「労災を申請したけれど、給付金がおりるまでどうやって生活すればいい?」「当面の生活費が足りなくなりそう・・・」
こんな不安を抱えていませんか?
業務中や通勤中のケガ・病気で働けなくなったとき、労災保険は心強い収入源となります。
しかし、申請してすぐに給付金が振り込まれるわけではないため、その間の生活費に不安を感じる人は少なくありません。
今回は、労災の休業補償がいつもらえるのかという基本的な仕組みから、労災がおりるまでの生活費を「今すぐ」確保する3つの方法や他の公的保障の活用法まで幅広くご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
労災がおりるまで、休業補償の仮払いを会社に請求できる可能性がある
生活費を確保する方法として、ろうきんの「福祉融資」などローンを組むこともできる
公的保障は給与が満額保障されるものではない。必要に応じて民間保険の加入を検討しましょう。
目次
7.まとめ
労災がおりるまで「今すぐ」生活費を確保する2つの方法
労災は申請してから受け取れるまでにある程度の時間を要します。
まずは、労災がおりるまでの生活費を確保する方法をご紹介します。
方法①会社に「休業補償の仮払い」を相談する
労災がおりるまで生活費をすぐに確保するための最も現実的な方法の一つが、会社に休業補償を立て替えてもらう「受任者払い制度」を利用することです。
受任者払い制度とは、労働基準監督署から被災労働者に支払われる休業(補償)給付を、会社が代わって受け取ることを前提に、会社がその給付金相当額を先に労働者へ立替払いする仕組みです。
金融機関からの借入と異なり、利息の心配がない点が最大のメリットです。
会社が立て替える金額は、原則として給付基礎日額の約80%相当額となります。(休業(補償)給付の60%と、休業特別支給金の20%の合計。)
注意点として、受任者払いは法律上の会社の義務ではない点が挙げられます。必ず利用できるとは限らないため、まずは会社の総務や労務担当者に相談し、制度の利用が可能か確認しましょう。
また、立替払いを受けた後、万が一労災として認定されなかった場合、労働者は会社に対して立て替えられた給付金相当額を全額返還しなければならないため、注意が必要です。
方法②労働金庫(ろうきん)などの「つなぎ融資」を利用する
公的な制度を利用してもまだ生活費が不足する場合、金融機関からの「つなぎ融資」も選択肢のひとつになります。
労災の休業補償が振り込まれるまでの期間、一時的に必要な生活費を借り入れるための融資として、労働組合員や生協組合員などが利用できる労働金庫(ろうきん)の「福祉融資」や「勤労者生活支援特別融資制度」が利用できます。
公的融資と異なり金利が発生する点には注意が必要ですが、まとまった金額を借りられる点や比較的低金利である点はメリットといえるでしょう。
ろうきんのつなぎ融資の目安
- 融資限度額:100万円〜500万円(生活資金として)
- 金利:年1.00%〜3%程度の固定金利(地域・商品による)
- 返済の柔軟性:商品によっては元金据置特約(返済猶予)を利用可能
ただし審査に時間を要することがあり、即時お金を借りられない可能性があります。また借入であることには変わりがないため、必ず金利や返済計画を詳細に確認し、労災給付金が入り次第確実に返済できる計画を立てておくことが重要です。
(参考:福祉ローン|中央労金)
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そもそも労災の休業補償は「いつ・いくら」おりるのか?
当座の生活費を確保する方法と並行して、労災保険の休業補償が「いつ」「いくら」支給されるのかを正確に理解しておくことが大切です。
労災の休業補償の仕組みについて見ていきましょう。
申請から振込までの期間は最短でも1カ月が目安
労災による休業補償は、申請書を労働基準監督署に提出したからといって、すぐにお金が振り込まれるわけではありません。
提出された書類に基づき、労災認定の可否や休業の必要性に関する審査・調査が行われるため、最短でも1カ月程度かかるのが一般的です。
ただし、これはあくまでも目安です。
事案の複雑さや提出書類の状況によって、労災が降りるまでの期間は大きく変わります。
業務上の負傷が軽度であれば、おおむね1カ月~3カ月程度で受理されますが、死亡時案や精神疾患・過労死事案では半年~1年ほどかかるケースもあるようです。
特に精神疾患の場合、業務との因果関係を判断することが難しく、長期間の調査が必要になることも珍しくありません。
もらえる金額の計算方法(給料の全額ではない)
労災の休業補償は原則として給料の全額ではなく、休業1日につき平均賃金(給付基礎日額)の約8割が支給されます。
受け取れる給付は、次の2種類の給付を合算したものです。
- 休業(補償)給付: 給付基礎日額の60%
- 休業特別支給金: 給付基礎日額の20%
休業補償給付は非課税所得となるため、所得税や住民税がかかりません。
そのため、額面上は2割減となりますが、実質的には手取り額に近い金額が補償されるケースが多くなります。
ただし、所得税と住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、休業中も納付自体は必要になるため注意が必要です。
また、休業期間中も健康保険や厚生年金保険の被保険者資格が継続している場合は、社会保険料の支払いも残ります。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2025年12月1日―2025年12月31日)
「傷病手当金」は使える?労災と他の公的保障との違い
労災保険、健康保険、雇用保険はそれぞれ目的が異なる公的保障制度であり、原則として同じ理由で同時に給付を受けることはできません。
そのため、労災を受け取りながら傷病手当金も同時に受け取ることは原則できないのが現状です。
ただし労災認定が遅れる場合、状況に応じてどちらも賢く活用することが可能です。
業務外のケガ・病気なら「傷病手当金」(健康保険)
労災保険が「業務または通勤」を原因とする傷病を対象とするのに対し、傷病手当金は、業務外の病気やケガで働けなくなった際の被保険者の生活を保障するための制度です。
そのため原則として、労災が原因の休業に対して傷病手当金を受給することはできません。
傷病手当金は、業務外の病気やケガが原因で休業したとき、休業4日目から支払われます。保障期間は通算1年6カ月間で、給与の約3分の2が保障されます。
一方労災保険は、業務または通勤中の傷病により休業せざるをえなくなったときに支払われ、支給額は給与の80%です。
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労災認定待ちの間に「傷病手当金」を一時的に受給する裏ワザ
労災申請から休業補償給付が実際におりるまで生活費が不足する場合、傷病手当金を一時的に活用することができます。
被災労働者の経済的な生活を保護するため、公的な制度の枠組みで設けられた実務上の対応として認められています。
労災認定の審査が長期化するケースでは、非常に有効な「つなぎ」となります。
両者を二重取りすることはできませんが、労災認定に時間がかかる場合にのみ、加入中の健康保険組合が傷病手当金を一時的に支給し、後日清算する手続きが行われます。
なお、最終的に労災申請が却下された場合は返還の必要はなく、傷病手当金の支給要件を満たしていればそのまま受給が継続されます。
労災と失業手当(雇用保険)は併用できる?
労災の休業(補償)給付と、雇用保険の失業手当(基本手当)を同時に受け取ることはできません。
原則として失業手当は働く意思がある人が対象です。
そのため、労災で休業中は「働けない状態」とみなされ、保障の対象外となります。
もし休業給付の受給を隠して失業手当を受けた場合、不正受給と見なされ、給付金の支給停止や不正受給額の最大3倍の金額(返還命令+納付命令)の納付を命じられる可能性があるため注意が必要です。
公的保障だけでは足りない「3つの穴」
公的保障はもしものときに大切な収入源となりますが、すぐに受給できない点や給与が満額保障されるわけではない点がデメリットといえます。
ここからは、公的保障の限界と民間の保険の必要性について考えていきます。
穴①すぐにお金が「おりない」(当座の生活費の不足)
労災保険はすぐにおりるわけではないため、当座の生活費が不足するリスクがあります。
休業補償がおりるまでには最短でも1カ月程度が目安ですが、事案によっては半年、あるいはそれ以上の期間を要する場合もあります。
この「収入の空白期間」に家賃や食費の支払いが滞ると、療養どころではなくなってしまうかもしれません。
タイムラグを乗り越えるために、医療保険や就業不能保険など民間の保険で給付金を受け取れるようにしておくこともひとつの方法です。
医療保険であれば入院1日目から、就業不能保険であれば60日の免責期間を超えた後から受け取ることが可能です。
民間の保険と併せて、「休業補償の仮払い」や「公的貸付」といったつなぎ資金の確保も検討しましょう。
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穴②給付は給料の「約8割」まで(収入の減少)
労災保険の休業補償給付は、給料の約8割が補償されますが、裏を返せば約2割は収入が減少することを意味します。
例えば月収30万円の場合、額面上は約6万円の収入減となります。
さらに、この給付期間中も社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)や住民税の支払い義務は継続するため、家計には大きな影響を与えるおそれがあります。
また、傷病手当金も同様、給与の満額が保障されるわけではありません。標準報酬月額の約3分の2、つまり66%程度しか支給されないため、手取り給与は大幅に減少してしまいます。
収入の減少に備えるには、就業不能保険などの民間の保険が有効です。
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穴③精神的慰謝料などは補償されない
労災保険は、あくまで治療費や休業による収入減を補填するための制度です。
そのため、被災者が負った精神的な苦痛に対する「慰謝料」は、公的保障からは支払われません。
慰謝料や逸失利益の不足分を補うためには、労災事故の原因が会社の安全管理体制の不備(安全配慮義務違反)など、会社側に責任がある場合に、別途会社に対して損害賠償請求を行う必要があります。
しかし、訴訟に際しては非常に複雑な法的手続きを要するため、個人での対応は難しいのが現状です。
弁護士など専門家に一度相談してみましょう。
「働けないリスク」に備える民間保険とは?
労災保険などの公的保障が全ての経済的リスクをカバーできるわけではありません。
「穴」を埋める手段として、民間の保険への加入を検討してみましょう。
収入減少をカバーする「就業不能保険」
就業不能保険は、病気やケガで長期間働けなくなった場合に、毎月お給料のように一定額の給付金を受け取れる保険です。
労災保険や傷病手当金だけではカバーしきれない、収入の減少や保障期間の「穴」を埋めるために非常に有効です。
就業不能保険は、労災の対象とならない業務外の病気やケガも保障され、長期休業にも対応できる点がメリットです。
ただし、「働けなくなってから60日以上経過した場合に保障」などの支給要件が設けられているため、加入前に保障内容を確認しておくことが大切です。
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治療費に備える「医療保険・傷害保険」
労災により働けなくなった場合、治療費の立て替えや生活費の不足を補うために、医療保険や傷害保険も役立ちます。
労災認定が降りれば治療費の自己負担は原則なくなりますが、認定を待つ間の高額な一時立て替えや、労災保険の対象外となる差額ベッド代、先進医療費などに備えることができます。
最近の医療保険は、入院1日目から保障の対象となることが一般的です。
労災の認定を待たずに医療保険から給付金を受け取ることができれば、精神的にも大きな支えになるでしょう。

Q1
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まとめ
今回は、労災の給付金がおりるまでの生活費をどう確保するか、そして公的保障の仕組みと限界について解説しました。
労災給付までのつなぎ資金として、「受任者払い制度」や、ろうきんの「福祉融資」を利用することができます。
また、労災認定がおりるまでに時間を要する場合、傷病手当金を受け取ってあとから清算することも可能です。
ただし、公的保障にも限界があります。
労災保険と傷病手当金のどちらも、給与の満額が保障されるわけではありません。
収入が減少した分は、民間の保険でカバーする必要があるかもしれません。
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