生前贈与を現金手渡しするとバレる?無申告のペナルティと安全な非課税対策

生前贈与を現金手渡しするとバレる?無申告のペナルティと安全な非課税対策

(最終更新日:)

執筆者:

執筆者のアイコン

橋本 優理

監修者:

監修者のアイコン

高橋 明香

「銀行を通さず現金で直接渡せば、履歴が残らないから税務署にはバレないだろう」と考えていませんか。

まとまったお金を子や孫に援助したい気持ちから、安易に現金手渡しを選ぶ人も少なくありません。

しかし、現金で手渡しすればバレないという考えは危険です。

本記事では、無申告が発覚する仕組みや、発覚時のペナルティについて詳しく解説します。

税務調査で指摘を受けるリスクを避けるため、正しい知識を身につけましょう。

この記事を読んでわかること

  • 現金手渡しによる生前贈与は高確率でバレる

  • 無申告の場合、無申告加算税や延滞税などの重い追徴課税が科される

  • 死亡保険の非課税枠や生前贈与プランの保険を活用する方法も有効

「生前贈与の現金手渡し」は税務署に高確率でバレる

生前贈与として現金を手渡ししても、税務署には高い確率で発覚します。

手渡しがバレる仕組みと、発覚しやすいタイミングについて詳しく解説します。

なぜ現金の手渡しでもバレるのか?

税務署は国税総合管理システム(KSKシステム)を活用し、個人の収入や預貯金の動きを常に把握しています。

被相続人(亡くなった人)の過去の収入に対して預貯金が異常に少ない場合、税務署は「生前に別口座へ資金を移動した」「現金で引き出して家族に渡した」と判断することがあります。

さらに、税務署は銀行に対して預金口座の取引履歴を照会する権限を持っているため、まとまった現金の引き出し履歴があれば、引き出した現金の行方を追跡できます。

子や孫の預金口座に不自然な入金がある場合も、贈与の事実が発覚する原因のひとつです。

女性コンシェルジュ

税務調査の能力は高く、現金の手渡しによる資金移動を隠し通すことは難しいでしょう。

バレるタイミングは「相続発生時」が最も多い

現金での手渡しが最も発覚しやすいタイミングは、相続が発生し相続税の税務調査が入る時期です。

相続税の税務調査では、被相続人だけでなく、配偶者や子、孫など親族全員の預金口座を過去5年分遡って調査します。

財産の隠蔽が発覚するなど悪質な場合は7年に延長され、さらに職権で過去10年分の銀行取引履歴まで遡ることが可能です。

被相続人の口座から多額の現金が引き出された履歴があり、同時期に子や孫の口座に同額程度の入金があれば、税務署は現金による生前贈与を疑うでしょう。

たとえタンス預金として現金を保管していても、税務調査官は自宅を訪問して現金の有無を徹底的に確認します。

女性コンシェルジュ

生前の資金移動は、相続発生時の税務調査で発覚します。安易に「現金での贈与ならバレない」と考えるのは絶対にやめましょう。

binder

保険料 見積シミュレーション

人気の商品をカンタン比較

保険料を確認する
chevron-right

現金手渡しの無申告がバレたときの重いペナルティ

生前贈与を現金で手渡しし、無申告が発覚した場合、重いペナルティが科されます。

追徴課税の仕組みや、名義預金とみなされるリスクについて解説します。

延滞税・無申告加算税などの「追徴課税」│年間110万円を超えた場合

1年間(1月1日から12月31日まで)に受け取った財産の合計額が110万円を超えた場合、受贈者(受け取った人)には贈与税の申告と納税の義務が生じます。

申告義務を怠り、税務調査によって無申告が発覚した場合、本来納めるべき贈与税に加えて重いペナルティの対象となります。

期限内に申告しなかったことに対する「無申告加算税」や、納付が遅れたことに対する利息相当分の「延滞税」が上乗せされる仕組みになっています。

意図的に財産を隠蔽したと判断された場合は、より税率の高い「重加算税」が課される可能性もあります。

女性コンシェルジュ

年間110万円を超える生前贈与を受けた場合は、必ず期限内に贈与税の申告を行いましょう。

「名義預金」とみなされ相続税の対象になるリスク

口座振込で資金を移動したつもりでも、実態として生前贈与が成立していないと判断された場合、「名義預金」とみなされるリスクがあります。

名義預金とは、口座の名義人は子や孫であっても、実質的な資金の所有者は親や祖父母であるとみなされる預金のことです。

名義預金と判断されると、子や孫名義の預金であっても被相続人の相続財産に加算され、相続税の課税対象となります。

贈与契約書が存在せず、子や孫が通帳や印鑑を管理していない場合、名義預金とみなされる可能性が高まるため注意が必要です。

女性コンシェルジュ

生前贈与を確実なものにするためには、客観的な証拠を残さなければなりません。

あなたにピッタリの保険が、最短1分でわかるほけん必要度診断。特徴1、簡単な質問に答えるだけ。特徴2、あなたのリスクを分析。特徴3、必要な保険を5段階で評価。

最適な保険選びは、将来の安心に繋がります。

あなたに必要な保障を『ほけん必要度診断』で診断してみましょう。

合法的に税金負担を抑える!正しい生前贈与のやり方

生前贈与による税金負担を適法に抑えるためには、正しい手順を踏む必要があります。

安全に財産を移転するための4つの具体策を解説します。

基礎控除110万円を有効活用する

贈与税の暦年課税制度には、受贈者1人あたり年間110万円の基礎控除が設けられています。

年間110万円以内の贈与であれば、贈与税はかからず、申告の必要もありません。

基礎控除を活用し、長期間にわたって少しずつ財産を贈与することで、将来の相続財産を効果的に減らすことができます。

たとえば、子2人に対して毎年100万円ずつ10年間贈与を続ければ、無税で2000万円の財産を移転できる計算です。

女性コンシェルジュ

計画的な暦年贈与は、最も基本となる生前贈与対策のひとつです。

あえて「銀行振込」にして明確な証拠を残す

生前贈与を行う際は、現金を直接手渡しするのではなく、あえて銀行振込を利用して資金移動の記録を残すことが重要です。

銀行振込を利用すれば、いつ、誰から、誰へ、いくらの資金が移動したかが通帳に明確に記録されます。

銀行の記録は、生前贈与が実際に行われたことを証明する客観的な証拠になります。

税務調査が入った際にも、通帳の記録等を提示することで、資金移動の事実を正しく説明できます。

女性コンシェルジュ

確実な証拠を残すため、贈与資金は口座間での送金を徹底しましょう。

「贈与契約書」を都度作成する

資金移動の都度、贈与者(あげる人)と受贈者(もらう人)の間で「贈与契約書」を作成することも大切です。

贈与契約書には、贈与する日付、金額、当事者の氏名と住所を明記し、双方が署名と押印を行います。

贈与契約書があれば、当事者間で贈与の合意があったことを客観的に証明できます。

銀行振込の記録と贈与契約書をセットで保管しておけば、名義預金とみなされるリスクを大幅に軽減できます。

女性コンシェルジュ

年間110万円以下の基礎控除内の贈与であっても、毎回の契約書作成をおすすめします。

各種「非課税特例」を賢く活用する

教育資金や住宅取得等資金など、特定の目的のために行われる生前贈与には、非課税枠が認められる特例が設けられています。

たとえば、「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」では、直系尊属(父母や祖父母など)からの住宅購入資金の贈与が一定額まで非課税となります。

(参考:住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置|国土交通省)

当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年8月1日―2026年8月31日)

【注意】亡くなる前の一定期間内の生前贈与は「相続財産」に加算される

生前贈与のつもりで毎年贈与をしていても、相続が開始されると、亡くなる前の一定期間に行われた贈与が相続財産に加算される可能性があります。

詳しく解説します。

【重要】生前贈与の加算期間が3年から7年に延長

令和5年度の税制改正により、相続開始前に暦年課税で行われた生前贈与を相続財産に加算する期間が、従来の「死亡前3年以内」から「死亡前7年以内」に延長されました。

令和6年(2024年)1月1日以降の贈与から、延長された加算期間が段階的に適用されます。

つまり、亡くなる直前に駆け込み的な生前贈与を行っても、節税効果を期待することが難しくなっています。

女性コンシェルジュ

親や祖父母が健康なうちから、より早期に贈与を開始することが大切です。生前贈与は長期的な視点で、計画的に行いましょう。

生前贈与・相続対策には「生命保険」の活用も有効

現金の生前贈与だけでなく、生命保険を活用することも有効な対策になります。

死亡保険金の非課税枠の活用と、生命保険を用いた生前贈与の手法について解説します。

死亡保険金の「非課税枠」で税負担を軽減

被相続人の死亡によって支払われる生命保険金には、「500万円 × 法定相続人の数」という非課税枠が設けられています。※法定相続人以外の孫などが受け取る場合は非課税枠の対象外となります。

預貯金として財産を残すよりも、生命保険に加入して死亡保険金として財産を残す方が、相続税の負担を軽減できる可能性があります。

たとえば、法定相続人が妻と子2人の合計3人の場合、1500万円までの死亡保険金が非課税となります。

女性コンシェルジュ

生命保険金は遺産分割協議の対象外となるため、受取人に指定された人が単独で保険金を請求でき、葬儀費用や当面の生活費としてすぐに活用できる点もメリットです。

生前贈与で保険料を支払い、確実な資産形成を

親が子へ毎年現金を贈与し、子が受け取った現金を原資として、子自身が契約者・被保険者となる生命保険に加入する方法もあります。

受け取った贈与資金を生命保険の保険料に充てることで、現金の無駄遣いを防ぎ、確実な資産形成を図ることができます。

女性コンシェルジュ

暦年課税の控除範囲内で贈与を行い、その保険料を終身保険や個人年金保険の保険料にすれば、将来の生活資金や教育資金にもつながります。

参考)生命保険の生前贈与プランとは?

生命保険の活用法として、生前贈与を目的とした仕組み(いわゆる「生前贈与プラン」)を利用できる商品(生存給付金付終身保険など)があります。

保険料を贈与する人が支払い、贈与を受ける人が毎年、または満期時に給付金を受け取ることができる仕組みのものが一般的です。

一時払として加入時にまとめて保険料を支払うタイプが主流です。

贈与契約書を毎年作成しなくても、保険会社から郵送される通知を贈与の記録として利用できる商品もあります。

女性コンシェルジュ

生前贈与を検討している人は、保険の仕組みを活用することも検討してみましょう。

binder

保険料 見積シミュレーション

人気の商品をカンタン比較

保険料を確認する
chevron-right

まとめ:現金手渡しのリスクを避け、安全な生前贈与を

今回は、生前贈与の現金手渡しのリスクについて解説しました。

次のポイントを再度確認しておきましょう。

  • 生前贈与の現金手渡しは、税務調査によって高確率でバレる
  • 無申告が発覚すると、無申告加算税や延滞税などの重い追徴課税が科される
  • 現金の手渡しは「名義預金」とみなされ、相続税の課税対象になるリスクがある
  • 安全な生前贈与には、銀行振込の利用と贈与契約書の作成が必須である
  • 死亡保険金の非課税枠など、生命保険を活用した相続対策も有効

生前贈与を正しく行い、大切な財産をのこされた家族へ確実に引き継ぐためには、法律の仕組みを知っておくことが大切です。

安易に「これくらい大丈夫だろう」と考えず、正しい手続きを行いましょう。

※本記事における税務上の取り扱いについては一般的な解説です。個別の税務に関するご相談は、管轄の税務署または税理士等の専門家にご確認ください。

Google 検索で「ほけんのコスパ」の記事が見つけやすくなります

こちらの記事もおすすめ

ほけんのコスパの3つの約束
安心してご利用いただくために

ほけんのコスパの3つの約束
  • 1

    お客様本位の立場でサポートします

    特定の保険商品を押しつけることはございません。お客様ニーズ第一で情報をお届けし、自分に合った保険を選べるようサポートいたします。

  • 2

    無理な勧誘は一切いたしません

    お電話での強引な営業・勧誘は行っておりません。ご自身のペースで、安心してご利用いただけます。

  • 3

    すべてのサービスが無料です

    診断ツールや保険の比較、コラムもすべて無料。保険料に手数料などを上乗せすることも一切ございません。ほけんのコスパは、保険会社からいただく募集手数料によって運営しております。

執筆者・監修者のアイコン

監修者 ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

高橋 明香

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

執筆者・監修者のアイコン

執筆者 保険ライター/2級FP技能士

橋本 優理

大学卒業後、ほけんの窓口グループ株式会社へ入社。約300組のライフプランニングを行い、保険販売業務に従事。その後、異業種にて法人営業を経験し、株式会社エイチームフィナジーで保険EC事業の立ち上げに参画。インターネット上で保険の無料相談ができるサービスの責任者として、自身も多くの世帯のライフプランニングを行う。2023年に株式会社モニクルフィナンシャル入社。経済メディア「LIMO」で300記事以上を執筆。現在は、より多くの人に、より気軽に、自分に合った保険の選び方を知ってほしいとの思いでコンテンツ制作や執筆作業に従事。 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、生命保険募集人資格、損害保険募集人資格保有。

本記事の内容は記事公開時や更新時の情報です。国が定める法律・規約の変更等により、サイト掲載情報に一時的に相違が生じる可能性がございます。 また、本記事の内容は予告なしに変更することがあります。予めご了承ください。

あなたの保険料がわかる!簡単シミュレーションしてみる

募集代理店(株)モニクルフィナンシャルおよび、関連会社、グループ会社の社員は、私ども(株)モニクルフィナンシャルを通じて、第一分野(定期保険・収入保障保険・終身保険等)と、一部の第三分野(死亡保障付きの医療保険等)には加入いただけません。