結婚前後にお金の話をする人は8割近く、保険の話は3割弱 ― 結婚と備えに関する調査

結婚前後にお金の話をする人は8割近く、保険の話は3割弱 ― 結婚と備えに関する調査

(最終更新日:

結婚は、住む場所も、働き方も、お金の使い方も変わるタイミングです。結婚を機に、夫婦でお金の使い方や家計の管理方法を話し合う人は多いでしょう。では「保険」はどうでしょうか。

ほけんのコスパでは、外部のインターネット調査会社を通じて入籍から5年未満の20~40代の既婚男女計500名を対象に「結婚と備えに関する調査」を実施しました。

結果、結婚前後にご夫婦・パートナーと「お金」について話し合った人は77.6%にのぼりました。一方で、その話題に「保険」まで含めた人は29.0%にとどまりました。約半数(48.6%)が、お金の話はしたけれど保険の話はしていない、ということが明らかになりました。

【調査概要】
調査名:結婚と備えに関する調査
調査主体:株式会社モニクルフィナンシャル
調査対象:入籍から5年未満の20〜49歳の既婚男女 500名
調査期間:2026年7月14日〜2026年7月26日
調査方法:クロス・マーケティング QiQUMOを利用した調査

結婚にかかったお金と、いまの家計

結婚に伴う出費の総額をたずねたところ、最も多かったのは「100万円〜200万円未満」で19.4%となりました。次いで「50万円〜100万円未満」14.4%、「200万円〜300万円未満」11.0%と続きました。

一方で見逃せないのが、金額帯に収まらない回答です。「大きなイベントは行っていない(費用はほぼかかっていない)」が15.6%、「わからない・答えたくない」が15.0%。合わせて30.6%、およそ3人に1人が金額帯に当てはまらないという結果でした。

挙式や披露宴を前提にした「結婚にはこれくらいかかる」という語られ方がありますが、実際には大きなイベントを行っていない人も6人に1人います。結婚のかたちは一様ではないことがうかがえます。

続いて、現在の家計のゆとりをたずねました。「ゆとりがある」(非常に+やや)が36.4%、「どちらともいえない」が32.8%、「ゆとりがない」(あまり+全く)が30.8%。ほぼ3等分という結果でした。

「全くゆとりがない」と答えた人も13.4%います。

結婚にかかるお金も、その後の家計の状況も、世帯によって大きく異なります。では、そのお金のことを、ふたりはどこまで話し合ったのでしょうか。

お金の話はした。でも保険の話はしていない

結婚前後にご夫婦・パートナーと「お金」について話し合った人は、77.6%(「保険のことも含め、しっかり話し合った」29.0%+「お金のことは話したが、保険のことは話していない」48.6%)。8割近くが、結婚を機にお金の話をしています。

ところが、その話題に「保険」まで含めた人は29.0%。3割に届きませんでした。

つまり、約半数(48.6%)が、お金の話をしながら保険については話題から外しているという結果です。「お金のことも保険のことも、ほとんど話していない」22.4%と合わせると、保険について話していない人は71.0%にのぼります。

結婚すると、家計はひとつになり、万一のときに影響を受ける相手ができます。保険の受取人や必要な保障額は、独身のときとは前提が変わることがあります。それでも、家計の話をする場に保険が出てこないケースが多い様子がうかがえます。

結婚を機に、保険はどう動いたか

では実際に、結婚を機に保険はどう動いたのでしょうか。回答を整理すると、大きく3つのグループに分かれました。

  • 保障の内容を動かした人:39.8%(新たに加入16.2%+しっかり見直し23.6%)
  • 保険はあるが、保障の内容は変えなかった人:39.4%(手続きのみ17.0%+確認だけ7.6%+そのまま14.8%)
  • そもそも保険に加入していない人:20.8%

結婚を機に保障の中身を実際に動かした人は、約4割。同じく約4割は保険を持ちながら中身は独身時代のままで、残る約2割はそもそも保険に加入していない、という結果でした。

なかでも目を引くのが「受取人や住所などの手続きは変えたが、保障の内容は変えていない」17.0%です。保険に触れる機会はあったのに、保障の中身までは見ていない状態といえます。受取人を変更する場面は、保障内容もあわせて確認する余地があるとも読めます。

男性は「見直し」、女性は「新規加入」という傾向

性別で見ると、入り口に違いがありました。

男性(n=208)女性(n=292)
保障の内容を見直して変更した29.8%19.2%
結婚を機に、新たに保険へ加入した11.5%19.5%
これまで加入したことがなく、現在も未加入17.8%22.9%

男性は既に持っている保険の見直し、女性は新たな加入という入り方が相対的に多い、という結果でした。

世帯の保険料を知らない人が、4人に1人以上

世帯全体で毎月いくら保険料を払っているかをたずねました。

金額としては「1万円〜2万円未満」18.2%、「5000円〜1万円未満」18.0%、「2万円〜3万円未満」15.2%が多い結果でした。

しかし最も多かった回答は、金額ではありません。「把握していない・わからない」が26.8%。どの金額帯よりも多く、4人に1人以上が、自分の世帯が毎月いくら保険料を払っているかを答えられませんでした。

保険料は、家賃や通信費と同じく毎月出ていく固定費です。その合計額が分からない状態は、家計を見るうえでも、保障が足りているかを考えるうえでも、出発点が定まりにくい状態ともいえます。

保険について話していない人は、世帯の保険料も把握していない傾向

結婚前後の話し合いの回答と重ねると、次のような結果になりました。

結婚前後の話し合い回答者数世帯の保険料を「把握していない」
保険のことも含め、しっかり話し合った14516.6%
お金のことは話したが、保険のことは話していない24318.9%
お金のことも保険のことも、ほとんど話していない11257.1%

お金についても保険についてもほとんど話していない層では、世帯の保険料を把握していない人が6割近くにのぼりました。上の2つの層(16.6%・18.9%)の間には差がなく、「ほとんど話していない」層だけが際立って高いという結果です。

「話していない」ことと「把握していない」ことが重なっている様子がうかがえます。

保障の内容を動かした人ほど、保険料を把握している

結婚を機の保険行動のグラフとの関係を見ると、次のようになりました。

結婚を機の保険行動回答者数保険料を「把握していない」
保障の内容を見直して変更した1189.3%
受取人や住所などの手続きは変えた8515.3%
新たに保険へ加入した8119.8%
独身時代の保険のまま7433.8%
これまで加入したことがない10460.6%

保障の内容を見直した層では、把握していない人は9.3%。独身時代の保険のままの層(33.8%)、これまで加入したことがない層(60.6%)と比べて低い結果でした。保険に向き合った経験と、金額を把握していることが重なっている、という結果です。

ただし中間の3つの層(見直し9.3%・手続きのみ15.3%・新規加入19.8%)の間には、はっきりした差は見られませんでした。

なお、そもそも保険に加入していない104名のうち、63名は「把握していない」を選んでいます。自分自身は未加入でも、世帯全体でいくら払っているかまでは分からない、という状況がうかがえます。

「新たに必要」と感じた備えは、特定の領域に偏らないという結果

結婚を機に「新たに必要だ」と感じた備えをたずねました(複数回答)。

出産・子育て25.8%、就業不能時の収入24.4%、死亡時の生活資金23.8%、老後・資産形成22.6%、がんなど大きな病気21.0%、医療費20.2%。6つの項目がいずれも2割台に並びました。

回答者数500名の調査では、この程度の差は誤差の範囲に収まります。そのためどれが1位かを論じられる結果ではありません。むしろ読み取るべきは、結婚を機に感じる必要性が特定の領域に集中せず、死亡保障・医療・就業不能・将来の資産形成のいずれにも同じくらい分散しているという点です。

結婚によって生じる変化は「万一のとき配偶者をどう支えるか」だけではなく、「働けなくなったらどうするか」「子どもができたらどうするか」「将来に向けてどう備えるか」まで幅広く及んでいることがうかがえます。

なお「特に新たに必要と感じたものはない」も26.0%ありました。

「必要と感じながら動いていない」層が一定数いる

この設問を、保険行動のグラフと重ねると次のようになりました。

「特に新たに必要と感じたものはない」と答えた割合は、そもそも未加入の層(n=104)では74.0%、独身時代の保険をそのままにしている層(n=74)では36.5%。一方、新たに加入した層(n=81)では8.6%、しっかり見直した層(n=118)では4.2%にとどまりました。

行動しなかった背景には「必要性を感じていない」ことが相当程度あることがうかがえます。

ただし注目したいのは、独身時代の保険をそのままにしている74名のうち、47名は何らかの備えを「新たに必要」と選んでいる点です。必要性を感じてはいるものの、行動には至っていない層が一定数いる、という結果です。

では、動かなかった人たちは、なぜ動かなかったのでしょうか。

動かなかった理由の上位は「今のままで十分」と「わからない」

保険を動かさなかった301名に、その理由をたずねました(複数回答)。

最も多かったのは「今の保険(独身時代のまま)で十分だと思っていたから」27.6%。次いで「保険の知識がなく、面倒に感じたから」23.6%、「保険料の負担が大きいと感じたから」20.6%と続きました。

注目したいのは、「知識がない」「違いが分からない」という回答の多さです。

理由は大きく2種類に分けられます。ひとつは情報や知識のハードル(「保険の知識がなく、面倒に感じたから」「比較検討したが違いがよく分からなかったから」)、もうひとつは時間のハードル(「結婚準備や新生活で忙しかったから」「相談に行く時間・きっかけがなかったから」)です。

保険を持っている回答者197名で見ると、情報や知識のハードルを挙げた人は78名(39.6%)、時間のハードルを挙げた人は63名(32.0%)という結果でした。

この2つの間に、はっきりした差はありませんでした。つまり時間が取れないことと同じくらい、「何をどう比べればよいか分からない」ことが動けない理由として挙がっている、という結果です。

保障が重なる可能性について、保険を持ちながら結婚を機に内容を変えなかった197名にたずねました。

「知らなかった」が39.6%。「知っていた」は合わせて60.4%ですが、その大半は「なんとなく知っていた」48.2%で、「よく知っていた」は12.2%にとどまりました。

「聞いたことはあるが、自分の契約がどうかまでは見ていない」という状態が多い様子がうかがえます。

独身時代の保険をそのままにしている層ほど、この点を知らない

結婚を機の保険行動回答者数「知らなかった」
受取人や住所などの手続きは変えた85名25.9%(22名)
内容を確認したが、特に変えなかった38名42.1%(16名)
独身時代の保険のまま74名54.1%(40名)

独身時代の保険をそのままにしている層では、54.1%(74名中40名)が知らなかったと回答しました。一方、受取人変更などで一度保険の手続きに触れた層では25.9%(85名中22名)です。

見直した人に、何が起きたか

最後に、結婚を機に新たに加入した、または保障の内容を見直した199名に、その後の変化をたずねました。

最も多かったのは「夫婦で保障の重なりやモレを確認できた」32.7%、次いで「自分たちに必要な保障内容に最適化できた」29.1%でした。金額よりも、保障の中身を把握できたことを挙げる人が多いという結果です。

一方で「特にメリットは感じなかった」も15.6%ありました。

実際に保障の内容を見直した118名に、保険料の変化をたずねました。

  • 高くなった:66名・55.9%(3000円未満40名+3000円〜1万円未満23名+1万円以上3名)
  • ほぼ変わらない:26名・22.1%
  • 安くなった:15名・12.7%(3000円未満7名+3000円〜1万円未満5名+1万円以上3名)
  • わからない:11名・9.3%

保険料が高くなったと回答した人(66名)が、安くなったと回答した人(15名)を上回るという結果でした。なお高くなったと回答した66名のうち40名は、3,000円未満の増加です。

「見直し」と聞くと保険料を下げることを想像しがちですが、この調査では逆の結果になりました。

見直した人が挙げたメリットの上位は「夫婦で保障の重なりやモレを確認できた」「自分たちに必要な保障内容に最適化できた」でした。結婚を機の見直しは「保険料を安くする作業」としてではなく、「必要な保障を実態に合わせる作業」として行われている、とも読める結果です。

結婚によって守る対象が増えれば、必要な保障が増えることもあります。保険料が上がることが、必ずしも見直しの失敗を意味するとは限りません。金額の増減そのものよりも、その保険料で何に備えているかを説明できる状態かどうかが大切だ、という見方もできます。

保険のプロのコメント

今回の調査で印象的だったのは、結婚前後にお金の話をした人が8割近くいるのに対して、保険の話まで進んだ人は3割弱にとどまったことです。約半数の方が、家計の話はしながら保険については話題から外していました。

結婚すると、それまでの保障が不要になったり、反対に新しいリスクに備える必要が出てきたりします。。誰のために備えるのか、万一のときに誰の生活に影響するのか。独身のときとは条件が変わることがあります。それでも話題にのぼりにくいのは、緊急性を感じにくく、何から手をつければよいか分かりにくいからではないかと感じています。

実際、保険を動かさなかった理由を見ると、保険を持っている197名のうち78名が「知識がなく面倒」「比較しても違いが分からない」を挙げていました。時間の制約を挙げた方は63名で、両者に大きな差はありません。忙しさと同じくらい、判断材料が足りないことが足を止めている様子がうかがえます。

もうひとつ気になったのが、世帯全体の保険料を「把握していない」方が26.8%と、どの金額帯よりも多かった点です。毎月出ていく固定費でありながら、合計額が分からない。この状態では、保障が足りているのかも、払いすぎているのかも判断できません。まずはご夫婦で、毎月の保険料の合計額を出してみる。それだけでも出発点になります。

そのうえで、受取人がいまの家族構成に合っているか、お互いの保障内容にどんなものがあるかを並べて見ていただきたいと思います。並べてみて何も変える必要がなければ、それも確認できたということです。

最後に、見直しの結果についても触れておきます。今回、保障内容を見直した118名のうち、保険料が高くなったと答えた方は66名で、安くなった15名を上回りました。見直しは必ずしも保険料が下がる作業ではありません。それでも、見直した方が挙げたメリットの上位は「夫婦で保障の重なりやモレを確認できた」「自分たちに必要な保障内容に最適化できた」でした。

大切なのは金額が上がったか下がったかではなく、その保険料で何に備えているかをご自身で説明できる状態かどうかだと考えています。 結婚は、それを確かめる良いきっかけになります。

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執筆者 保険ライター/2級FP技能士

橋本 優理

大学卒業後、ほけんの窓口グループ株式会社へ入社。約300組のライフプランニングを行い、保険販売業務に従事。その後、異業種にて法人営業を経験し、株式会社エイチームフィナジーで保険EC事業の立ち上げに参画。インターネット上で保険の無料相談ができるサービスの責任者として、自身も多くの世帯のライフプランニングを行う。2023年に株式会社モニクルフィナンシャル入社。経済メディア「LIMO」で300記事以上を執筆。現在は、より多くの人に、より気軽に、自分に合った保険の選び方を知ってほしいとの思いでコンテンツ制作や執筆作業に従事。 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、生命保険募集人資格、損害保険募集人資格保有。

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