「高血圧でも医療保険や生命保険に入れる?」「高血圧で治療していたら緩和型の保険にしか加入できない?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
日本の高血圧患者は約4300万人ほどいると推定されており、他人事ではない病気です。
高血圧と診断されたり、投薬治療をしている場合、保険加入にどれくらいの制限がかかるのかは気になるところです。
結論からいうと、高血圧だからといって全く保険に加入できない、緩和型の保険しか検討できないわけではありません。
しかし、年齢や治療の経過、現在の血圧値によっては加入に制限がかかるケースもあります。
本記事では、高血圧の人向けに保険選びのポイントをプロが詳しく解説していきます。
自分が保険に加入できるかどうか知りたい人はぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
高血圧でも加入できる保険はある!投薬治療で数値が安定している場合は、通常タイプの保険も検討可能です
高血圧は合併症を引き起こすリスクが高く、医療保険や死亡保険で万が一のことに備えておくことが大切
加入条件は保険会社によって異なるため、複数の保険会社から検討するのがおすすめ
当サイトにおける申込URLクリック数順(2024年11月1日-2024年11月30日)
高血圧でも保険に加入できる?
高血圧とは血圧が高い状態が続く病気で、繰り返しの測定で最高血圧が140mmHg以上、あるいは最低血圧が90mmHg以上で診断されます。
血圧値によって以下のように医学的な分類があり、高血圧とはⅠ度高血圧以上を指します。
高血圧は動脈硬化を進行させ、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めるといわれています。
持病が全くない人に比べて保険の必要性は高く、いざというときのために備えておきたいと考える人も多いでしょう。
高血圧と診断された場合、保険会社によっては加入に制限がかかることもありますが、年齢や治療の経過、現在の血圧値によっては通常の保険に加入できる可能性もあります。
検討している保険種類によっても加入できるかどうかは異なります。
ここからは、保険種類ごとに高血圧でも保険に加入できるかを解説していきます。
(参考:高血圧|厚生労働省 e-ヘルスネット)
医療保険の場合
30歳以上の人で血圧値がコントロールできていれば、通常の医療保険への加入を検討できるケースもあります。
一方、降圧剤を服用していても数値が安定していなかったり、入院歴がある人、抗血栓薬を処方されている人は通常の医療保険への加入を断られる可能性が高くなります。
また、29歳以下で高血圧と診断されている人も厳しい判断になることが考えられます。
保険会社によって加入できる条件は異なりますが、治療によって数値が安定している場合は一度通常の医療保険を検討してみるのが良いでしょう。
医療保険の人気ランキング
Q.県民共済は高血圧でも加入できる?
ほとんどの都道府県民共済で、「現在病気やケガの治療中である」「慢性疾患の診断を受けている、もしくは医師から治療をすすめられている」の告知項目に該当すると加入できないとされています。
そのため、高血圧で治療をしていると加入が難しくなることが考えられます。
しかし、「かながわ県民共済」の場合、以下の条件を満たしていれば高血圧治療をしていても申込できるとしています。
- 保障開始日現在、被共済者の年齢が満30歳以上であること。
- 契約申込日から過去において、「高血圧(症)」もしくは「脂質異常症(高脂血症)」を原因とする入院をしたことがないこと。
- 契約申込日から過去90日以内の治療時に、医療機関で測定した最新の血圧、コレステロールまたは中性脂肪の数値が組合の定める一定の範囲内であること。
※お申込みの内容によっては、ご契約いただけない場合があります。
その他の都道府県民共済に関しては、加入に際しての条件を明示していないところもあります。
加入を検討している場合、お住まいの県民共済に一度問い合わせしてみるのも良いでしょう。
がん保険の場合
がん保険も、高血圧の治療の程度によっては問題なく加入できる可能性があり、医療保険より加入条件を幅広くしている保険会社もあります。
しかし近年、高血圧はがん発症や死亡リスクの一因になることがわかってきています。
そのため、高血圧による入院歴があったり、29歳以下の場合は判断が厳しくなる保険会社もあります。
がん保険の診査に落ちてしまった場合は、別の保険会社を検討するか、引受基準緩和型医療保険にがん特約を付加するなどしてがん保障を持っておく選択肢もあります。
がん保険の人気ランキング
死亡保険の場合
死亡保険も、治療の程度や年齢によって加入できる条件が異なっており、中には高血圧でも通常の死亡保険に加入できるケースもあります。
降圧剤を利用して血圧値が標準程度に収まっているか、入院やその他の合併症がないかなどがポイントになります。
基準になる血圧値は保険会社によって異なっており、年齢が若いほど厳しい基準となる可能性があります。
治療をして症状が落ち着いておりその他の持病がないのであれば、まず通常の死亡保険を検討するのが良いでしょう。
加入を断られてしまった場合には、引受基準緩和型の死亡保険に加入する選択肢もあります。
生命(死亡)保険の人気ランキング
就業不能保険の場合
就業不能保険とは、病気やケガで働けなくなったときに備える保険です。
他の保険種類と同様、高血圧で治療しているからといって加入できないわけではなく、治療の程度や年齢によっては加入できる場合もあります。
ただし、がん保険や医療保険と比較すると加入条件が厳しい場合もあるので、注意が必要です。
加入条件のポイントは、年齢と最新の血圧値、入院歴や合併症がないかです。
保険会社によっても加入条件が異なりますが、血圧が基準値以内に収まっていて入院歴もないようであれば検討の余地があるでしょう。
就業不能保険の人気ランキング
高血圧で保険への加入が難しいケース
高血圧と診断されていても医療保険などの生命保険に問題なく加入できるケースもある一方、加入を断られてしまうケースもあります。
ここからは、どんな場合に保険加入が難しくなるのか、具体的に見ていきましょう。
高血圧の治療を行っていない
健康診断などで血圧が高いと指摘を受けていながら、通院や治療を行っていない場合、保険への加入が難しくなります。
高血圧の診断基準となる「最高血圧140mmHg以上」あるいは「最低血圧が90mmHg以上」を超えて何も治療をしていないと、さまざまな合併症を発症するリスクが高くなり、保険会社の判断も厳しいものとなります。
きちんと通院し、降圧剤の服用で血圧値が下がれば保険に加入できる可能性も高くなるため、保険加入のためにも自分の体のためにも、医師の診察を受けておくようにしましょう。
高血圧の治療を始めたばかり
高血圧の治療を始めたばかりでまだ血圧が標準値まで下がっていない場合、保険加入を断られてしまう可能性があります。
ある程度治療を継続し、血圧基準が140mmHg/90mmHgより低くなってから保険を検討するのが良いでしょう。
また、服用している薬の種類によって保険に加入できないこともあります。
一般的な降圧剤のみであれば問題ないことがほとんどですが、抗血栓薬などの血液をサラサラにする薬も服用している場合は厳しい判断となります。
合併症や高血圧以外の持病がある
高血圧と診断されたら、生活習慣の改善や投薬によって、血圧を基準値まで下げるよう治療をします。
しかし、血圧値が改善されないと、心不全や脳血管疾患、心筋梗塞などの合併症リスクが高くなります。
すでに高血圧が原因でほかの病気に罹患していたり、高血圧以外の持病がある場合、通常の保険に加入できない可能性があります。
直近1年以内に入院歴がある場合、引受基準緩和型保険への申込もできないことが多いため、その場合は退院後1年以上経ってから保険加入を検討する必要があります。
保険の加入審査に落ちるとどうなる?
健康状態が原因で保険に加入できなかったからといって、そのほかの保険の検討に大きな影響が出ることはありません。
特段費用も発生せず、もし第1回目の保険料が引き落とされていたとしてもあとから返還されます。
ただし、一度審査に落ちた場合、同じ保険会社の別の商品にも申込制限がかかるケースがあるため注意が必要です。
加入審査に落ちてしまったら、慌てずほかの保険会社の商品を検討したり、引受基準緩和型の保険を視野に入れながら、再度保険選びをしていきましょう。
保険の加入審査に落ちたときの対処法
保険の加入審査に落ちてしまったら、その後どのように保険選びをしていけば良いのでしょうか。
プロが詳しく解説します。
別の保険会社の保険に申込む
保険に加入できるかどうかの条件は、保険会社によって異なります。
高血圧の場合、加入可能な血圧値の範囲や年齢の基準は、保険会社によって異なる場合があります。
一度加入審査に落ちてしまったとしても、ほかの保険会社であれば加入できる可能性もあるので、一度ほかの保険会社の商品を検討してみるのもおすすめです。
持病があっても加入しやすい保険を検討する
通常の医療保険に加入できない場合、引受基準緩和型保険を検討しましょう。
引受基準緩和型保険とは、通常の保険に比べて加入時の健康状態に関する質問事項が少なく、持病があっても加入しやすい保険のことです。
その分、通常の保険と比較すると毎月の保険料は割高になりますが、持病の悪化も保障されるため健康に不安を感じている人にはおすすめです。
引受基準緩和型保険には、医療保険や死亡保険、三大疾病保険などいくつかの種類があります。
自分のニーズに合わせて、必要な保障を準備しておきましょう。
高血圧でも加入しやすい保険
高血圧でも、合併症があったり血圧値が高い場合、通常の保険への加入は難しくなります。
しかし、持病を抱えていても加入しやすい保険商品を選ぶことで、いざというときの保障を準備できる可能性があります。
ここからは、高血圧でも加入しやすい保険について、それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
引受基準緩和型医療保険
引受基準緩和型医療保険とは、通常の医療保険に比べて加入時の診査が緩やかな保険のことです。
入院や手術に備えることができ、保険会社によってはがんや三大疾病に備える特約を付加して手厚い保障を準備することも可能です。
以下のような質問にすべて「いいえ」であれば申込みができる商品が一般的です。
- 直近3カ月以内に、医師により入院・手術・検査・先進医療をすすめられたことがあるか
- 過去1年以内(もしくは2年以内)に入院や手術歴があるか
- 過去5年以内にがん(悪性新生物または上皮内新生物)・肝硬変・認知症・アルコール依存症・統合失調症で医師による診察を受けたことがあるか
高血圧で直近に入院歴がなければ、上記の質問事項には該当しないことになるため、申込みをすることができます。
がんや三大疾病の特約を付加する場合は、さらに質問事項が追加されるため、該当するものがないか事前に確認してから申込みするようにしましょう。
持病があっても加入しやすいことがメリットの引受基準緩和型医療保険ですが、通常の医療保険に比べて保険料は割増しになっている点には注意しましょう。
当サイトにおける申込URLクリック数順(2024年11月1日-2024年11月30日)
無選択型医療保険
無選択型医療保険は、加入時に健康状態が問われない医療保険のことで、引受基準緩和型医療保険よりもさらに加入のハードルが低くなっています。
商品数としては少ないですが、現在も一部の保険会社が販売しています。
メリットは健康状態に関わらずほとんどすべての人が加入できる点ですが、その分保険料は引受基準緩和型保険よりもかなり割高に設定されています。
特に高血圧の場合は、直近で合併症などでの入院歴がなければ緩和型の保険を検討できるケースがほとんどです。
まずは、緩和型の商品で保険選びを進めていくのが良いでしょう。
高血圧の人が保険を選ぶポイント
高血圧と診断された人が保険を選ぶときには、注意するべき点がいくつかあります。
ここからは保険を選ぶときのポイントについて、詳しく解説していきます。
通常の保険から検討する
高血圧で治療をしている人の中には、持病があっても加入しやすい緩和型の保険しか検討できないと考えている人もいるかもしれません。
しかし、高血圧の持病があっても、まずは通常の保険から検討するのがおすすめです。
保険の診査基準は会社によってさまざまで、実際に申込んでみないと加入できるかどうかはわかりません。
投薬治療で数値をコントロールできていれば通常の保険に加入できるケースもあります。
保険料は通常の医療保険のほうが割安なので、最初から緩和型の保険に加入するよりも一度通常の保険を検討しておくほうが良いでしょう。
通常の医療保険への加入を断られてしまった場合に、緩和型の保険を検討していきましょう。
現在の健康状態を正確に伝える
保険の加入時には、健康状態をありのままに申告(告知)することが求められます。
もし、治療の事実を隠したり正確な数値を告知しなかった場合、「告知義務違反」とみなされ、いざというときに給付金を受け取れなかったり、保険契約が解除されてしまう可能性もあります。
また、申告内容が不明瞭だと、保険会社から再度告知を求められたり、後日診断書の提出が必要になる可能性もあります。
保険加入時にできるだけ正確に健康状態を伝えることで、保険会社による診査もスムーズになります。
直近の経過が良好な場合は、その事実もありのまま伝えることで診査の結果に影響を与える可能性もあります。
血圧値の推移や最新の数値はできるだけ告知書に記載するようにしましょう。
参考)主な告知内容
通常の医療保険における主な告知内容は以下の通りです。
- 過去3カ月以内に医師の診察や投薬を受けたことがあるか
- 過去5年以内に、継続した7日以上の入院や手術を受けたことがあるか
- 過去2年以内の健康診断や人間ドックで、要塞検査以上の指摘を受けたことがあるか
- 今までにがんに罹患したことがあるか
- 身体の障害があるか
この告知項目に該当したからといって、保険に加入できないわけではありません。
該当する項目があるときは、診断名や治療の経過を正確に告知しましょう。
特別条件付きで契約できたり、場合によっては無条件で加入できることもあります。
保険加入時の特別条件に注意する
健康状態によっては、保険会社が定める特別条件が付いた契約になる可能性があります。
特別条件は、体の特定部位や特定の疾病を一定期間(または永年)保障対象外とするものや、保険料が申込時の条件よりも割増になるといったものが一般的です。
特に高血圧の場合、数値や治療の経過によっては死亡保障で割増保険料が適用されるケースがあります。
診査の結果特別条件が付いた場合、条件の内容を確認して許容できるのであれば承諾書を提出することで保険契約が成立します。
条件が許容できない場合は、再度別の保険会社で保険を検討するか、緩和型の保険を検討するようにしましょう。
複数の保険会社を比較する
毎月の保険料は、保険会社によって異なります。
同じような保障内容でも保険会社ごとに保険料の違いがあるため、保険を選ぶ際は1社だけでなく複数社で比較してから決めるのがおすすめです。
自身の年齢で医療保険の保険料を比較したい人は、保険料シミュレーションを活用してください。
複数社の保険料を横並びで比較することができます。
まとめ
今回は、高血圧の人が加入できる保険について詳しくご紹介してきました。
高血圧と診断されてからでも加入できる保険はあるので、諦める必要はありません。
しかし、病状が進行したり、合併症を引き起こしてしまうと、加入できる保険の選択肢が少なくなってしまいます。
保険の必要性を感じている人は、できるだけ早めに加入しておくようにしましょう。
保険選びに迷ったときは、人気ランキングを参考に、複数社の商品を比較して決めるのがおすすめです。
ほけんのコスパではさまざまな保険会社の商品を掲載しているので、自分にぴったりの保険を見つけることができます。