「保険証券を確認したら、受取人が既に亡くなった親のままだった」「受取人が亡くなっていても保険金は受け取れる?」
古い保険証券を見つけて、不安になっていませんか。
放置すると、保険金の行き先や税金で想定外の事態が起こるかもしれません。
家族構成が変わったのに、受取人を昔のまま見直していない家庭は珍しくありません。
受取人が先に死亡していた場合、保険金は「受取人の法定相続人」が人数で頭割りして受け取ることができます。
加入から10年以上、受取人を確認していない人は本記事を参考にしてください。
この記事を読んでわかること
受取人が先に死亡していた場合、保険金は受取人の法定相続人が頭割りで受け取る
請求には相続人全員の戸籍などが必要で、時効は原則3年
受取人変更は契約者がいつでも無料で手続きできる
目次
2-1.必要書類チェックリスト
7.まとめ
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【結論】受取人が先に死亡していた場合、保険金は「受取人の法定相続人」が受け取る
受取人が被保険者より先に死亡し、変更しないまま保険事故が起こると、保険金は受取人の法定相続人全員のものになります。
受取人が亡くなっているからといって、保険金が受け取れなくなるわけではないので安心してください。
では、実際に保険金を受け取る人が誰になるかを見ていきましょう。
保険金を誰が受け取るかがすぐわかる分岐チャート
保険法第46条では、受取人が保険事故の発生前に死亡したときは、受取人の相続人全員が新たな受取人になると定められています。
ポイントは、被保険者の相続人ではなく「受取人の相続人」という点です。
次のチャートで、自分のケースを確認してみてください。
- 受取人は指定されていますか? → いいえ:約款の定めに従います(FAQ参照)
- 受取人は存命ですか? → はい:指定された受取人が受け取ります
- 受取人が死亡している → 受取人の法定相続人全員が受け取ります
- 受取人の相続人も死亡している → さらに次の相続人へ引き継がれます
法定相続人の範囲は、配偶者が常に相続人となり、第1順位が子、第2順位が父母などの直系尊属、第3順位が兄弟姉妹の順番です。
まずは「亡くなった受取人から見た相続人」が誰かを整理しましょう。
(参考:保険法|e-Gov法令検索)
(参考:No.4132 相続人の範囲と法定相続分|国税庁)
家族構成別・受取額の早見表(頭割りの計算例)
受取人の相続人が複数いる場合、分け方は法定相続分ではなく人数による均等割り(頭割り)が原則です。
配偶者だからといって、2分の1を受け取れるわけではありません。
保険金3000万円の場合、受け取れる金額は次のようになります。
| 亡くなった受取人の相続人構成 | 受け取る人 | 1人あたりの受取額 |
| 配偶者のみ | 配偶者1人 | 3000万円 |
| 配偶者と子1人 | 2人 | 各1500万円 |
| 配偶者と子2人 | 3人 | 各1000万円 |
| 子3人(配偶者は既に死亡) | 3人 | 各1000万円 |
| 配偶者と受取人の父母 | 3人 | 各1000万円 |
法定相続分なら配偶者と子2人の場合「配偶者1500万円・子750万円ずつ」となるところ、頭割りでは全員1000万円ずつになります。
相続財産の配分とは異なる結果になるため、注意が必要です。
(参考:死亡保険金受取人が被保険者より先に死亡していた場合、保険金は誰が受け取る?|生命保険文化センター)
受取人の相続人もすでに死亡している場合
受取人の相続人も既に死亡していた場合、保険金を受け取る権利はさらに次の相続人へ引き継がれます。
世代をまたぐほど関係者は増え、全員の戸籍をたどる作業が必要になる可能性があります。
たとえば受取人が義母、義母の子(夫の兄弟)も死亡していた場合、亡くなった兄弟の子、つまり甥や姪まで権利者に含まれる可能性があります。
関係者が10人を超えるケースも実務では起こり得るため、早めに保険会社へ連絡し、権利者の範囲を確定させましょう。
(参考:保険法|e-Gov法令検索)
代HS-24-275-430(2024.11)
代HS-24-275-430(2024.11)
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年7月1日―2026年7月31日)
受取人が死亡していた場合の保険金請求手続き4ステップ
請求の流れ自体は、通常の保険金請求と大きく変わりません。
ただし、相続人であることを証明する書類が追加で必要になります。
- ステップ1:保険会社へ連絡
証券番号・被保険者名・死亡日を伝えます。受取人が死亡している旨も必ず申告してください。
- ステップ2:必要書類の準備
保険会社から届く案内に沿って、請求書と添付書類をそろえます。
- ステップ3:保険会社による受付・支払可否の判断
書類到着後、支払事由に該当するか確認が行われます。
- ステップ4:保険金の受け取り
指定口座に保険金が振り込まれます。
保険金請求権には原則3年の時効があります。
手続きを後回しにせず、死亡を把握した時点で動き始めることが大切です。
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必要書類チェックリスト
受取人が死亡しているケースでは、「亡くなった受取人の相続人が自分である」という証明が求められます。
一般的な必要書類は次のとおりです。
- 保険金請求書(保険会社所定の様式)
- 被保険者の死亡診断書または死体検案書
- 保険証券
- 亡くなった受取人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
- 請求者(相続人)全員の戸籍謄本
- 請求者全員の本人確認書類・印鑑証明書
- 請求者全員の署名がある同意書類(保険会社により異なる)
必要な書類は保険会社や保険金の額によっても異なります。保険会社の案内に従って、書類を準備しましょう。
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死亡保険金にかかる税金は3種類|契約者・被保険者・受取人の関係で決まる
保険金を受け取る際は、税金に注意が必要です。
死亡保険金には、契約者(保険料負担者)・被保険者・受取人の組み合わせに応じて、相続税・所得税・贈与税のいずれかがかかります。
| 契約者(保険料を支払う人) | 被保険者(保険の対象者) | 受取人 | かかる税金 |
| 夫 | 夫 | 妻 | 相続税 |
| 夫 | 妻 | 夫 | 所得税・住民税 |
| 夫 | 妻 | 子 | 贈与税 |
相続税になるケースと非課税枠(500万円×法定相続人)
契約者と被保険者が同じ人で、受取人がのこされた家族というパターンが、最も一般的な契約形態です。
受け取った保険金は相続税の課税対象ですが、受取人が法定相続人の場合、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が使えます。
たとえば法定相続人が妻と子2人の計3人なら、非課税枠は1500万円です。
保険金3000万円のうち、課税対象は差し引き後の1500万円だけになります。
ただし、相続人以外の人が受け取った保険金には非課税枠が適用されない点には注意が必要です。
(参考:No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金|国税庁)
所得税・住民税の対象になるケース
契約者(保険料負担者)と受取人が同じ人である場合、所得税・住民税の対象となります。
夫が妻に保険をかけ、夫自身が受け取るケースが該当します。
一時金で受け取った保険金は「一時所得」として、次の式で課税対象額を計算します。
| (受取保険金-払込保険料の総額-特別控除50万円)×2分の1 |
保険金2000万円・払込保険料500万円なら、課税対象は(2000万円-500万円-50万円)×2分の1 = 725万円です。
払込保険料と50万円を差し引き、さらに半分にできるため、税負担は比較的抑えられる仕組みになっています。
保険金を一括ではなく、年金形式で受け取る場合は、雑所得の扱いとなる点も覚えておきましょう。
(参考:No.1750 死亡保険金を受け取ったとき|国税庁)
贈与税になるケース(最も税負担が重い)
契約者・被保険者・受取人がすべて異なる場合、贈与税の対象となります。
贈与税には相続税の非課税枠も、一時所得の2分の1計算もありません。
基礎控除110万円を超えた部分に、10%〜55%の累進税率がそのままかかります。
保険金2000万円を子が受け取った場合、贈与税は約585万円(特例税率で計算)という試算です。
同じ保険金額でも、相続税が適用される契約形態なら、非課税枠内で税額ゼロになる可能性があります。
契約形態を確認し、三者バラバラの契約になっていたら、契約者または受取人の変更を検討してみましょう。
(参考:No.1750 死亡保険金を受け取ったとき|国税庁)
受取人の相続人が受け取る場合の税金はどうなる?
受取人死亡により「受取人の相続人」が保険金を受け取った場合も、税金の種類は上記の3パターンで判定します。
契約者=被保険者の契約なら相続税の対象です。
ただし、実際に受け取る人が被保険者の法定相続人でなければ、500万円×法定相続人の非課税枠は使えません。
もう1つの落とし穴が、受け取った保険金の分け直しです。死亡保険金は受取人固有の財産のため、遺産分割の対象にならない点です。
頭割りで受け取った人が、話し合いでほかの家族に渡すと、贈与税の課税対象になります。
良かれと思った再分配が課税を招くため、受け取り前に権利者と金額を確定させましょう。
(参考:No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金(Q&A)|国税庁)
受取人の死亡に気づいたら「受取人変更」を早めに|放置する3つのリスク
受取人の死亡に気づいたら、被保険者の生前であればいつでも受取人を変更できます。
放置しておくと次のようなリスクがあるため、早めの変更が大切です。
- 手続きの複雑化:相続人全員の戸籍収集と署名が必要になり、受け取りまで時間がかかる。
- 意図しない人への支払い:頭割りの結果、疎遠な親族に保険金が渡る可能性がある。
- 税負担の増加:非課税枠が使えない人が受け取ると、相続税が増える可能性がある。
新しい受取人は誰にする?税負担で損しない選び方
新しい受取人を選ぶ判断軸は、「誰に保険金をのこしたいか」と「非課税枠が使えるか」の2点です。
500万円×法定相続人の非課税枠が使えるのは、法定相続人が受け取った場合に限られます。
判断の軸はつぎの通りです。
- 配偶者:非課税枠の対象。生活費をのこす目的に合致しやすい選択肢。
- 子:非課税枠の対象。配偶者には相続税の税額軽減が別にあるため、資産状況によっては子を受取人にすると世帯全体の税負担を抑えられる場合がある。
- 孫(子が存命の場合):法定相続人ではないため非課税枠の対象外。相続税の2割加算の対象にもなり、税負担が重くなりやすい。
「保険金を渡したい相手」が法定相続人なら、税負担の面でも合理的です。
(参考:No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金(Q&A)|国税庁)
そもそも受取人に指定できる人の範囲
受取人に指定できる範囲は、戸籍上の配偶者と2親等以内の血族(子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹)が一般的です。
保険会社によっては3親等内の血族(甥・姪など)まで認める場合もありますが、事前に保険会社に申請手続きをしておく必要があることが多いです。
友人や知人など血縁のない第三者は、保険金目的の契約を防ぐ観点から、原則として指定できません。
指定範囲の基準は保険会社ごとに異なるため、変更前に約款や公式サイトで確認してください。
内縁・事実婚・同性パートナーは受取人になれる?
内縁・事実婚の相手や同性パートナーでも、一定の条件を満たすと受取人に指定できる保険会社が増えています。
同居期間や生計の同一性を確認する書類の提出が求められるのが一般的です。
取り扱いの有無や条件は会社ごとに異なるため、加入前・変更前に各社の基準を確認しましょう。
結婚・離婚したときの受取人はどうする?
結婚・離婚のタイミングで、死亡保険金の受取人も変更を検討しましょう。
結婚したら、受取人を親から配偶者へ変更するケースが多くなります。
独身時代の契約は親が受取人のままになりがちなため、婚姻届の提出とあわせて確認してください。
離婚したら、元配偶者のままにしておくと、離婚後も元配偶者が保険金を受け取ります。
離婚しても受取人の指定は自動では変わりません。
子や親など、保険金をのこしたい相手へ速やかに変更しましょう。
複数の受取人を指定できる?割合はどう決める?
受取人は複数人を指定でき、「妻50%・長男25%・長女25%」のように割合も自由に設定できます。
割合を指定しておくと、頭割りとは違い、意図した配分で保険金をのこせるというメリットがあります。
ポイントは次の2点です。
- 生活費を担う人(配偶者など)に厚く配分する
- 非課税枠は受取割合に応じて各相続人に配分されるため、課税を見据えて調整する
なお、受取人ごとに請求手続きが必要になる点は覚えておきましょう。
受取人変更の手続き方法と流れ
受取人の変更は、契約者が保険会社に申し出ることで、いつでも何度でも行えます。
手数料はかかりません。流れは次の3ステップです。
- 保険会社のコールセンターから変更を申請する
- 送付された変更請求書に記入し、提出する
- 保険会社での処理完了後、通知書や証券で新しい受取人を確認する
保険法第45条により、受取人の変更には被保険者の同意が必要です(現在の受取人の同意は不要)。変更完了の通知は必ず保管しておきましょう。
(参考:保険法|e-Gov法令検索)
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受取人の見直しと同時に保障内容もチェックしよう
受取人が古いままの保険は、保障内容も現在の状況に合っていない可能性があります。
変更手続きと併せて、保障額と保険料が今の生活に合っているかを点検しましょう。
今の保険料が適正かを確認する方法
ライフプランニングの観点からは、保険料は手取り収入の8~10%程度に抑えるのが良いとされています。
収入に対して保険料が大きくなっていないか、点検してみましょう。
また、同じような保障内容でも他社に見直すことで保険料が抑えられる可能性があります。
WEBの保険料シミュレーションで、各社の保険料を確認してみましょう。
見直しの際は複数の保険会社で比較しよう
同じ保障額でも、保険会社や商品タイプによって保険料は変わります。
そのため、1社だけでなく複数社で比較することが大切です。
ほけんのコスパでは、申込数などをもとに毎月人気ランキングを更新しています。保険選びの参考に活用してください。
生命保険の受取人に関するよくある質問(FAQ)
生命保険の受取人に関するよくある質問に、現役FPが回答します。
Q. 受取人を指定していなかった場合は誰が受け取る?
A. 受取人の指定がない契約では、約款の定めに従って支払われます。
多くの約款では「被保険者の法定相続人に支払う」と規定されており、法定相続人が受取人として扱われる仕組みになっています。
約款の内容は保険会社ごとに異なるため、証券と約款を確認し、不明点は保険会社へ直接確認しましょう。
受取人の指定がない状態は、誰が・いくら受け取るかが不明確になりやすいため、事前に指定しておくことをおすすめします。
Q. 相続放棄をしても死亡保険金は受け取れる?
A. 受け取れます。
死亡保険金は受取人固有の財産であり、被保険者の相続財産に含まれません。
被保険者の借金を理由に相続放棄をしても、受取人に指定されていれば保険金の請求は可能です。
相続放棄は、相続開始を知ったときから3カ月以内に家庭裁判所へ申し立てます。
ただし、相続放棄をした人が受け取った保険金には、500万円×法定相続人の非課税枠が適用されない点には注意が必要です。
(参考:相続の放棄の申述|裁判所)
(参考:No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金|国税庁)
Q. 受取人が認知症の場合はどうなる?
A. 受取人が認知症で請求手続きができない場合、成年後見制度の利用や、契約に「指定代理請求特約」が付いていれば代理請求が可能です。
故人がどの保険会社と契約していたかわからない場合は、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」で、加盟する生命保険会社への契約有無を一括照会できます。
利用料は2026年4月の改定後、1件につきWEB申請6000円・書面申請7000円です(災害時の利用は無料)。
契約の有無がわかったら、各保険会社へ個別に請求手続きを進めましょう。
(参考:生命保険契約照会制度 ご利用の手引き|一般社団法人 生命保険協会)
(参考:家族の生命保険契約を一括照会!どこの会社に加入しているか調べられます|政府広報オンライン)
Q. 保険金の請求を忘れていた場合、いつまで請求できる?
A. 保険金請求権の時効は原則3年です。
被保険者の死亡から3年を過ぎると、請求権が消滅する可能性があります。
ただし、時効を過ぎていても、事情によっては支払いに応じてもらえるケースが実務上あります。
「もう無理」とあきらめず、まずは保険会社へ連絡してください。
古い保険証券が見つかったら、契約が有効かどうかの確認から始めましょう。
Q. 離婚した元配偶者が受取人のまま亡くなった場合
A. 離婚後も受取人が元配偶者のままで、元配偶者が被保険者より先に死亡した場合、保険金は元配偶者の法定相続人が頭割りで受け取ります。
元配偶者との間の子が相続人なら、結果的に子へ渡るかもしれません。
一方、元配偶者が再婚していた場合、再婚相手や再婚後の子が権利者に含まれます。
全く面識のない相手に保険金が渡る事態も起こり得るため、離婚時と、元配偶者の死亡を知った時点の2回、受取人を必ず見直してください。
まとめ
今回は、保険金受取人が亡くなった場合の取り扱いについて詳しくみてきました。
受取人が先に死亡していた場合、保険金は受取人の法定相続人が頭割りで受け取ることになります。
受取人変更は契約者がいつでも無料で手続きできるため、万が一のことが起こったら早めに受取人の変更をしておきましょう。
ほけんのコスパでは、複数社の死亡保険をランキング形式で掲載しています。
保険の見直しを検討している人は、是非参考にしてください。



















