「病気になったら医療費はどれくらいかかる?」「老後の生活は大丈夫?」と漠然とした不安を抱えていませんか?
医療技術の進歩や高齢化の影響で、医療費は今後も増加が見込まれており、公的な医療保険制度だけではカバーしきれない場面も増えています。
本記事では、医療費高騰の背景や公的制度の限界、そして貯蓄や民間保険を組み合わせた具体的な備え方まで詳しくご紹介します。
将来の医療費への備えに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
少子高齢化と医療技術の進歩により医療費の高騰が進んでいる
医療費の高騰によって公的保障が変更され自己負担が増える恐れも
貯蓄だけでまかなえない高額な医療費負担には民間の医療保険がおすすめ
目次
7.まとめ
なぜ「医療費高騰」が叫ばれているのか?現状と将来予測
医療費の高騰は、主に「少子高齢化」と「医療技術の進歩」という2つの要因が関係しています。
現在の状況が続けば、国の医療財政はさらに厳しくなり、結果として私たちが支払う窓口負担の割合や、毎月の健康保険料が引き上げられる可能性があります。
少子高齢化と医療技術の進歩によるコスト増
直近の統計データを見ると、実は医療費の伸び率は急激な物価上昇率よりもわずかに低い水準です。
しかし、これをもって安心はできません。
物価高が一過性の要因を含むのに対し、医療費の高騰は高齢化や医療技術の進歩という構造的な要因で、今後も長期的に続くと予測されているためです。
少子高齢化の影響で65歳以上の人口が増加し、慢性疾患の治療や長期療養を必要とする人が増えることで、医療サービスの需要全体が拡大しています。
「令和5(2023)年度 国民医療費の概況」によると、75歳以上の後期高齢者が使う医療費は、国民医療費全体の約39.8%を占めています。
また、がん治療における高額な新薬や再生医療など、これまで治療が難しかった病気に対する先進的な治療法が次々と登場しています。
高い効果が期待できる一方、開発コストによって薬価も高額になるため、医療費全体を押し上げる一因となっています。
公的制度だけに頼らず、自分自身でどう備えるかが問われています。
インフレによる貨幣価値の変動も考慮しつつ、早いうちから民間の保険などを活用し、経済的な安心を確保しておくことが大切です。
(参考:令和5(2023)年度国民医療費の概況|厚生労働省)
私たちの負担は増える?「窓口負担」と「保険料」のWパンチ
国民医療費の増加は、国の財政を圧迫し、健康保険制度の維持にも影響します。
結果、「窓口負担の引き上げ」や「健康保険料の増加」を招く可能性があります。
現在、病院の窓口で支払う自己負担の割合は、原則1~3割ですが、今後の財政によってはこの割合が引き上げられる可能性もあります。
また、1カ月の医療費負担に上限を設ける「高額療養費制度」の上限額引き上げは、実際に現在議論が進められています。(2026年1月現在)
加えて、毎月の給与から天引きされる「健康保険料」も増加する可能性があります。
国の医療費が増えれば、それを支える保険料も引き上げざるを得なくなります。
所得が低い人ほど、保険料の負担率が重くなるという構造的な課題もあり、家計への影響は少なくありません。
将来起こる可能性がある、医療費負担と保険料負担の増加に、早い段階で備えておくことが必要です。
(参考:高額療養費制度の見直しについて|厚生労働省)
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「公的医療保険制度」の仕組みと注意点
日本の公的医療保険は、世界的に見ても非常に充実した制度です。
特に「高額療養費制度」は、入院や手術、がん治療など医療費が高額になる事態に備えられる心強い仕組みです。
ただし、この制度は万能ではありません。具体的な仕組みと注意点について見ていきましょう。
医療費の防波堤「高額療養費制度」の仕組み
高額療養費制度とは、1カ月にかかった医療費の自己負担額が、所得に応じて定められた上限額を超えた場合に、その超過分が払い戻される公的医療保険の制度です。
現役世代の場合の上限額は、次のとおりです。
例えば、年収約370万~770万円の人が、1カ月の総医療費100万円(自己負担3割で30万円)の治療を受けた場合、高額療養費制度を利用すると約9万円前後の負担まで抑えることができます。
さらに、直近12カ月以内に3回以上この制度を利用した場合、4回目からは上限額がさらに引き下げられる「多数回該当」という仕組みもあります。
事前に「限度額適用認定証」を健康保険に申請し、医療機関の窓口で提示すれば、支払いを最初から自己負担限度額までに抑えることも可能です。
またマイナ保険証を利用することで、申請不要で同様の扱いを受けることができます。
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公的医療保険が使えない「3つの隠れコスト」
高額療養費制度は心強いセーフティーネットですが、医療にかかるすべての費用をカバーできるわけではありません。
公的医療保険の対象外となる、次の「3つの隠れコスト」に注意が必要です。
- 差額ベッド代
- 入院時の食事代・雑費
- 先進医療・自由診療にかかる費用
入院時、希望して個室や少人数の病室を利用した場合は差額ベッド代が1日ごとにかかります。
公的医療保険は適用されないため、全額自己負担が必要です。
その他、食事代や雑費も別途負担が必要なため、「高額療養費の上限額しかかからない」と思っていると予想外の出費に驚くかもしれません。
また、厚生労働大臣が定める先進的な医療技術(先進医療)や、保険適用が承認されていない治療(自由診療)にかかる費用は、公的保険の対象外です。
治療を受けるには数百万円以上の負担が必要なケースもあるため、民間の保険などで別途備えておく必要があります。
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高額療養費制度の「自己負担限度額」は引き上げられる可能性がある
現在、私たちの医療費負担を大きく軽減してくれている高額療養費制度ですが、将来も同様の制度が継続される保障はありません。
国の医療費が増え続ける中で、制度を維持するために、政府の審議会では継続的に見直しが議論されています。
今後、自己負担限度額そのものが引き上げられ、医療費負担が増加する可能性もあります。
「公的制度があるから大丈夫」と安心するのではなく、将来のリスクも念頭に置いたうえで、自助努力による備えをしておくことが大切です。
(参考:高額療養費制度の見直しについて|厚生労働省)

Q1
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インフレ時代に「現金(貯蓄)」だけで備えるリスク
「いざという時のために貯蓄を」と考えるのは基本ですが、現在のインフレ環境下では、現金だけで医療費に備えることにはリスクが伴います。
インフレ時代のリスクについて考えてみましょう。
医療費のインフレ率は物価上昇率より高い?
一般的に「医療費」は、技術の高度化や高齢化により物価以上に「高騰」しやすい傾向があります。
実際、厚生労働省の資料(令和5年度)を見ても、人口1人あたりの医療費は前年比で約3.5%増加しており、当時の高い物価上昇率(約3.1%)をも上回るペースでした。
ここで問題となるのが、預貯金の金利がこの上昇率に追いついていない点です。現在の100万円で受けられる治療が、将来は同額で受けられなくなる「医療費インフレ」のリスクが現実に迫っています。
現金のみに頼らず、インフレリスクに強い「保険」などで「どう備える」か、資産価値を守る長期的な対策が急務です。
(参考:令和5(2023)年度国民医療費の概況|厚生労働省)
(参考:2023年(令和5年)平均消費者物価指数の動向|政府統計の総合窓口(e-Stat))
参考)国民医療費の推移
厚生労働省の発表によると、日本の国民医療費は年々増加傾向にあります。
令和5年度の概算医療費は約48兆円と、前年度から約3%増加しました。
平成5年(1993年)の医療費は24兆円で、約30年で医療費が倍に膨れ上がっていることが分かります。
医療費増加の原因は、少子高齢化と医療技術の高度化にあるとされています。
医療費は社会全体のコストとして着実に増加しており、個人で備えておくことの重要性が高まっています。
(参考:令和5(2023)年度国民医療費の概況|厚生労働省)
貯蓄を取り崩すことによる「老後資金ショート」の懸念
もしものときの医療費をすべて貯蓄でまかなおうとすると、想定外の大きな支出が老後資金計画を狂わせるリスクがあります。
例えば、がんなどの大きな病気にかかり、治療が長期化した場合、数百万円単位の支出が必要になることも少なくありません。
将来のために準備してきた貯蓄を治療費のために取り崩すと、老後の生活資金が大幅に目減りしてしまいます。
理想のセカンドライフのために貯めていたお金を治療に費やすことになるのは、避けたいものです。
資産形成は重要ですが、あくまでも生活を守るための基盤として捉え、大きな病気など予測困難なリスクに対しては貯蓄を「守る」ための別の手段を組み合わせると良いでしょう。
あなたに必要な1日の入院給付金は?
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公的保障=高額療養費制度が適用される金額
公的保障の高額療養費制度を利用する場合の1カ月の医療費負担上限額は、年齢と年収によって算出することができます
あなたの年齢を教えてください
あなたの年収帯を教えてください
100万円の医療費がかかった場合
自己負担額
0円
※百円単位で四捨五入
医療費高騰に備える3ステップ
医療費の高騰やインフレ、公的制度が変更されるリスクに備えるためには、ひとつの方法に頼るのではなく、複数の手段を組み合わせた「ハイブリッドな備え」がおすすめです。
具体的な備え方について見ていきましょう。
ステップ①貯蓄でカバーする範囲(短期リスク)を決める
まず基本となるのが、すぐに使える現金、つまり貯蓄です。
突発的な病気やケガで医療費が必要になった際に使える「緊急資金」として、ある程度貯蓄を確保しておきましょう。
短期間の入院で予後も順調であれば、医療費は数万円~十数万円で済むケースも多いです。
生活費の3〜6カ月分を目安として現金を確保しておけば、多少の医療費負担であれば自己資金でまかなうことができるでしょう。
どの程度貯蓄で対応すると割り切るかを決めておくことが大切です。
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ステップ②民間保険でカバーする範囲(高額リスク)を決める
発生確率は低いものの、貯蓄だけでは対応が難しい、一度起こると経済的なダメージが大きいリスクに備えられるのが民間の保険です。
次のようなリスクには、民間の医療やがん保険でカバーしておくのが良いでしょう。
- がん治療など、長期化・高額化しやすい病気の治療費
- 数百万円以上かかることもある、先進医療の技術料
- 長期の休業を余儀なくされた場合の、大幅な収入減少
まとまった医療費が必要になったり、長期間仕事を休むことで収入が減少したりすると、老後資金に大きな影響を与えてしまう可能性があります。
毎月一定の保険料を支払うことで、万が一の際に大きな保障を得られる保険は、いざというときのための大切な備えです。
貯蓄でカバーできる範囲と、保険でカバーしておくべき範囲を整理しておくことで、無駄のない保険選びが可能になります。

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ステップ③資産形成(NISA・iDeCo)で老後資金をつくる
最後のステップとして、長期的な視点で老後資金そのものを増やすことを検討しましょう。
NISAやiDecoなどの税制優遇がある制度を活用して、資産運用に取り組むのもひとつの選択肢です。
投資信託はインフレリスクに強い資産とされており、今後の物価上昇にも対応できる可能性があります。
ただし、投資には元本保証がありません。
病気やケガなど予測できない事態に直面したとき、運用成果が悪く元本割れしている可能性もゼロではありません。
そのため、あくまでも資産運用は「老後資金」など将来に向けた資産形成として捉えておくのが良いでしょう。
いつ起こるかわからない出来事に備えるには、貯蓄や民間の保険が有効です。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年1月1日―2026年1月31日)
効率的に備える医療保険の選び方
医療保険を検討する際は、公的保障や現在の医療事情も加味して、無駄なく保障を選ぶことが大切です。
ここからは、効率的な医療保険の選び方をご紹介します。
「入院日額」よりも「一時金タイプ」が現代向きな理由
従来の医療保険は、入院1日あたり5000円や1万円が支払われる「入院日額」タイプが主流でした。
しかし、近年は医療技術の進歩や国の政策により、入院日数は短期化し、手術も日帰りや1泊2日で実施されるケースが増えています。
また、かつては入院が必須だった抗がん剤治療なども、現在では外来(通院)で行うのが一般的です。
入院日数が短いと、入院日額保障では十分な給付金を受け取れない可能性があります。
そのため最近では、日額保障に「一時金特約」を組み合わせたプランが主流となっています。
一時金特約とは、入院日数にかかわらず入院1回に対してまとまった一時金が支払われる保障のことです。
短期入院でも給付金を確保できる点がメリットです。
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参考)平均入院日数
厚生労働省の調査によると、令和5年の平均在院日数は28.4日となっています。
ただしこの日数は精神疾患や脳血管疾患など、比較的入院が長くなる病気も含めた総数です。
疾病別に見てみると、がん(悪性新生物)で平均14.4日、心疾患で18.3日となっており、2週間前後で退院することも珍しくありません。
かつては数週間単位の入院が当たり前だった病気でも、現在では医療技術の進歩により数日〜1週間程度で退院できるケースも増えています。
医療保険を検討する際は、短期入院にも備えられるようなプランを検討しておくことが大切です。
(参考:令和5年 患者調査|厚生労働省)
「先進医療特約」は必須
先進医療とは、公的医療保険の適用には至らないものの、将来的な保険導入が期待される高度な医療技術のことです。
先進医療にかかる技術料は全額自己負担となり、治療法によっては数百万円以上にのぼることもあります。
一般的な家庭の場合、先進医療にかかる費用をすべて貯蓄でまかなうのは困難でしょう。
そこで検討したいのが、医療保険やがん保険に付加できる「先進医療特約」です。
月々数十円~数百円程度の保険料で、高額な先進医療の技術料を実費で保障してくれます。
一般的な医療保険の場合は通算で2000万円まで保障されるため、費用を気にせず治療に臨むことができます。
利用する頻度は高くないかもしれませんが、万が一の際に経済的な理由で治療の選択肢を狭めないために必ず付加しておきたい特約のひとつです。
ただし、先進医療特約は実費で支払われるため、複数の保険に特約を付加していても意味がありません。保障の重複がないように注意しましょう。

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昔の「お宝保険」は見直しが必要?
バブル期など、予定利率が高かった時代に契約した貯蓄性のある保険は「お宝保険」と呼ばれ、解約しない方が有利な場合があります。
しかし、こと医療保障に関しては、古い保険が必ずしも最適とは限りません。
医療技術は日進月歩であり、昔の保険では現在の治療法に対応できないケースがあります。
特に、短期入院や通院治療をカバーできているかは注意が必要です。
保険に加入してから3年以上経過している場合、同程度の保障内容でより保険料が安く、保障範囲が広い新しい商品が登場している可能性もあります。
「お宝保険だから」とそのままにするのではなく、保障内容が現在の医療実態に合っているかを確認し、必要に応じて見直しを検討しましょう。
医療費と保険の備えに関するよくある質問
ここからは、医療保険の備えに関するよくある質問に、保険のプロがわかりやすく回答します。
Q. 結局、貯金がいくらあれば医療保険はいらない?
A.明確な基準はありませんが、高額な先進医療費や長期の収入減をまかなえる数百万円以上の余裕資金が目安です
医療保険が不要かどうかは、個人個人の経済状況や家族構成、考え方によって大きく異なります。
最低限生活費の3~6カ月分の貯蓄を確保した上で、長期療養によるリスクに備えるために月々一定額を支払って保険に加入するのが合理的な場合もあります。
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Q. 「医療費控除」と「高額療養費制度」の違いは?
A.どちらも併用できる制度ですが、目的と管轄が異なります
高額療養費制度は、月の医療費自己負担を一定額に抑える「健康保険の制度」です。
一方、医療費控除は、年間の医療費が10万円(または所得の5%)を超えた場合に、所得税・住民税が軽減される「税金の制度」です。
高額療養費制度を利用したうえで年間の医療費が10万円を超えた場合には、医療費控除で税の軽減措置を受けることができます。
医療費控除の申請の際は、高額療養費で補填された額を差し引き、実質負担で申請する必要があるため注意しましょう。
Q. インフレで昔入った保険が役に立たなくなるって本当?
A.場合によっては保障が不十分になることもあります
インフレで医療費が上昇すると、加入時に設定した「入院日額5000円」などの定額保障の実質的な価値が目減りします。
そのため、「いざというときに保険だけでは足りなかった」という事態に陥る可能性があるでしょう。
保障内容が現在の医療水準に合っているか、定期的な見直しが必要です。
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公的保障=高額療養費制度が適用される金額
公的保障の高額療養費制度を利用する場合の1カ月の医療費負担上限額は、年齢と年収によって算出することができます
あなたの年齢を教えてください
あなたの年収帯を教えてください
100万円の医療費がかかった場合
自己負担額
0円
※百円単位で四捨五入
まとめ
今回は、医療費の高騰に対してどう備えるか、詳しく解説してきました。
少子高齢化が進む現在、医療費の高騰は避けられない課題です。
高額療養費制度など、医療費負担を抑える公的制度はありますが、それだけですべての医療費をまかなうことは難しく、ある程度の自助努力が必要です。
長期の療養に備えるためにも、現金での預金を確保したうえで、民間の医療保険やがん保険で最低限の備えを準備しておくことがおすすめです。
ほけんのコスパでは、保険料を抑えて効率よく病気やケガに備えられる医療保険を複数掲載しています。
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保険選びに迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
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