»緩和型医療保険は自分に合っている?必要度診断でチェックしてみる
「持病があるけど医療保険は必要?」「緩和型医療保険にはデメリットがある?」と保険選びで悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
持病がある方向けの緩和型医療保険は、健康状態が原因で通常の医療保険に加入できなかったり、持病の悪化に備えておきたい人におすすめです。
一方、緩和型医療保険の必要性が低い人もおり、どんな保険を選ぶべきかは人それぞれです。
今回は、緩和型医療保険の必要性についてプロが詳しく解説していきます。
この記事を読んでわかること
持病の悪化に備えておきたい人や、医療費負担に不安を感じる人には緩和型医療保険がおすすめ
十分な貯蓄がある人、先進医療など公的保険適用外の治療を希望しない人は、比較的必要性が低い
緩和型医療保険は通常の医療保険と比べて保険料が割高。プランや保険会社選びはしっかり行いましょう
目次
緩和型医療保険の必要性が高い人
緩和型医療保険の必要性は、人それぞれ置かれている状況によって異なります。
まずは、緩和型医療保険の必要性が高い人の特徴を見ていきましょう。
あなたの年齢で持病がある方向け医療保険の保険料はいくら?

持病があって通常の医療保険に入れない人
すべてではありませんが、持病があると通常の医療保険の診査に落ちてしまうことがあります。
医療保険に加入する際は、一般的に過去5年以内の健康状態を告知する必要があります。
持病の種類や、治療経過によっては通常の医療保険には加入できないケースもあります。
医療保険への加入を断られてしまったけど、いざというときの医療費負担に備えておきたい人は、緩和型医療保険を検討するのがおすすめです。
参考)持病とは
医療保険に加入する際は、現在通院していたり、過去5年以内に定期的に通院をしていた、または入院や手術歴があるものに関して告知する必要があります。
通常の医療保険に入りづらい持病は次の通りです。
基本的に、5年以内に上記の病気での通院歴や入院・手術歴があると医療保険に加入できない可能性が高くなります。
ただし、保険会社によって診査基準は異なるため、治療歴によっては条件付きの契約で加入できることもあります。
持病の悪化に備えたい人
引受基準緩和型医療保険のメリットとして、持病の悪化も保障対象となる点が挙げられます。
持病があると、通常の医療保険に加入できなかったり、加入できたとしても持病がある部位や特定の疾病に対して保障対象外となる条件が付く可能性があります。
今後、持病が悪化した際の治療費負担に備えたいと考えている人は、引受基準緩和型医療保険の必要性が高いといえるでしょう。
いざというときの医療費支払いに不安を感じている人
医療保険は、いざというときの備えです。
医療費の支払いに不安を感じる人や、貯蓄が十分にない人は医療保険の必要性が高いといえるでしょう。
特に、持病を抱えている人は健康な人と比べて入院や手術のリスクが高い可能性があります。
経済的な不安がある人は、緩和型医療保険を検討するのがおすすめです。
参考)高額療養費制度
医療保険を検討する際には、実際に入院が必要になったときの自己負担額をイメージしておく必要があります。
入院や手術により医療費負担が高額になったら、高額療養費制度を利用して自己負担額を軽減させることができます。
高額療養費制度
高額療養費制度とは、公的医療保険制度の一つで、年齢や収入に応じて1カ月の医療費自己負担上限額が定められており、上限を超えた負担分が返還される制度のこと
高額療養費制度の自己負担上限額は、現役世代の場合次の通りです。
例えば、年収500万円の人が1カ月で100万円の医療費がかかる治療を受けた場合、実際の自己負担額は次の通りです。
8万100円+(100万円-26万7000円)×1%=8万7430円
ただし、高額療養費制度は1カ月単位で計算されるため、入院が長期にわたるとその分自己負担額も増えることになります。
持病の種類によっては、長期入院に不安を抱えている人もいるかもしれません。
入院が長引いて医療費負担が増えるリスクも考慮しておく必要があるでしょう。
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参考)入院時の平均自己負担額
2022年の生命保険文化センターによる調査では、入院時の自己負担費用の平均は1回あたり19.8万円となっています。
この金額には、医療費だけでなく食事代や差額ベッド代など、公的医療保険対象外となる費用も含まれています。
また、1日あたりの負担額は平均2万700円となっており、最も多かったのは1万円~1万5000円でした。
医療保険の日額保障を決める際の参考にしましょう。
緩和型医療保険がいらない人の特徴
では、緩和型医療保険がいらない人はどんな人なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
通常の医療保険に入れる可能性がある人
緩和型医療保険は持病がある方向けの保険で、加入しやすい分保険料が割高に設定されています。
そのため、通常の医療保険に加入できる可能性がある人は、敢えて緩和型医療保険を検討する必要はありません。
例えば高血圧の場合、投薬治療で血圧がコントロールできており、最新の血圧値が基準値内におさまっていれば通常の医療保険に加入できる可能性があります。
まずは通常の医療保険を検討し、加入できなかった場合に引受基準緩和型医療保険を検討するのが良いでしょう。
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貯蓄が十分にあり問題なく医療費を支払える人
貯蓄が十分にあり、医療費を支払っても生活に影響が無い人は、緩和型医療保険の必要性は低いかもしれません。
緩和型医療保険は、持病があっても加入しやすい分、保険料も割高に設定されています。
医療費負担に不安がないのであれば、敢えて緩和型医療保険に加入する必要性はないかもしれません。
教育費や老後の生活費のためなど、使用目的を決めている貯蓄を予想外の医療費で取り崩すのを避けたい場合、保険で備えておくことを検討しましょう。
そもそも緩和型医療保険はなぜ必要?
緩和型医療保険は、通常の医療保険と比べて健康状態に関する告知項目が緩和されている、持病がある方向けの医療保険です。
これまで保険加入を諦めていた人でも検討できることがメリットのひとつです。
緩和型医療保険の告知項目
保険会社によっても異なりますが、一般的な緩和型医療保険の告知項目は次の通りです。
基本的には、上記3つの告知項目にすべて該当しなければ申し込みが可能となっています。
持病を抱えている人でも、1~2年以内に入院・手術歴がなければ検討できる可能性があります。
ただし、5年以内にがんや肝硬変、統合失調症、認知症などで通院歴がある人は加入が難しいため、注意して下さい。
緩和型医療保険のメリット
緩和型医療保険は、持病があっても加入しやすく、さらに持病の悪化も保障対象となるメリットがあります。
申し込み時の告知も比較的分かりやすく、いくつかの質問事項に「はい」か「いいえ」で回答するだけです。
通常の医療保険への加入を断られてしまった人や、通常の医療保険で特定疾病・部位不担保の条件が付いてしまい悩んでいる人には、緩和型医療保険がおすすめです。
また、これまでは緩和型医療保険へ付加できる特約の種類は限られていましたが、近年通常の医療保険と同様の特約を付加できるものが増えています。
ニーズに合わせてプランを選択できるのも、メリットのひとつです。
緩和型医療保険のデメリット
緩和型医療保険は、持病があっても加入しやすい分、保険料が通常の医療保険と比べて割高に設定されています。
保障を手厚くしすぎると、思ったよりも保険料が高くなってしまうこともあります。
毎月継続できる範囲の保険料で、バランスの取れた保障になるよう意識しましょう。
また、緩和型医療保険の中には、加入から一定期間保障が削減される期間を設けているものもあります。
保険会社によって異なるので、加入前に確認しておきましょう。
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緩和型医療保険を選ぶときのポイント
緩和型医療保険を選ぶときに押さえておきたいポイントを、保険のプロが詳しくご紹介していきます。
告知項目を確認する
緩和型医療保険の告知項目は、保険会社によって少しずつ異なります。
事前にいくつかの保険会社の告知項目を確認しておくと良いでしょう。
基本的には、告知項目すべてに該当しなければ申し込みできるとされています。
がんや三大疾病に関する特約を付加する場合は、追加の告知項目に回答する必要があります。
該当する項目がないか、確認して手続きに進みましょう。
入院日額や付加する特約を決める
告知項目に問題がなければ、保障額を決めていきます。
入院1日ごとに受け取れる入院日額保障は、高額療養費制度の自己負担額などを参考にして決めると良いでしょう。
また、近年では通常の医療保険と同様の特約を付加できる緩和型医療保険も増えています。
現在は入院日数が短期化の傾向にあるため、短期入院に備えられる入院一時金特約などがおすすめです。
持病の関係で長期入院に備えておきたい人は、1回の入院で保障される日数を決める「日型」を長く設定するか、特定疾病入院延長特約を付加するのも良いでしょう。
参考)平均在院日数
2023年の厚生労働省「患者調査」によると、平均在院日数は28.4日で、年々短期化の傾向にあります。
疾病別では、精神疾患や認知症を含む「精神および行動の障害」が平均290.4日と最も長くなっています。
その他、平均在院日数が比較的長い病気を見ていくと、脳血管疾患が68.9日、慢性腎臓病が57.3日、高血圧性疾患が41.6日と、いずれも1カ月を超える平均在院日数となっています。
一方、治療が長引くイメージのある「がん」ですが、平均在院日数は13.4日と比較的短く、その分通院治療が多いことがわかります。
(参考:令和5年(2023)患者調査|厚生労働省)
(参考:がんに関する留意事項|厚生労働省)
あなたに必要な1日の入院給付金は?
入院日額シミュレーター
入院時の費用と想定の入院日数で算出できます
公的保障=高額療養費制度が適用される金額
公的保障の高額療養費制度を利用する場合の1カ月の医療費負担上限額は、年齢と年収によって算出することができます
あなたの年齢を教えてください
あなたの年収帯を教えてください
100万円の医療費がかかった場合
自己負担額
0円
※百円単位で四捨五入
保険料の比較をする
保障額や付加する特約を決めたら、いくつかの保険会社で保険料の比較をするのがおすすめです。
同じような保障内容でも、保険会社によって毎月の保険料は異なります。
1社で決めてしまうのではなく、いくつかの会社で比較して保険料が抑えられるものがないか探してみましょう。
また、緩和型医療保険は通常の医療保険と比べて保険料が割高になっています。
毎月支払える範囲になっているか、確認してから申込手続きをするようにしましょう。
引受基準緩和型医療保険の保険料を比較する

緩和型医療保険、自分は必要?不要?3つの判断ポイント
緩和型医療保険が必要かどうかは、人それぞれ異なります。
ここからは、緩和型医療保険の必要性を判断する3つのポイントをご紹介します。
いざというときのための貯蓄があるか
いつ病気やケガで入院が必要になるかは誰にも分かりません。
突発的に医療費が必要になっても十分な貯蓄があるかどうか、いま一度確認しておくようにしましょう。
医療費の支払いが発生しても生活に全く影響がないのであれば、医療保険の必要性は低いでしょう。
一方、医療費を支払うだけの十分な貯蓄がない、貯蓄はあるが取り崩すことでライフプランに影響が出る人は医療保険で備えておくのがおすすめです。
貯蓄が減ることの不安がないか
いざというときに医療費を支払えるくらいの貯蓄があっても、その貯蓄を取り崩すことに問題は無いかを再度検討しておきましょう。
将来の子どもの教育費のため、自動車を購入するため、老後の生活費のため、など貯蓄をする目的はさまざまです。
突然の医療費負担もふまえて貯蓄をしているなら問題ないですが、それ以外の目的で貯蓄をしているなら、病気やケガで取り崩すことになるとライフプランが変わってしまうかもしれません。
健康な時には必要なかった出費がかさむことで、精神的に不安を抱えることもあるでしょう。
貯蓄が減ることの不安があるのであれば、医療保険で最低限の保障を用意しておくのがおすすめです。
先進医療を希望する可能性があるか
病気やケガをしたとき、一般的には公的医療保険制度の対象となる治療を受けることになります。
日本は公的制度が充実しているので、一気に莫大な医療費が必要になる、ということはほとんどありません。
しかし、公的医療保険制度の対象にならない「先進医療」を受けた場合は別です。
先進医療の技術料は全額自己負担になり、その費用は数百万円にのぼることもあります。
特に、がんの治療に用いられる重粒子線治療や陽子線治療は費用が高額なことで有名で、平均300万円前後の自己負担が必要になります。
重い病気に罹患した時、治療の選択肢を広くもっておきたい人は、医療保険に先進医療特約を付加しておくのがおすすめです。
ほとんどの保険会社で、引受基準緩和型医療保険にも先進医療特約を付加することができます。
一方、先進医療への備えは必要ない、既に他の保険商品でカバーできている人は医療保険の必要性は低いかもしれません。
緩和型医療保険についてよくある質問
ここからは、緩和型医療保険についてのよくある質問に保険のプロがわかりやすく回答します。
Q.子どもでも緩和型医療保険に入れますか?
A.緩和型医療保険の加入可能年齢は20歳からとなっていることがほとんどです。
小さな子どもで先天的な疾患を抱えていたり、何らかの病気に罹患してしまった場合、その時点では医療保険に加入できない可能性もあります。
通常の医療保険への加入が難しい場合、20歳になってから引受基準緩和型医療保険を検討することになります。
Q.緩和型医療保険は何歳まで入れますか?
A.保険会社によって異なりますが、85歳まで加入可能としているのが一般的です。
緩和型医療保険は持病を抱えている人向けの保険なので、比較的高齢の方でも加入できるように定めている保険会社が多くなっています。
加入可能年齢は保険会社によっても少しずつ異なるので、複数の保険会社で事前に確認しておくのが良いでしょう。
Q.緩和型医療保険でがんは保障されますか?
A.がんによる入院・手術は保障対象となります。特約を付加することで、がんの通院治療にも備えられる商品もあります。
一般的な緩和型医療保険の主契約は、入院したときに受け取れる「入院日額給付金」と手術をしたときに受け取れる「手術給付金」の2つです。
入院保障と手術保障は病気やケガの種類を問わないため、がんで入院・手術をした際も保障対象となります。
加えて、抗がん剤治療特約や、がん診断特約を付加することでさらにがんに手厚く備えられる緩和型医療保険もあります。
がん特約を付加する場合は、がんに関する告知項目に追加で回答する必要があります。
Q.告知項目に該当したら緩和型医療保険には入れませんか?
A.基本的に告知項目に該当したら加入できません。ただし、手術歴に関する項目は告知対象外となる手術もあるため、告知書を確認しましょう。
基本的に緩和型医療保険は「ノックアウト方式」といって、告知項目に該当した時点で加入を断られることが一般的です。
ただし、手術歴に関しては加入に問題ない手術を定めている保険会社もあります。
告知対象外または加入に問題ないの手術の一例
- 白内障
- ものもらい
- 鼻炎/副鼻腔炎
- 創傷処置
- 切開術(皮膚等)
- 抜歯
- 異物除去
- 鼻粘膜焼灼術
- 魚の目、タコ手術
- レーシック
- いぼ、粉瘤
- 虫垂炎
- 骨折 など
上記はあくまでも一例で保険会社によっても診査基準は異なるため、気になる人はいくつかの保険会社で事前に確認してみるのが良いでしょう。
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まとめ
今回は、緩和型医療保険の必要性や、メリットとデメリットについてご紹介してきました。
緩和型医療保険が必要かどうかは、経済状況やそれぞれの考え方によって異なります。
十分な資産があり医療費の支払いに不安がない人にとっては必要性は低いですが、少しでも不安を感じる人や持病の悪化に備えておきたい人には緩和型医療保険はおすすめです。
ほけんのコスパでは、複数の保険会社の緩和型医療保険を掲載しています。
年齢と性別を入力するだけで簡単に保険料の比較もできるので、ぜひ保険選びの参考にしてください。
あなたの年齢で持病がある方向け医療保険の保険料はいくら?
