流産手術を受け心身ともに大変な状況の中、手術費用や保険金について不安を感じていませんか。
「手術で医療保険の請求はできる?」「公的医療保険は対象?」など、疑問は尽きないかもしれません。
本記事では、流産手術で医療保険の給付金が受け取れるか、そして請求時に損をしないためのポイントをご紹介します。
経済的な不安を少しでも解消し、心と体の回復に専念するためにも、ぜひ最後までご確認ください。
この記事を読んでわかること
流産手術は医療保険の手術給付金の対象になる可能性が高い
古い医療保険の場合、日帰り手術が保障されないこともあるため要注意
流産でも出産育児一時金など公的な給付金も受け取れる可能性がある
目次
6.まとめ
ほとんどの医療保険で「流産手術」は給付金の対象になる
稽留(けいりゅう)流産や不全流産など、治療を目的とした流産手術は、ほとんどの医療保険で手術給付金の支払い対象となります。
具体的に見ていきましょう。
「子宮内容除去術」は公的保険適用の手術
医療現場で行われる流産手術は、正式には「子宮内容除去術」と呼ばれます。
子宮内で胎児の成長が止まってしまった「稽留流産」や、流産が始まったものの内容物が完全に排出されない「不全流産」と医師が診断した場合に、母体の保護を目的として行われる治療です。
治療目的で行われる手術は、公的医療保険が適用されるため医療費の自己負担は原則3割となります。
また、民間の医療保険に加入している場合、手術給付金の支払い対象となる可能性があります。
医師の診断に基づき治療として「子宮内容除去術」を受けた場合は、医療保険の給付金請求を忘れず大ないましょう。
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注意が必要なケース1:古いタイプの保険(入院給付金ありき)
古いタイプの医療保険に加入している場合、注意が必要です。
かつての医療保険は入院が保障の前提条件となっていることが多く、手術給付金の支払条件が「入院を伴う手術」に限定されている場合があります。
近年、医療技術の進歩により、流産手術は日帰りで行われることが多くなっています。
もし、加入中の医療保険が「入院中の手術のみ保障」という契約内容だった場合、日帰り手術では給付金が支払われない可能性があります。
保険証券を確認し、手術給付金の支払い条件に「入院」という記載があるかどうかを確認することが大切です。
また、比較的新しい医療保険では、日帰り入院でも「入院給付金」や「入院一時金」を受け取れる可能性があります。
古いタイプの医療保険では「入院5日目から」などの条件が設けられていることもあるため、事前に確認しておきましょう。
注意が必要なケース2:人工妊娠中絶や自然流産の場合
流産に関連する処置でも、医療保険の保障対象外となるケースがあります。
【人工妊娠中絶の場合】
経済的な理由など、母体の健康とは別の理由で行われる人工妊娠中絶は、治療目的の医療行為とはみなされません。
そのため、公的医療保険の適用外となり、民間の医療保険の手術給付金も支払い対象外となることが一般的です。
【自然流産(自然排出)の場合】
医師の診断後、手術を行わずに自然に子宮内容物が排出されるのを待つ「自然排出」は、手術を行っていないため給付金の支払い対象にはなりません。
ただし自然排出が不完全で、結果的に子宮内をきれいにするための「子宮内容除去術」を受けた場合は、給付金の対象となる可能性があります。
医療保険の保障対象となるかどうかは、「公的医療保険適用の処置を受けたか」「手術点数が算入される処置を受けたか」がポイントとなります。
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給付金が出るか確実に調べる方法
手術給付金の対象になるか、保険会社に問い合わせる前に自身で確認できる方法があります。
実際の給付請求をスムーズにするためにも、ぜひ事前に確認しておきましょう。
領収書・診療明細書で「Kコード(手術コード)」を確認する
給付対象の手術かどうかを判断するうえで最も確実な情報が「Kコード」です。
Kコードとは、診療報酬点数表で定められた手術一つひとつに割り振られている分類コードのことです。
診療明細書の「手術」の欄には、手術名とともに「K」から始まる番号が記載されています。
保険会社は、このKコードに基づいて手術給付金の支払いを判断します。
医療保険の約款には対象となる手術リストが記載されていることがあり、診療明細書のKコードを照らし合わせることで給付対象かどうかを事前に確認することができます。
ただし近年では対象手術の種類を定めず、「手術料の算定対象となる手術を受けたとき」とだけ規定している物も増えています。
約款に対象手術のKコードが記載されていない場合は、保険会社に直接問い合わせてみると良いでしょう。
代表的な手術コード一覧(K893など)
流産手術(子宮内容除去術)に関連する代表的なKコードは次のとおりです。
| Kコード | 手術名 | 概要 |
| K909-2 | 子宮内容除去術(不全流産、子宮内胎児死亡等) | 稽留流産や不全流産で行われる一般的な手術 |
| K911 | 胞状奇胎除去術 | 胞状奇胎の除去手術 |
診療明細書に「K909」「K919」の記載があれば、多くの医療保険で手術給付金の対象となる可能性があります。
女性疾病特約の上乗せがあるか証券をチェック
医療保険に「女性疾病特約」を付加している場合、通常の手術給付金に加えて追加で給付金が上乗せされる可能性があります。
女性疾病特約では、切迫早産や帝王切開といった「妊娠、分娩および産褥(さんじょく)の合併症」が女性特有の疾病として手厚く保障されます。
稽留流産などもこの合併症に含まれるため、流産手術が女性疾病特約の支払対象となることがあります。
ただし、保険会社によっては「女性疾病の入院のみ」を保障するタイプもあるため注意が必要です。
女性疾病による手術も保障対象となっているか、保険証券等で確認しておきましょう。
手術も保障される女性疾病特約が付加されていれば、受け取れる給付金が上乗せされるかもしれません。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年3月1日―2026年3月31日)
診断書代でマイナス?少額給付なら「簡易請求」を活用しよう
手術給付金を請求する際には、通常医師の診断書が必要です。
診断書の発行には手数料がかかり、原則自己負担となります。
そのため、受け取れる給付金の額によっては、診断書の作成費用でかえって損をしてしまう「費用倒れ」のリスクがあります。
そうならないために「簡易請求」を上手に活用しましょう。
診断書代の相場は5000円〜1万円
給付金請求に必要な診断書の作成費用は公的保険の適用外であるため、全額自己負担となります。
費用は医療機関によって異なりますが、相場としては5000円から1万円程度かかるのが一般的です。
例えば手術給付金が5万円の場合、診断書代が1万円かかると、実質的に受け取れるのは4万円になります。
もし給付金が1万円の手術だった場合、診断書代を支払うと手元にお金が残らない、あるいはマイナスになる可能性も出てきます。
多くの保険会社で「領収書コピーのみ」で請求できる
診断書代による費用倒れを防ぐため、多くの保険会社では「簡易請求(または簡素化請求)」という制度を設けています。
入院日数が一定以下の場合や、入院を伴わない手術の場合、医師の診断書を省略し病院発行の領収書や診療明細書のコピーだけで請求できる手続きです。
流産手術(子宮内容除去術)は、簡易請求の対象となることが多い手術のひとつです。
費用のかかる診断書を取り付ける前に、保険会社のウェブサイトやコールセンターで自身のケースが簡易請求の対象になるかを確認することをおすすめします。
また、最近ではWEBでの給付金請求に対応している保険会社も増えています。
領収書や診療明細書の写真をアップロードすることで、書類のやり取りをせずに給付金請求ができる場合もあります。

Q1
性別をお伺いします
手術費用はいくらかかる?公的制度で負担を減らす方法
流産手術にかかる費用は、公的医療保険制度の対象です。
ここからは、実際にかかる費用の目安を見ていきましょう。
3割負担での費用目安と高額療養費制度
治療目的の流産手術は公的医療保険が適用されるため、自己負担は原則3割です。
日帰り手術の場合、手術前後の検査や経過観察にかかる費用も含め、約2万円~3万円前後の自己負担となることが多いようです。
また、妊娠時の異常等で入院が必要になり医療費が高額になった場合は、「高額療養費制度」を利用することで自己負担を抑えることができます。
「高額療養費制度」とは、1カ月にかかった医療費の自己負担額が所得に応じて定められた上限額を超えた場合に、差額があとから返還される制度です。
1カ月の負担上限額は次のとおりです。
年収約370~約770万円の世帯の場合、1カ月の自己負担は約9万円前後が条件となります。
流産手術単体で上限額を超えることは少ないかもしれませんが、同月に入院や他の治療で医療費がかさんだ場合には、合算して申請できる可能性があります。
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妊娠4ヶ月(85日)以上なら「出産育児一時金」も対象
あまり知られていませんが、「出産育児一時金」は、正常な出産だけでなく、妊娠4ヶ月(妊娠週数12週、85日)以降の流産・死産・人工妊娠中絶も支払対象となります。
加入している健康保険組合や国民健康保険から支給されるもので、経済的な負担を大きく軽減できる制度です。
また、こども家庭庁が推進する「妊婦のための支援給付」という制度もあり、流産や人工中絶を経験した場合でも給付金の対象となる場合があります。
自身の妊娠週数が4カ月を超えている場合は、出産育児一時金の対象になるか、加入している公的医療保険の窓口に必ず確認しましょう。
(参考:妊婦のための支援給付のご案内|こども家庭庁)
流産手術後の保険加入・見直しについて
今回の手術をきっかけに、保険の見直しを考える人もいるかもしれません。
しかし、手術直後は保険の新規加入や見直しには注意が必要です。
手術後しばらくは新しい保険に入りづらくなる?
医療保険に加入する際は、過去の健康状態や治療歴を保険会社に正しく伝える「告知義務」があります。
流産手術を受けたことも、告知事項に該当します。
流産手術の経験だけで保険加入を、断られることはほとんどありませんが、場合によっては「特別条件」が付いての契約になる可能性があります。
例えば、1~5年程度「子宮・卵巣・卵管」に対する保障や「異常妊娠・分娩」が不担保になることがあります。
不担保の条件が付くと、その期間中に再度関連する病気で入院や手術をしても給付金は受け取れません。
保険会社によって診査基準は異なっており、流産に関する診察が終了していれば無条件で加入できるケースもあります。
1社で特別条件がついてしまっても、すぐに諦めず複数社で検討してみるのがおすすめです。
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「不担保期間」とは?見直しのベストタイミング
不担保とは、特定の部位や特定の病気について、契約から一定期間は保障の対象外とする条件のことです。
条件が付く期間を「不担保期間」といいます。
例えば流産手術が原因で「異常妊娠・分娩」に不担保の条件がついた場合、次の妊娠時に帝王切開や異常妊娠による入院をしたとしても給付金を受け取ることができない可能性があります。
条件をつけずに契約したい場合は、手術から1~5年程度過ぎ、健康状態が安定したタイミングで検討するのがおすすめです。
できるだけ早く見直したい人は、FPなどに相談して加入しやすい保険会社はないか一緒に探してみるのも良いでしょう。
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まとめ
流産手術は公的医療保険の対象かつ、民間の医療保険でも給付金を受け取れる可能性があります。
加入している保険の内容を確認したうえで、まずは保険会社に問い合わせをしてみましょう。
また、出産育児一時金や妊婦支援の給付金などの公的制度も対象になることがあります。
心身ともにつらい時期ですが、経済的な負担は制度をうまく活用することで軽減できます。
この記事の情報が、少しでも助けになれば幸いです。
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