「50代女性が備えるべきリスクは?」「50代独身女性はどんな医療保険に加入している?」と保険の必要性について考える人は少なくありません。
50代は女性特有のがんをはじめ、病気にかかるリスクが高い年代です。また、50代女性はすでに医療保険に加入している人も多いでしょう。
すでに医療保険に加入している場合でも、ライフステージの変化に伴い、保険の見直しが必要になります。
この記事では、50代女性に必要な保障や医療保険選び方、見直しのポイントをプロの視点からわかりやすく解説します。
この記事を読んでわかること
50代は女性特有のがんの発症リスクが高い年代
持病や既往症があると医療保険に入りづらくなる
保険に加入してから3年以上経過している人は保険の見直しがおすすめ
目次
医療保険選びでおさえたい50代女性のリスク
50代女性が医療保険で備えるべきリスクについて解説します。
女性特有のがんの発症リスクが最も高くなる年代
女性特有のがんの発症リスクは、30代後半以降上昇します。
30代後半以降に発症リスクが高まる理由として、ホルモンバランスの乱れや変化が挙げられます。
年齢が高まるにつれて女性特有のがんで最も発症リスクと罹患数が多いとされるのが、乳房のがんです。乳がんの年代別罹患者数を見ると、30代後半で2451件に対して、40代後半は1万471件と4倍以上になっています。
乳房のがんに次に罹患者が多いのが、子宮のがんです。
特に50代は閉経を迎える可能性がある年齢で、ホルモンバランスが変化しやすく、子宮体がんを発症しやすくなるといわれています。
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持病や既往症があると医療保険に入りづらくなる
生命保険はいつでも、誰でも入れるものではありません。
加入する際には、健康状態の告知をする必要があります。
保険会社は契約者の公平性を保つために、健康告知で加入の判断をしていきます。
具体的には、直近の通院歴だけでなく、過去5年以内の症病歴や健康診断の結果についても確認します。
持病や既往歴があったとしても、一概に入れないわけではなく、特別な条件をつけて加入できるケースもあります。
また、持病や既往歴がある方に向けて、健康告知の確認内容が少ない、緩和型医療保険もあります。
しかし、通常の医療保険と比べ、リスクが高い人に向けた保険のため、保険料が高く設定されています。
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子どもの教育費、住宅ローンの返済など支出が多くなる
50代は、子どもの教育費や住宅ローンの返済などで支出が増える世代でもあります。
老後に向けての資産形成をしていく必要もあるでしょう。
住宅、教育、老後は人生三大資金といわれ、支出が特に多くなります。
特に近年は、不動産価格の高騰によるものや、住宅ローン金利の引き上げにより、住宅にかかる支出が大きくなりました。
また、子どもがいる家庭の場合、大学進学に特に大きな費用がかかります。
教育ローンや奨学金を利用する人も少なくありませんが、貸与額や返済期間によっては将来の返済額が多くなってしまうこともあります。
何かと支出が増える50代は、万が一大きな病気に罹患すると治療費の負担が家計を圧迫してしまうリスクも抱えています。
老後の医療費や介護費用への不安が高まる
病気や介護のリスクは高齢になるにつれ高まります。病気やケガで「長期の入院で医療費がかさむ」ことに対して不安に感じている人が多いようです。
介護については「家族の肉体的・精神的負担」に対して不安に感じている人が多くいます。いずれの不安も「公的保障ではまかなえない」ということに対する不安が起因しています。
不安がある一方で、自助努力での経済的準備がなかなか進んでいない人も多いかもしれません。
近年、少子高齢化が進む中で、公的保障については国会で改定が議論されています。
公的保障への期待ができず、民間の保険で経済的に準備しておく必要性を感じている人も増えています。
公的保障やニーズの多様化に伴い、保険商品の改定が頻繁に行われている為、最新の保障は確認しておくとよいでしょう。
50代の医療保険の保険料は?

医療保険の必要性が高い人
- 預貯金が十分でない人
- 進学を控えている子どもがいる人
日本は皆保険制度をとっていることから、誰しもが何かしらの公的保障に加入しています。
そのため、健康保険証を提示すれば医療費が抑えられることに加え、万が一の時には家族がいる家庭へ、生活費を補助する仕組みもあります。
しかし、公的保障も万全ではなく、健康保険対象外の治療や食事代、差額ベット代は自己負担が必要です。
公的保障は治療費負担を抑える仕組みのため、自己負担が必ず発生します。
預貯金が十分に準備できていない人や子どもがいる家庭は、保険で備えておく必要があります。
預貯金が少ない中で、病気やケガをしてしまうと、医療費の支払いに苦労することになります。支出が増える子どもの進学タイミングで預貯金が減ってしまうと、金銭的にも精神的にも負担が大きいでしょう。
今後のライフイベントを想定して、保険での備えが必要かどうかを検討することが大切です。
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保険の必要性が低い人
- 預貯金が十分にある人
一般的に預貯金や金融資産が十分に確保できている人は、医療保険の必要性を感じていない人が多いでしょう。
また、日本は皆保険制度をとっていることから、他国と比べて公的保障が充実しています。
しかし、大病した場合は治療が長期的に継続するため、支出が大きくなります。
その代表的な病気ががんです。
健康保険の対象の治療であれば、自己負担が抑えられますが、治療によっては自由診療や先進医療といった、全額自己負担のものもあります。
預貯金や金融資産の資金確保の目的は、人によってさまざまですが、病気やケガのために、大きく取り崩すことがないように自身の状況にあった保障選びは必要でしょう。
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50代女性の医療保険の選び方【基本編】
ここからは、50代の女性向けに医療保険の基本的な選び方を解説します。
1.入院時・手術時の保障を決める
医療保険を検討するときに、はじめに考えるのは日額をいくらで設定するかです。
保険会社のパンフレットや保険料の一覧資料に載っているのは、参考としてほとんどが日額5000円と1万円です。
日額の金額は保険料に大きく影響するため、自身の所得や資産状況に合わせた設定が必要になります。
日額の設定は、入院の平均日数や高額療養費制度の自己負担額を確認して参考にすると決めやすいでしょう。
近年の入院は短期化傾向にあるため、過剰に日額保障を備えるのではなく、一時金特約を付けることにより日額保障とバランスよく備えられます。
保険会社により、年代別、男女別で保険料が異なるため、比較検討することも大切です。
あなたに必要な1日の入院給付金は?
入院日額シミュレーター
入院時の費用と想定の入院日数で算出できます
公的保障=高額療養費制度が適用される金額
公的保障の高額療養費制度を利用する場合の1カ月の医療費負担上限額は、年齢と年収によって算出することができます
あなたの年齢を教えてください
あなたの年収帯を教えてください
100万円の医療費がかかった場合
自己負担額
0円
※百円単位で四捨五入
医療保険でもらえる主な給付金
医療保険でもらえる主な給付金は、病気やケガの入院時に1日あたり受け取れる日額保障と、手術をした場合の手術給付金です。
手術給付金は入院中の手術か日帰りの手術かによって受け取れる金額が異なることがあります。
また、手術給付金はすべての治療に対して払われるものではありません。
縫合などの処置に対するものは対象外となっているため、注意が必要です。
医療保険の保障範囲は基本的に健康保険対象の治療に限るため、自由診療は対象外となることにも注意が必要です。
医療保険で受け取る給付金は原則として非課税となります。
2.他の保障を付加するか決める
特約を付加することで、治療費の保障を手厚くすることができます。
主な特約の保障としては、次の通りです。
- 入院時にまとめて給付を受け取ることができる入院一時金
- 通院時の日額保障や一時金
- 特定疾病の長期治療に備えられる保障
- 先進医療を受ける際にかかった治療費を保障するもの
- 女性特有の病気に手厚く保障する女性疾病保障
新しい医療保険では、現代の治療法に応じて保険商品の特約のバリエーションが豊富に用意されています。
自身が心配している病気に合わせて特約で手厚くすると良いでしょう。

Q1
性別をお伺いします
3.保険期間・保険料払込期間を決める
保険期間は「定期タイプ」と「終身タイプ」に分かれます。
定期タイプは保障する期間をあらかじめ設定し、期間が満了したら更新して継続できるものと、期間満了時に保障が終了するものがあります。
更新して保障が継続できるものは、更新時の年齢で保険料が再計算されるため、保険料があがります。
終身タイプは期間の定めがなく、解約をしない限り一生涯保障を続けることができます。
保険料を抑えて、ある一定の年齢までの保障を持ちたい場合は定期タイプ、老後の保障まで一生涯保障を検討する場合は終身タイプを選ぶと良いでしょう。
保険料を払う期間は契約時のみ設定することが可能です。
具体的には「短期」で払い込む方法と「終身」で払い続ける方法があります。
老後の保険料支払いをなくしたい場合は、短期払が良いでしょう。
できるだけ毎月の保険料を抑えたい場合は、終身払を検討しましょう。
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50代女性が備えたいリスク【ケース別】
同じ50代女性であっても、家族構成やライフステージなどによって必要な保障は異なります。
ここからは、50代女性が備えたいリスクについて、生命保険のプロが解説します。
独身の場合
独身で働き盛りの場合、考えておきたいのが、病気やケガで働けなくなったときの「収入の減少」です。
特に「がん」については治療が長引く傾向にあるため、治療費と併せて、働けなくなったときの収入の補填を考えておく必要があります。
近年の医療保険では、がんに備える特約の種類が複数あります。
特約の保障内容と併せて確認しておきたいのが、給付金の受け取り回数と条件です。
給付金が1回切りではなく、複数回受け取れるものであれば、がんの再発や転移に備えることができます。
給付金を複数回受け取れる場合は、2回目以降の受取り要件がどうなっているのか確認しましょう。
特約の保障額は、治療費のみをまかなえれば良いか、働けなくなったときの収入減少分も考慮するかによって保険料に影響します。
自身が心配している病気と資産や収入状況に併せて設定金額を考慮する必要があります。
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子どもが独立している場合
保障はライフスタイルやライフサイクルの状況変化に応じて見直していく必要があります。
子どもの独立は、保険を見直すタイミングのひとつです。
子どもが小さいうちは、万一の死亡保障の必要性が高く、病気になったときの医療費負担で貯蓄を取り崩すことがないように、医療保障やがん保障も検討しておく必要があります。
しかし、子どもが独立後は大きな死亡保障の必要性は低くなります。
一方、病気のリスクは年齢を重ねるほど高くなります。老後の限られた年金収入では医療費の支払が負担になることも考えられます。
老後、安心して治療に向き合えるよう最低限の医療保険は確保しておくのが良いでしょう。
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子どもの進学が控えている場合
ライフステージによって、生命保険で備えておくべきリスクや、必要な保障額は変わります。
子どもが誕生したときや進学を控えているタイミングでは、死亡保障の必要性が高くなります。
保険料を抑えて比較的大きな死亡保障を準備できる定期保険で、万が一に備えておくのが一般的です。亡くなったときだけでなく、生存中に病気で入院したときの保障も大切になります。
自身の病気やケガの治療費で、教育費で準備していた資産から大きく取り崩すことがないようにしておくと良いでしょう。
生命保険の保障額を考える際は、国が保障する公的保障も合わせて確認しておく必要があります。
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50代の女性が生命保険に加入するときの注意点
50代の女性が生命保険に加入するときの注意点について紹介します。
健康状態によっては保険に加入できない場合がある
保険加入を検討する際に重要なのが「健康状態」です。
契約者同士の公平性を保つために、保険に加入する際は健康状態と職業についてありのままを告知する必要があります。
健康状態は過去5年以内の入院や手術、直近3カ月以内の通院歴、健康診断の指摘内容について告知をしていきます。
告知した内容によっては、保険に加入できる場合とできない場合、加入できたとしても、特定の部位は一定期間保障しないなど、特別な条件をつけて加入できる場合があります。
保険の加入審査に落ちてしまったり、特別条件の内容に納得できない場合は、持病がある方向けの引受基準緩和型保険を検討するのがおすすめです。
引受基準緩和型の医療保険で探してみる

50代は生命保険の見直しも検討する
50代の場合、すでに医療保険をはじめ、生命保険に加入している人も多いでしょう。
必要な保障はライフステージによって変わってきます。
一度加入した生命保険も定期的に見直すようにして、自分に合った保障、時代に合った保障にしておきましょう。
生命保険を見直すことによって、同様の保障内容でも、今より保険料が抑えられることもあります。
加入している保険について3年以上経過している場合は、一度保障内容を確認してみると良いでしょう。
50代で生命保険の見直しが必要な人の特徴
50代向けに生命保険の見直しが必要な人の特徴を解説します。
子どもが独立した人
ライフステージによって、必要な保障は異なります。
一般的に子どもが独立したあとの死亡保障額はかけすぎる必要はないといわれています。
子どもの独立時は自身の加入している保障額や内容の見直しを検討するタイミングになります。
保障額を見直すことにより、保険料の節約にも繋がる可能性があります。
また、老後の医療保障については大きく見直す必要はありませんが、一般的に高齢になるにつれて、病気のリスクが上がります。
特定の病気を手厚くすることなどを検討しても良いでしょう。
保険に加入してから3年以上経過している人
保険商品は、その時代の治療法や公的保障の見直しに応じて保険商品の刷新や特約と保険料率の改定が行われます。
3年以上前に加入した保険の場合、医療や特定疾病の保障は、給付の要件が緩和されたり、年齢が上がっても見直しにより保険料が抑えられる可能性があります。
死亡保障については平均寿命が伸びたことにより、定期保険を中心に保険料率の改定が行われたことや、喫煙状況や健康状態によっては割引が使えるため、結果的に保険料を節約できる可能性もあります。
健康状態によっては、新たに保険加入することが難しい場合があるため、定期的に検討すると良いでしょう。
当サイトにおける申込URLクリック数順(2025年3月1日-2025年3月31日)
50代の保険の見直し方
すでに生命保険に加入している50代女性向けに、保険の見直し方について解説します。
死亡保険
保険は何のために備えるかの「目的」を決めることが重要です。
例えば、子どもがいる家庭では、世帯主に万が一のことがあったときに、生活費と教育費を目的として備える場合があります。
一般的には少ない掛け金で大きな保障を備えることができる、定期保険で備える人が多いです。
保険金額の設定は、遺族年金の公的保障額と合わせて、万が一のことがあったときの生活費として考えます。
それ以外の目的としては、死亡整理資金が挙げられます。
一般的には、万が一のことがあったときの葬式代や整理資金のために一生涯の終身保障で備えます。
終身タイプの死亡保障は、解約した場合に戻ってくるお金があるため、貯蓄も兼ねて加入する人も多くいます。
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医療保険・がん保険
現代の医療保険の多くは、女性特有の病気になったときに手厚くできるように特約が準備されています。
女性特有の病気で特に長期的な治療と大きな費用がかかるのが「がん」です。
医療保険で女性特約を付加しておくことで、入院日額や手術給付金額が上乗せで保障されます。
女性特有のがんで多い「乳がん」の場合は、乳房切除時の再建手術の費用が別途給付されるものもあります。
再建手術は健康保険で対象になるものもありますが、美容整形が伴う場合はさらに費用がかさむことがあります。
女性特有のがんは、医療保険の特約で備える場合とがん保険として備える場合があります。
近年の医療保険は特約のバリエーションが豊富なため、がん保険単体で備える場合と大きく差異はありません。
検討している保険や加入中の保険の状況に合わせて、がん保障を検討しましょう。
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介護保険
日本の公的介護保険は「現物支給」のため、介護サービスを受ける費用が1割~2割程度になります。
介護にかかる費用は、受けるサービスによって異なります。
生命保険文化センターによると、介護費用の平均は月8.3万円で、介護期間は平均約5年かかるといわれています。
介護は老後に必要になるのが一般的ですが、費用は預貯金か民間の保険で準備します。
預貯金で備える場合は、ある程度の資産と時間が必要になるため、民間の保険で準備しておくと効率的に準備できます。
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個人年金保険
将来資金を積立する方法として、個人年金があります。
個人年金は保険会社で取り扱っており、主に「債券」で運用を行っています。
近年流行りの、NISAやiDeCoの運用と違って比較的低いリスクで安定的に運用することができます。
そのため、リスク分散の方法として取り入れる方も年々増えてきています。
また、個人年金保険料控除を使うことにより、積立をしながら毎年の年末調整で税金の一部の還付を受けることができます。
まとめ
今回は、50代女性が抱えるリスクや、医療保険の必要性について詳しく解説しました。
乳がんをはじめとする女性特有のがんや、老後の病気・ケガのリスクには今から備えておくことが大切です。
何かあってからでは保険への加入が難しくなることも多いため、健康なうちに検討を済ませておくようにしましょう。
ほけんのコスパでは、複数の保険会社の医療保険を横並びで比較し、気に入った商品があればそのままインターネット上で申込みも可能です。
保険選びに迷っている人はぜひ、ほけんのコスパで自分に合った保険探しをしてください。
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