「結婚したら保険を見直すべき?」「結婚後はどんな保障が必要?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
結婚は保険を見直すベストなタイミングです。
独身時代は自分を守るための保険が必要だったのに対し、結婚後はそれだけでなく家族を守る保険が必要になります。
これまで加入していた保険を見直し、自分達に合った保障を準備しておくことが大切です。
また、保障を見直すことで夫婦の将来設計を考えるきっかけにもなるでしょう。
本記事では、結婚のタイミングで保険を見直す際のポイントや、結婚後に必要な保障について、保険のプロが解説していきます。
この記事を読んでわかること
結婚すると独身の時と比べて死亡保障の必要性が高くなるため、保険の見直しは大切
子どもを希望している場合は、教育資金の準備も必要。ライフプランに合わせて保障選びをしましょう
自分たちにとって必要な保障が何か、保障額はどれくらいかを実際に計算しましょう
目次
結婚のタイミングで保険の見直しをしたほうがいい理由
結婚のタイミングで保険を見直すべき理由はいくつかあります。
それぞれ詳しく解説していきます。
万が一のことがあった際に家族の生活を保障するため
独身時代は死亡保障の必要性は低く、死亡保険に加入していない、もしくは、葬儀費用程度の保障しか用意をしていないのが一般的です。
しかし、結婚してパートナーができると死亡保障の必要性は高まります。
万が一のことがあったとき、その後の家族の生活を保障するためにも死亡保障は重要な保障のひとつになります。
パートナーの働き方などにもよりますが、独身時代よりも必要な死亡保障の額は大きくなるでしょう。
また、今後子どもが誕生して家族が増えると、さらに手厚い死亡保障が必要になります。
万が一のことがあったとき、のこされた家族はどのような生活を望むか、どれくらいの死亡保障があれば安心かを、家族で事前に話し合っておくと良いでしょう。
ケガや病気時の生活を保障するため
ケガや病気に備える保険は、独身時代から加入している人も多いでしょう。
もちろん結婚後も医療保障は必要になりますが、保障額や保障内容については見直す必要があるかもしれません。
家族が増える分、独身時代とは家計の状況も異なります。
家計を担う側が入院をしてしまうと、経済的なダメージが大きくなってしまうことが考えられます。
現在の医療保障で十分な内容になっているか、確認しておくのがおすすめです。
一方、共働きでお互いに何かあったときにはカバーできるようであれば、医療保障は最低限で良い可能性もあります。
入院した際の治療費負担や収入減少を想定し、保障内容を見直してみましょう。
結婚したら、保険金の受取人や指定代理請求人を変更する必要がある点にも注意しましょう。
死亡保険金の受取人を家族や兄弟に指定している場合、結婚後はパートナーへと受取人を変更するのが一般的です。
万が一のことがあったとき、保険金をのこしたい人にのこせるよう、手続き漏れがないようにしましょう。
また、自分に何かあったときの代理人となる指定代理請求人もパートナーへと変更しておくのが良いでしょう。
加えて、改姓や住所変更などの手続きが必要になることもあります。
結婚後は何かと忙しく手続きを後回しにしてしまいがちですが、加入中の保険をそのままにしないよう注意しましょう。
結婚のタイミングで備えたい3つのリスク
独身時代には必要性が低かった保障も、結婚後には必要になる可能性があります。
結婚後は具体的にどのようなリスクに備えておくのが良いのでしょうか。
ここからは、結婚のタイミングで備えておきたいリスクについて、保険のプロが詳しく解説していきます。
①万が一のことが起こるリスク
万が一のことがあると、のこされた家族が経済的な負担を負う可能性があります。
特に、家計を支えていた側がなくなってしまうと、葬儀費用だけでなくその後の生活費や、子どもがいる場合は教育資金の準備も必要になります。
家族構成次第で必要な保障額は大きく変わりますが、いずれにせよ独身時代とは違ったリスクを抱えることになります。
自分やパートナーに万が一のことがあったとき、のこされた側がどのような生活をしていくことになるか、金銭的な負担はどれくらいになるか、事前に考えておくことがとても大切です。
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②病気やケガのリスク
病気やケガで入院が必要な状況になると、経済的な負担が家計に影響を与えることもあります。
生命保険文化センターの調査によると、入院1日あたりの平均自己負担額は約2.1万円となっています。
この自己負担額は、公的医療保険制度である高額療養費制度を利用した後の金額です。
治療費だけでなく、食事代や差額ベッド代などの全額自己負担となる費用も含まれるため、入院時にはまとまったお金が必要になるケースも多くあります。
貯蓄が十分にあり、入院時の自己負担額や収入の減少にも備えることができるようであれば、リスクは少ないかもしれません。
しかし、すべての人がそれだけの十分な貯蓄を用意しているわけではありません。
また、貯蓄があっても、将来のためや子どものためなど使用目的を決めている人もいるでしょう。
急な出費に対応できないリスクがある場合や、貯蓄を目的以外のことで使いたくない場合は、しっかりと医療保障を用意しておきましょう。
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がんの罹患率
がんは生涯で2人に1人が罹患するといわれている、非常に身近な病気です。
また、がんは一度罹患すると完治が難しく、何年も抗がん剤やホルモン剤による治療をしなければならないケースもあります。
再発のリスクも高く、一度寛解してもその後、定期的な通院での検査が必要になることもあります。
そのため、近年では医療保障と併せてがんへの備えを検討する人が増えています。
比較的保険料が抑えられる若いうちに、がん保険を考えておくことがおすすめです。
万が一、なんらかの検査で異常が見つかったり、病気に罹患してしまうと保険に加入できないこともあります。
がんに罹患してしまったときの治療費や、収入の減少に備えるための保障を今のうちから準備しておくと安心できるでしょう。
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③働けなくなるリスク
近年では医療技術の進歩により、大きな病気になってしまっても命が助かることが増えています。
死亡保障だけでなく働けなくなってしまったときの収入減少に備える必要性が高まっています。
また、ケガで何カ月も仕事復帰ができなくなることや、精神的な病気で入院が必要になるような人もいます。
働けなくなってしまったとき、会社員であれば公的保障として傷病手当金を受け取ることができます。
しかし、傷病手当金は給与が満額保障されるものではなく、実際の収入は減少してしまいます。
加えて、1年6カ月までと受給限度が定められています。
傷病手当金だけで生活費をまかなうことができるのであれば、リスクは低いでしょう。
しかし、治療費の負担に加えて収入が減少してしまうと家計に影響を与える場合は、働けなくなるリスクにも保険で備えておく必要があります。
働けない状況になってしまったとき、経済的に問題がないか夫婦で話し合っておくのが良いでしょう。
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保障はいくら必要?保障額の決め方【ケース別】
万が一のことがあったとき、のこされた家族のために死亡保障はどれくらい準備しておけば安心できるでしょうか。
必要保障額を計算する際には、「必要保障額積み上げ形式」を元に考えるのが一般的です。
必要保障額積み上げ方式とは、万が一のときに必要な資金の総額から、想定できる収入を差し引き、その不足分を必要保障額とする考え方です。
必要資金の中には、遺族のその後の生活費や葬儀費用に加え、賃貸住宅に済んでいる場合は家賃、持ち家の場合はリフォーム費用なども含まれます。
想定される収入としては、遺族年金・死亡退職金・預貯金・のこされた家族が働く場合はその収入などがあります。
ここからは、ケース別の必要保障額計算方法を見ていきましょう。
専業主婦(夫)の家庭に必要な保障額
専業主婦(夫)の家庭で、会社員の夫が亡くなり妻の1人暮らしになることを想定します。
必要になる資金は、葬儀費用・妻の生活費・住宅費を合算して考えます。
葬儀費用は平均約118万円とされています。
1人世帯の毎月の平均的な支出額が約17万円、妻が平均余命である87歳まで生きたとして、53年間で必要になる金額は約1億812万円となります。
加えて、家賃を毎月5万円と仮定すると、53年間で約3180万円が必要となります。
これらを合算すると
118万円(葬儀費用)+1億812万円(生活費)+3180万円(住宅費)=1億4110万円
が必要資金として算出されます。
これに対し、のこされた妻が受け取れる主な収入減は遺族厚生年金です。
夫の収入を平均報酬月額35万円として考えると、毎月約3.6万円の受給額となります。
また、65歳以降は毎月約5.4万円の妻自身の老齢基礎年金を受け取ることができます。
これらをまとめると、合計約3779万円を公的な年金として受け取れることになります。
必要な資金に対して約1億331万円が不足する計算になり、この金額が必要保障額となります。
家が持ち家の場合は住宅費が必要なくなったり、妻自身が働く予定であれば収入が増えたりと、家庭の状況により必要保障額は異なります。
共働きの家庭に必要な保障額
共働き家庭で会社員の夫が亡くなり、妻の一人暮らしになることを想定します。
必要な金額は専業主婦(夫)世帯のときと変わらず、葬儀費用・妻の生活費・家賃を合算して算出します。
118万円(葬儀費用)+1億812万円(生活費)+3180万円(住宅費)=1億4110万円
これに対し、妻も会社員であれば、65歳まで受け取れる遺族厚生年金に加え、65歳以降は老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を受け取ることができます。
64歳までの遺族厚生年金は合計約1296万円、65歳から受け取れる老齢年金は合計約4002万円となります。
加えて、のこされた妻がその後得られるであろう収入も加味します。
月18万円×12年間×30年間=6696万円
必要な金額から見込まれる収入を差し引くと以下の通りです。
1億4110万円ー4002万円(公的年金での受給)ー6696万円(妻自身の収入)=2116万円
よって、死亡保障の必要額は2116万円となります。
この不足額から持ち家の場合は住宅費用を差し引くことができたり、妻自身の実家に戻る場合も住宅費用が軽減できたりと、人それぞれ状況によって必要保障額は変動します。
この考え方をもとに、自分たちで必要保障額を計算してみるのが良いでしょう。
子どもがいる家庭に必要な保障額
子どもがいる家庭の場合、のこされた家族の生活にかかる必要資金は大きくなる傾向にあります。
子どもが独立するまでの毎月の平均的な支出額が22万円、独立後の1人世帯での平均的な支出が17万円となっているため、これをもとに必要な金額を算出します。
118万円(葬儀費用)+1億2012万円(生活費)+3180万円(住宅費)=1億5310万円
この必要資金に対し受け取れるお金は、夫が会社員だった場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類です。
子どもがいる場合は、子どもが18歳になるまで年金額が加算されるため、概算すると以下の通りになります。
1575万円(子どもが4歳から18歳までの間に受け取れる遺族基礎年金)+1290万円(妻が35歳から64歳まで受け取れる遺族厚生年金)+979万円(妻が50歳から65歳まで受け取れる中高齢寡婦加算)+1490万円(妻が65歳から受け取れる老齢基礎年金)=5334万円
必要な金額から上記の受け取れる金額を差し引くと、以下の必要保障額となります。
1億5310万円ー5334万円=9976万円
持ち家で団信に加入している場合は、上記から住宅費は差し引くことができます。
また、子どもにかかる教育費は別途用意しておく必要があるため注意しましょう。
結婚後に備えたいおすすめの保険【ケース別】
結婚後に備えておくべきリスクは、死亡リスクだけではありません。
また、家族構成や今後のライフプランによって必要な保障の種類は変わってきます。
ここからは、ケース別におすすめの保険をご紹介していきます。
夫婦2人の場合
夫婦2人の家庭であれば、まずはお互いの病気やケガ、がんに対する備えを用意したうえで、万が一のための死亡保障を検討するのが良いでしょう。
共働きの場合は、どちらかの収入が減少してしまうと家計に影響を与えるようであれば上記に加え、就業不能保険を検討するのもおすすめです。
一方で、どちらかに万が一のことがあったとき、のこされた側が働く予定で経済的負担はそこまでないようであれば、死亡保障の額は葬儀費用程度でも問題ないかもしれません。
夫婦のどちらかが専業主婦(夫)の場合、家計を担う側に万が一のことがあったときの保障については、検討しておく必要があります。
住宅費や生活費なども加味して、安心できる死亡保障を準備しておきましょう。
また、専業主婦(夫)の保障は後回しにしがちですが、いつも家事を担ってくれている人が入院してしまったり療養が必要になると、家庭に影響が出ることが考えられます。
医療保険やがん保険は最低限加入しておくと良いでしょう。
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子どもを希望している場合
子どもを希望している夫婦の場合、将来必要になる教育費に対しても備えておく必要があり、保険の必要性はより高くなります。
医療保険やがん保険といった保障を基本としたうえで、死亡保障を確保しておく必要があるでしょう。
さらに子どもが生まれたら学資保険などの貯蓄性のある保険で、計画的に教育費を積み立てておくのがおすすめです。
死亡保障の必要額に関しては、共働き家庭と専業主婦(夫)家庭で異なります。
共働きで、万が一のことがあったときも、のこされた側が働く想定である程度の収入が見込まれるのであれば、その収入も踏まえて死亡保障の額を決定しましょう。
子どもの教育費の工面なども必要になってくるため、慎重に検討する必要があります。
どちらかが専業主婦(夫)の場合、家計を支えている側の必要保障額は大きくなります。
のこされた家族が生活に困窮しないためにも、子どもが独立するまでの間は死亡保障を用意しておきましょう。
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結婚したときの保険の見直し方法
保険を見直すときには、抑えておくべきステップがあります。
ここからは、結婚後に保険を見直す際の方法について詳しくご紹介していきます。
1.加入している保険を整理する
自分がどんな保険に加入しているか、どういったときに給付金を受け取れるかを覚えていない人も多いのではないでしょうか。
保険を見直す時には、まず現在加入している保険の内容を把握したうえで整理することが必要です。
保険の内容を整理する際には、「どんな保障が」「いつまで続くか」をポイントにしましょう。
十分な保障が用意できていなかったり、必要な期間保障が続かないようであれば、見直しを検討する必要があります。
特に、医療保障やがん保障は、実際にリスクが高まる老後まで保障を継続できないことがないように注意が必要です。
2.ライフプランを考える
保険で備えておくべき保障は、ライフステージによって異なります。
そのため、「子どもを希望している」「住宅購入をする予定がある」など、ある程度ライフプランが決まっているのであれば先を見越して保障を考えておくのが良いでしょう。
子どもがいるかいないか、持ち家か賃貸かは保険を考えるうえで特に重要なポイントになります。
死亡保障の額や、用意しておく保障にも影響を及ぼすため、今後のライフプランを考えながら保険を見直していくのがおすすめです。
夫婦で将来について話し合いをする良い機会にもなるので、保険の見直しをする際には一度2人で考えてみると良いでしょう。
3.必要な保障額を考える
次のステップとして、自分たちに必要な保障とその額について考えましょう。
死亡保障の必要保障額は、万が一のことがあったときに、のこされた家族が生活するために必要になる資金の総額から、想定できる収入を差し引いて考えます。
子どもを希望している場合は、将来必要になる教育資金も加味する必要があります。
医療保障やがん保障を検討するときは、高額療養費制度などの公的医療保険をふまえて不足分を保障として用意するのが良いでしょう。
先進医療や自由診療、入院時の差額ベッド代など、公的医療保険が適用されない費用が発生する点には注意が必要です。
働けなくなってしまったときの収入減少に備える就業不能保険を検討するときは、会社員の場合、傷病手当金の受給額を確認したうえで不足額を補えるよう保障額を設定しましょう。
自営業やフリーランスの人の場合、公的制度が手薄であるため特に手厚い保障が必要になる可能性があります。
家計の状況や職種などに応じて、必要な保障について決めていくことが大切です。
4.家計の状況にあった保険料を考える
さまざまな心配があるからといって、すべてのリスクに対して手厚い保険で備えを用意していくと、毎月の保険料負担が大きくなってしまいます。
家族や自身が安心できる保障でありながら、継続可能な範囲での保険料になっていることが大切です。
保険料の負担額の目安は、掛け捨ての保険に加入するか貯蓄性のある保険に加入するかによっても大きく変わってくるため、一概に言うことはできません。
しかし、一般的に保険料として毎月拠出するのは、月収の8%程度に抑えておくのが良いとされています。
ひとつの目安として参考にしてみてください。
まとめ
今回は、結婚後に保険を見直す必要性や、保険を選ぶ際のポイントについてご紹介しました。
結婚はとても大きなライフイベントです。
家族が増えることによって、これまでなかったリスクに備える必要が出てきます。
しかし、「具体的に自分にはどんな保障が合っているのか分からない」「自分たちだけで保険選びをするのは難しい」と悩んでしまう人もいるかもしれません。
ほけんのコスパの「ほけん必要度診断」では、現在の家族状況や不安に感じていることなどの簡単な質問に回答するだけで、必要な保障を診断することができます。
夫婦2人で同時に診断することも可能なので、結婚を機に保険を見直したいと考えている人はファーストステップとしてぜひ活用してください。