住宅ローンを完済すると、それまで加入していた死亡保障を見直す必要が出てきます。
住宅費の負担がなくなり団体信用生命保険も保障が終了する一方、老後に向けてどれくらい死亡保障を確保しておくと良いのか不安になる人もいるでしょう。
本記事では、住宅ローン完済後に必要な死亡保障の目安や、具体的な計算方法をわかりやすく解説します。
ローン完済後の保険見直しを検討している人は、ぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
ローン完済後は住居費用の負担がなくなるため、家族のための死亡保障を見直す必要がある
子どもが独立している場合、配偶者の最低限の生活保障と葬儀費用を準備しておくと良い
死亡保障だけでなく、医療費や介護費用の準備が大切
目次
6.まとめ
住宅ローン完済後に死亡保障の見直しが必要な3つの理由
住宅ローン完済のタイミングでは、ライフステージが変わり家族にとって必要な保障も大きく変化します。
まずは、死亡保障を見直すべき具体的な理由について考えていきましょう。
1. 団体信用生命保険(団信)の保障が終了するから
住宅ローン返済中は、団体信用生命保険が万一の際のローン残債をゼロにする役割を担っています。
ローンを完済すると団体信用生命保険も終了します。
住居費用がなくなったタイミングで、今後の遺族の生活保障をどのように準備しておくかを再確認することが大切です。
ローンは完済しているため、住居費用がかかることは基本的にありません。
のこされた家族の生活費や葬儀費用などをまかなえる程度の死亡保障を確保できているか、契約内容を確認しましょう。
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2. 今後の「住居費」の負担が大幅に減るから
住宅ローン完済後は、毎月のローン返済という大きな支出がなくなります。
完済時の年齢や収入によっては、大幅に家計が改善されることになります。
そのうえで、これまで払ってきた保険の保障内容と保険料のバランスで問題ないかの再確認をする必要があります。
たとえば、家計に余裕ができた分、今後リスクが高くなる病気やケガ、がんへの保障を手厚くし、死亡保障を削減するのも選択肢のひとつでしょう。
家計の状況が大幅に変わるタイミングでは、保険料の使い方を再度検討することが大切です。
3. 子どもの独立などライフステージの変化と重なるから
住宅ローン完済の時期は、子どもが大学を卒業して社会人として独立する時期と重なるケースも多いでしょう。
子どもの独立後は、万が一の際の教育費や子どもの生活費を考慮する必要がなくなります。
そのため、これまで加入していた高額な死亡保障を見直す余地が出てきます。
夫婦2人の生活を基準として必要保障額を計算し直すことで、過剰な生命保険を整理できるかもしれません。
保険を見直して節約できた分を、夫婦の医療保障や介護保障、老後の生活資金へシフトさせることが大切です。

Q1
入院時の費用は?
住宅ローン完済後の死亡保障はいくら必要?目安と内訳
では、具体的にローン完済後は死亡保障をいくら用意していれば良いのでしょうか。
配偶者の生活費や死後整理資金など、住宅ローン完済後に想定される必要資金の目安と内訳を解説します。
のこされた家族(配偶者)の生活費(現在の約7割が目安)
世帯主に万が一のことがあった場合、配偶者が生活していくための費用は、現在の生活費の約7割が目安とされています。
夫婦2人の生活から1人になっても、光熱費や通信費の基本料金などは半額にはなりません。
現在の生活費が月額30万円の場合、配偶者の生活費は月額約21万円と見積もっておくと安心です。
現在の支出額を把握し、約7割の金額をベースに生活費を算出しましょう。
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葬儀費用やお墓代などの死後整理資金(平均200万〜300万円)
人が亡くなった直後には、葬儀費用やお墓の購入費用、未払い医療費の清算など、まとまった資金が必要になります。
死後整理資金の目安は、平均して200万円から300万円程度です。
葬儀自体は家族葬など規模を小さくすれば費用を抑えることができますが、その他の雑費や死後整理資金として少し余分に見積もっておくことをおすすめします。
死後整理資金は現金ですぐに支払う必要が生じやすいため、死亡保険金として確実に準備しておくことが有効です。
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【要注意】マイホームの維持費(修繕費・固定資産税など)
住宅ローンの返済がなくなった後も、マイホームを維持するための費用は継続してかかります。
戸建ての場合は外壁や屋根の修繕費、マンションの場合は管理費や修繕積立金が必要です。
加えて、固定資産税も毎年発生します。
修繕費や税金の負担は、のこされた配偶者の生活を圧迫する要因になりかねません。
月々の生活費とは別に、マイホームの維持費を必要資金に組み込んで計算しておくと良いでしょう。
代HS-24-275-430(2024.11)
代HS-24-275-430(2024.11)
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年5月1日―2026年5月31日)
【FPの視点】いざとなれば「自宅の売却・賃貸」という選択肢もある
ローン完済済みのマイホームは、純資産として活用できます。
配偶者の生活費が不足する事態に陥った場合、自宅を売却して現金化したり、賃貸に出して家賃収入を得たりすることが可能です。
自宅を担保に資金を借り入れるリバースモーゲージ制度を利用する方法もあります。
マイホームという資産があることを考慮すれば、死亡保障を過剰に高く設定する必要はないでしょう。
ただし、自宅の資産価値は、戸建てかマンションかや、自宅がある地域によっても大きく異なります。
いざというときにどの程度の金額で売却できるか、賃貸で貸し出せる余地があるかを確認しておくと良いでしょう。
自分に合った必要保障額のシミュレーション(計算方法)
備えておくべき死亡保障の額は、「遺族の必要資金」から「遺族の収入」を差し引くことで算出できます。
ここからは、具体的な必要保障額を算出する3つのステップを解説します。
STEP1:遺族の「必要資金」を計算する
まず、配偶者が生涯必要とする資金の総額を算出します。
遺族の必要資金の例
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配偶者の年間生活費に平均余命を掛け合わせた金額に、死後整理資金やマイホームの維持費を合算します。
たとえば、配偶者が60歳で平均余命を約30年とした場合、「年間生活費×30年 + 死後整理資金 + マイホーム維持費」が総額となります。
将来のインフレリスクや介護費用も考慮し、余裕を持たせた金額を設定することが大切です。
STEP2:遺族の「収入」を計算する(遺族年金・死亡退職金など)
次に、配偶者が受け取れる収入の総額を計算します。
公的年金である遺族厚生年金や遺族基礎年金、会社からの死亡退職金、現在の貯蓄額などを含めます。
遺族の収入の例
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配偶者自身の労働収入や老齢年金も重要な収入源となります。
ねんきん定期便などを確認し、将来受け取れる公的年金の概算を把握しておきましょう。
配偶者が働き続ける場合は退職までの予想収入、現在ある貯蓄も合算します。
STEP3:必要資金から収入を差し引く
最後に、STEP1で算出した「必要資金」から、STEP2で算出した「収入」を差し引きます。
必要資金から収入を引いた差額が、生命保険で備えるべき「必要保障額」となります。
収入が必要資金を上回る場合、新たな死亡保障を追加する必要はありません。
反対に、必要保障額が想定よりも大きくなった場合、追加の死亡保険を検討する必要があるでしょう。
【モデルケース】60代夫婦(ローン完済・子ども独立)の必要保障額シミュレーション例
では、現役時代に会社員だった夫65歳、妻60歳の夫婦を想定し、必要な死亡保障額について考えていきましょう。
子どもはすでに独立しているものとします。
【年金制度見直しに伴う中高齢寡婦加算の取り扱い】
現在の制度では、一定の要件を満たす妻が65歳になるまでの間、遺族厚生年金に「中高齢寡婦加算」が上乗せされます。
しかし、年金制度の改革により、中高齢寡婦加算は施行日以降、年度ごとに加算額を段階的に逓減し、最終的に廃止となる見通しです。
そのため、本シミュレーションでは将来の制度変更リスクに備え、中高齢寡婦加算を算出に入れない(必要保障額をより安全に見積もる)条件で計算しています。
夫が65歳時点で亡くなった場合、妻の年齢によって受け取れる年金の仕組みが変化します。
【妻が60歳から65歳になるまで】 妻が受け取れるのは「夫の遺族厚生年金」です。
遺族厚生年金が月10万円(年額120万円)だった場合、妻が60歳から65歳までの間は次のようになります。
10万円×12カ月×5年=600万円
これにより、65歳までの5年間で合計600万円を受給できる計算になります。
【妻が65歳以降】 妻が65歳になると、妻自身の「老齢年金(基礎年金+厚生年金)」の受給が始まります。
この際、妻自身の老齢厚生年金よりも夫の遺族厚生年金の方が多い場合は、その差額が遺族厚生年金として引き続き上乗せ支給されます。
女性が受け取る老齢年金(厚生年金を含む)の平均額は約11万円です。
夫の遺族厚生年金との併給調整の結果、自身の年金と合わせて月額15万円を受け取れると仮定します。
平均寿命まで生存すると仮定すれば、受給額は次のとおりです。
15万円×12カ月×22年=3960万円
妻の収入の合計:600万円+3960万円=4560万円
次に、夫の万が一の際に必要になるお金を計算します。
夫婦二人の生活費が30万円と仮定すると、約7割にあたる21万円が妻の生活費の目安となります。
21万円×12カ月×27年間 (60歳から87歳まで)=6804万円
その他、マイホームの修繕費用や葬儀費用を加味する必要があります。
修繕費用のトータルコストは一般的に10年で100万〜150万円程度といわれています。
29年間の老後の生活をふまえると、修繕費用で300万〜450万円程度を見込んでおくとよいでしょう。
また、葬儀費用や死後整理資金として300万円を追加します。
6804万円+300万円+300万円=7404万円
妻が必要な資金:7404万円
必要保障額:7404万円-4560万円=2844万円
ここからさらに、現在の貯蓄などの資産があれば必要保障額から差し引くことが可能です。
たとえば、約3000万円以上の金融資産があれば、新たな死亡保険で備える必要性は低いと判断することもできます。
(参考:令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省年金局)
(参考:「簡易生命表」令和6年|厚生労働省)
※上記の年金計算はあくまで目安となる簡易シミュレーションです。実際の年金受給額は加入期間や報酬額によって異なります。
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自分にとって死亡保険が必要かどうか、正確に判断するのが難しいと感じる人も多いでしょう。
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住宅ローン完済後の死亡保険の選び方
住宅ローン完済後は、目的別に死亡保険を選択する必要があります。
ここからは、老後を見据えた死亡保険の見直しポイントをご紹介します。
一生涯の保障と葬儀代の準備なら「終身保険」
終身保険とは、一生涯にわたって死亡保障が続く保険です。
いつ亡くなっても確実に保険金を遺族にのこすことができるため、葬儀費用や死後整理資金の準備に適しています。
終身保険は掛け捨て型ではなく貯蓄性があるため、将来的に解約して解約返戻金を老後の生活費や介護費用に充てることも可能です。
万が一の保障として継続するか、解約して解約返戻金を活用するか、自身のタイミングで選ぶことができるのが最大のメリットと言えるでしょう。
一定期間の手厚い保障が必要なら「定期保険」
決められた期間のみ保障するのが定期保険です。
掛け捨て型で保険期間も限られているため、終身保険と比較して保険料が割安に設定されています。
比較的少ない負担で高額の保障を確保できるのがメリットです。
ローン完済後であれば、配偶者が老齢年金を受給し始めるまでの「つなぎの期間」や、退職金を受け取るまでの期間に限定して保障を手厚くしたい場合に適しています。
ローン完済時の年齢によっては「収入保障保険」も選択肢に
定期保険の一種ですが、死亡保険金を一括ではなく、毎月給料のように分割して受け取る保険が収入保障保険です。
時間の経過とともに受け取る保険金の総額が減少する仕組みのため、一般的な平準定期保険よりもさらに保険料を抑えられるのが特徴です。
50代前半で住宅ローンを完済し、配偶者が年金を受け取る65歳までまだ時間がある場合に適しています。
残された期間の生活費を合理的にカバーしたい場合に便利な保険です。
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死亡保障だけでなく、老後の医療費・介護費用への備えも
子どもが独立し住宅ローンを完済した後は、死亡時の経済的な負担よりも老後の医療費や介護費用のリスクが高くなります。
死亡保障を減額して浮いた保険料を、医療保険や介護保険に回すことができるか検討しましょう。
加齢に伴い、病気やケガによる入院リスク、要介護状態になるリスクは高くなります。
充実したシニアライフを送るためにも、子どもに経済的な負担をかけないためにも、死亡保障だけでなく医療・介護保障が十分か確認しておくことが大切です。
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死亡保障の見直しに迷ったら活用したい2つの方法
自分ひとりでの保険選びや、各社の比較は難しいと感じる人も多いでしょう。
ここからは、保険選びや見直しに迷った際に役立つツールをご紹介します。
1. 「保険料シミュレーションツール」で比較する
ひとりで複数の保険会社から話を聞き、商品を比較するのは時間がかかります。
そこで、複数商品を掲載している保険の比較サイトを利用するのがおすすめです。
一度にたくさんの商品を比較することができ、年齢や性別を入力するだけで毎月の保険料をシミュレーションすることも可能です。
忙しい人ほど、比較サイトを活用して効率的に情報収集しましょう。
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2. 「人気ランキング」で選ばれている保険を参考にする
「同じような商品があってもどれがいいかわからない」と悩んでいる人は、比較サイトの人気ランキングを参考にしましょう。
ランキング上位の商品は、多くの人に支持されており、保険料と保障のバランスも優れている傾向にあります。
商品選びが難しいと感じる人は、ランキング上位の保険商品を中心に比較検討を進めてみると良いでしょう。
ただし、人気の商品が必ずしも自分自身に合っているわけではありません。
可能な限りいくつかの商品で比較をしながら、商品選びをすることがおすすめです。
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まとめ
住宅ローンを完済すると、住居費用がなくなるのと同時に団体信用生命保険による保障もなくなります。
配偶者の生活費やマイホームの維持費を考慮し、死亡保障の再計算が必要です。
考え方のポイントは次のとおりです。
- 遺族年金などの収入を把握し、不足分のみを生命保険で補う
- 死後整理資金には終身保険、期間を限定した保障には定期保険などを選ぶ
- 死亡保障を減らした分の資金は老後の医療・介護費用に充てる
ほけんのコスパでは、複数の保険商品の保険料比較ができるシミュレーションツールや、自分にとって必要な保険がわかる無料診断を用意しています。
ぜひ、保険選びの参考に活用してください。












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