「高血圧はがん保険の診査に影響がある?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
高血圧の患者数は全国で4300万人にのぼるといわれており、人ごとではない病気です。
基本的に、高血圧だからといってがん保険の加入を断られることは少ないでしょう。
しかし、高血圧の合併症を抱えている場合などは、厳しく判断されることもあります。
今回は、がん保険の加入審査の基準や、高血圧でも入りやすい保険についてプロが詳しく解説していきます。
この記事を読んでわかること
高血圧でもがん保険に入れる可能性はある
合併症があったり入院歴があると、厳しい判断になることもある
高血圧は、がんや生活習慣病のリスクを高める可能性がある
目次
高血圧でもがん保険に入れる可能性はある
がん保険の加入時には健康状態の告知が必要ですが、主にがんと関連性のある病気や症状について問われることがほとんどです。
保険会社によっては、高血圧で投薬治療をしている状態であればそもそも告知事項に該当しないこともあります。
高血圧で治療をしていても問題なくがん保険に入れる可能性が高いでしょう。
高血圧で合併症を併発していたり、過去に高血圧で入院をしているなどの重症と判断されるケースでは、一部の保険会社で加入を断られることもあります。
投薬治療で血圧をコントロールできていれば加入できる可能性が高いため、早めに検討しておくことをおすすめします。
あなたの年齢でがん保険の保険料はいくら?

高血圧でがん保険に入れないケース
高血圧でがん保険に入れないケースにはどのようなものがあるか、具体的に見ていきましょう。
高血圧による入院歴がある
過去に高血圧で入院をしたことがある場合、保険会社によっては加入を断られる可能性があります。
しかし、高血圧自体ががん保険の診査に影響しない保険会社もあります。
1度診査に落ちてしまったとしても、すぐに諦めず他の保険会社で再度検討してみるのがおすすめです。
高血圧で合併症を発症している
高血圧の状態が長く続くと、合併症を発症するリスクも高くなります。
高血圧の合併症を抱えている場合、合併症の種類や重症度によって診査されることになるため、場合によっては厳しい判断になることも考えられます。
特に、高血圧による腎不全や、認知症の症状が出ている場合はがん保険への加入も断られる可能性が高くなります。
できる限り、投薬治療で血圧をコントロールできているうちに保険の検討をしておくのが良いでしょう。
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がん保険の告知項目
がん保険の代表的な告知項目は次のとおりです。
項目ごとに詳しく見ていきましょう。
今までに、がんまたは上皮内がんにかかったことがあるか
ほとんどの保険会社で、過去にがんの罹患歴があるかを問われます。
がんは再発や転移のリスクがある病気のため、期間を問わず過去にがんと診断されたことがある人は加入できないことがほとんどです。
また、告知事項の中には「上皮内がん」も含まれます。
子宮高度異形成や大腸の粘膜内がんも「上皮内がん」として告知対象になる可能性があるため、注意しましょう。
過去2年以内の健康診断や人間ドックで異常を指摘されているか
がん保険の場合、レントゲン検査や超音波検査、腫瘍マーカー等のがんに関係のある検査項目を尋ねられることがほとんどです。
がん保険で一般的に尋ねられる検査項目
レントゲン検査(胸部、消化器)/内視鏡検査/腹部超音波検査/便潜血検査/マンモグラフィ検査/乳房超音波検査/肝炎ウイルス検査/CT検査/MRI検査/PET検査/子宮頸がん検診/乳がん検診/腫瘍マーカー
そのため、血圧が高くて指摘を受けていたとしても告知には該当しないことが多いでしょう。
健康診断の結果に不安がある人は、まず最新の診断結果を用意し、告知に該当する指摘がないかを確認しておきましょう。
過去3カ月以内に医師の診察や検査、治療を受けているか
直近の通院歴に関しても、基本的にはがんの発症と関連性のある疾病について尋ねられることがほとんどです。
がん保険で一般的に尋ねられる罹患歴
肝炎等の肝疾患/腎疾患・前立性の疾患/しゅよう/呼吸器系疾患/潰瘍性大腸炎/クローン病/子宮疾患/しこり/リンパ節の腫れ/不正出血/吐血 など
保険会社によっては、尋ねられる罹患歴の中に高血圧による診察を含む場合もありますが、治療歴を申告しても加入に影響がないことが多いでしょう。
また、保険会社によっては過去2年以内の罹患歴として上記の疾病・症状について尋ねられることもあります。
告知事項は保険会社によって違います。
申込み時には該当する項目がないかひとつずつ確認しながら、手続きを進めていくことが大切です。
Q.高血圧を隠してがん保険に加入してもよい?
A.告知事項に該当するのに申告しないのは告知義務違反となります。正しく告知しましょう。
がん保険の場合、保険会社によってはそもそも高血圧が告知に該当しないケースもあります。
その場合は、高血圧について申告する必要はありません。
しかし、高血圧による治療が告知事項に該当する場合は、必ず正しく申告する必要があります。
告知の内容が事実と異なっていると、告知義務違反と判断され、いざというときに給付金が支払われなかったり、契約を解除されてしまうこともあるので注意しましょう。
高血圧の人はがん保険に入っておいた方がいい?
「がん保険って本当に必要?」「医療保険で十分?」と迷っている人も多いのではないでしょうか。
ここからは、高血圧とがんの関係性や、がん保険の必要性について見ていきましょう。
高血圧とがんの関係性
近年の研究では、高血圧ががんの発症や死亡リスクに関係があることがわかってきています。
欧米の大規模な研究では、高血圧が腎臓がん、食道がん、膵臓がんの危険因子となっていることが指摘されています。
高血圧を抱えているとがんを発症するリスクが通常よりも高くなる可能性があるため、がん保険でいざというときの医療費負担に備えておくのがおすすめです。
また、高血圧が進行して合併症を発症すると、がん保険に加入できなくなることもあります。
がん保険に入るか迷っている人は、後回しにせずに検討を進めるのが良いでしょう。
参考)高血圧の合併症
がん以外にも、高血圧と関連性のある病気はいくつかあります。
高血圧の状態が長く続くと、さまざまな病気のリスクも高まります。
がんはもちろん、三大疾病や生活習慣病に備える保険を検討するのもおすすめです。
医療保険にまだ加入していない人は、入院や手術に備えてまず医療保険を検討するのが良いでしょう。
高血圧の人ががん保険を選ぶときのポイント
高血圧の人ががん保険を選ぶときには、押さえておきたいポイントがいくつかあります。
ここからは、後悔しない保険選びのポイントについてプロが解説します。
1.がん保険の告知項目を確認する
まずは、がん保険の告知項目を確認して、高血圧などの抱えている持病が該当するかどうかを確認するようにしましょう。
告知事項に該当したからといって、がん保険に入れないわけではありません。
治療歴等を詳細に申告することで、問題なく加入できるケースもあります。
高血圧の治療歴が告知事項に該当する場合は、直近の血圧値や服用している薬剤名、入院歴の有無などを記入できるよう、事前に準備しておくとスムーズです。
2.がんの治療にかかる費用を把握する
がん保険を選ぶときには、まずがんの治療にどれくらいの費用がかかるのかを把握したうえで、保障内容を決めていく必要があります。
がん治療の進め方は、がんの進行度や種類によって異なります。
早期発見の場合は手術のみで治療を終えることもありますが、その後の抗がん剤や放射線治療が必要になるケースも少なくありません。
がんの薬剤治療は数年単位で行うことも多く、治療費負担が大きくなるリスクがあります。
また、先進医療や自由診療などの公的医療保険制度が適用されない治療を受ける場合、数百万円単位の自己負担が発生することもあります。
いざというときに安心できるがん保険を選ぶため、まずは治療費負担についてイメージしておきましょう。
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参考)高額療養費制度
公的医療保険制度対象の治療を受けた場合、高額療養費制度を利用できます。
高額療養費制度とは、1カ月の医療費負担が上限額を超えた場合に、差額があとから返還され実質自己負担額を軽減できる制度です。
1カ月の上限額は年齢や収入によって異なります。
1カ月の医療費が仮に100万円かかったとすると、年収500万円の人の場合、高額療養費制度を利用した自己負担額は以下のようになります。
8万100円+(100万円ー26万7000円)×1%=8万7430円
また、現在の制度では、高額療養費制度の上限額に達した回数が3回以上になったら、4回目からは「多数該当」としてさらに負担が軽減される仕組みになっています。
同じく年収500万円の人が、1年間がん治療を続けた場合、想定される自己負担額は次のとおりです。
8万7430円×3カ月+4万4000円(多数該当の限度額)×9カ月=65万8290円
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参考)傷病手当金
会社員や公務員の場合、病気やケガで一定期間働けなくなったときに傷病手当金を受け取ることができます。
傷病手当金として保障されるのは給与の約2/3で、受け取れる期間は通算1年6カ月と定められています。
がん治療の副作用等が原因で働けなくなってしまったら、傷病手当金を受け取れる可能性があります。
自営業やフリーランスの人は受け取ることができないため注意してください。
3.保障額を決める
がん治療にかかる費用のイメージができたら、次はがん保険の保障額を決めていきます。
がん保険の主な保障内容は次のとおりです。
がん診断一時金は、1年に1回を限度として何度でも受け取れる保険会社が増えています。
その場合、1年分の治療費または収入の補填として十分な額を設定すると良いでしょう。
抗がん剤治療給付金は薬剤治療を受けた月ごとに受け取れるものです。
保険会社によってはホルモン剤や自由診療の薬剤も対象になることもあるので、保障範囲は事前に確認しておきましょう。
治療給付金の保障額は、高額療養費制度を利用したときの1カ月の自己負担額を参考にして決めるのが良いでしょう。
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4.付加する特約を決める
メインの保障を決めたら、最後にどの特約を付加するかを決めます。
医療保険に加入している人は、がんによる入院や手術は医療保険で保障対象となります。
がん保険の入院・手術特約は、医療保険に加入していない人に特におすすめです。
また、先進医療や自由診療などの公的医療保険制度対象外の治療法を保障する特約を付加できるがん保険もあります。
経済的な理由で治療の選択肢を狭めたくない人は、先進医療や自由診療に備える特約を付加しておくのが良いでしょう。
Q.がん保険に先進医療特約は必要?
A.医療保険で先進医療保障を持っていない人は、がん保険の先進医療特約がおすすめです。
がんの治療で使われる先進医療の自己負担額は、非常に高額です。
重粒子線治療や陽子線治療は、平均280万円~300万円の自己負担が必要になります。
民間の保険で先進医療特約を付加していれば、自己負担額と同額の給付金が支払われるため、経済的な心配をせずに治療を受けることができます。
先進医療特約の毎月の保険料は数十円~数百円と比較的低廉なため、付加する人が多くなっています。
がん保険に先進医療特約を付加する場合、保険会社によっては「がんの先進医療のみ」を保障すると定めていることもあります。
がん以外の先進医療にも備えておきた人は、医療保険に先進医療特約を付加するか、がんに限らず先進医療全般が保障されるがん保険を選ぶようにしましょう。
特約の正式名称として「がん先進医療」となっている場合は、がんのみが保障対象となることが一般的です。
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がん保険の加入審査に落ちたらどうすれば良い?
高血圧の治療歴によっては、がん保険の加入審査に落ちるケースもあります。
ここからは、がん保険に入れなかった場合の対処法について、保険のプロがお伝えします。
他の保険会社で再度検討する
保険会社によって、診査基準は異なります。
高血圧の場合、治療歴にかかわらず加入できるとしている保険会社もあります。
1度加入を断られたからといって、すぐに諦める必要はありません。
別の保険会社のがん保険で再度検討してみるのが良いでしょう。
引受基準緩和型保険を検討する
高血圧の合併症を発症しているなど、通常のがん保険への加入が難しい場合は、引受基準緩和型保険の検討がおすすめです。
引受基準緩和型のがん保険はごく一部の保険会社でしか販売されておらず、保険料も通常のがん保険と比較して割高になっています。
医療保障もセットにはなりますが、引受基準緩和型医療保険にがん特約を付加するのも選択肢のひとつです。
引受基準緩和型三大疾病保険を販売している保険会社もあります。
がんだけでなく、三大疾病にも備えておきたい人にはおすすめです。
いずれにせよ、引受基準緩和型保険は通常の保険と比べて割高な保険料になっています。
まずは、通常のがん保険で加入できる可能性がないかを検討するのが良いでしょう。
あなたの年齢で引受基準緩和型医療保険の保険料はいくら?

高血圧の人の保険選びについてよくある質問
高血圧の人の保険選びについてよくある質問に、保険のプロが回答します。
ぜひ、保険選びの参考にしてください。
Q.高血圧でも医療保険に加入できますか
A.血圧値や年齢にもよりますが、通常の医療保険に加入できるケースもあります。
高血圧で投薬治療をしていて、血圧値をコントロールできている場合は、通常の医療保険に加入できる可能性があります。
ただし、血液をサラサラにする薬を処方されていたり、血圧値が保険会社の規定を超えている、また20代など若い人の場合は加入を断られる可能性があります。
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Q.高血圧でも共済には加入できますか
A.共済組合によっても異なりますが、血圧値が基準を満たせば加入できる可能性もあります。
例えば、かながわ県民共済の場合、次の条件を設けています。
- 30歳以上であること
- 高血圧で入院をしたことがない
- 過去90日以内の医療機関で測定した血圧値が、一定の範囲内となっている
共済組合によって規定は異なるため、詳細は検討中の共済組合へ問い合わせしてみるのがおすすめです。
Q.高血圧と指摘されていますが治療していません。保険に加入できますか。
A.がん保険の場合は加入できる可能性がありますが、医療保険や死亡保険の場合検討が難しくなることがあります。
医療保険や死亡保険の場合、高血圧の治療状況によって加入を断られる可能性があります。
高血圧の指摘を受けているのに医師の診察を受けていないと、リスクが高いと判断される場合があります。
自分の体のためにも、保険を検討するためにも、できるだけ早く治療を受けるようにしましょう。
まとめ
今回は、高血圧でもがん保険に入れるのかや、高血圧の人におすすめの保険について解説してきました。
高血圧で治療中でも、血圧値をコントロールできていれば問題なく保険に入れる可能性があります。
諦めず、保険選びを進めていきましょう。
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