医療費が10万円に少し届かず、確定申告を諦めていませんか。
集めた領収書が無駄になるのは残念に感じるでしょう。
本記事では、10万円以下でも医療費控除を受けられる例外条件や、控除額を増やす方法を解説します。
医療費控除を申告するか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
総所得200万円未満の人は「所得の5%」を超えれば医療費控除の対象になる
交通費や生計を一にする家族の医療費も合算可能
市販薬が多い人はセルフメディケーション税制を活用すると良い
目次
8.まとめ
10万円以下でも医療費控除が受けられる「総所得200万円未満」の特例
医療費控除は原則として年間10万円を超える医療費が対象ですが、例外があります。
まずは、総所得金額が一定額未満の人に適用される特例条件について解説します。
総所得金額が200万円未満なら「所得の5%」を超えれば対象になる
医療費控除の対象となる金額は、通常「実際に支払った医療費の合計額−給付金などで補填される金額−10万円」で計算します。
しかし、年間の総所得金額等が200万円未満の人は、10万円の代わりに「総所得金額等の5%」を差し引くルールが適用されます。
たとえば、総所得金額が150万円の人の場合、150万円の5%にあたる7万5000円を超える医療費を支払っていれば、医療費控除の対象となります。
総所得金額の要件を確認し、対象範囲に含まれるか確認してみましょう。
(参考:No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁)
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産休・育休中の人や、パート・アルバイトは対象になる可能性が高い
産休や育休を取得して給与収入が減少した年や、パートやアルバイトで働く人は、総所得金額が200万円未満になる可能性が十分にあります。
給与収入のみの人の場合、年収約311万6000円以下であれば、給与所得控除を差し引いた後の総所得金額が200万円未満となります。
年の途中で退職した人や、休職して収入が減った人も同様の計算が適用されます。
自身の源泉徴収票を確認し、給与所得控除後の金額をチェックして対象となるか判断しましょう。
(参考:給与所得控除|国税庁)
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10万円に届かせるための合算の裏ワザと「対象外」になる費用の注意点
本人の医療費だけでは10万円以下でも、ほかの費用を含めることで控除対象になる場合があります。
合算できる費用と、対象外となる費用の基準を解説します。
通院の「交通費」や、生計を一にする家族の医療費は合算できる
医療費控除には、医師の診察や治療を受けるための通院費用を含めることができます。
公共交通機関である電車やバスの運賃が対象で、領収書が出ない交通費は、利用日や区間、金額をメモして記録を残すことで申告可能です。
また、生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費も合算できます。
同居していなくても、仕送りをして生計を共にしている学生の子どもや両親の医療費も合算対象です。
家族全員の領収書と交通費を集計し、総額を再確認してみましょう。
(参考:No.1122 医療費控除の対象となる医療費|国税庁)
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【注意】予防接種や健康診断、美容目的の費用は合算できない
病気の予防や健康増進を目的とした費用は、医療費として合算できません。
インフルエンザなどの予防接種費用や、病気の発見を目的とした人間ドックや健康診断の費用も、原則として医療費控除の対象外となります。
美容整形や、容姿を美化するための歯列矯正費用も含まれないため、注意が必要です。
ただし、健康診断の結果として重大な疾病が見つかり、引き続き治療を受ける場合は、健康診断にかかった費用も控除対象に含めることができます。
目的が治療であるかどうかを基準に判断すると良いでしょう。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年4月1日―2026年4月30日)
市販薬のみなら「セルフメディケーション税制」の活用を検討する
医療機関での治療費が10万円に達していなくても、市販薬の購入費用が多い場合は別の控除制度が利用できます。
セルフメディケーション税制の仕組みと注意点を解説します。
特定の市販薬を年間1万2000円以上購入していれば対象になる
セルフメディケーション税制は、特定の医薬品購入額が年間1万2000円を超えた場合、超過分(上限8万8000円)が所得控除の対象となる制度です。
対象となる医薬品は、スイッチOTC医薬品と呼ばれる特定の成分を含む市販薬であり、パッケージに識別マークが記載されています。
ドラッグストアで購入できる風邪薬や鎮痛剤、胃腸薬などが該当します。
また、利用するには申告者が健康診断や予防接種など、健康の維持増進の取り組みを行っている必要があります。
市販薬のレシートを保管し、対象医薬品が含まれているか確認してみましょう。
(参考:No.1129 特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)【セルフメディケーション税制】|国税庁)
【注意】医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できない
通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は、同じ年に両方同時に利用することはできません。
申告者は、自分に有利な制度のどちらかを選択する必要があります。
総所得金額や支払った医療費、購入した市販薬の金額をそれぞれ計算し、控除額が大きくなる制度を選んで申告しましょう。
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計算時の落とし穴。受け取った「生命保険金」などは差し引く
公的医療保険を利用して還付金を受け取ったり、民間の医療保険等で給付金を受け取った場合、支払った医療費から差し引いて申告する必要があります。
ここからは、給付金や補填金に関する計算上の注意点を解説します。
入院給付金や高額療養費、出産育児一時金で補填された分は対象外
医療費を支払った場合でも、健康保険や民間の医療保険から給付金を受け取った場合は、医療費の合計額から差し引く必要があります。
医療費から差し引く必要がある代表的な例
【民間の医療保険等】
入院給付金や手術給付金
【健康保険】
高額療養費
家族療養費
出産育児一時金
給付金を受け取った場合は、該当する治療費から金額をマイナスして計算しましょう。
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引ききれない補填金は、他の病気の医療費からは差し引かない
受け取った給付金が、特定の病気やケガで支払った医療費よりも多い場合、引ききれない超過分の金額が生じます。
超過分の給付金は、別の病気やケガでかかった医療費から差し引く必要はありません。
給付金の差し引きは、給付の目的となった医療費の金額を限度として計算します。
計算時には、病気やケガごとに支払った医療費と受け取った給付金を分けて整理すると、正確な控除額を算出できます。

Q1
入院時の費用は?
10万円以下の控除でいくら戻る?還付金の目安と保険の見直し
医療費控除を受けられた場合、実際にいくら税金が戻ってくるのかは気になるところです。
還付金の計算方法と、家計における医療費負担の見直し方法をお伝えします。
還付される金額は「控除額×自分の所得税率」で決まる(計算例)
医療費控除による還付金は、控除額に自身の所得税率を掛けて計算します。
たとえば、課税される所得金額が300万円(所得税率10%)の人で、医療費控除額が3万円だった場合、還付される所得税は3000円となります。
また、翌年の住民税も安くなる効果があり、住民税の税率は一律10%のため、住民税分として3000円の負担が軽減されます。
所得税率が高い人ほど、戻ってくる金額も大きくなります。
国税庁のウェブサイトなどで自身の所得税率を確認し、おおよその還付金を計算してみましょう。
手間と還付金が見合わない?負担が不安なら保険と貯蓄のバランスを確認
計算の結果、戻ってくる税金が数百円程度にしかならない場合、領収書の整理や確定申告の手間と見合わないと感じる人もいます。
申告の労力と還付金を比較して、申告するかどうかを判断することも選択肢のひとつです。
また、医療費の自己負担額が継続的に家計を圧迫している場合は、貯蓄でまかなうのか、民間の医療保険で備えるのか、バランスを見直す時期といえます。
ただし、継続的に治療を受けていると民間の医療保険の加入審査に通らないこともあります。
大きな病気に罹患する前に、もしものときの備えを検討しておきましょう。
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今の家計に合った、無理のない医療保険をシミュレーションする
医療費の支払いを負担に感じる場合は、今の収入や家族構成に適した民間の医療保険を検討してみましょう。
掛け捨ての医療保険であれば、手頃な保険料で入院や手術のリスクに備えることができます。
もしものときに給付金を受け取れるように備えておくと、医療費による家計への影響を抑えることが可能です。
ただし、持病の種類や治療状況によっては、一般的な医療保険の加入審査に落ちてしまうこともあります。
その際は、持病がある人でも加入しやすい「引受基準緩和型保険」が選択肢となります。
「引受基準緩和型保険」は、通常の保険に比べて保険料が割高に設定されているなどの特徴があるため、内容をよく確認することが大切です。
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スマホで簡単!医療費控除の確定申告のやり方と必要書類
確定申告の手続きは、スマートフォンを利用することで自宅から簡単に行うことができます。
ここからは、スマホで確定申告する際の必要書類と、手続きの流れを解説します。
用意するもの(源泉徴収票、マイナンバーカード、医療費の明細等)
スマートフォンで確定申告を行うためには、給与所得の源泉徴収票、マイナンバーカード、医療費の領収書や明細書が必要です。
マイナンバーカードを読み取るため、対応したスマートフォンとマイナポータルアプリを準備しましょう。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、画面の案内に従って源泉徴収票の金額や医療費の合計額を入力します。
事前に医療を受けた人や病院ごとに集計し、「医療費控除の明細書」を作成しておくと入力作業がスムーズに進みます。
(参考:スマホで確定申告(マイナポータル連携)|国税庁)
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領収書の提出は不要だが、自宅で5年間保管する義務がある
確定申告の際、医療費の領収書を税務署へ提出する必要はありません。
作成した「医療費控除の明細書」を申告書に添付して提出します。
ただし、申告内容の確認のために税務署から提示を求められる場合があるため、領収書は確定申告期限の翌日から5年間、自宅で保管する義務があります。
申告が終わったあとも、領収書は捨てずに大切に保管しましょう。
10万円以下の医療費控除に関するよくある質問
医療費控除に関する手続きや期限について、よくある疑問と回答をまとめました。
Q. 会社員の場合、医療費控除は年末調整で手続きできますか。
A. 会社員が行う年末調整では、医療費控除の手続きを行うことはできません。
年末調整の対象となる控除は、生命保険料控除や地震保険料控除などに限られています。
医療費控除の適用を受けるためには、会社員であっても個人で確定申告を行う必要があります。
源泉徴収票を受け取ったあと、翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告の手続きを進めましょう。
Q. 過去の医療費が10万円以下でも、さかのぼって申告できますか。
A. 過去の年において、総所得金額200万円未満の特例などに該当し、医療費控除の対象になっていたにもかかわらず申告を忘れていた場合、過去にさかのぼって還付申告を行うことができます。
還付申告は、申告対象となる年の翌年1月1日から5年間行うことが可能です。
過去5年分の領収書が手元に残っている場合は、当時の源泉徴収票とあわせて計算し、対象となる年の申告手続きを行いましょう。
(参考:No.2030 還付申告|国税庁)
まとめ
年間で支払った医療費が10万円以下でも、いくつかの要件を満たすことで控除を受けられる場合があります。
医療費の負担が気になる人は、民間の医療保険でもしもに備えることを検討してみましょう。
自分に合った保険を選ぶことで、急な出費による家計への影響を抑えることができます。
ほけんのコスパでは、年齢と性別を入力するだけで簡単に複数社の医療保険の見積もりが可能です。
ぜひ、保険選びの参考にしてください。
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