死亡保険金にかかる税金を徹底解説!1000万円から5000万円まで金額別の税額シミュレーション

死亡保険金にかかる税金を徹底解説!1000万円から5000万円まで金額別の税額シミュレーション

(最終更新日:

執筆者:

高橋 明香

監修者:

橋本 優理

死亡保険金は万一の時に家族を守るための大切な保障ですが、受け取る際には税金がかかることがあります。

どのような税金がかかるかは契約形態によって異なり、場合によっては大きな税負担が生じることもあります。

この記事では、死亡保険金にかかる税金の種類や、契約形態ごとの適用ルールを徹底解説します。

保険金額が1000万円から5000万円までの具体的な税額シミュレーションをしながら、手元に残る金額や税負担を軽減する方法についても詳しくご紹介します。

この記事を読んでわかること

  • 死亡保険金にかかる税金は、契約者・被保険者・受取人の関係によって決まる

  • 契約者・被保険者が同一で相続となる場合がもっとも税額を抑えられる可能性がある

  • 税金の適用ルールや控除額について、いまいちど確認しましょう

まずは確認!死亡保険金にかかる税金の種類と適用ルール

死亡保険金には、契約形態によって「相続税」「所得税」「贈与税」のいずれかが課される場合があります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

相続税

契約者と被保険者が同一で、保険金を家族が受け取る場合、死亡保険金は相続税の課税対象となります。

死亡保険金は被保険者の死亡をきっかけに支払われる「みなし相続財産」として扱われるため、課税対象の財産になります。

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ただし、相続税には生命保険非課税枠配偶者の税額軽減など、税負担を抑えるための複数の制度が設けられています。そのため、比較的少額の死亡保険金であればそもそも課税対象にならないケースもあります

所得税(一時所得・雑所得)

契約者と被保険者が異なっており、保険金を契約者が受け取る場合、死亡保険金は所得税の課税対象となります。

保険金を一括で受け取った場合は「一時所得」、年金形式で受け取る場合は「雑所得」としてそれぞれ扱われます。

所得税は、支払った保険料の総額と受け取った保険金の差額、つまり利益の額に課税されます。

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全額に課税されるわけではなく各種控除を差し引いた金額が課税対象額となります。

贈与税

契約者、被保険者、保険金受取人のすべてが異なる場合、死亡保険金は贈与税の課税対象となります。

贈与とは、財産を保有している人が別の人に無償で財産を贈る行為を指します。

契約者と保険金受取人が異なる契約では、保険料を負担した契約者から、受取人へ財産が贈与されたとみなされます。

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贈与税は他の税金に比べて税率が高い傾向にあるため、注意が必要です。

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死亡保険金にかかる税金は「契約形態」で決まる

死亡保険金にかかる税金は、契約者・被保険者・受取人の関係によって決まります。

契約者(保険料を支払う人)被保険者(保険の対象者)保険金受取人税金の種類
妻または子相続税
所得税
贈与税

契約者と被保険者が同一、保険金受取人が家族であるケースが最も一般的で、相続税の課税対象になります。

最も税率が高くなるのは贈与税です。

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契約形態によっては税額が大きくなってしまう場合もあるため、保険に加入する際は保険金受取時の税制についても考慮しておく必要があります。

(参考:死亡保険金を受け取ったとき|国税庁

死亡保険金の非課税枠とは

相続人が死亡保険金を受け取る場合、税負担を軽減するために「死亡保険金の非課税枠」が設けられています。

非課税限度額は、「500万円 × 法定相続人の数」で計算されます。

例えば、法定相続人が3人(配偶者と子2人)の場合、1500万円(500万円 × 3人)までの死亡保険金が非課税となり、この金額を超える部分にのみ相続税が課税されます。

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なお、非課税枠の計算における法定相続人の数には、相続放棄をした人も含まれますが、受取人自身が相続放棄をした場合は、その人には非課税枠は適用されません。また、法定相続人以外が死亡保険金を受け取る場合も、非課税枠は適用されません

(参考:相続税の課税対象になる死亡保険金|国税庁

当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年5月1日―2026年5月31日)

【保険金額別】相続税額のシミュレーション

では、実際の税額がどれくらいになるのか、ケース別に見ていきましょう。

ここでは、夫が契約者かつ被保険者、妻が受取人、法定相続人が妻と子2人の計3人という前提で、死亡保険金にかかる相続税額をシミュレーションします。

死亡保険金1000万円の場合

法定相続人が妻と子2人の計3人であれば、500万円×3人=1500万円が非課税枠となります。

死亡保険金が1000万円であれば非課税枠1500万円の範囲内であるため、相続税はかかりません

(参考:相続税の課税対象になる死亡保険金|国税庁

死亡保険金3000万円の場合

死亡保険金3000万円から非課税枠1500万円を差し引いた1500万円が課税対象となります。

死亡保険金課税額1500万円に加えて、その他の相続財産の合計額が、相続税の基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に相続税が発生します。

例えば、その他の相続財産が3000万円、葬儀費用が200万円かかった場合、課税価格と基礎控除額は次のとおり計算されます。

【課税価格】死亡保険金課税額1500万円+相続財産3000万円ー葬儀費用200万円=4300万円

【基礎控除額】3000万円+600万円×3人=4800万円

この場合、課税価格が基礎控除額を下回るため、相続税はかかりません。

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生命保険の非課税枠と基礎控除額は混同しやすいため注意しましょう。

(参考:相続税の計算|国税庁

死亡保険金5000万円の場合

死亡保険金5000万円から非課税枠1500万円を差し引いた3500万円が課税対象となります。

その他の相続財産が3000万円、葬儀費用が200万円かかった場合のシミュレーションは次のとおりです。

【課税価格】死亡保険金課税額3500万円+相続財産3000万円ー葬儀費用200万円=6300万円

【基礎控除額】3000万円+600万円×3人=4800万円

この場合、基礎控除額を課税価格が上回るため、相続税が発生します。

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具体的な税額は、法定相続分に応じた実際の遺産取得金額と税率に基づいて計算されます。

【保険金額別】所得税のシミュレーション

保険料を負担する契約者と保険金受取人が同一の場合、所得税の課税対象となります。

ここからは、夫が契約者かつ受取人、妻が被保険者である契約形態でかかる所得税をシミュレーションします。死亡保険金以外に一時所得がないと仮定します。

所得税の計算方法は次のとおりです。

【①一時所得の金額】総収入(保険金額)ーその収入を得るために支出した金額(保険料総額)ー特別控除額(最大50万円)

【②課税対象の金額】①で求めた一時所得の金額×2分の1+その他の所得

【③所得税の金額】②で求めた課税対象の金額×税率ー控除額)×1.021(復興特別所得税)

死亡保険金1000万円・払込保険料400万円の場合

死亡保険金1000万円、払込保険料400万円の場合、一時所得の計算式は次のようになります。

(1000万円ー400万円ー50万円(特別控除額))×2分の1=275万円

この275万円が課税一時所得金額です。

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実際の所得税の金額は、給与所得など他の所得と合算した課税所得金額と、税率によって変動します。

死亡保険金1000万円・払込保険料950万円の場合

死亡保険金1000万円、払込保険料950万円の場合、一時所得の計算式は次のようになります。

(1000万円 - 950万円 - 50万円(特別控除額))×2分の1=0円

このケースでは課税一時所得金額は0円となるため、所得税はかかりません

女性コンシェルジュ

支払った保険料の総額と、受け取った死亡保険金に大きな差がない場合、そもそも利益額が少ないため課税対象とならない可能性があります。

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【保険金額別】贈与税のシミュレーション

保険料を負担する契約者、保険の対象となる被保険者、保険金を受け取る受取人がすべて異なる場合、贈与税の対象となります。

夫が契約者、妻が被保険者、子が受取人である契約形態で、死亡保険金以外に贈与された財産がない場合を想定し、死亡保険金にかかる贈与税額をシミュレーションします。

※受取人の子は贈与を受けた年の1月1日において18歳以上であると仮定

贈与税は最も税率が高くなる傾向にあります。

贈与税の基礎控除額は年間110万円ですので、受け取った保険金総額ー基礎控除110万円に税率を適用して税額を算出します。

贈与を受けた年の1月1日において18歳以上である子が、直系尊属(父母や祖父母など)から贈与を受けた場合、特例税率が適用されます。

贈与税率は基礎控除後の課税価格が高いほど高くなります。

(参考:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁)

税負担を抑えるためにはどうすれば良い?

契約形態や受け取った死亡保険金額によっては、課税対象となるケースがあります。

ここからは、税負担を抑えるためにできる工夫をご紹介します。

契約形態に注意する

死亡保険金にかかる税金は、契約者・被保険者・受取人の関係によって大きく異なります。

一般的に税負担が最も軽くなる可能性が高いのは、契約者と被保険者が同一で、受取人が法定相続人となる「相続税」のケースです。

相続税は、生命保険の非課税枠に加え、基礎控除配偶者の軽減税率など、税負担を軽減できる制度がいくつも設けられています。

家族のためにお金をのこしたいと考えている人は、基本的には相続の形になるような契約形態にすると良いでしょう。

贈与税がかかる契約形態は他の税金に比べて税率が高く、税負担が重くなる傾向にあるため、できるだけ避けるのが賢明といえるでしょう。

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死亡保険に加入する際は税負担を考慮したうえで、契約者・被保険者・受取人を誰にするか検討しましょう。

死亡保険金を受け取った後の申告手続きに注意する

死亡保険金に税金が発生する場合、税務署への申告が必要です。税金の種類によって申告期限が異なります

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期限を過ぎると加算税が課される可能性があるため、注意が必要です。

所得税: 死亡保険金を受け取った年の翌年2月16日~3月15日※

相続税: 死亡を知った日の翌日から10カ月以内

贈与税: 死亡保険金の贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日※

※土日祝に該当する場合、翌月曜日

申告が必要なケースと不要なケース

死亡保険金を受け取った場合、申告手続きが必要なケースと不要なケースがあります。

相続税

申告が必要なケース

  • 死亡保険金を含む相続財産の総額が、相続税の基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合
  • 配偶者の税額軽減を利用する場合

申告が不要なケース

  • 死亡保険金を含む相続財産の総額が、相続税の基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)の範囲内である場合

所得税

申告が必要なケース

  • 一時所得の金額(受け取った保険金の総額-既に払い込んだ保険料)から50万円を超えるもの

申告が不要なケース

  • 年金形式で保険金を受け取る場合(源泉徴収されるため)

贈与税

申告が必要なケース

  • 死亡保険金を含むその年に贈与された財産の合計額が、基礎控除額110万円を超える場合

申告が不要なケース

  • 死亡保険金を含むその年に贈与された財産の合計額が、基礎控除額110万以内の場合

申告を怠った場合、無申告加算税延滞税といったペナルティが課される可能性があります。

また、死亡保険金以外にも相続財産や贈与された財産がある場合は注意が必要です。

特別控除を利用して非課税になる場合も申告が必要なケースもあります。

女性コンシェルジュ

不明な点があれば、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

死亡保険金と税金に関するよくある質問

ここからは、死亡保険金と税金に関するよくある質問に、FPがわかりやすく回答します。

Q.非課税になりやすい保険金額はいくら?

A.死亡保険金は「500万円 × 法定相続人の数」までが非課税限度額となるため、その範囲内に保険金額をおさめておくことで全額非課税になります。

例えば、法定相続人が3人であれば1500万円まで、2人であれば1000万円までが非課税になります。

非課税限度額以内に死亡保険金をおさめておけば、保険金に相続税はかかりません。

法定相続人とは、民法によって定められた遺産の相続人になれる人のことです。

配偶者は必ず相続人となり、その他の血族には相続順位が定められています。

女性コンシェルジュ

あらかじめ、法定相続人の範囲や優先順位について確認しておきましょう。

Q.保険会社によって課税額の違いはある?

A.税制は国税庁の規定に基づき定められているため、どの保険会社でも課税額は同じです。

かんぽ生命や共済等も含め、すべての保険会社や共済組合で違いはありません。

契約形態が同じであれば、どこの保険会社で契約しても適用される税金、税額は同じです。

当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年5月1日―2026年5月31日)

Q.「解約返戻金」にかかる税金は死亡保険金とどう違う?

A.死亡保険金とは異なり、所得税(一時所得)または贈与税の適用対象となります。

解約返戻金は、保険を解約したときに受け取れるお金のことです、

基本的に契約者が受け取ることになるため、所得税(一時所得)が適用されます。

女性コンシェルジュ

ただし、受け取った解約返戻金を贈与する場合や、契約者変更等で実質の保険料負担者と受取人が異なる場合は贈与税の適用対象になる可能性があります。

Q.「交通事故」による死亡保険金は税金がかからない?

A.死亡保険金自体にかかる税制は、病気等で亡くなった場合と変わりません。控除額を超える分は課税対象となります。

ただし、交通事故で損害賠償金として受け取る慰謝料等は非課税になります。

また、交通事故に遭い入院や手術をした場合、入院給付金や手術給付金を受け取れるケースもありますが、それらは非課税となります。

まとめ

今回は、死亡保険金額に応じた税額のシミュレーションを通して、死亡保険金にかかる税金について詳しく解説しました。

死亡保険金にかかる税金は、契約者・被保険者・受取人の関係性によって、相続税所得税贈与税のいずれかに分類されます。

相続税が適用されるケースでは、「500万円×法定相続人の数」という非課税枠に加え基礎控除等もあるため、最も税負担を軽減できる可能性があります。

死亡保険金が1000万円でその他の相続財産がない場合、非課税となるケースもあります。

一方、契約形態や保険金額によっては高額な税金が発生する可能性もあります。

必要に応じて契約形態の見直しや、税理士などの専門家への相談を検討しましょう。

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監修者 保険ライター/2級FP技能士

橋本 優理

大学卒業後、ほけんの窓口グループ株式会社へ入社。約300組のライフプランニングを行い、保険販売業務に従事。その後、異業種にて法人営業を経験し、株式会社エイチームフィナジーで保険EC事業の立ち上げに参画。インターネット上で保険の無料相談ができるサービスの責任者として、自身も多くの世帯のライフプランニングを行う。2023年に株式会社モニクルフィナンシャル入社。経済メディア「LIMO」で300記事以上を執筆。現在は、より多くの人に、より気軽に、自分に合った保険の選び方を知ってほしいとの思いでコンテンツ制作や執筆作業に従事。 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、生命保険募集人資格、損害保険募集人資格保有。

執筆者 ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

高橋 明香

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

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