「毎月の医療保険料がもったいない」「ある程度の貯金があれば、医療保険は不要なのでは?」と感じていませんか?
公的制度が充実している日本では、医療保険の必要性は低いと考える人もいます。
しかし、一概に「医療保険は不要」と言い切るのは危険です。
本記事では、医療保険は貯蓄でカバーできるのか、そして医療保険不要派になる前に知っておきたいポイントを解説します。
あなた自身の家計状況や価値観に合った、後悔しない医療費への備え方を見つけましょう。
この記事を読んでわかること
短期間の入院であれば貯金でカバーできる可能性が高い
がんや三大疾病などの治療が長引く病気や先進医療への備えとして保険を活用するのは有効的
医療保険が不要な貯蓄額の目安は「生活費3~6カ月分+医療予備費100~300万円」
目次
7.まとめ
医療保険を「貯金でカバー」できるといわれる3つの理由
医療保険は不要という意見の背景には、主に3つの理由があります。
具体的に見ていきましょう。
①高額療養費制度で自己負担は月10万円以下になる
医療保険が不要とされる最大の理由は、日本の公的医療保険に備わっている「高額療養費制度」です。
高額療養費制度とは、1カ月にかかった医療費の自己負担額が、年齢や所得に応じて定められた上限額を超えた場合に、その超過分が払い戻される仕組みです。
現役世代の場合、1カ月の自己負担上限額は次のとおりです。
例えば、年収が約370万円から約770万円の場合、1カ月の自己負担上限額は約8万から9万円に収まります。
仮に医療費が100万円かかったとしても、窓口での3割負担は30万円ですが、最終的な自己負担額はこの上限額で済む計算になります。
また、限度額適用認定証やマイナ保険証を利用することで、窓口での負担自体を高額療養費制度の自己負担までとすることも可能です。
高額療養費制度のおかげで病気やケガによる医療費が青天井になることはないため、ある程度の貯蓄があれば十分に対応できると考える人もいます。
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②会社員には「傷病手当金」がある
会社員や公務員が加入する健康保険には、「傷病手当金」という所得補償制度があります。
業務外の病気やケガで連続して4日以上仕事を休み、給与の支払いがない場合に、休業4日目から給与(標準報酬日額)の約3分の2が支給される制度です。
通算で1年6カ月まで保障されるため、入院や手術で一定期間仕事を休むことになっても収入がいきなり途絶えることはありません。
治療費は高額療養費制度で、療養中の収入は傷病手当金でそれぞれサポートされるため、会社員や公務員は民間の医療保険の必要性が低いと考える人もいます。
ただし、傷病手当金は給与の満額が保障されるものではありません。
社会保険料や住民税の支払いも免除されないため、手取りの収入としては減少してしまう点に注意が必要です。
また、自営業者やフリーランスが加入する国民健康保険にはこの制度がないため、自助努力での備えを検討する必要があるでしょう。
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③病気やケガをしなかった際に自由に使える貯蓄になる
医療保険の多くは「掛け捨て型」であり、保険を使わなかった場合、支払った保険料は戻ってきません。
「掛け捨てはもったいない」と感じ、保険料を支払う代わりにその分を貯蓄に回した方が合理的だと考える人もいます。
貯蓄であれば、病気やケガがなければそのお金は資産として残り、教育資金や老後資金、趣味など、医療費以外の目的にも自由に使うことができます。
資産運用の知識がある人なら、保険料に相当する金額をNISAなどで運用し、将来の医療費と資産形成を同時に準備することも可能です。
貯蓄や資産運用を計画的に行っていれば、敢えて民間の医療保険に加入する必要はないと感じる人もいるでしょう。

Q1
性別をお伺いします
医療保険を「貯金でカバー」する前に知るべき3つのポイント
日本は公的制度が充実しているとはいえ、すべての医療関連費がカバーされるわけではありません。
貯蓄だけで備える「医療保険不要派」が見落としがちな、注意すべき3つのポイントを解説します。
①差額ベッド代は高額療養費の対象外
入院時に個室や少人数の病室を希望した場合にかかる「差額ベッド代」は、高額療養費制度の対象外となり、全額自己負担となります。
厚生労働省の調査によると、1日あたりの差額ベッド代の平均額は、1人室(個室)で約8600円となっています。
仮に、1人部屋に10日間入院した場合、差額ベッド代だけで約8万6000円の追加費用が発生します。
治療に集中したい、プライバシーを確保したいといった理由で個室療養を希望する人は珍しくありません。
貯蓄で医療費に備える際には、公的医療保険対象外の費用も考慮に入れてく必要があるでしょう。
(参考:主な選定療養に係る報告状況 令和7年|厚生労働省)
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②会社員でも「収入減」は完全にはカバーできない
会社員や公務員が利用できる傷病手当金は、療養中の収入を支える心強い制度ですが、万能ではありません。
支給額は給与のおよそ3分の2であり、約3分の1は収入が減少します。
また、ボーナスは支給対象外となることが一般的です。
例えば、月収30万円の場合、傷病手当金を受給すると月々の手取りは約10万円減少し、ボーナスももらえない可能性があります。
住宅ローンや教育費など固定費の支出が大きい家庭にとっては、影響が大きいでしょう。
さらに、自営業者やフリーランスは傷病手当金を受け取ることができません。
貯蓄でいざというときのために備えるには、治療費だけでなく収入の減少についても考慮しておく必要があります。
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③「先進医療」を受けたいときに300万円を即決できるか
「先進医療」とは、公的医療保険の対象にするかどうかを評価中の高度な医療技術で、公的医療保険制度は適用されません。
もちろん高額療養費制度の対象にもならないため、技術料は全額自己負担が必要です。
例えば、がん治療で使われる「重粒子線治療」や「陽子線治療」は、1クールの治療で300万円前後の費用が発生します。
一般的にがん治療は保険適用のものから始めますが、治療の成果が出なかった場合や、体への負担がより少ない治療を望む場合、先進医療が選択肢として挙がるケースもあります。
貯蓄だけで備える場合、「いざという時に、貯蓄から300万円を迷わず治療費として支出できるか」を考えておく必要があります。
民間の医療保険では、月々数十円~百円前後で先進医療を保障する特約を付加できるため、コストパフォーマンスは高いといえるでしょう。
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【シミュレーション】医療保険を解約できる「貯蓄額」の目安
では、具体的にいくらの貯蓄があれば、医療保険がなくても安心して生活できるのでしょうか。
ライフステージ別に必要な貯蓄額の目安をシミュレーションしてみましょう。
独身・会社員:生活費3カ月分 + 医療予備費100万円
独身の会社員の場合、扶養家族がいないため経済的責任は少ないでしょう。
傷病手当金制度も利用できるため、比較的少ない貯蓄額で対応できます。
まず、万が一の休職に備え、生活費の3カ月分を緊急予備資金として確保しておきましょう。
傷病手当金では給与の満額は保障されないため、収入源を補うために必要です。
加えて、医療予備費としては100万円がひとつの目安となります。
年収約370万円~約770万円の人の場合、1カ月の医療費上限は約9万円です。
治療が数カ月続いた場合への備え、差額ベッド代や通院交通費などの雑費などもふまえて、余裕を持った予算配分をしておきましょう。
緊急予備資金と医療予備費を合計して、合計で150万円から200万円程度の流動性の高い貯蓄があれば、医療保険の必要性は低いと判断できるかもしれません。ただし、あくまでも自身の老後のためなど目的を持って貯蓄している資金とは分けて考えておくことが大切です。
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子育て世帯:生活費6カ月分 + 医療予備費300万円〜
子育て世帯の場合、一家の働き手が倒れると家計への影響は甚大です。
子どもの教育費や住宅ローンなどの固定費がかかるため、より手厚い備えが必要になります。
緊急予備資金としては、生活費の最低6カ月分を確保することが望ましいです。
収入が減少しても当面の生活を維持できるよう、余裕を持った備えが必要です。
さらに、医療予備費としては300万円以上を目安にすると安心です。
がんや三大疾病などの大きな病気に罹患した場合、治療が何年も続くことも考えられます。
その間の医療費や差額ベッド代などをふまえ、ある程度の貯蓄を確保しておくことが大切です。
また、片方が看病に専念することによる収入減や、ベビーシッター代などの追加費用も考慮する必要があります。
教育費や老後への備えとは別に、合計で500万円程度のまとまった貯蓄がなければ、貯金だけでカバーするのはリスクが高いといえるでしょう。
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自営業・フリーランスは「貯金カバー」のリスクが高い
自営業者やフリーランスの場合、会社員と異なり「傷病手当金」がありません。
そのため、病気やケガで働けなくなった場合、収入が完全に途絶えてしまう可能性があります。
治療費は高額療養費制度で抑えられたとしても、療養期間中の生活費すべてを貯蓄で賄わなければなりません。
仮に半年間療養した場合、治療費に加えて百万円以上の生活費が必要になります。
これだけの金額をすべて貯蓄でカバーするためには、事業資金とは別に資産を相当額確保しておく必要があり、現実的には難しい人が多いでしょう。
自営業やフリーランスで働く人にとっては、貯蓄だけで備えるという選択はリスクが高いといえます。毎月数千円程度で備えられる医療保険や、就業不能保険への加入が合理的です。
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保険料を自分で積み立てる「医療費用貯蓄」の賢い作り方
医療保険に加入しないと決めた場合、保険料として支払うはずだったお金を計画的に貯蓄へ回すことが必要です。
ここからは、医療費に備えるための効果的な貯蓄方法を2つご紹介します。
「医療費専用口座」を作って月々積み立てる
医療費のための貯蓄をするには、生活費と明確に区別することが大切です。
そのために、「医療費専用口座」を開設し、毎月決まった額を自動で積み立てる仕組みを作りましょう。
毎月5000円(保険料分)を別口座へ移動させておくと、20年で120万円になります。
健康で過ごせば老後資金やレジャー費に活用することができるため、掛け捨ての保険はもったいないと感じる人にとっては良い方法です。
ただし、貯蓄は目標額を貯めるまでに時間がかかるため注意が必要です。
十分な貯蓄がないまま大きな病気に罹患すると、医療費の支払いに困るかもしれません。ある程度の貯蓄がたまるまでは、医療保険と並行して備えておくことも検討しましょう。
NISAや株で運用しながら備える際の注意点
保険料に充てる予定だった資金を、NISAなどを活用して資産運用に回し、将来の医療費に備えるという考え方もあります。
インフレで現金の価値が目減りするリスクを回避し、資産を効率的に増やせる可能性があるのがメリットです。
ただし、この方法には注意が必要です。
投資には元本割れのリスクが伴います。
いざ医療費が必要になったタイミングで、相場が悪化して資産が目減りしている可能性もゼロではありません。
また、株式や投資信託は現金化するまでに数日かかるため、急な支払いに対応できないこともあります。
そのため、医療費の全額を投資で準備するのは避けるべきです。
まずは現金で一定額の医療予備費(生活費3〜6カ月分+医療費自己負担分)を確保し、それを超える部分の余裕資金で運用を行うなど、使い分けが必要です。
投資信託などで行う資産運用は、運用年数が長いほど元本割れのリスクが低減します。
現役世代であれば、老後の生活費や介護費用など「今すぐには必要ないが将来的に必要になる資金」を作る目的で運用するのが良いでしょう。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年2月1日―2026年2月28日)
0か100かではない!「貯金+ミニマム保険」の最適解
医療費への備えは、「すべて貯金」か「すべて保険」かという二者択一で考える必要はありません。
両方の長所を組み合わせた備え方が、多くの人にとって合理的です。
具体的に見ていきましょう。
医療保険の日額と一時金を最低限にし、先進医療特約を付加する
基本的な入院や手術の費用は、高額療養費制度と貯蓄でカバーすることを前提とします。
その上で、民間の医療保険は、貯蓄だけでは対応が難しい高額なリスクに絞って備える考え方です。
入院給付金日額を3000円~5000円などの最低限に設定し、保険料を抑え、「先進医療特約」のみを付加します。
先進医療特約は月々数十円~百円前後で付加でき、技術料を実費で保障してくれます。
日常的な病気やケガは貯蓄で対応しつつ、万が一先進医療が必要になった場合でも経済的な心配なく治療の選択肢を確保できる、コストパフォーマンスの高い備え方です。
あなたに必要な1日の入院給付金は?
入院日額シミュレーター
入院時の費用と想定の入院日数で算出できます
公的保障=高額療養費制度が適用される金額
公的保障の高額療養費制度を利用する場合の1カ月の医療費負担上限額は、年齢と年収によって算出することができます
あなたの年齢を教えてください
あなたの年収帯を教えてください
100万円の医療費がかかった場合
自己負担額
0円
※百円単位で四捨五入
リスクが高い「がん」だけは専用保険でカバーする
がん治療は他の病気と比べて長期化しやすく、抗がん剤治療や放射線治療などで通院が続くケースも少なくありません。
また、公的保険適用外の自由診療や先進医療など、治療の選択肢が多様で高額になりがちです。
一般的な病気やケガは貯蓄で備え、特に経済的負担が大きくなる「がん」にリスクを絞って、専用のがん保険で手厚くカバーする方法もおすすめです。
がん保険は、がんと診断された時点でまとまった一時金が受け取れるタイプが多く、治療費だけでなく収入減少の補填や生活費など、目的に応じて自由に使うことができます。
貯蓄がある程度あって医療保険の必要性を感じていない人でも、がん治療で将来のための貯蓄を取り崩さなくて済むよう、がん保険だけでも検討しておく価値はあるでしょう。

Q1
性別をお伺いします
医療保険と貯蓄に関するよくある質問
医療保険と貯蓄での備えについて、多くの方が抱く疑問にお答えします。
Q. iDeCoで準備してもいいですか?
A.iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資金を準備するための制度であり、現役世代の医療費に備える目的には適していません。
iDeCoの最大の特徴は、掛金が全額所得控除になるなど税制優遇が大きいことですが、積み立てた資産は原則として60歳まで引き出すことができません。
急な入院や手術など、予測できないタイミングで必要になる医療費に対して、iDecoでは対応できません。
医療費は、いつでも引き出せる預貯金や、必要に応じて現金化できる金融資産で準備することが基本です。
Q. 一度解約した後、不安になったら再加入できますか?
A.再加入は可能ですが、いくつかの注意点があります。
保険は加入時の年齢によって毎月の保険料が決まります。
再加入の際は年齢が上がっているため、同程度の保障でも保険料が高くなってしまう可能性があります。
また、保険加入時は健康状態の診査も必要です。
持病を抱えていたり、健康診断で異常を指摘されていたりすると、そもそも新しい保険に加入できないケースもあります。
「いつでも入れる」という保証はないため、医療保険の解約は、将来の健康リスクと貯蓄状況を十分に考慮した上で、慎重に判断する必要があります。
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Q. 老後の医療費も、今の貯金でまかなえますか?
A.老後の医療費は、現役時代とは別に考える必要があります。
一般的に、年齢を重ねるほど病気のリスクは高まり、医療費は増加する傾向にあります。
75歳以上になると自己負担割合は原則1割(一定以上の所得者は2~3割)に軽減されますが、受診機会が増えるため、累計の負担額は大きくなる可能性があります。
今後公的制度が変わる可能性もあるため、今の制度をもとに考えているだけでは不十分かもしれません。
また、医療費だけでなく、介護が必要になった場合の費用も考慮する必要があります。
老後に向けた資産形成を考える際は、生活費だけでなく医療費や介護費をふまえて計画的に取り組むことが大切です。
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まとめ
今回は、医療保険は貯蓄でカバーできるのか考えてきました。
病気やケガで入院・手術が必要になる事態は、いつ訪れるかわかりません。
若くしてがんや三大疾病などの大きな病気に罹患する人もいます。
貯金ですべてカバーすることに固執せず、最低限の医療保険やがん保険を「お守り」として用意しておくと良いでしょう。
ほけんのコスパでは、複数の保険会社の医療保険を掲載しています。
年齢やプランによっては月々1000円台から検討できるものもあります。
まずはご自身の年齢と性別で保険料の見積もりから始めてみましょう。
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