海外駐在が決まると、新しい生活への期待とともに、保険の手続きなどリスクへの備えも気になるのではないでしょうか。
「会社の保険だけで十分?」「日本の生命保険はどうすればいい?」と疑問に思うかもしれません。
本記事では、海外駐在で備えるべきリスクと、会社が提供する保険でカバーされる範囲、そして自分自身で準備しておくべきことを詳しく解説します。
自分に必要な保険を正しく選ぶことで、慣れない海外生活での安心につながります。
海外駐在を控えている人はぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
会社で加入する保険だけではカバーできないリスクがある
現地で入院や手術を受けた場合、日本で加入している医療保険で給付金を受け取れる可能性がある
会社の駐在保険の契約内容を確認したうえで、不足分は個人で備えましょう
目次
1-1.海外旅行保険(駐在保険)とは
6.まとめ
海外駐在で備えるべき2つのリスクと保険の考え方
海外駐在には、日本の生活とは異なるリスクがあります。
保険を検討するうえで、まずは「医療保障」と「死亡保障」を優先しましょう。
海外では医療制度や医療費水準が日本と大きく異なり、入院や手術で数百万円から数千万円の請求を受けるケースも少なくありません。
日本の公的医療保険には「海外療養費制度」がありますが、給付額は日本国内の治療費を基準に算出されるため、実際の海外医療費との差額が大きくなり、自己負担が膨大になるリスクがあります。
また、万が一のことがあった場合の死亡保障も重要です。
家族を帯同する場合、世帯主に万が一のことがあると、のこされた家族の経済的な負担が大きくなります。
入院や手術のリスクに備えるためには、駐在保険などの海外旅行保険が有効です。
通常の旅行用の保険ではなく、駐在員プランなど専用にカスタマイズされた損害保険を検討しましょう。
死亡リスクには、日本国内で加入した死亡保険が有効です。
駐在保険に死亡保障が付加されているケースもあるので、それぞれの保障内容を確認したうえで総合的に必要な保障が準備できているかをチェックしておきましょう。
海外旅行保険(駐在保険)とは
海外駐在者向けの保険は、一般的に「駐在保険」と呼ばれます。
海外旅行保険を基本とし、長期滞在する駐在員特有のリスクに対応するための特約が付加されたもので、「駐在員プラン」などの名前を付けて販売されています。
主な補償内容と特徴は次のとおりです。
通常の短期海外旅行保険との大きな違いは、長期滞在を前提とした補償が充実している点です。
例えば、賃貸住宅で火事を起こしてしまった場合の家主への賠償責任や、住居内の家財道具の損害を補償する「生活用動産」特約などが付帯できるのが特徴です。
補償内容は、選択するプランや保険会社によっても異なります。
海外駐在をする場合、会社が法人契約で駐在保険に加入してくれることも多いため、まずは勤務先に確認すると良いでしょう。
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【医療保険】会社の保険やクレジットカードで十分か?
海外駐在が決まると、多くの場合、会社が海外駐在員向けの保険に加入してくれます。
また手持ちのクレジットカードに付帯する海外旅行保険で十分と考える人もいるかもしれません。
しかし、会社の保険やクレジットカード付帯の保険では不十分な場合があります。
詳しく見ていきましょう。
会社負担の一般的な範囲と「隙間」になりやすい項目
会社が提供する駐在員保険は、治療費用や賠償責任など、基本的な補償は手厚い場合が多いです。
しかし、すべてのリスクを完全にカバーしているとは限りません。
2025年のRelo Redac, Inc.による調査では、米国駐在員の約4割しか勤務先提供の医療サービスを利用しておらず、会社のサポート体制と駐在員のニーズにギャップがある可能性が見て取れます。
特に、補償の「隙間」となりやすいリスクには注意が必要です。
- 歯科治療:緊急時以外の治療は対象外、または補償額に上限が設けられていることが一般的
- 持病(既往症)の悪化:渡航前から治療している病気の悪化による治療費は、補償の対象外か、条件が厳しく設定されている場合がある
- 妊娠・出産関連費用:補償対象外、または特定のプランでのみカバーされることが多い
- 家族の補償:帯同する家族が補償の対象に含まれているか、含まれていても補償内容が本人より手薄になっていないかの確認が必要
特に、治療救援費用には免責事項が複数設けられているため、事前に確認しておくことが必要です。会社で加入する保険の保障内容で不足する部分は、自身で追加の保険に加入することを検討しましょう。
(参考:駐在員世帯に必要な海外における医療サービスの実態(アメリカ)|Relo Redac, Inc.)

Q1
性別をお伺いします
クレジットカード付帯保険が駐在に向かない決定的理由
「クレジットカードに海外旅行保険が付いているから大丈夫」と考えるのは、海外駐在においては危険です。
短期間の海外旅行であれば有効ですが、長期滞在には向かない理由があります。
- 補償期間が90日間に限定される
ほとんどのクレジットカード付帯保険は、補償期間が日本を出国してから最長90日間に設定されています。1年以上の滞在が前提となる駐在では、91日目以降は無保険状態になってしまいます。
- 治療費用の補償上限額が低い
付帯保険の治療費用上限は、200万円~300万円、高くても500万円程度が一般的です。
しかし、医療費が高額な海外では、虫垂炎などの簡単な手術と数日の入院だけで数百万円、集中治療室に入れば1000万円を超えることも珍しくありません。
- キャッシュレス診療に対応していない場合がある
クレジットカードによっては、現地の医療機関で一度医療費を全額自己負担し、帰国後に保険会社へ請求する「立替払い」が必要になることがあります。
クレジットカード付帯保険はあくまで短期旅行向けのものです。海外駐在員は、別途専用の保険に加入する必要があります。
「安心」を買うための日本語サポート・キャッシュレス診療
海外で病気やケガをした際に直面する大きな壁が「言葉」と「お金」です。
自費で海外駐在保険に加入しておくことで、日本語サポートサービスやキャッシュレス診療を受けられるメリットがあります。
駐在員保険の多くには、24時間対応の日本語通訳サービスや、日本人スタッフがいる医療機関を紹介してくれるサポートが付帯されています。
専門的な医療用語が飛び交う状況で、正確に意思疎通ができないことは大きなストレスであり、適切な治療の妨げにもなりかねません。
いざというときは、保険に付帯されているサービスが心強い味方になります。
また、キャッシュレス診療は、経済的な負担を軽減する上で不可欠です。
キャッシュレス診療とは、保険会社が提携している医療機関において、自己負担分を除き、保険会社が直接医療費を支払ってくれる仕組みのことです。
海外では高額な医療費をその場で全額支払う必要があるため、立替費用を理由に受診をためらってしまうこともあるかもしれません。
保険料だけでなく、サービスの充実度も比較検討したうえで、海外生活を安心して過ごすことができる保険を選ぶことが大切です。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年1月1日―2026年1月31日)
【生命保険】日本の保険は解約すべき?継続すべき?
海外駐在にあたり、日本で加入している生命保険の扱いについて悩む人もいるのではないでしょうか。
「海外にいる間は保険料がもったいないから解約した方が良いのでは?」と考える人もいますが、安易な解約はおすすめできません。
ここからは、日本で加入した保険の取り扱いについて解説します。
多くの生命保険は手続きをすれば海外でも有効
日本で加入した医療保険や死亡保険などの生命保険は、海外に居住している間に万が一のことがあった場合でも、原則として保険金の支払対象となります。
居住地が海外になったからといって、保障がなくなるわけではありません。
海外の病院で入院や手術をした場合も、原則日本で加入した医療保険から給付金を受け取ることができます。
ただし、保険会社に対して「海外渡航届」の提出や住所変更などの手続きを行う必要があります。
手続きをしなかった場合、保険会社からの重要なお知らせが届かなくなったり、万が一の際の保険金請求手続きが遅れたりする可能性があるため注意が必要です。
また、保険料の支払い方法も確認が必要です。
口座振替を継続できない場合は、クレジットカード払いに変更するなど、海外からでも滞りなく支払える方法へ切り替えておきましょう。
渡航前に必ずご加入の保険会社に連絡し、必要な手続きを確認してください。
安易に解約してはいけない「帰国後の再加入」リスク
海外駐在中は駐在員保険に加入しているため、保険料の重複を避けられるよう生命保険の解約を検討する人もいるかもしれません。
しかし、安易に保険を解約してしまうのは危険です。
駐在中に病気になったり、健康診断で異常が見つかったりすると、帰国後に同条件の保険に加入できなくなる可能性があります。
特に直近で入院・手術歴があると、加入を断られることもあるため注意が必要です。
また、たとえ健康状態に問題が無くても、再加入時には年齢が上がっているため保険料が高くなることが考えられます。
医療保険や死亡保険は海外赴任中も有効です。
駐在保険と保険料は重複しますが、帰国後の保障を確保するためにもできる限り保険は継続しておくのがおすすめです。
海外で万が一があった場合の保険金請求
海外で被保険者が亡くなった場合、日本で加入している生命保険の保険金請求手続きは、国内での手続きと比べて時間と手間がかかる可能性があります。
まず、現地の医療機関や公的機関が発行する死亡診断書や死亡証明書が必要になります。
書類は外国語で作成されるため、保険会社によっては日本語の翻訳文の提出を求められることもあります。
書類を用意するためには費用や時間がかかるため、あらかじめ念頭に置いておく必要があるでしょう。
万が一の際に手続きをスムーズに進めるためにも、加入している保険について事前に家族に伝えておくことが大切です。
保険証券の保管場所や連絡先など、保険金請求に必要な事項は家族と共有しておくといざというときも安心です。併せて、保険金受取人が誰になっているかを再確認し、必要であれば変更手続きをしましょう。
(参考:被保険者が海外滞在中に死亡しました。保険金請求はどうすればいいですか?|日本生命)
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自費で加入を検討すべき人のチェックリスト
会社の保険がある場合でも、すべての人にとって十分な内容とは限りません。
状況によっては、自費で追加の保険に加入する必要があります。
次の項目に当てはまる人は、駐在保険や日本で医療保険、死亡保険の加入を検討しましょう。
□ 会社の保険の治療費用補償額が低い、または上限がある
□ 会社の保険に「個人賠償責任保険」が付帯されていない
□ 帯同する家族がいるが、補償内容が不十分
□ 日本語での医療サポートやキャッシュレス診療が必要
□ 滞在期間が90日を超え、クレジットカード付帯保険しか備えがない
□ 持病の悪化に備えたい
1つでも当てはまる項目があれば、不足を補うための保険加入を検討しましょう。
駐在保険では免責となる事項も多数あるため、併せて医療保険などの生命保険に加入しておくのも選択肢のひとつです。
特に、持病の悪化による入院や手術は駐在員保険で対象外になるケースも多いです。日本で加入している医療保険がある場合、そのまま継続しておくことがおすすめです。

Q1
性別をお伺いします
海外駐在の保険に関するよくある質問
ここからは、海外駐在する際の保険選びに関するよくある質問に、保険のプロがお答えします。
Q. 会社の保険がありますが、妻と子どもだけ追加で加入できますか?
A.はい、可能です。
会社の駐在員保険が帯同する家族を補償の対象外としている場合や、補償内容が不十分な場合には、家族だけを被保険者として民間の海外旅行保険(駐在保険)に加入することができます。
海外では、環境の変化から子どもが体調を崩しやすくなることも考えられます。
また、現地の医療機関にかかる際の手続きや費用は日本と大きく異なります。
家族が安心して医療サービスを受けられるよう、補償内容を確認し、必要であれば追加で保険を手配することをおすすめします。
保険会社によっては、家族向けのプランや、被保険者を個別に設定できるプランを用意しています。
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Q. 一時帰国中に日本の病院へ行った場合、保険は使えますか?
A.加入している駐在保険によっては、「一時帰国中補償特約」などが付帯されている場合があります。
一時帰国中は、日本の公的医療保険に加入し続けていれば、原則3割負担で治療を受けることができます。
また入院や手術が必要になった場合は、加入している民間の医療保険から給付金を受け取れる可能性があります。
加えて、駐在保険の中には「一時帰国中補償特約」が付帯されているものもあり、その場合日本での治療費が補償対象になることもあります。
まずは、加入している保険の契約内容を確認してみましょう。
Q. クレジットカード保険が切れる90日後に、現地の保険に入れますか?
A.現地での保険加入は、可能だとしても現実的ではない場合が多いです。
現地の医療保険は、その国の居住者であることが加入の条件であったり、ビザの種類によっては加入資格がなかったりと、外国人にとっては手続きのハードルが高いことが少なくありません。
また、保険の内容や手続きはすべて現地語で行われるため、契約内容を正確に理解するのが難しい問題もあります。
クレジットカード付帯保険の期間終了後、タイミングよく現地の保険に加入できるとは限りません。
保険の空白期間を作らないよう、必ず駐在保険等にも加入しましょう。
Q. 歯科治療(歯医者)は保険の対象になりますか?
A.多くの海外旅行保険(駐在保険)では、基本的なプランに歯科治療は含まれていません。
補償される場合でも、旅行中に急に発生した痛みなど、緊急性のある治療に限られることが一般的です。
例えば、虫歯の治療や歯のクリーニング、インプラントなどは補償の対象外となることがほとんどです。
海外、特にアメリカなどでは歯科治療費は非常に高額になる傾向があります。
渡航前に日本で歯科検診を済ませ、必要な治療を完了させておくと良いでしょう。
まとめ
今回は、海外駐在における保険の必要性について解説しました。
慣れない海外での生活では、予期せぬ病気や事故のリスクに備えることが、安心への第一歩になります。
会社で加入する海外旅行保険(駐在保険)だけでは、すべてのリスクをカバーできないケースもあります。
個人で駐在保険を別途検討するか、日本で加入している医療保険や死亡保険をそのまま継続するようにしましょう。
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