「貯金があればがん保険はいらない?」「がん治療っていくらかかるの?」と疑問に思っている人もいるでしょう。
がん治療が長引くと経済的な負担も大きくなりますが、すべて自己資金で対応できるのであればあえてがん保険に加入する必要は低いでしょう。
いくら貯金があればがん保険は必要ないのか、保険で備えておくメリットはあるのか、プロが詳しく解説します。
この記事を読んでわかること
治療費への備えとして300万円の貯蓄がひとつの目安
目次
2.がんの治療費以外も含めて必要な貯金額はいくら?【ケース別】
2-1.独身の場合
2-2.養う家族や子どもがいる場合
3-1.公的な医療保険制度が手厚いため
3-2.貯金で治療費をまかなえるため
3-3.保険料がもったいないと感じるため
6-1.がん保険で受け取れる主な給付金
6-2.必要な保障内容を決める
6-3.保障期間を決める
6-4.複数の保険会社で保険料を比較する
7.まとめ
がん保険がいらない貯金額はいくら?
結論、治療費をまかなう目的だけであれば、自由に使える貯蓄額300万円が目安になります。
いくら貯金額があればがん保険が必要ないのかを考えるには、そもそもがん治療にいくらかかるのかを把握しておく必要があります。
がんの治療にかかる費用は高額ですが、公的医療保険制度や高額療養費制度を使うことで自己負担額を一定まで抑えることができます。
1年に3カ月以上高額療養費制度を利用した場合、4カ月目からは多数回該当として自己負担額がさらに抑えられます。
上記をふまえ、5年間がん治療を継続したと仮定すると総額の治療費は次のようになります。
例)年収500万円
高額療養費の自己負担上限が約8万円
治療4カ月目からは多数回該当で自己負担が4万4000円
1年目の治療費:63万6000円
8万円×3カ月=24万円
4万4000円×9カ月=39万6000円
2年目以降の治療費:211万2000円
4万4000円×12カ月=52万8000円 ※2年目以降は健康保険加入者が変更されない限り多数回該当とする
52万8000円×4年間=211万2000円
5年間の治療費:274万8000円
上記はあくまでも考え方の例です。
実際には、早い段階でがんが寛解して治療が終了するケースや、経過観察等で高額療養費の上限額未満の治療費になることもあるでしょう。
また、年収が高い人ほど高額療養費の上限額は高くなるので、上記の計算よりも費用が高くなることもあります。
平均的な年収の人の場合、治療費をまかなう目的であれば300万円の貯蓄がひとつの目安になるでしょう。
ただし、「老後の生活のため」や「子どもの教育費」など目的がある貯蓄は別で考える必要があります。
いざというとき、必要な貯蓄を取り崩さなくて良いように、予備資金としていくら貯蓄があるかが大切なポイントです。
保険料 見積シミュレーション
人気の商品をカンタン比較

がんの治療費以外も含めて必要な貯金額はいくら?【ケース別】
がんに罹患すると、治療費以外にも経済的な負担が重くのしかかる可能性があります。
ケース別に、がん保険が不要になる貯蓄額の目安について見ていきましょう。
独身の場合
独身の場合、治療費をまかなうのであれば300万円前後、収入の減少を加味するのであれば400万円前後の貯蓄があると、がん保険の必要性は低くなるでしょう。
養う家族がいないため、がん治療にかかる費用や収入の減少をおぎなえる程度の貯蓄があれば安心です。
高額療養費制度の上限額は収入によって異なるので、自身の場合毎月の負担がいくらくらいになるか、5年間治療を継続したとして総額いくらあれば安心かを計算してみましょう。
ただし、300万円~400万円の貯蓄額は、あくまでもがんに罹患したときに使える貯蓄の額です。
老後のために取り組んでいる資産運用や、車や家を購入するために取り組んでいる貯蓄は別で考えましょう。
いざというときに、将来必要になるお金を取り崩さなくて済むように準備しておく必要があります。
関連記事
養う家族や子どもがいる場合
扶養家族がいる場合、いざというときの予備資金として500万円ほど確保できているかがひとつの目安です。
治療費だけをまかなうのであれば、平均的な収入の人で300万円ほど準備していれば5年間の治療に対応することは可能でしょう。
しかし、小さな子どもがいる家庭では、治療費以外の出費も大きくなりがちです。
治療中、今まで通り働くことができず収入が減少するリスクもあります。
がん治療をする中で、子どもの将来や自分たちの老後のために貯蓄していたお金を取り崩すことがないよう、がん保険に加入しないのであれば、最低でも500万円の余剰資金があると安心でしょう。
関連記事
貯金があればがん保険がいらないといわれる理由と注意点
経済的に余裕があればがん保険は不要と考える人がいるのも事実です。
では、なぜがん保険は不要といわれるのか、理由と注意しておくべき点について考えていきましょう。
公的な医療保険制度が手厚いため
がん保険がいらないといわれる理由の一つに、日本の公的医療保険制度の充実があります。
日本は国民皆保険制度を取っており、全国民が公的医療保険制度に加入しています。
現役世代の場合、3割の自己負担で治療を受けることができるため、経済的な負担はある程度軽減されます。
また、治療費が高額になった場合は高額療養費制度を利用することで、一定以上の自己負担は発生しない仕組みになっています。
ただし、公的医療保険は治療にかかる費用すべてに適用されるわけではありません。
入院時の差額ベッド代や食費、抗がん剤治療の副作用で必要になる医療用ウィッグの購入費などは、別途自己負担が必要です。
また、先進医療や自由診療など、公的保険が適用されない全額自己負担の治療を受けた場合、数百万円単位の支払いが必要になることもあります。
公的制度が整っているから保険は一切必要ないとはいい切れないため注意が必要です。
関連記事
参考)高額療養費制度
高額療養費制度とは、医療費が1カ月の上限額を超えたとき、その差額が払い戻される制度です。
がん治療は特に医療費が高額になりがちなため、手術や抗癌剤治療を受けた月は高額療養費制度を利用することになります。
自己負担の上限額は年齢や収入によって異なっており、現役世代の場合は次のとおりです。
例えば、区分ウに該当する年収約370万円~約770万円の人であれば、1カ月の自己負担額は最終的に8万円~9万円程度になります。
ただし、入院時の差額ベッド代や通院治療にかかる交通費など、医療費以外の負担が発生する可能性には注意が必要です。
高額療養費制度を1年間のうちに3回以上利用した場合、4回目以降は多数回該当となりさらに自己負担額が軽減されます。
同じ区分ウに該当する人であれば、1カ月の上限額は4万4000円までになります。
がん治療は長期に及ぶことも珍しくありません。高額療養費の仕組みと多数回該当について、今のうちに押さえておきましょう。
関連記事
参考)傷病手当金
抗がん剤治療の副作用などから、働くことができず医師に療養を指示されるケースもあります。
会社員や公務員の場合、がんの治療によって働けなくなったときには傷病手当金を受け取ることができます。
傷病手当金は休業4日目から支給され、給与(標準報酬月額)の約3分の2が保障されます。
そのため、いきなり収入が途絶えることはありませんが、給与が満額保障されるわけではないため注意しましょう。
また、自営業やフリーランスで働く人は傷病手当金の対象外です。
がん治療で働けなくなったときのリスクに備えておくことが大切といえます。
(参考:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|全国健康保険協会)
関連記事
貯金で治療費をまかなえるため
貯金があればがんの治療費もまかなうことができるので、民間のがん保険は必要ないと考える人もいます。
確かに、がんと診断されて治療を行うことになっても経済的な不安が一切ないのであれば、あえてがん保険に加入して保険料を払い続ける必要はないかもしれません。
しかし、どれだけ治療が長引いても、収入が減少してしまっても、経済的に一切問題がないほどの資産を保有している人はごく一部でしょう。
多くの場合、がん治療が長引くにつれて経済的に苦しくなってしまったり、貯蓄を取り崩さなければならない事態に直面します。
がん保険の必要性について考えるときは、目安として5年間治療が続いたとしても治療費を支払い続けられるか、生活に影響はないかを判断材料にしてみましょう。
関連記事
参考)がんの治療費
2023年の統計データによると、日本人に最も多いとされる大腸がん(直腸、S時結腸)の治療費は、入院1件あたり約79.9万円です。
通院治療1件あたりは約7.1万円となっています。
主に入院や手術の際に大きな医療費がかかることがわかります。
ただし、上記の金額は公的医療保険制度適用前の費用です。
実際の負担額は3割となり、さらに高額療養費の自己負担限度額を超えている場合は差額が返還されます。
(参考:医療給付実態調査 報告書 令和5年度 第3表|厚生労働省)
関連記事
保険料がもったいないと感じるため
がん保険の保険料が負担になったり、「保険料を支払うお金を貯金に回した方が良いのでは?」と感じる人もいるでしょう。
特にがん保険の場合、がんにならなければ給付金を受け取る機会がないため、健康で過ごすほど保険料がもったいないと思うかもしれません。
若年層の場合比較的がんのリスクが低いため、保険料を支払ってがんに備えておく必要性を感じにくい人もいます。
しかし、がんは日本人の死因1位の病気です。
罹患者数も多く、家族や身近な人ががん治療をしている人も少なくないでしょう。
がん保険は、検査で異常が見つかったり、実際にがんに罹患してからでは加入できないことがほとんどです。
あとから後悔しないよう、将来のリスクもふまえて本当に保険が必要ないのか、慎重に判断しましょう。
関連特集
がん保険が必要なケース
経済状況やがん治療に対する考え方によっては、がん保険に加入しておいた方が良いケースもあります。
ここからは、がん保険の必要性が高い人の特徴を解説します。
貯金が少ない、もしくはこれから貯める人
貯金が少ない人やこれから貯蓄を増やそうと考えている人は、もしもに備えてがん保険に加入しておくことがおすすめです。
がんは一度罹患するとすぐに完治させるのが難しく、結果として治療費負担が大きくなるリスクがあります。
現在貯蓄に余裕がない場合、万が一がんと診断されると治療費の支払いが負担となり、今後のライフプランにも影響を与えてしまうかもしれません。
せっかく貯蓄の計画を立てていても、その通りに資産形成することも難しくなります。
急な医療費の支払いが家計を圧迫することがないよう、最低限保険で備えておくようにしましょう。
関連記事
家族に金銭的な負担をかけたくない人
扶養家族がいる場合、自分ががんに罹患した際の治療費や生活費をどう捻出するかが問題になります。
家族に負担をかけなくない、今の貯蓄を取り崩したくない、と思う人はがん保険で備えておくといざというときに安心です。
がん保険では、がん治療にかかる費用だけでなく、毎月の生活費の補填や通院時の交通費・宿泊費をカバーすることもできます。
家族に金銭的な負担をかけず治療に向き合うためにも、健康なうちにがん保険への加入を検討しておくことをおすすめします。
関連記事
お金の不安を減らし治療に専念したい人
がんに罹患すると、精神的にも大きな不安を抱えることになります。
「完治できるのか」「仕事はこれまでどおり続けられるか」などさまざまな心配事があるなか、治療費の支払いで貯蓄が減少していくのはさらに精神的に負担となるでしょう。
もしものとき、お金の心配をせず治療に専念したい、と考える人にはがん保険の加入がおすすめです。
がん保険で治療費をまかなえる安心感があれば、前向きに治療を続けられるでしょう。
また、がん保険の保障内容によっては、先進医療や自由診療などの全額自己負担になる治療もカバーできます。
貯蓄があるからがん保険は必要ない、と安易に判断するのではなく、がんと診断されたときの精神的な負担も考慮し慎重に検討しましょう。
関連記事
参考)先進医療特約
がん保険には、先進医療特約を付加できるのが一般的です。
先進医療特約は、先進医療を受けたときにかかる技術料が実費で全額保障される特約です。
通算保障額が定められており、一般的には2000万円までが保障対象となります。
がんの治療で用いられる先進医療は、重粒子線治療や陽子線治療が知られています。
いずれも1クールの治療で300万円前後の自己負担が発生します。
がん保険で先進医療特約を付加していれば、治療に300万円かかっても保険会社から300万円支払われるため、実質負担なく治療を受けることができます。
関連記事
自営業者やフリーランスなど、収入が不安定な人
自営業やフリーランスの場合、会社員と違い傷病手当金などの公的な支援を受けられないため、がん治療に伴う収入減少に特に注意が必要です。
がん保険の診断一時金や収入保障特約は、生活費の補填としても役立ちます。
また、収入が不安定な人の場合、がん治療にかかる費用を貯蓄ですべて補うのも難しい場合があります。
がんと診断されたときに安心して治療に向き合えるよう、がん保険で必要な保障を確保しておくことが大切です。
保険料 見積シミュレーション
人気の商品をカンタン比較

がん保険がいらないケース
反対に、経済状況等によってはがん保険の必要性が低い場合もあります。
がん保険が不要とされるケースについて、詳しく見ていきましょう。
潤沢な貯金があり、治療費をすべて自己負担できる人
十分な資産を保有しており、がん治療にかかる費用をすべて自己負担できる場合、がん保険の必要性は低いといえるでしょう。
高額療養費制度や公的医療保険制度を利用することで治療費はある程度抑えられます。
年収が約370万円~約770万円の人であれば、自己負担額は1カ月あたり約8万円程度に収まります。
加えて、差額ベッド代や通院費といった公的保険でカバーされない費用が発生したとしても、すべて十分にまかなえる貯蓄があれば、がん保険の必要性は低いでしょう。
ただし、先進医療や自由診療など、公的医療保険制度適用外の治療も視野に入れたい場合、がん保険で備えておくほうが安心です。
いくら十分な資産があっても、一度に数百万円の費用がかかる治療を受けると、将来のための貯蓄を取り崩さなければいけなくなるかもしれません。
自分が保有している資産と、希望する治療にかかる費用などを総合的に判断し、がん保険が本当に必要かどうか検討しましょう。
関連記事
企業保障や福利厚生が充実している人
勤務先の企業保障や福利厚生が充実している場合も、別途がん保険に入る必要性が低くなります。
例えば、会社独自の医療保険制度で入院費や手術費が支援されたり、がん診断給付金のような一時金が支給される制度がある場合、すでにがん保障はある程度確保されています。
また、大手企業では傷病手当金とは別に休職中の給与補償制度を設けていることもあります。
まずは、勤務先で加入している保険や福利厚生の内容について確認しましょう。
がん保障が充実しているのであれば、民間のがん保険は検討しなくても良い可能性があります。
ただし、今後退職や転職の予定がある場合は、将来のリスクも考慮して自分で民間の保険を検討しておく必要があります。
関連記事
がん保険に加入すると家計が圧迫される人
がん保険に加入することで家計が圧迫されるようであれば、がん保険への加入は見送る必要があるかもしれません。
がん保険の保険料は契約内容や年齢によって異なりますが、いずれにせよ毎月の固定費となる点に注意しなければなりません。
家計に余裕がなく、保険料を毎月負担するのが難しい場合、まずは直近の経済的な安定を目指して貯蓄を優先する必要があるでしょう。
ある程度生活に余裕が出てから、再度がん保険の必要性について検討しましょう。
関連記事
がん保険を選ぶ際のポイント
がん保険を選ぶときには、押さえておきたいポイントがいくつかあります。
後悔しない保険選びのポイントを、プロがわかりやすく解説します。
がん保険で受け取れる主な給付金
がん保険にはさまざまなプランがありますが、主な給付金の種類は次のとおりです。
がん保険の基本となる主契約の部分は保険会社によっても違いがありますが、診断一時金や放射線・抗がん剤治療給付金となっていることが多いです。
その他、入院や手術に関する保障、通院保障や女性特有のがんに対する上乗せの保障は、特約として付加することが一般的です。
保険会社によって付加できる特約の種類には違いがあるため、複数の商品で見比べて自分に合ったものを探してみることがおすすめです。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2025年12月1日―2025年12月31日)
必要な保障内容を決める
がん保険を選ぶ際は、まず自分にとって必要な保障内容を明確にすることが大切です。
例えば、がん診断時にまとまったお金を受け取れたほうが良いのか、長期の入院や通院に備えたいのか、もしくは、高額な自由診療や先進医療を受ける可能性を考慮しているのかなど、個々のニーズによって適した保障内容は異なります。
また、女性の場合、乳がんや子宮がんなど、女性特有のがんを手厚く保障することも可能です。
30代以降は女性特有のがんリスクが高まるため、女性特約の付加を検討するのも良いでしょう。
保障内容を選ぶ際には、必要以上に保障額を大きくしたり、特約を付加しすぎてしまうと、結果的に家計を圧迫してしまう場合があるため注意が必要です。
関連記事
保障期間を決める
がん保険には、一生涯保障が続く「終身タイプ」と、一定期間のみ保障される「定期タイプ」があります。
基本的にがんのリスクは年齢が上がるほど高くなるため、終身タイプで老後まで保障を確保しておくことが一般的です。
「資産形成ができるまでの一定期間だけがん保障がほしい」「子どもが小さい間だけで良い」など、特別な理由がある場合は定期タイプのがん保険も選択肢になるでしょう。
ただし、定期タイプのがん保険は保険期間満了のたびに自動更新となり、その都度保険料が高くなる仕組みになっています。
保険を長く続ける可能性がすこしでもあるなら、終身タイプのがん保険を検討し、不要になった時点で解約するのもひとつの方法です。
関連記事
複数の保険会社で保険料を比較する
がん保険を選ぶ際には、必ず複数の保険会社で保険料や保障内容を比較することをおすすめします。
同じような保障内容であっても、保険会社によって保険料に差があることが少なくありません。
また、付加できる特約や細かい支払い条件にも違いがあります。
1社だけで決めてしまってあとから後悔することがないよう、複数の商品で比較検討し、納得したうえで加入するようにしてください。
保険料 見積シミュレーション
人気の商品をカンタン比較

まとめ
がん保険が必要かどうかは、個々の経済状況やライフスタイルによって異なります。
貯金が潤沢にあり、公的医療保険や企業保障で十分に治療費がまかなえる場合、がん保険は不要と判断することもあるでしょう。
一方、貯蓄が十分でなかったり収入が不安定な人にとって、がんに罹患するリスクは非常に大きなものです。
毎月数千円の保険料でいざというときの安心感が得られるのであれば、がん保険に入っておきたいと思う人もいます。
まずは、自分の年齢と性別で毎月の保険料がいくらになるのか、見積もりから始めてみましょう。
保険料 見積シミュレーション
人気の商品をカンタン比較


























.png&w=3840&q=75)




