70代を迎えると、加入している保険の整理や見直しを検討する人も多いでしょう。
がん保険を解約すべきか継続すべきか、と悩んでいませんか?
がんは年齢が高くなるほど罹患リスクも高くなるため、高齢者は特に注意が必要な病気です。
一方、75歳からは後期高齢者医療制度に移行し、医療機関での自己負担割合が軽減されます。
本記事では、70代にとってのがん保険の必要性や、見直し・新規加入時の注意点を紹介します。
この記事を読んでわかること
70代以降は医療費の負担割合が引き下げられるため、貯蓄が十分にあればがん保険は不要なケースもある
老後のための貯蓄を取り崩したくない場合はがん保険の継続がおすすめ
古いがん保険は通院治療に対応していないことも多いため注意が必要
目次
7.まとめ
70代のがん保険は「資産を守るため」なら必要、「治療費のため」なら不要の可能性もある
70代のがん保険は、治療費そのものより、治療によって貯蓄が減るのを防ぐ目的で検討する価値があります。
70歳以上になると、公的医療保険制度で医療費の自己負担割合が1割または2割に軽減されます。
さらに「高額療養費制度」を利用することで、1カ月の医療費の自己負担には上限が設けられているため、保険診療の範囲内であれば治療費が際限なく膨らむことはありません。
しかし、公的保険が適用されない先進医療や自由診療、入院時の差額ベッド代や交通費などは全額自己負担となります。
また、がんに罹患すると、健康だった頃からは想像できない出費が重なるものです。
そのため、70代のがん保険の役割は「治療費の支払いに困るから」というよりも、「老後の生活資金や趣味のために貯めてきた大切な資産を守るため」という側面が強くなります。
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「70代にがん保険は不要」といわれる3つの理由
高齢者は現役世代に比べて公的医療制度によるサポートが手厚く、医療費の自己負担額も大幅に軽減されます。
そのため、がん保険は不要と考える人も一定数いるようです。
では、70代にがん保険が不要といわれる理由について詳しく見ていきましょう。
1.自己負担割合が「1割」または「2割」に下がる
70歳以上になると、公的医療保険における医療費の自己負担割合が引き下げられます。
69歳以下の自己負担割合が原則3割であるのに対し、70歳から74歳までは原則2割になります。
ただし、現役世代並みの所得がある場合は、70歳以上でも3割負担となります。
| 年齢 | 自己負担割合 |
| 69歳以下 | 3割 |
| 70歳~74歳 | 2割(現役並み所得者は3割) |
| 75歳以上 | 1割(現役並み所得者は3割) |
医療機関の窓口で支払う金額が現役世代よりも少なくなるため、がん保険の必要性は相対的に低くなると考えられます。
とはいえ、がんは治療が長引く可能性が高い病気です。1カ月ごとの治療費負担は問題なくても、何年も治療が続いたときの負担については考慮しておく必要があるでしょう。
2.高額療養費制度で月々の支払いに「上限」がある
高額療養費制度は、1カ月にかかった医療費の自己負担額が、所得に応じて定められた上限額を超えた場合に、その超えた金額が払い戻される制度です。
70歳以上の場合、1カ月の医療費負担上限額は次のとおりです。
たとえば、一般的な所得(年収約370万円まで)の方であれば、入院した場合でも月の自己負担上限額は5万7600円です。
がん治療で高額な医療費が発生しても、自己負担が青天井になることはありません。
ただし、高額療養費制度は1カ月ごとの適用になります。
入院が2カ月以上に及ぶと、自己負担が倍になる可能性もあるため注意が必要です。また、差額ベッド代や先進医療など公的医療保険が適用されないものに関しては、高額療養費制度の対象外です。
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3.給付金が受け取れない可能性がある
古いタイプのがん保険に加入している場合、現在の治療実態に合わず、給付金が受け取れない可能性があります。
かつてのがん治療は長期入院が主流だったため、がん保険も入院給付金を手厚く保障する設計が中心でした。
しかし、現在のがん治療は通院での抗がん剤治療や放射線治療が主流となっています。
そのため、入院が給付条件となっている保険では、通院治療が長引いた際に十分な保障を受けられない可能性があります。
新しいがん保険では、がんと診断された時点でまとまったお金を受け取ることができる「診断一時金」や、抗がん剤治療を受けた月ごとに保障される「薬剤治療保障」が中心となっています。初期段階の「上皮内がん」が満額で保障される商品も増えているため、古いがん保険に加入している人は一度見直しを検討するのが良いでしょう。

Q1
それでも70代でがん保険が「必要になる人」の特徴
公的医療制度が充実しているとはいえ、がん治療にかかる費用をすべてカバーできるわけではありません。
貯蓄状況やがん治療に対する考え方によっては、70代でもがん保険の必要性が高いケースもあります。
具体的に見ていきましょう。
自由診療や先進医療(陽子線など)の選択肢を残したい人
公的医療保険が適用されない自由診療や、有効性は認められているもののまだ保険適用となっていない先進医療は、全額自己負担となります。
例えば、陽子線治療や重粒子線治療などの先進医療は、1クールの治療で200~300万円もの高額な費用がかかることがあります。
また、日本では未承認の薬剤を使った治療をする場合、公的医療保険が適用されない自由診療となるため、トータルで数百万円から一千万円以上の費用がかかるケースもあります。
「もしものときには、経済的な理由で治療法を諦めたくない」「最善の治療の選択肢を残しておきたい」と考える人は、先進医療特約や自由診療特約を付加したがん保険で備えておく必要があるでしょう。
どちらの特約も毎月の保険料負担はそこまで大きくなく、数百円前後で付加できることが一般的です。
少ない保険料で大きなリスクに備えられる、合理的な保障といえます。
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手元の貯蓄を取り崩すことに強いストレスを感じる人
がん治療に充てられる十分な貯蓄があったとしても、「老後のために大切に貯めてきたお金が、医療費で減っていくのは精神的に辛い」と感じる人も少なくありません。
特に老後は限られた収入でやりくりする必要があり、毎月の生活費などで貯蓄は減っていく一方になります。
そんな中、がん治療で思わぬ出費が重なると、精神的な負担も大きくなるかもしれません。
がん保険は経済的な備えでもありますが、精神的な安定材料としての役割も果たします。
保険で受け取った給付金を治療費に充てることで、大切な貯蓄に手を付けずに済む安心感を得られます。
前向きに治療に取り組むためにも、お守りとしてがん保険に加入しておくのはひとつの選択肢といえるでしょう。
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入院時の差額ベッド代(個室)や家族のサポート費用が欲しい人
がん治療では、直接的な治療費以外にもさまざまな費用が発生します。
自己負担となる費用の例
- 差額ベッド代:個室や少人数の病室を希望した場合の費用(1日あたり平均約6862円)
- 交通費:通院のためのタクシー代や、遠方の病院へ通う家族の交通費・宿泊費
- 雑費:入院中の日用品やパジャマ代、ウィッグの購入費用など
特に高齢になると体力の低下からタクシー利用が増えたり、プライバシーや静養のために個室を希望することもあるでしょう。
がん治療は長引く可能性も高いため、毎月の出費が重なって累計での負担が大きくなるリスクに注意が必要です。
診断時にまとまった一時金が受け取れるタイプのがん保険であれば、治療費以外の雑費もカバーすることができます。
(参考:主な選定療養に係る報告状況|厚生労働省)
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年2月1日―2026年2月28日)
【チェックリスト】70代のがん保険「必要」か「不要」か判断ポイント
加入中のがん保険を継続すべきか、それとも解約して貯蓄で備えるべきかを判断するポイントをご紹介します。
次のチェックリストも参考にしながら、ぜひ自身に当てはめて検討してみてください。
チェック1:今の保険料を年金だけで無理なく払えるか?
70代の主な収入源は公的年金であり、現役時代のように収入が増えることは期待しにくいです。
そのため、毎月の保険料が家計を圧迫していないかを確認することは大切です。
年金収入に占める保険料の割合を計算し、他の生活費とのバランスを確認しましょう。
もし支払いが負担になっている場合は、保障内容を減額して保険料を抑える、あるいは解約してその分を貯蓄に回すという選択肢もあります。
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チェック2:予備資金(医療用貯金)として200〜300万円あるか?
十分な資産があれば、敢えて民間のがん保険を継続しておく必要性は低いかもしれません。
公的制度を利用すれば自己負担は抑えられますが、治療が長期化した場合や、保険適用外の費用を考えると、ある程度のまとまった資金があると安心です。
ひとつの目安として、200万円から300万円程度の医療用貯蓄があれば、標準的ながん治療にはある程度対応可能といえるでしょう。
日々の生活費とは別に医療費用の貯蓄を確保できているかどうかが、保険の必要性を判断する大きなポイントです。
ただし、貯蓄が減ることに不安を感じたり、数千円程度の保険料であれば安心を買うために継続したい、と考えるのであればがん保険は継続しておくべきです。
チェック3:加入中の保険は「古いタイプ」ではないか?
がん治療の進化に合わせて、がん保険の保障ない内容も年々変化しています。
次のポイントをまず確認して、加入しているがん保険が時代に即しているかを確認してみましょう。
確認するべきポイント
- 保障の中心は?:入院給付金が中心で、通院保障が手薄ではないか。
- 一時金の有無:がんと診断された時点でまとまった一時金が受け取れるか。
- 上皮内がんの扱い:初期のがんである「上皮内がん」も、通常のがんと同じ金額が保障されるか。
もし加入中の保険が、入院日額で保障する古いタイプの場合、通院中心の現代の治療では十分な給付を受けられない可能性があります。
また検査技術の発展により、早期発見の「上皮内がん」で見つかるケースが増えています。
加入している保険が早期発見のがんに対応できているかどうかも、確認しておきたいポイントです。
保障内容が今の医療事情に合っていない場合、見直しや解約を検討しましょう。
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70代から新規加入する場合の注意点とデメリット
70代から新たながん保険への加入を検討する場合、いくつかの注意点とデメリットがあります。
現役世代とは異なるリスクがあるため、保険加入時は慎重な判断が必要です。
保険料が割高になり、元を取るのが難しい
がん保険の保険料は、がんの発症リスクに基づいて設定されています。
高齢になるとがんのリスクが高くなるため、70代で新規で加入する場合の保険料は高額になる可能性があります。
とはいえ、プランの組み方によって毎月の保険料は調整することができます。
たとえば、診断一時金が50万円のプランであれば月額4000円~5000円前後で検討できる場合もあります。
過度に大きな保障にせず、保険料とのバランスを見ながら調整することが大切です。
たとえば、保険料が毎月5000円であれば、年間の保険料総額は6万円です。
10年継続すると60万円の負担となり、診断一時金の保障額を上回ってしまうことになります。
しかし、近年のがん保険は、診断一時金の支払が1回限りではなく、1年ごとに条件に該当すれば回数無制限で受け取れるものが増えています。
治療が長引けば何度も一時金を受け取ることができ、いわゆる「元を取れる」可能性もでてきます。
もちろん、保険は損得だけを気にして加入するものではありません。
保険料のトータルと、もしものときに受け取れる保障を天秤にかけたうえで、許容できるかを判断することが大切です。
健康状態による加入制限(告知義務)
がん保険に加入する際は、現在の健康状態や過去の病歴などを保険会社に正しく伝える告知義務があります。
70代になると、生活習慣病など何らかの持病を抱えている人も多いでしょう。
健康状態によっては、がん保険の診査に通らない可能性もあるため注意が必要です。
加入中のがん保険の見直しを検討している人は、新しいがん保険が成立し保障開始されるまで、古い保険を解約しないように注意してください。
新しいがん保険の審査結果によっては、無保険の状態になってしまうリスクがあります。
健康状態が原因で「加入できなくなる可能性」も考慮して、早めに検討を進めておきましょう。
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70代のがん保険に関するよくある質問
ここからは、70代のがん保険選びでよくある質問に、保険のプロがわかりやすく回答します。
Q. 昔に入った「入院日額1万円」のがん保険、解約すべきですか?
A.慎重な検討が必要です。場合によっては保険を見直した方が良いケースもあります。
まずは、現在の通院中心のがん治療に対応できているか確認が必要です。
保障内容が入院日額だけで、診断一時金や通院保障がなければ、保障が不十分な可能性があります。
保険料とのバランスを見て、より実用的な保険への見直しや、貯蓄で備えることも検討しましょう。

Q1
Q. 75歳になって医療費が1割負担になれば、がん保険は解約してもいいですか?
A.治療費だけを考えるのであれば、解約を検討しても良いタイミングです。
75歳になって後期高齢者医療制度に移行すれば、自己負担の割合は引き下げられます。
ただし、差額ベッド代や先進医療などは対象外で、全額自己負担が必要です。
貯蓄が心もとない場合は、そのまま継続することをおすすめします。家計状況と合わせて総合的に判断しましょう。
Q. 貯金がいくらあれば、70代でがん保険はいらないといえますか?
A.一概には言えませんが、ひとつの目安として200〜300万円程度の医療用予備資金があれば、保険の必要性は低くなります。
ただし、上記の目安は公的医療保険適用の標準治療を前提としています。
先進医療や自由診療を視野に入れる場合、さらに多くの資金が必要になる可能性があります。
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Q. 持病がありますが、70代から入れるがん保険はありますか?
A.持病の種類によってはがん保険に加入できる可能性があります。
がん保険の場合、がんの発症に関連のある病気や症状が診査に大きく影響します。
反対に、高血圧や高脂血症などがんと直接関係のない持病であれば、問題なく加入できるケースも珍しくありません。
保険会社によって診査基準は異なるため、複数の保険会社での検討がおすすめです。また、がん経験者向けのがん保険を販売している保険会社もあります。
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まとめ
70代のがん保険の必要性は、個人の資産状況や価値観によって大きく異なります。
日本の公的医療保険制度は充実しており、標準治療であれば自己負担を大幅に抑えることが可能です。
しかし、老後のための貯蓄を取り崩したくない人や、先進医療や自由診療など公的医療保険が適用されない治療に備えておきたい人には、民間のがん保険がおすすめです。
ほけんのコスパでは、70代でも加入できるがん保険を複数掲載しています。
年齢と性別を入力するだけで、保険料のシミュレーションも可能です。
ぜひ保険選びの参考にしてください。
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