「年金の実際の手取額ってどれくらい?」「夫婦で250万円の年金収入だと生活は成り立つ?」
老後に受け取れる年金について、不安はありませんか?
本記事では、現在のシニア世代が受け取っている年金額の平均や、老後の生活にかかる費用をFPが詳しく解説します。
年金250万円が平均と比べて多いのか少ないのか、リアルな手取り額と生活レベルについて見ていきましょう。
この記事を読んでわかること
夫婦で年金250万円は平均よりもやや少ない可能性がある
年金250万円は手取にすると月額約18万円~19万円
年金収入だけでは、病気やケガ、介護のリスクに対応できない可能性がある
目次
4-1.医療費の自己負担増
4-2.介護費用(在宅・施設)の発生
7.まとめ
夫婦で年金250万円は平均より少ない可能性が大きい
結論から言うと、夫婦2人分の年金が年間250万円という金額は、厚生労働省が公表している標準的な年金額よりはやや少ないものの、平均的な水準に近いといえます。
年金250万円は、1カ月に換算すると20万8000円になります。
厚生労働省の発表によると、2023年度の平均年金月額は次のとおりです。
【国民年金加入者】
- 男性:5万9965円
- 女性:5万5777円
【厚生年金加入者】
- 男性:16万6606円
- 女性:10万7200円
男性が会社員、女性が専業主婦の場合、夫婦の年金額の合計は22万2383円となります。
夫婦共働きで男女ともに会社員だった場合は、合計27万3806円です。
このモデルケースと比較すると、年金250万円は少し下回るものの、妻が専業主婦の年金水準に近い額であることが分かります。
(参考:令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省)
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【世帯別】年金の平均受給額はいくら?
では、家族構成別の年平均受給額をさらに詳しく見ていきましょう。
夫婦とも国民年金(自営業など)の場合
夫婦がともに自営業者やフリーランスとして働き、国民年金のみに加入していた場合、老後に受け取る公的年金は夫婦それぞれの老齢基礎年金だけになります。
会社員世帯のように厚生年金を受け取ることができないため、受給額は相対的に少なくなります。
【国民年金加入者】
- 男性:5万9965円
- 女性:5万5777円
夫婦合計で年金受給月額の平均は11万5742円になります。
このケースでは、老後、年金収入だけで生活を成り立たせるのは難しいといえるでしょう。
現役時代から貯蓄やNISA・iDecoを活用した資産運用、個人年金保険の加入など、自助努力をしておく必要性が高くなります。
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夫:厚生年金、妻:国民年金(専業主婦家庭)の場合
夫が会社員で妻が専業主婦(第3号被保険者)の世帯を見ていきましょう。
この場合、夫が老齢基礎年金と老齢厚生年金を、妻は保険料を直接納付していませんが、第3号被保険者期間が納付済期間とみなされ、老齢基礎年金を受給できます。
夫婦の年金額合計は平均22万2383円です。
年金250万円は、上記の専業主婦家庭の平均的な水準に近い金額です。
ただし、共働きで夫婦ともに厚生年金に加入していた世帯と比較すると、妻の老齢厚生年金がない分、受給総額は少なくなります。
今後の物価上昇や税負担などを考えると、決して余裕がある金額とは言えません。
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夫婦とも厚生年金(共働き)の場合
夫婦がともに会社員や公務員として働き、それぞれ厚生年金に加入していた場合、老後の年金受給額は最も手厚くなります。
厚生労働省の統計データによると、男女別の厚生年金受給額の平均は次の通りです。
【厚生年金加入者】
- 男性:16万6606円
- 女性:10万7200円
つまり、夫婦共働き世帯の平均受給額は月額27万3806円となります。
もちろん、これはあくまで平均値であり、夫婦それぞれの現役時代の収入や厚生年金の加入期間によって実際の受給額は変動します。
例えば、夫婦ともに平均以上の収入で長期間勤務していた場合、世帯合計で月額30万円を超えることも珍しくありません。夫婦で共働きの世帯と比べると、年金250万円・月額約20万円は少ない水準といえるでしょう。
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年金250万円の手取り額はいくら?
年金250万円といっても、実際にそのままの額を受け取れるわけではありません。
実際に銀行口座に振り込まれる「手取り額」は、250万円から税金や社会保険料が差し引かれた後の金額になります。
年金から天引きされるものは次のとおりです。
- 所得税
- 年金収入250万円の場合:税率5%
- 月額約5800円
- 住民税
- 税額はお住まいの自治体による
- 国民健康保険料
- 保険料はお住まいの自治体による
- 介護保険料
- 2025年度の全国平均月額約6000円
年金250万円、月額20万5000円の実際の手取り額は、月額約18万~19万円前後となります。
(参考:No.1600 公的年金等の課税関係|国税庁)
(参考:No.2260 所得税の税率|国税庁)
(参考:令和5年度介護納付金の算定について(報告)|厚生労働省)
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手取り月18万円台での「生活レベル」は?
年金収入250万円の場合、所得税や住民税、国民健康保険料、介護保険料などが差し引かれ、実際の手取り額は年間で約220万円〜230万円、月額に換算すると約18万円〜19万円になるのが一般的です。
この手取り額でどのような生活が送れるのでしょうか。
生命保険文化センターの調査によると、老後の最低日常生活費は月額で平均23.2万円、ゆとりある老後生活にかかる費用は平均37.9万円となっています。
つまり、最低限の暮らしを送ったとしても、年金250万円では毎月赤字になる可能性があるのです。
持ち家で住宅ローンがなく、大きな病気もしないなど、支出を抑えることができれば生活は可能ですが、旅行や趣味を楽しむ生活を送ることは難しい水準といえます。
また近年の食料品や光熱費の値上げをふまえると、最低限の生活をしていくのにも貯蓄を崩す必要が出てくるかもしれません。
(参考:老後の生活費はいくらくらい必要と考える?|生命保険文化センター)
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2025年12月1日―2025年12月31日)
年金250万円世帯が直面する「3つの老後リスク」
年金250万円の世帯では、毎月の生活費がギリギリになる可能性があり、老後のリスクに対する備えが十分にできない可能性があります。
老後は病気やケガのリスクも高くなるため、医療費や介護費用の準備も必要です。
また近年特に問題になっているインフレ(物価上昇)への対策も考えておく必要があります。
詳しく見ていきましょう。
医療費の自己負担増
年齢を重ねるとともに、病気やケガのリスクは高くなります。
日本の公的医療保険制度は充実していますが、自己負担がゼロになるわけではありません。
持病を抱えて毎月病院に通わなければならない状況になると、家計への影響も次第に大きくなっていきます。
また、入院や手術などで医療費が高額になった場合、高額療養費制度を利用することで自己負担額は軽減できますが、完ぺきではありません。
差額ベッド代や先進医療にかかる費用は適用外となるため、自己負担が思わぬ金額になる可能性もあります。
高額療養費制度を利用したとしても、自己負担額が年間で数十万円に及ぶケースも少なくありません。
予期せぬ入院や手術に備え、ある程度の貯蓄を確保しておくか、民間の医療保険で備えておくことが大切です。
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介護費用(在宅・施設)の発生
医療費と並んで老後の大きな支出となりうるのが、介護費用です。
公的介護保険制度を利用すれば、所得に応じて1〜3割の自己負担でサービスを受けられますが、それでも負担は小さくありません。
生命保険文化センターの調査によると、月々の介護費用は平均9万円にものぼります。
年金250万円では、毎月の生活費に加えて介護費用を捻出することは難しく、ある程度の貯蓄がなければ対応できません。
また、介護には住宅リフォームや介護用ベッドの購入費など、一時的な出費が発生する可能性があります。
同じ調査によると、介護に伴う一時的な費用は平均47.2万円となっています。
介護に備えてある程度のお金を準備しておくか、民間の介護保険などへの加入を検討する必要があるでしょう。
(参考:介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?|生命保険文化センター)
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インフレ(物価上昇)による生活費の圧迫
物価が継続的に上昇する経済状況はインフレといわれ、年金生活者にとって大きなリスクになります。
老齢年金は、物価や賃金の変動に応じて改定されるマクロ経済スライドの仕組みを取り入れていますが、必ずしも物価上昇率に完全に連動するわけではありません。
実際の物価高に年金額が追いつかず、実際の「価値」が目減りしてしまう可能性があります。
もし、政府が目標としている年2%のインフレが続けば、10年後には今の生活レベルを維持するためにより多くのお金が必要になります。
インフレリスクに対応するためには、預貯金として資産を持っているだけでなく、インフレに強いとされる株式などで資産を運用することもひとつの方法です。
年金250万円で足りない!今からできる4つの対策
年金250万円では生活費が不足する可能性があることを考えると、早めに対策を講じることが大切です。
今からできる4つの対策について、FPの筆者が具体的にご紹介します。
対策1:公的年金を増やす(繰下げ受給)
公的年金の受給額を増やす最も確実な方法が「繰下げ受給」です。
繰り下げ受給とは、本来65歳から受け取る年金を66歳以降に遅らせる方法です。
受給を1カ月繰り下げるごとに年金額が0.7%ずつ増額され、この増額率は生涯変わりません。
例えば、70歳まで5年間繰り下げると42%増、上限である75歳まで10年間繰り下げると84%増となります。
年金250万円の世帯が70歳まで繰り下げた場合、年金額は約355万円(250万円 × 1.42)に増えます。
ただし、繰り下げている期間は年金収入がゼロになるため、その間の生活費を貯蓄や給与所得などで賄えるかどうかが重要な判断ポイントです。自身の健康状態や働き方、貯蓄額などを総合的に考慮して検討しましょう。
対策2:支出を見直す(固定費の節約)
収入を増やすことが難しい場合、支出をコントロールすることが最も手軽で効果的です。
特に、毎月一定額が出ていく「固定費」を見直すことが大切です。
- 保険料:現在加入している保険が今のライフステージに合っているか確認を。不要な特約を外すだけでも保険料を削減できます。
- 通信費:大手キャリアから格安SIMに乗り換えるだけで月々数千円の節約につながることも
- 住居費用:持ち家の場合は住宅ローンの借り換え、賃貸の場合はより家賃の安い物件への住み替えも選択肢に。
- サブスクリプションサービス:利用頻度の低い動画配信サービスやアプリなどは解約を検討しましょう。
特に保険の見直しは効果的です。老後は現役時代と比べて保険で備えておくリスクが変化しており、不要になった大きな死亡保障を解約したり、特約のみ解約するなどして保険料を節約できる可能性があります。
まずは家計簿アプリなどを活用して、自分たちの支出を「見える化」し、どこに削減の余地があるか把握することから始めましょう。
対策3:資産運用で「増やす」(新NISA・iDeCo)
日本では低金利が続いており、銀行預金だけで資産を増やすことは難しい状況です。
インフレによる資産価値の目減りに対応する方法として、資産運用を取り入れるのも選択肢のひとつです。
新NISAやiDecoなど税制優遇を受けられる制度を利用し、投資信託を使った運用に挑戦してみるのも良いでしょう。
ただし、運用には元本割れのリスクを伴います。
リスクを軽減するためには、できるだけ長い時間をかけて積み立て投資をしていくことが効果的です。
また、資産を複数の運用先に分けて保有しておくこともリスクヘッジになります。
資産運用は、現役世代に特におすすめです。老後までの期間が長いほど、元本割れのリスクを低減させることができます。
対策4:保険で「備える」(医療・介護・個人年金)
医療費や介護費のリスクに貯蓄だけで備えるのが不安な場合は、民間の保険を検討しましょう。
- 医療保険:入院や手術に備える保険。公的医療保険制度ではカバーしきれない負担を補うために検討します。
- 介護保険:所定の要介護状態に該当した場合、一時金や年金形式の給付金を受け取れる保険。
- 個人年金保険:公的年金に上乗せする私的年金。60歳や65歳を満期とし、現役時代のうちから積立する保険。
老後は特に病気やケガのリスクが高くなります。
医療保障や介護保障が十分かを確認しておくことが大切です。
反対に、子どもの独立などのライフイベントを迎えると、大きな額の死亡保障は必要性が低くなります。
不要な保障を削って必要な保障を確保し、家計の負担を抑えながら効率的にリスクに備えられるよう意識してみましょう。
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まずは現状を把握し、保険の見直しや新規加入が必要かどうかを確認しましょう。
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まとめ
夫婦の年金収入が年間250万円という水準は、標準的なモデルケースと比較してやや少ないものの、平均の範囲内です。
しかし、手取り額に換算すると月額約18万円~19万円と、平均的な生活費をおぎなうには足りない可能性があります。
理想の老後を迎えるためには、貯蓄や資産運用などある程度の自助努力が必要です。
病気やケガ、介護のリスクには民間の保険で備える方法もあります。
貯蓄だけでは不安を感じる人は、健康なうちに保険での備えを検討しましょう。













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