「団信は告知義務違反しても入れる?」「持病は隠しておいたほうが良い?」と疑問に思っている人もいるかもしれません。
住宅ローンを契約する際に併せて加入する団信(団体信用生命保険)ですが、申込時に既往歴や現在の健康状態について申告する「告知」が必要です。
結論、団信に告知義務違反で加入すると、最悪の場合万が一の時に保障が受けられない可能性があるため、告知は必ず正しく行う必要があります。
本記事では、告知義務違反をしたときのペナルティと、団信の審査基準について詳しく解説します。
この記事を読んでわかること
団信の告知義務違反は保険金請求時にバレる可能性が極めて高い
故意の告知義務違反は、保険金の不払い・契約解除・ローンの一括返済などのペナルティを負うことも
団信加入時は健康状態について正しく具体的に告知することが大切
目次
1-1.保険金・給付金の不払い
1-2.契約の解除
1-3.住宅ローンの一括返済
1-4.今後の保険加入が困難になる
1-5.詐欺罪の可能性
2-1.医療機関への照会
2-2.医療情報データベースの利用
2-3.専門調査員による現地調査
3-1.現在の健康状態
3-2.過去の病歴・治療歴
3-3.特定の重大疾病の有無
4-1.告知書は正直に書く
4-2.病気や治療の経過を具体的に書く
4-3.診断書を添付する
4-4.専門家へ相談する
7.まとめ
告知義務違反がバレたらどうなる?5つのペナルティ
団信加入の際、「告知義務違反はみんなやってるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、安易な判断は非常に危険です。
告知義務違反がバレた際に考えられるペナルティにはどんなものがあるか、詳しく解説します。
保険金・給付金の不払い
団信で告知義務違反がバレると、保険金や給付金の支払いを拒否される可能性があります。
団信の主な保障は、ローン契約者が死亡したり高度障害状態に該当したときに、直接ローンの残債の返済に保険金が充てられ、それ以降の返済が不要になるものです。
重大な病歴を隠して団信に加入した場合、死亡や高度障害などの万が一の事態が発生しても、住宅ローンの残債がゼロにならず、結果的にのこされた家族が不利益を被ることがあるため注意が必要です。
契約の解除
告知義務違反がバレたときのペナルティとして、契約の解除も考えられます。
告知義務違反が発覚した場合、保険会社は団信契約そのものを解除する権利を持っています。
契約が解除になると保険としての効力を失うため、住宅ローンの返済を担保する保険がなくなり、契約者とその家族がリスクをすべて負うことになります。
一般的に、加入から2年以内に告知義務違反が発覚した場合には契約解除ができると定められていますが、2年を超えれば安心というわけではありません。
団信加入から2年を超えていたとしても、故意の告知義務違反で悪質とみなされれば、年数に関係なく契約取消となる場合があります。
株式会社イオン銀行 がん団信被保険者のしおりより抜粋
「現在の医療水準では治癒が困難または死亡危険の極めて高い疾患の既往症・現症等について故意に告知をされなかった場合」等、告知義務違反の内容が特に重大な場合、保障開始日から2年経過後でも、詐欺による取消を理由として、保険金・給付金をお支払いできないことがあります。
住宅ローンの一括返済
告知義務違反の悪質度によっては、住宅ローンの一括返済を求められるケースもあります。
残債が大きな額で一括返済に応じられないと、住宅を手放すしかありません。
一概にどのようなケースで一括返済を求められるかは断言できませんが、保険金が支払われずに契約解除になるだけでなく、一括返済が必要になる最悪の事態も起こりうることを認識しておく必要があります。
団信加入時の告知義務違反は、あとから大きなデメリットになる恐れがあります。
「わざと持病を隠して加入する」ことは絶対にやめましょう。
今後の保険加入が困難になる
一度告知義務違反の履歴が残ると、生命保険や団信の再加入が非常に厳しくなる可能性があります。
保険会社間では、過去の申込情報や現在の契約状況などを共同利用しており、告知義務違反の履歴があることを理由に新しい保険への加入を断られることもあります。
新たに加入する金融商品の選択肢を狭めてしまうリスクがあるのは、大きなデメリットといえるでしょう。
詐欺罪の可能性
故意に告知義務違反を行った場合、詐欺罪に問われる可能性も考えられます。
告知義務違反の内容が悪質だった場合、「詐欺による契約の取消」となり、これまで支払った保険料も変換されないケースもあります。
保険法では、「保険契約者又は被保険者の故意または重過失があること」が告知義務違反による保険契約解除の要件となっており、詐欺の意思があったかではなく、告知すべきことを知りながら虚偽の告知をする行為があったかがポイントになります。
実際には、告知義務違反をしたからといって起訴されることはほとんどありませんが、「詐欺による契約の取消」になってしまう可能性については注意しておく必要があります。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2025年12月1日―2025年12月31日)
告知義務違反はなぜ必ずバレる?保険会社が行う調査方法
告知義務違反がバレると大きなリスクがあることは分かりましたが、「そもそも告知義務違反ってバレるの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
結果からいうと、告知義務違反はほとんどの場合であとから発覚するケースが多いです。
保険会社がどのように調査をするのか、詳しく見ていきましょう。
医療機関への照会
万が一のことがあって団信の請求手続きを行った際、保険会社は必要に応じて医療機関への照会を行うことがあります。
死亡診断書やカルテなどから、告知内容と異なる既往歴が発覚し、告知義務違反として保険金の支払いが拒否されるケースも複数存在します。
加入時に治療歴などを記入しなくても、あとから医療機関への紹介でバレてしまうため、告知は正直に行う必要があります。
医療情報データベースの利用
保険会社は、診療報酬明細(レセプト)を参照して告知内容が正しかったかどうかを調査することもあります。
診療報酬明細には、健康保険の利用歴が記録されており、どこでどんな治療を受けたかがわかるようになっています。
診療報酬明細の参照には加入者の同意が必要ですが、同意しなければ保険金請求の審査が進まなくなるため、協力すると良いでしょう。
もし、故意に治療歴を隠して団信に加入してしまうと、保険金請求時に健康保険の利用歴開示の同意を求められた際、トラブルになる可能性があります。
専門調査員による現地調査
状況によっては、保険会社が専門調査員を派遣して現地調査を行うケースもあり、特に不正の疑いが濃厚な場合に実施されることが多いです。
現地調査というと損害保険の保険金支払いで実施されることが多いですが、生命保険の場合でも悪質なケースでは関係者への聞き取りなどの調査が行われる場合もあります。
不正な申込みに対して保険金を支払ってしまうと、保険会社の経営にも大きく影響を与える可能性があるため、保険金支払いの審査は慎重に行われます。
もちろん、正直に告知をしていれば心配することはありません。
団信の告知ではどんな内容を質問される?
団信に加入する際は、さまざまな健康状態に関する告知事項に回答する必要があります。
告知を正しく行うためにも、一般的な団信の告知内容について見ていきましょう。
現在の健康状態
多くの団信では、「過去3カ月以内に医師の治療・投薬を受けたことがあるか」といった告知項目が設けられています。
中には、医療機関を受診して医師の指示・指導を受けた時点で、投薬治療を受けていなかったとしても告知対象となることもあります。
告知書の記載は確認しておきましょう。
また、定期的に治療している病気があり、直近で医療機関を受診している場合もこの告知項目に該当します。
高血圧や脂質異常症、睡眠障害など、長く治療している病気はうっかり告知を忘れてしまう可能性があります。
告知漏れが無いよう、直近の医療機関受診歴について確認しておきましょう。
過去の病歴・治療歴
直近の治療歴だけでなく、過去の医療機関の受診歴についても告知が必要です。
一般的な団信では、「過去3年以内」の手術歴・2週間以上にわたる治療歴について尋ねられます。
2週間以上にわたる治療歴とは、初診から治療終了までの期間が2週間以上あるケースを指します。
複数回診察を受けている場合や、定期的に投薬治療をしていた場合、この項目に該当する可能性があります。
3年前の出来事を詳細に思い出すことは難しいかもしれません。
告知の際は、お薬手帳や過去の検査結果がわかるものなどを用意して、告知漏れがないよう注意しましょう。
特定の重大疾病の有無
団信の告知では、がん・心疾患・脳血管疾患などの重大疾病の有無についても問われます。
保険金支払いリスクが高い病気は、保険会社が特に重要視するポイントです。
例えば、がんの罹患歴があるのにその事実を隠して団信に加入し、万が一がんが原因でなくなったとしても、団信では保障されない可能性が非常に高くなります。
あとから大きなトラブルになることを避けるためにも、告知書に記載がある病気に罹患したことがある人は、正直に告知をしましょう。
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正しい告知で安心して団信に加入するポイント
告知義務違反をすると、契約者やその家族に不利になる事態を招く可能性があります。
では、うっかり告知義務違反にならないためのポイントをご紹介します。
告知書は正直に書く
大前提として、告知書の質問事項に対して正直に回答することが何よりも大切です。
告知義務違反をした場合、保険金が支払われないだけでなく、住宅ローンの契約解除や一括返済を求められるリスクがあります。そのため、健康状態や病歴について嘘や隠し事をするのは絶対に避けましょう。
「みんなやってるから大丈夫」という考え方ではなく、もしものときにトラブルを避けるため、正直な告知を心がけてください。
また、保険会社はさまざまな方法で告知内容について調査するため、保険金請求の際に違反が発覚する可能性が高い点にも留意しましょう。
団信はもしものための備えです。告知義務違反で加入できたとしても、保険金がおりなければ意味がありません。
病気や治療の経過を具体的に書く
告知書を記入する際は、治療の経過をできるだけ具体的に書くことが大切です。
治療を開始したのはいつか、どんな治療をしてきたのか、現在完治しているのか治療中かなど、治療の流れが分かるように記入することがスムーズな審査につながります。
告知の内容が曖昧だと、追加で書類提出が必要になることもあり、審査が遅れてしまう可能性があります。
具体的に病歴を記述することで不利になることはありません。むしろ、治療の経過が分かることで審査における判断材料が多くなり、適切な審査を受けることができます。
健康状態に少しでも不安がある人は、曖昧な記載を避け、経過を時系列順に細かく申告しましょう。
診断書を添付する
告知に該当する既往歴がある人は、診断書を添付することで、審査担当者に正確に健康状態を理解してもらうことができます。
特に、病気が完治したことが分かる診断書や、完治後の検査結果が問題ないことが分かる書類があれば、告知時に併せて提出しておきましょう。
審査に不安がある人は、別途費用はかかりますが、事前に医療機関で診断書を発行してもらうのも良いでしょう。
専門家へ相談する
団信の告知について不安がある場合は、契約時の担当者や、保険や住宅ローンに詳しい専門家に相談するのがおすすめです。
特に、既往歴によって団信の加入が難しい場合、ワイド団信など代替の保険商品の提案を受けられる可能性があります。
困ったときは専門家のアドバイスを受けることで、団信の選び方や告知のポイントなどを知ることもできます。
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生命保険加入後に告知忘れに気付いた場合の対応方法
団信に加入した後に告知忘れに気付いた場合、すぐに保険会社に連絡して状況を正直に説明しましょう。
告知義務違反は「みんなやってる」と感じるかもしれませんが、実際には厳格な調査の結果、保険金請求時に発覚する可能性が極めて高いです。
告知忘れに気づいた段階ですぐに対応することが大切です。
保険会社に告知忘れがあった旨を申し出て、保険会社の指示通りに追加告知など必要な手続きを行いましょう。
場合によっては、再度審査が必要になることもあります。
しかし、告知忘れを黙っているリスクのほうが高いため、誠実な対応を心がけましょう。
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団信の告知に関するよくある質問
ここからは、団信の告知に関するよくある質問に、ファイナンシャルプランナーがわかりやすく回答します。
Q. 軽い風邪や花粉症でも告知は必要?
A.風邪の扱いは保険会社によって異なるため注意が必要です。花粉症は告知不要と定めている保険会社も多くありますが、最終的には担当者へ確認しておくことが安心です。
風邪を引いているからといって団信の契約ができないわけではありません。
しかし、保険会社によっては「完治後の風邪」は告知対象外ですが、現在治療中の場合は告知が必要と定めている場合があります。
「風邪を告知して損になる」ということはほとんどないので、直近で病院に行った人は念の為担当者に確認の上、告知が必要であればありのままを申告しましょう。
花粉症の場合も同様で、告知不要と定めている保険会社もありますが、投薬内容や治療歴によっては告知対象となるケースもあります。
告知書には、告知対象外となる事象について詳しく書かれていることが多いため、まずは告知書を確認してみましょう。
Q. 病院で要経過観察といわれた場合は?
A.「要経過観察」と医師に言われた場合、団信の告知事項に該当する可能性が高いです。
要経過観察とは、今後も定期的に医療機関の受診が必要と判断されている状態を指すことが一般的です。
治療は受けていなくても、定期的に診察が必要な場合は、団信の告知事項に該当する可能性があります。
質問事項をよく読み、該当する場合は事実を具体的に告知するようにしましょう。
Q. 数年前の病歴でも書くべき?
A.団信では一般的に過去3年以内の医療機関受診歴が問われます。該当する場合は正しく告知しましょう。
告知の対象となる期間は保険会社によっても異なりますが、過去3年以内の健康状態について問われることが一般的です。
また、合併症を患っていたり長期間治療を受けている場合では、初診が3年以上前であっても告知対象になるケースがあります。
「この程度なら大丈夫だろう」と判断せず、指定された期間内の受診歴がある場合は正しく告知を行いましょう。
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まとめ
今回は、団信加入時の告知義務違反について詳しく解説しました。
故意に告知義務違反をすると、保険金の不払い、契約解除、住宅ローンの一括返済など、重大なペナルティを受けるリスクがあります。
告知義務違反をして団信に加入できたとしても、いざというときに保障を受けられなければ保険の意味がありません。
告知項目を確認したうえで、正直に告知をすることが大切です。
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