独身者なら本当に医療保険はいらない?プロが年代別に必要性と賢い選び方を徹底解説
医療保険

独身者なら本当に医療保険はいらない?プロが年代別に必要性と賢い選び方を徹底解説

執筆者:
荻野 樹
監修者:
三好 哲彦

日本には「国民皆保険制度」があります。

文字通りすべての国民が加入する保険制度で、日本国民全員が「公的医療保険(健康保険)」に加入しています。

公的医療保険は、かかった医療費の一部を国が負担し、自己負担金額を軽減する制度です。

日本の公的保障は手厚いといわれているため、医療保険の必要性が低いと考えている人もいるでしょう。

特に独身者においては、万が一入院したとしても金銭的に誰かに負担をかけることが少ないのか、特に医療保険に対して必要性を感じにくくなっているのかもしれません。

独身者には医療保険が必要ないのかプロが解説していきます。

この記事を読んでわかること

  • 独身でも医療保険の必要性は高い

  • 生涯にかかる医療費は約2300万円

  • ライフステージに合わせた保険の見直しが大切

独身者に医療保険はいらない?不要と考えられる理由

独身者に医療保険は不要と考えられることが多いのでしょうか。

それは、公的保障の充実と自身が入院などしても「金銭的に負担をかける人がいないため」と考えられます。

理由①公的医療保険制度で十分

先述した通り、日本は「国民皆保険制度」を取り入れており、日本に住む人全員が「公的医療保険(健康保険)」に加入しています。

公的医療保険(健康保険)

病気やケガで入院や手術の費用、治療を受けることでかかった医療費の一部を国が負担する制度です。

年齢や収入によって、かかった医療費の1割〜3割まで自己負担金額が軽減されます。

また、子どもについては、市町村によっても異なりますが、「18歳まで医療費が無料」などといったところもあり、公的医療保険制度で手厚く守られています。

そのため、手厚い公的医療保険制度で十分ではないかという声が上がっているのでしょう。

理由②高額療養費制度を利用できる

高額療養費制度

1カ月にかかった医療費の自己負担額に、年齢や所得に応じて自己負担額の上限を定め、上限を超えた分の医療費が還付される制度です。

自己負担額の上限を決める際の区分は、「69歳以下」と「70歳以上」で分けられ、さらに69歳以下の自己負担額は、年収によって5つの区分に分けられます。

「35歳/年収500万円/1カ月の医療費100万円」のケースで自己負担額を計算してみましょう。

年収が370万円〜770万円の人は、1カ月の自己負担額の上限を以下のように計算します。

8万100円 +(医療費 - 26万7000円)× 1%

ここに1カ月の医療費100万円を当てはめると、

8万100円 + (100万円 - 26万7000円)× 1%

=8万100円 + 7330円

=8万7430円

100万円の医療費が約9万円の自己負担額に収まります。

ただし、収入や年齢によって自己負担額が変わる点には注意しましょう。

理由③病気やケガがなければ保険料が無駄になる

医療保険は、入院や手術をした際には給付金を受け取ることができるため、いざというときにありがたみを感じることができるでしょう。

一方で、入院や手術がなければ給付金を受け取ることはありません。

掛け捨て型の医療保険の場合、給付がなければ1円も受け取ることなく医療保険は役目を終えることになります。

健康なのは素晴らしいことですが、少しもったいなさを感じてしまうかもしれません。

独身者が医療保険に加入する目的は?医療保険の必要性

保険の説明を受ける女性

公的医療保険制度が充実している日本ですが、それでも医療保険に加入する目的は何なのでしょうか。

いくつかのパターンに分けて見ていきましょう。

必要性①公的医療保険制度の適用外の費用を補う

公的保障の対象外となる費用については、把握しておく必要があります。

代表的なものは「差額ベッド代」と「先進医療の技術料」です。

差額ベッド代は公的医療保険の対象外のため、全額が自己負担となります。

差額ベッド代の平均費用は1日あたり約6000円ですが、個室の種類によっては1万円を超えることもあります。

また、先進医療にかかる費用も全額自己負担です。

がん治療に使われる重粒子線治療は、1件あたりの技術料が約300万円と高額です。

公的医療保険制度の適用外の費用については保険で備える価値があるといえそうです。

必要性②医療費が高額になった場合の備え

医療費が高額になった場合に備えて医療保険に加入するケースも考えておきましょう。

いかに公的医療保険制度が充実しているとはいっても、何ヶ月にも渡って治療が続くと、かかる医療費も大きくなってきます。

初めのうちはもしかすると預貯金でカバーできるかもしれませんが、いつまで費用がかかるのかわからない不安を抱え続けなければなりません。

医療保険に加入することで、入院費用や手術費用などの給付を受けることができ、ある程度の経済的な負担を軽減することができます。

Q.預貯金がいくらあれば医療保険はいらない?

預貯金があれば医療保険はいらない」と考えている人もいるかもしれませんが、預貯金がどれくらいあれば医療保険は不要なのでしょうか。

生涯にかかる医療費は約2300万円、そのうちの半分は70歳以降に必要になるといわれています。

それだけの医療費を払える預貯金があれば、民間の医療保険に加入する必要性は低いかもしれません。

ただ、あくまで「医療費のみにかかる費用」のため、そのほか生活にかかる費用は別途用意する必要があります。

数字で見る医療保険の必要性

医療保険の加入率を確認することで、医療保険の必要性を見てみましょう。

医療保険の加入率

生命保険文化センターが公表したデータによると、18歳〜79歳のうち、医療保険に加入している人の割合は65.7%となっており、全体のおよそ3分の2を占めていることがわかります。

(参考:2022(令和4)年度生活保障に関する調査|生命保険文化センター

差額ベッド代

差額ベッド代
(参考:主な選定療養に係る報告状況|厚生労働省)

公的医療保険制度の対象外となる費用の一つに、差額ベッド代があります。

保険適用の場合、大部屋での入院を基準にしており、少人数の部屋や個室を希望した場合は、1日ごとに追加で費用がかかります。

先進医療の技術料

先進医療とは、厚生労働省が認めた高度な治療や技術のことです。

公的医療保険制度の対象外となっており、治療を希望する場合は、数十万円〜数百万円かかる費用の全額を自己負担しなければなりません。

独身で医療保険の必要性が高い人

独身で医療保険の必要性が高い人はどんな人でしょうか。

病気やケガで入院や手術が必要になると、ある程度まとまったお金が出ていくことになります。

そのため、下記にあてはまる人は、独身であっても医療保険の必要性が高い人だといえるでしょう。

①入院や手術の費用を支払うことで、家計に支障が出る人

②自分にあった治療方法や環境を選べるように、選択肢を広げたい人

「個室の部屋が良い」「できるだけ少人数の部屋が良い」など、入院する環境について個別に希望する場合は、差額ベッド代が発生します。

また、自分の希望する治療を行う場合は、治療が高額な費用を要する可能性があります。

金銭的な理由で自分の望む治療を諦めないようにするためにも、保険の給付金があると安心です。

独身で医療保険の必要性が低い人

独身で医療保険の必要性が低い人は治療費だけでなく、働けない期間の生活費も継続的に預貯金でまかなえる人です。

入院することによって、その間の仕事を休むことになります。

仕事を休むことで、人によっては収入が下がるケースも出てくるでしょう。

いざというときには、治療費に加えて生活費まで準備しなければなりません。

家計に急な出費を支払うだけの余裕があるのかどうかをしっかりと見極める必要があります。

独身で医療保険が必要な人・不要な人【年代別】

独身で医療保険が必要な人と不要な人とを、20代〜50代の年代別に分けて見ていきましょう。

年代によって、必要な人と不要な人にどのような差があるのか解説します。

新社会人・20代の場合

新社会人や20代の場合、「これからお金を貯め始める」というタイミングの人も多いでしょう。

そんな中で急な入院や手術が必要になった場合、預貯金では対処しきれない可能性もあります。

そのため、十分な預貯金がない人は保険で備える必要性が高いといえるでしょう。

年代的には病気とはまだまだ無縁な世代のように思えますが、実は精神疾患や傷害などによる入院が多い世代です。

精神疾患は入院することになると、平均入院日数も長く、その分医療費が高額になってしまう可能性があります。

20代は新たな環境に身を置くことも多く、ストレスを感じやすい世代ともいえるでしょう。

30代・40代の場合

30代や40代は徐々に収入が高くなっていき、預貯金ができ始める人も多いのではないでしょうか。

ですが、医療費や生活費をカバーし切るほどの預貯金がある人はそこまでいないと思われます。

入院や手術が必要になると、一気に家計のバランスが崩れてしまうでしょう。

預貯金が十分でない場合や預貯金が減るリスクを下げたい人は保険の必要性が高いといえます。

また、キャリアアップや結婚など、ライフステージが大きく変化していくタイミングでもあります。

ライフステージに合わせて保険を見直しても良いでしょう。

50代の場合

50代になると、新規で保険に加入をしたり、これまで加入していた内容を見直そうとすると、支払う保険料が高くなってしまう年代です。

しかし、親の介護が始まったり、自らの持病で通院したりなど、保険の必要性を最も実感しやすい年代でもあります。

心疾患や脳血管疾患などリスクがあがるため、三大疾病に備えられる保険の必要性も高いといえるでしょう。

50代になってからは保険の新規加入や見直しがしにくい世代でもあるため、これまでに加入していた保険を継続する人が多くなります。

40代までにどういった保障内容の保険に加入するのかが非常に重要だといえます。

医療保険を選ぶときのポイント

医療保険を選ぶ際にはどういった点に気を付ける必要があるのでしょうか。

保障内容や保険期間など、さまざまなポイントについて触れていきます。

保障内容

医療保険を選ぶうえで最初に考えるべきポイントは「保障内容」です。

医療保険で基本となる保障は入院と手術です。

入院については、1日入院するごとにいくら受け取れるようにするのか(例:日額5000円)、一時金としていくら受け取れるようにしておくのか(例:10万円)などです。

手術についても、最低限の保障で良いのか、手厚い保障にするのかなどを考える必要があります。

保障を手厚くするとその分だけ保険料が高くなるため、バランスが大事です。

保険期間と保険料払込期間

保険の定期型と終身型の説明

保険期間と保険料払込期間も医療保険を選ぶうえでは非常に重要なポイントです。

保険期間は、一定期間のみを保障する「定期型」と一生涯を保障する「終身型」があります。

また、保険料払込期間についても、「〇歳まで」や「〇年間」といったように決まった期間中に保険料を払い終えるものと、一生涯にわたって保険料を払い続けるもの(終身払)があります。

一般的には、終身払の方が月の負担を抑えることができます。

特約

基本となる入院や手術の保障内容、保険期間と保険料払込期間が決まったら、次は特約について考えていきましょう。

特約とは保障内容のオプションのことで、保険会社ごとにさまざまな選択肢があります。

例えば、通院に関する保障やがんや三大疾病といった特定の病気に関する保障、先進医療や女性特有の病気に関する保障など、その保障内容は多岐にわたります。

自分がほしい保障内容と保険料とのバランスを見極めながら取捨選択することが大切です。

独身の場合はどんなリスクに備えるべき?最低限入っておくべき保険

独身の場合、どんなリスクに備えて保険に加入しておくのが良いのでしょうか。

最低限入っておくべき保険の種類について解説します。

病気やケガに備える保険

独身の場合、初めに考えるべき保険は、病気やケガに備える「医療保険」です。

病気やケガで入院や手術をするのは必ずしも年を取ってからとは限りません。

20代であっても、ある日突然入院や手術が必要になるかもしれません。

まだ働き始めてそんなに時間の経っていない人も多い20代は、いざ治療費が必要になったり、生活費が不足したりすると、預貯金でカバーし切るのは難しいことが多いでしょう。

そういった誰にでも起こりうる病気やケガでの入院や手術のリスクには、優先的に備えることを検討しておくべきだと考えられます。

自分に合う医療保険を選ぶ

保険料から保険を探す

働けなくなったときに備える保険

病気やケガに備える保険の次に考えるべきは、働けなくなったときに備える「就業不能保険」です。

病気やケガで一定期間入院したり、在宅療養したりすると、毎月決まった金額が給付される保障内容の保険です。

万が一長期間仕事を休むことになった場合でも、会社員や公務員であれば有給休暇や傷病手当金といった公的保障があります。

ですが、公的保障はずっと続くものではなく、療養が長期化した際のことを考えると備えておきたい保障だといえるでしょう。

自分に合う就業不能保険を選ぶ

保険料から保険を探す

老後に備える保険

病気やケガ、働けなくなったときなどの身近なリスクに備えたあとは、将来への備えを考えても良いかもしれません。

老後には公的年金を受給することができますが、年金だけでは老後の生活をすべてまかなうのは難しいと思われます。

そんな将来のリスクに対しては、「個人年金保険」で備えるのが良いでしょう。

個人年金保険は、毎月決まった金額を60歳や65歳まで積立をし、貯まった金額を将来5年間や10年間に渡って受け取っていくのが一般的になります。

介護に備える保険

介護に備える保険も独身の場合に考えておくべき保障内容の1つです。

将来的な介護リスクは誰にでも起こりうるものです。

独身で介護が必要になった場合、サービス付き高齢者住宅や有料老人ホームに入居するケースが出てくるでしょう。

介護に必要な費用が高額になった際、そのときの預貯金でカバーできる保証はありません。

若い人にとってはかなり先の話に思えますが、将来のリスクの1つとして備えておくのも良いでしょう。

亡くなった時に備える保険

独身の人でも、場合によっては亡くなったときに備える保険に加入するのも良いでしょう。

生命(死亡)保険」といわれるものですが、死亡保険には「掛け捨て型」と「積立型」の2種類があります。

掛け捨て型は、一定期間のみを保障するタイプの保険で、安い保険料で万が一のときの死亡保障を大きく持てます。

ですが、満期までに生存していた場合は、それまでに支払った保険料は原則全く戻ってきません。

一方で積立型は、保険料を積み立てながら万が一の死亡に備えるタイプの保険です。

将来を見据えて、預貯金の代わりにお金を貯めながら亡くなったときに備える保険に加入しても良いかもしれません。

Q.独身でも死亡保障は必要?

独身であっても死亡保障は必要なのでしょうか。

もちろんその人の状況にもよりますが、必要性を自身が感じるのであれば加入すべきです。

例えば、万が一自分が亡くなったときに親に迷惑をかけたくないといった事情がある場合は、数百万円程度の生命(死亡)保険をかけるのが良いでしょう。

また、将来の結婚や出産などライフステージの変化に備えて、早い段階から生命(死亡)保険を用意しておくのも1つの選択肢です。

自分に合う生命(死亡)保険を選ぶ

保険料から保険を探す

ライフステージに合わせた保険の見直しが大切

病気やケガ、働けない、老後、介護、死亡など、保険にはさまざまなリスクへ備える役割があります。

今の自分にとってどの保障に備えるべきなのか、優先順位が高いのはどれなのかを考えたうえで加入しましょう。

また、保険は1度加入したらそれで終わりではありません。

結婚や出産、住宅購入など、ライフステージが変わるごとに自分に合った保障内容も変わっていきます。

保険の見直しをすることで、過不足のない保険に加入するように心がけましょう。

新しく保障内容を追加したり、同じ保険でも保障内容を手厚くしたりなど、適宜見直しを図っていくことが大切です。

まとめ:自分に合った医療保険は複数の商品を比較して選ぶ

独身なのか結婚しているのか、子どもはいるのか、住宅購入しているのかなど、保険に加入するうえではさまざまな要因が関わってきます。

そのため、自分に合った保険を選ぶには複数の保険を比較することが大切です。

とはいえ、数ある保険から自分に合った保険選びをするのは難しいと感じたり、手間に感じる人もいるでしょう。

ほけんのコスパでは、年齢や性別を選ぶだけで簡単に複数の保険を比較することができます。

まずは、複数の保険を比較して自分に合った保険を探してみてはいかがでしょうか。

三好 哲彦

監修者 研修・教育担当

三好 哲彦

大学卒業後、公務員、接客業を経て、ほけんの窓口で約12年半勤務。生命保険募集人、一種外務員、FP2級、住宅ローンアドバイザー等の資格を保有。現在は、ファイナンシャルアドバイザーの研修・教育担当として活動。お客様のライフプランに合ったバランスの良い資産運用と保障のアドバイスを得意としている。

荻野 樹

執筆者 ファイナンシャルアドバイザー

荻野 樹

大阪市立大学経済学部卒業後、教育業界を経て、メットライフ生命保険株式会社、株式会社ほけんのぜんぶ入社。生命保険販売を通じ、FPとして主に子育て世代の資産形成や老後資金準備に関するコンサルティングを行う。専門用語を使わず丁寧で分かりやすいアドバイスが強み。現在は個人向け資産運用のサポート業務を行う。AFP(Affiliated Financial Planner)、一種外務員(証券外務員一種)、宅地建物取引士の資格を保有。

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