる個人事業主の場合、会社員と異なり「傷病手当金」や「遺族厚生年金」の制度がありません。
働けなくなるリスクに備える保険や、死亡保険を手厚くしておく必要があるでしょう。
逆に、貯蓄が十分にある独身の人や、DINKs世帯の場合、医療保険や死亡保険は必要最低限の内容で良い可能性が高いです。
とはいえ、自力での洗い出しには手間がかかります。
ほけんのコスパの「ほけん必要度診断」を使えば、家族構成などの質問に答えるだけで、必要な保障の種類と目安を数分で確認できます。

STEP2:保険料をシミュレーションして比較する
必要な保障が定まったら、同じ条件で保険料を比較します。
本記事で解説したとおり、保障内容が同じなら保険料の差は主に付加保険料の差から生まれている可能性があります。
比較のポイントは、保障額・保険期間・払込期間の3条件をそろえることです。
条件がばらばらのまま比べると、保険料の比較を正しく行うことができません。
ほけんのコスパの保険料シミュレーションなら、年齢・性別・保障額を入力するだけで複数の保険の保険料を比較することができます。
過去に加入した保険を見直していない人は、現在の契約の保険料と並べて差額を確かめましょう。保険を見直すことで、毎月の固定費を削減できるかもしれません。
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STEP3:多くの人に選ばれている保険を参考にする
条件を絞り込んだら、複数の商品から自分に合ったものを選ぶ必要があります。
人気ランキングを参考に、今の申込み動向を確認してみましょう。
人気の商品が必ずしも自分に適しているとは限りませんが、ランキング上位の商品は、比較的新しい保障をバランスの取れた保険料で確保できるものも多くなっています。
STEP1で把握した必要保障とSTEP2の保険料比較を軸に、ランキングは最終確認として使うと、後悔のない保険選びができるでしょう。
ほけんのコスパの人気ランキングページでは、申込数などをもとに最新のランキングを毎月発表しています。ぜひ保険選びの参考にしてください。
代HS-24-275-430(2024.11)
代HS-24-275-430(2024.11)
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年6月1日―2026年6月30日)
付加保険料に関するよくある質問
付加保険料についてのよくある質問に、現役FPがわかりやすく回答します。
Q. 会社員でも国民年金の付加保険料は納付できますか?
A. 原則としてできません。
会社員や公務員は厚生年金に加入する第2号被保険者にあたります。
付加年金の対象は第1号被保険者と65歳未満の任意加入被保険者に限られるため、現役の会社員は対象外です。
これには、会社員には老齢厚生年金という上乗せが既にある、という制度設計が背景にあります。
将来の年金額を増やしたい会社員は、iDeCoなど別の制度の活用を検討しましょう。
Q. 付加保険料は過去にさかのぼって納付できますか?
A. さかのぼっての納付はできません。
付加保険料は申し出た月の分からの納付と定められています。
かつては過去10年分を納められる特例納付制度がありましたが、2019年(平成31年)3月31日で終了しました。
加入を迷っている人は、申し出が1カ月遅れるごとに将来の年金が年額200円ずつ減る計算になるため、早めに判断しましょう。
(参考:付加保険料の特例納付制度|日本年金機構)
Q. 就職して厚生年金に切り替わったら付加年金はどうなりますか?
A. 就職して第2号被保険者になると、付加保険料を納める資格を失い、納付は終了します。
切り替えに伴う特別な手続きは必要ありません。
それまでに納めた分は無駄にならず、「200円×納付月数」が将来の年金に反映されます。
短期間の納付でも受給開始から2年で回収できる計算は変わらないため、就職の可能性がある人でも加入しておくことに大きなデメリットはないでしょう。
Q. 生命保険の付加保険料は自分で確認できますか?
A. 一部のネット系生命保険会社を除き、付加保険料の金額は開示されていないため、個別で確認はできません。
ただし、判断に大切なのは内訳そのものではなく「支払う保険料が保障に見合うか」です。
保障内容をそろえて複数の保険料を比較すれば、経費の差は保険料の差として確認できます。シミュレーションツールでの横並び比較が現実的な確認方法です。
Q. 付加年金と国民年金基金は併用できますか?
A. 併用できません。
国民年金基金は制度の中で付加年金を代行しているため、基金に加入すると付加保険料を納める必要がなくなる仕組みです。
なお、iDeCoは付加年金・国民年金基金のどちらとも併用できます。
決まった額の上乗せを少額で確保したい人は付加年金、毎月の拠出額を増やしさらに年金額を増やしたい人は国民年金基金やiDecoを検討しましょう。
まとめ:付加保険料を理解すれば、年金も保険も自分で選べる
本記事の要点は次のとおりです。
- 付加保険料には「国民年金の上乗せ制度」と「生命保険料の経費部分」という2つの意味がある
- 国民年金の付加保険料は月400円で、受給開始から2年で納付額を回収できる
- 対象は第1号被保険者などに限られ、国民年金基金とは併用できない
- 生命保険では、付加保険料の差が保険料の差につながりやすい
- 保障内容をそろえて保険料を比較すれば、割安な保険は自分で見極められる
年金も保険も、仕組みを知れば専門家に頼らず判断できます。
まずはほけんのコスパの「ほけん必要度診断」で必要な保障を確かめ、保険料シミュレーションで現在の保険と保険料を比較してみてください。
納得できる保険が見つかれば、そのままWEB申し込みまで完結できます。
固定費を抑えたいと考えている人は、まず保険料の見直しができないか情報収集から始めてみましょう。
予算から死亡保険を探す
月々の希望予算の上限
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