バセドウ病で治療をしていると、新しく保険に加入できるかどうか不安に感じるかもしれません。
バセドウ病を抱えている人でも、治療状況によっては問題なく通常の保険に加入できるケースもあります。
その一方で、保障が削減されたり保険料が割増になることもあり、保険会社によって判断が異なります。
本記事では、バセドウ病でも加入しやすい保険や、保険会社の診査基準についてプロが詳しく解説します。
この記事を読んでわかること
バセドウ病でも、入院歴がなければ通常の保険を検討できる可能性がある
通常の保険の場合、甲状腺に不担保の条件が付くケースが多い
持病の悪化に備えたいなら、引受基準緩和型保険がおすすめ
目次
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バセドウ病でも保険に加入できる?
バセドウ病とは、自己免疫性疾患のひとつで、甲状腺ホルモンを過剰に分泌してしまう病気です。
20代~30代の女性に多く、動悸や震え、精神的な不調などの症状が多く見られます。
バセドウ病の治療のために甲状腺を摘出することもあるため、保険会社としては入院や手術のリスクが高いと判断し、医療保険では特別条件が付加される可能性が高くなります。
また、長期的に見ると、バセドウ病は心不全や脆弱性骨折のリスクも高めるとされています。
そのため、治療歴によっては保険加入に制限がかかったり、加入を断られてしまうケースもあります。
ただし、入院・手術歴がなく今後もその予定がない場合や、治療から2年以上経過している場合は、通常の医療保険や死亡保険の検討は比較的しやすいでしょう。
審査の結果特別条件が付く可能性はあるので、条件の内容を確認しましょう。
特別条件の主な内容
バセドウ病の治療をしている人が保険に申込んだ場合、特別条件が付く可能性が高くなります。
特別条件は次のような内容が一般的です。
医療保険の場合
入院や手術に備える医療保険ですが、バセドウ病で治療をしていると特定部位不担保などの条件が付く可能性があります。
保険会社によって条件が付く年数は異なりますが、短い場合で2年、長い場合では永年の不担保となることもあります。
不担保の条件が付くと、その期間中に甲状腺の疾患で入院や手術をしても給付金が支払われません。
保険会社によって診査の条件は異なるため、特定部位不担保の年数がどれくらいになるかも保険会社ごとに異なります。
また、治療歴によっては特別条件が付かずに契約できる可能性もあります。
診査の結果に満足いかない場合は、他の保険会社で再度申込みをしてみるのも良いでしょう。
バセドウ病の悪化も含めて保障を用意しておきたい人は、引受基準緩和型医療保険を検討するのも選択肢のひとつです。
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特定部位不担保の特別条件
バセドウ病の場合、甲状腺に不担保の条件が付く可能性が高くなります。
また、保険会社によっては、副甲状腺や腎臓、尿管、膀胱などの部位も併せて不担保になるケースもあります。
不担保の条件が付いた場合、まずは「どの部位が保障の対象外となるか」を確認しましょう。
不担保となる期間にも注意が必要です。
例えば、「甲状腺の部位に5年間の不担保」が付いた場合、契約から5年の間に甲状腺の病気で入院や手術をしても保障されません。
5年経過すれば甲状腺を含む、すべての病気やケガが保障対象となりますが、加入直後から持病の悪化に備えたい人には不向きでしょう。
Q.共済はバセドウ病でも加入できる?
バセドウ病の場合、治療状況や検討する共済組合によっては、加入を断られるケースもあります。
共済も民間の保険と同様、申込み時に現在の健康状態について告知する必要があります。
共済組合によっては、バセドウ病で治療中の場合は加入できないと定めていることもあります。
組合によって診査基準は異なるため、気になる人は一度検討中の組合に問い合わせしてみるのも良いでしょう。
(参考:健康告知内容|兵庫県民共済)
がん保険の場合
がん保険は、バセドウ病を抱えていても比較的加入しやすいといえるでしょう。
バセドウ病はがんの発生と直接の関係はないため、がん保険も比較的検討しやすくなっています。
保険会社によっては、告知事項に該当しないケースもあるでしょう。
ただし、バセドウ病による手術から1年を経過していない場合は、厳しい判断をする保険会社もあります。
また、「副甲状腺機能亢進症」の場合は加入に制限がかかることも考えられます。
保険会社によって診査基準は異なるため、万が一がん保険の加入を断られてしまったら、他の保険会社で再度検討を進めてみると良いでしょう。
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生命(死亡)保険の場合
万が一に備える死亡保険ですが、バセドウ病の場合治療状況によっては保険料の割増や、保険金削減などの条件が付く可能性があります。
特に、入院歴があり退院から間もない場合や、診断から半年未満の場合は条件付きの契約になることが多いかもしれません。
一方、診断からある程度期間が経っていたり、入院や手術歴がなければ無条件で契約できるケースもあります。
治療歴をありのまま申告したうえで、審査結果に納得できない場合は、他の保険会社で再度申込むか、引受基準緩和型の死亡保険を検討すると良いでしょう。
保険金削減の特別条件
保険金削減とは、加入から一定期間申込んだ保険金額よりも少ない保険金額になることをいいます。
削減される期間と金額は、保険会社によって異なります。
保険料の負担額は変わらないため、損をする気分になる人もいるかもしれません。
しかし、削減期間が終われば保険金額は元に戻ります。
削減期間とどの程度保険金額が削減されるかを確認したうえで、条件を承諾するかどうか検討しましょう。
Q.団信はバセドウ病でも加入できる?
住宅を購入する際に併せて検討する団信(団体信用生命保険)ですが、バセドウ病を抱えていると加入を断られるケースもあります。
団信の診査基準は明らかにされていないため、最終的には申込みをしてみなければ加入できるかどうかはわかりません。
バセドウ病の治療歴や症状の重さによっては、通常の団信を断られるケースもあるようです。
団信の契約ができなかった場合は、ワイド団信とよばれる引受基準緩和型の団信を検討するか、民間の死亡保険を団信代わりとして活用することもできます。
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バセドウ病の告知のポイント
バセドウ病で治療している人が保険に加入する際、健康状態の告知を行う必要があります。
ここからは、スムーズな診査のためのポイントを保険のプロが詳しく解説します。
保険会社が知りたい情報を伝える
保険会社が診査する上で必要とする情報は、できる限り網羅して申告するようにしましょう。
バセドウ病の場合、主な必要事項は次の通りです。
- 入院の有無
- 診断時期と治療期間
- 治療内容
- 投薬名
- 合併症の有無
直近の甲状腺ホルモンの数値(TSH・T3・T4)がわかれば併せて申告しておくと良いでしょう。
治療歴が長くなると、正確な診断時期や投薬名を把握していないこともあるかもしれません。
しかし、診査に必要な情報が伝えられていないと、追加告知が必要になったり診断書の提出を求められたりと、手間や時間がかかる可能性があります。
保険に申込むときは、事前に必要な情報を集めておくようにすると良いでしょう。
診断から現在までの経過を正しく保険会社に伝える
告知をするときは、できるだけ時系列通りに治療の経過を記載するよう心がけましょう。
診査を行うのは、保険会社の担当者や医務職員と呼ばれる医師です。
人の目を通して診査されるため、できるだけどのような治療をしてきたかをわかりやすく記載しておくことで、審査もスムーズになる可能性があります。
Q.バセドウ病を隠して保険に加入しても良い?
A.後から大きなトラブルになる可能性があるので、絶対にやめましょう。
バセドウ病で5年以内に治療歴がある場合、ほとんどの保険会社で告知の対象となります。
告知しなければいけない事実を隠して保険に加入すると、いざというときに給付金が支払われなかったり、契約を解除されてしまうこともあります。
保険会社は加入者から給付金請求があった際、申込時の告知内容が正しいかどうかを調べるために、医療機関への調査や健康保険の利用歴を参照することがあります。
そのときに、意図的に持病を隠して加入したと判断されると大きなトラブルにつながります。
いざというときのためにも、必ず正しい告知を行いましょう。
保険の加入審査に落ちたら、どうしたら良い?
バセドウ病で入院歴があったり、診断から間もないケースでは、保険の加入審査に落ちてしまうこともあります。
しかし、すぐに保険加入を諦める必要はありません。
保険会社によって審査基準は異なるため、他の保険会社で再度申込みをしてみるのもひとつの方法です。
必要に応じて持病がある方向けの保険(引受基準緩和型保険)を検討するのも良いでしょう。
持病がある方向けの保険であれば、加入時に抱えている持病が悪化しても保障対象となります。
医療保険で特別条件が付いてしまった人にもおすすめです。
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バセドウ病でも加入しやすい保険
バセドウ病でも比較的検討しやすい保険について、特徴やメリット・デメリットを解説していきます。
引受基準緩和型保険
引受基準緩和型保険とは、持病があっても入りやすいタイプの保険です。
通常の保険と比較して、申込み時の告知事項が緩やかになっており、持病を抱えている人でも検討しやすいのが特徴です。
医療保険や死亡保険で、引受基準緩和型保険を用意している保険会社が一般的です。
引受基準緩和型保険には、メリットとデメリットがあります。
通常の保険よりも保険料が割増されている点には注意が必要ですが、その分持病の悪化にも備えやすいなどのメリットもあります。
バセドウ病が原因で保険加入を断られてしまった人や、特別条件が付いて悩んでいる人には一度検討してみるのがおすすめです。
あなたの年齢で引受基準緩和型医療保険の保険料はいくら?

無選択型保険
無選択型保険とは、加入時に健康状態を問われない保険のことです。
医療保険や死亡保険で、一部の保険会社が無選択型の商品を販売しています。
どんな人でも加入できるという大きなメリットはありますが、その分引受基準緩和型保険よりも保険料は割高に設定されています。
また、加入後すぐに保障が開始されない商品も多いため、注意が必要です。
基本的には、通常の保険への加入が難しければまずは引受基準緩和型保険から検討していくのがおすすめです。
それでも加入できそうな保険がない場合に、無選択型を最後の選択肢として考えてみましょう。
バセドウ病の保険選びのポイント
バセドウ病の人が保険を選ぶとき、押さえておきたいポイントがいくつかあります。
ここからは保険のプロが、賢い保険選びのコツをご紹介します。
自分にとって必要な保障を整理する
保険選びを始めるときには、まず自分にとってどんな保障が必要かを整理しておくようにしましょう。
「どんな時に」「どれくらいの経済負担がかかるか」を想定したうえで、加入する保険を決めていきます。
生命保険の種類と主な加入目的は次の通りです。
保険選びの参考にしてください。
Q.がん保険と医療保険どっちに加入したほうが良い?
A.基本的にはまず医療保険を検討し、不足分をがん保険で補うのがおすすめです。
「がん保険と医療保険の違いが分かりにくい」「どちらに加入したら良いのかわからない」という人もいるのではないでしょうか。
「医療保険」とは、基本的に病気やケガでの入院・手術に備えるものです。
病気やケガの種類は問われないので、幅広く保障を用意しておけるのが特徴です。
それに対し、「がん保険」はがんの治療やがんによる収入減少に備えるための保険です。
医療保険だけでは、がんの通院治療や長引く闘病生活に対応できないケースも多くあります。
まずは医療保険で幅広く入院のリスクに備えたうえで、カバーしきれないがんの通院治療などに対してはがん保険を別途検討するのがおすすめです。
治療経過を正確に告知する
バセドウ病を抱えている場合、診断から現在までの治療経過をできるだけ正確に告知することも大切なポイントになります。
保険会社によって、診査基準や診査にあたって重要視する情報も異なります。
治療歴や投薬名など分かっている情報は正確に告知しましょう。
もし、直近の甲状腺ホルモンの数値が安定しているのであれば、その結果も併せて申告しておくと良いでしょう。
通常の保険に加入できなかった場合、引受基準緩和型保険を検討する
審査の結果、通常の保険に加入できなかったり、特別条件が付いてしまって納得できない人は引受基準緩和型保険を検討してみましょう。
引受基準緩和型保険は、通常の保険と比べて保険料は割高になりますが、その分持病の悪化も保障されるなどのメリットもあります。
Q.保険料を抑えたい場合の保険の探し方はある?
A.まずは必要な保障を決めてから、複数の保険会社で保険料の比較をしてみましょう。
保険料は毎月の固定費になるので、できるだけ節約したいと考える人も多いのではないでしょうか。
実は、同じような保障内容であっても、保険会社ごとに保険料は異なります。
保険の検討をする際は1社ですぐに決めてしまうのではなく、複数社で比較してみることで保険料が低廉な商品が見つかる可能性があります。
インターネット上で年齢と性別を入力するだけで、簡単に保険料の見積もりも可能です。
保険選びの参考にしてみましょう。
引受基準緩和型医療保険の保険料を比較する

バセドウ病になったら生命保険はおりる?
バセドウ病と診断された時点ですぐに受け取れる給付金はありませんが、入院や手術が必要になった場合は医療保険の保障対象となります。
医療保険で受け取れる可能性がある給付金は、次の通りです。
- 入院日額給付金(入院日数分)
- 入院一時金(特約を付加している場合など)
- 手術給付金(バセドウ病で手術をした場合)
まずは、自分が加入している保険の内容を把握しておくことが大切です。
バセドウ病の人が受けられる主な公的保障
民間の保険を検討するときには、まず利用できる公的制度がどれだけあるかを確認しておくことも重要です。
公的保障でカバーしきれない部分を、保険で補うように心がけましょう。
ここからは、バセドウ病の人が利用できる公的制度について解説します。
障害年金
バセドウ病は、障害年金受給の対象となっています。
そのため、受給要件を満たして障害認定を受ければ、障害年金を受給できる可能性があります。
障害年金制度は日本の公的年金制度と連携しており、国民年金加入者は「障害基礎年金」を、厚生年金加入者は「障害厚生年金」を受け取ることができます。
受給には、行政が定めた認定基準を満たしていることが必須となります。
障害認定は1級から3級までに分かれており、1級が最も重くなります。また3級の認定は厚生年金加入者のみが対象となるため注意が必要です。
また、障害年金を受け取るためには、保険料納付の要件や障害認定日の要件を満たしている必要があります。
障害年金の受け取りを検討している人は、まずは電話やメールで行政の担当窓口に相談してみると良いでしょう。
(参考:令和4年 障害認定基準|日本年金機構)
傷病手当金
傷病手当金とは、病気やケガで働けなくなってしまったときに受け取れる給付金です。
連続した休業の4日目から1日ごとに支給され、それまでの給与の約2/3が保障されます。
支給期間は通算で1年6カ月間です。
傷病手当金は、バセドウ病で働くことが難しくなってしまったときの重要な収入源となるでしょう。
給与の満額保障はされない点と、社会保険料などの支払も免除されない点には注意が必要です。
傷病手当金は会社員や公務員が対象となるため、自営業やフリーランスの人は受け取ることができません。
民間の就業不能保険なども活用して、備えを用意しておくとさらに安心できるでしょう。
高額療養費制度
入院や手術が必要になり医療費負担が高額になったときは、高額療養費制度を利用することができます。
高額療養費制度とは、1カ月の医療費自己負担額の上限が定められており、それを超えた分はあとから返還される仕組みです。
医療費負担の上限額は年齢や収入によって異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
医療費の負担を軽減できる制度ですが、今後上限額の段階的な引き上げが検討されており、これまでよりもいざというときの負担額が増える可能性があります。
これを機に、医療保険の新規検討や見直しをしておくことをおすすめします。
まとめ
今回は、バセドウ病の人は保険に加入できるかどうか、賢い保険の選び方について解説してきました。
バセドウ病を抱えていても、治療により病状が安定していたり、手術の予定がなければ通常の保険を検討できる可能性があります。
ただし、甲状腺の部分に不担保の条件が付いてしまうケースが多いため、持病の悪化に備えたい場合は「持病がある方向けの保険(引受基準緩和型保険)」を検討するのもおすすめです。
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