「医療保険に入院一時金はいらない?」「医療保険は本当に必要?」と、医療保険や入院一時金の必要性について考えている人も多いのではないでしょうか。
近年では入院日数は短期化の傾向にあり、がんなどの大きな病気でも通院治療が主流となっています。
短期入院に手厚く備えたい場合は、医療保険に入院一時金をつけるのを検討しましょう。
医療保険に加入する目的によって必要な保障は異なるため、医療保険を選ぶ際は「なぜ医療保険が必要なのか」を明確にすることが大切です。
本記事では医療保険の入院一時金がいらないといわれている理由や医療保険の必要性、賢い選び方について保険のプロが解説します。
この記事を読んでわかること
入院一時金は、入院日数に関わらず一定の金額が支払われるため医療費や収入の減少に備えられる
十分な貯蓄があり、他の保険の保障内容も充実している場合は入院一時金の必要性は低くなる
健康診断など治療を目的としない入院や、加入時に健康状態を正しく告知していない場合は給付の対象とならない
目次
医療保険の入院一時金とは
医療保険の入院一時金とは
病気やケガで入院した際に、まとまったお金が受け取れる保障のこと
入院一時金タイプの医療保険や入院一時金特約を付加した医療保険では、入院1回につき、あらかじめ決められた金額が支払われます。
そのため、入院中の治療費だけでなく、差額ベッド代、食事代、入院中の生活費など、さまざまな用途に使うことができます。
急な入院でお金が必要になった場合でも、入院一時金があれば、経済的な負担を軽減することができるでしょう。
あなたの年齢で医療保険の保険料はいくら?

医療保険の入院日額給付金と入院一時金の違いは?
医療保険には、入院時に給付金が支払われる保障として、「入院日額給付金」と「入院一時金」の2種類があります。
どちらも入院に対してお金が支払われる点は同じですが、給付の仕組みや受け取れる金額に違いがあります。
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入院一時金と入院日額給付金それぞれいくらの保障を受け取れる?
医療保険の保障内容によって、同じ日数の入院でも受け取れる保障額が異なります。
ケース別に解説します。
入院一時金の場合
入院一時金の場合、保険契約時に「入院1回につき〇〇万円」といったように、受け取れる金額をあらかじめ決めます。
例えば、「入院一時金10万円・入院日額給付金5000円」の契約であれば、入院日数に関わらず、1回の入院で10万円を受け取ることができ、日数に応じて入院日額給付金も受け取れます。
5日間入院した場合の受け取れる給付金額は次の通りです。
10万円+5000円×5日=12万5000円
入院日額給付金のみの場合
入院日額給付金のみの場合、「1日あたり〇〇円」といったように、1日あたりの給付金額が決められています。
例えば、「入院給付金日額1万円」という契約で5日間入院した場合、受け取れる金額は次の通りです。
1万円 × 5日 = 5万円
短期入院の場合は、入院日額給付金のみで手厚い保障を用意しておくよりも、入院一時金と組み合わせておいた方が、受け取れる給付金額が高い可能性があります。
一方、入院日数が長くなるほど、入院日額給付金で受け取れる金額は増えます。
長期入院に備えておきたいのであれば、入院日額給付金を重視するプランがおすすめです。
医療保険の入院一時金の必要性は高い?
医療保険の入院一時金のメリットとデメリットについて、保険のプロが解説します。
医療保険の入院一時金のメリット
入院日数に関わらずまとまったお金が受け取れ、使い道が自由なことです。
短期入院でも一定の金額が支払われるため、かかった医療費をまかないやすくなります。
また、受け取った一時金は、治療費だけでなく、差額ベッド代や生活費など、自由に使うことができます。
医療保険の入院一時金のデメリット
長期の入院になった場合、入院日額給付金に比べて給付額が少なく感じる可能性があります。
また、入院一時金だけで長期の入院に備えられる保障を持つとなると、入院日額給付金などと比べて保険料が高くなる可能性があります。
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医療保険の入院一時金はいくら必要?
入院一時金の必要額は、世帯構成や家計の状況によって異なります。
入院にかかる費用などを参考に、入院一時金の目安を紹介します。
迷ったときの目安は10万円~30万円程度
生命保険文化センターの調査によると、入院費用の総額の平均は19.8万円となっています。
最も割合が多いのは「20万円未満」が約7割となっています。
そのため、医療保険の入院一時金の目安は、10万円~30万円程度で考えると良いでしょう。
10万円~30万円程度の一時金があれば、短期の入院における自己負担額をカバーしたり、入院中の生活に必要な費用をある程度まかなうことができるといえます。
ただし、これはあくまで目安であり、貯蓄額や収入、家族構成などを考慮して、必要な金額を検討することが重要です。
参考)入院1日あたりの費用
生命保険文化センターの調査によると、直近の入院時の1日あたりの自己負担費用の平均は2万700円となっています。
最も割合の多い金額は「1万円~1万5000円未満」で23.3%、次いで「2万円~3万円未満」が16.0%となっています。
参考)入院1日あたりの逸失収入
入院期間中は、仕事ができなくなることで収入が途絶える可能性があります。
生命保険文化センターの調査では、直近の入院において「逸失収入があった」と答えた割合は 17.4%「逸失収入はない」と答えた割合は62.7%とそこまで多く感じないかもしれません。
しかし、逸失収入があった人の直近の入院時の逸失収入の平均は30.2 万円、1日あたりにすると、平均2万1000円になります。
そのため、収入減少のための貯蓄に不安がある人や、傷病手当金などが受け取れない自営業の人などは、逸失収入を考慮して必要な保障を考えると良いでしょう。
40代で「逸失収入があった」と答えた割合は26.3%と他の年代と比較して高くなっているため、注意しましょう。
入院一時金が必要かどうか悩んだときの判断ポイント
入院一時金が必要かどうか悩んだ場合の判断ポイントは、次の通りです。
1つ目のポイントは、貯蓄額です。
短期入院をしたとき、医療費や収入の減少に備えられるだけの十分な貯蓄があれば、必ずしも入院一時金が必要とは限りません。
2つ目のポイントは、逸失収入です。
入院中に収入が途絶える可能性がある場合は、入院日額給付金を日当の補てんとして、入院一時金を医療費の支払に充てるようにプランを組んでおくとと安心でしょう。
3つ目のポイントは、世帯構成です。
既婚者や小さな子どもがいるケースなど、家族に経済的な負担をかけたくない場合は、入院一時金を検討しましょう。
4つ目のポイントは、加入している他の保険です。
他の保険で入院保障が充実している場合は、入院一時金の必要性は低くなるかもしれません。
5つ目のポイントは、健康状態です。
病気やケガのリスクが高いと感じる場合は、早めに入院一時金を検討しましょう。
がんなど比較的入院日数が短期になる病気に備えたい場合、入院一時金を検討するのがおすすめです。
一方、脳卒中や高血圧性疾患などの入院が長引きがちな病気に備えておきたい人は、入院日額給付金を重視し長期入院に備えるのがおすすめです。
あなたの年齢で医療保険の保険料はいくら?

入院一時金が受け取れないケース
入院一時金は、すべての入院で受け取れるわけではありません。
給付の対象とならないケースについて、保険のプロが解説します。
治療目的以外の入院の場合
人間ドックや健康診断のための入院、美容整形のための入院など、治療を目的としない入院の場合は、入院一時金の対象外となるのが一般的です。
ただし、検査入院の場合は保険会社によって入院一時金の支払対象になる可能性があります。
給付金の請求漏れを防ぐため、入院が決まったらまずは保険会社に問い合わせておくようにしましょう。
Q.日帰り入院は保障対象になる?
A.保険会社や契約内容によって異なりますが、一般的に、治療を目的とした日帰り入院であれば、入院一時金の支払い対象となる場合があります。
ただし、詳細な条件は保険会社や商品によって異なるため、契約内容を確認しましょう。
免責事項に該当する場合
保険契約には、給付金が支払われない免責事項が定められている場合があります。
例えば、故意による事故や飲酒運転などの犯罪行為によるケガなどが該当します。
また、医療保険加入時に「特定疾病・部位不担保」等の特別条件が付いている場合、該当の疾病や部位で入院した場合は保障対象外になることがあります。
告知義務違反があった場合
保険加入時に、過去の病歴や現在の健康状態について正しく告知しなかった場合、告知義務違反として保険金が支払われないことがあります。
保険会社は給付金請求を受け付けた際、加入時の告知が正しかったかどうか調査することがあります。
医療機関へのヒアリングや健康保険の利用履歴から、告知義務違反が発覚した場合、給付金は支払われない可能性が高くなります。
いざというときに、給付金が受け取れない事態にならないよう、正しく告知しましょう。
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入院一時金以外にも?医療保険でもらえる給付金の種類
医療保険では、入院一時金以外にも、さまざまな給付金を受け取れる場合があります。
代表的なものとしては、次のようなものがあります。
自分に必要な備えに合わせて、保障を組み合わせると良いでしょう。

Q1
性別をお伺いします
医療保険のおすすめの選び方
医療保険を選ぶ際、何を重視するかによっておすすめの選び方が異なります。
ケース別に保険のプロが解説します。
最低限の保障で良い場合
:プロコメント::女性::保険料を抑えたい場合は、入院日額給付金と手術給付金に絞ったシンプルな保障内容の医療保険を選ぶと良いでしょう。
また、先進医療特約は毎月の保険料が数十円~数百円と比較的お手頃です。
健康保険が適用にならない高額な治療に備えることができるため、一般的には基本保障として付加する人が多い特約です。
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保障を手厚くしたい場合
入院日額給付金や入院一時金に加えて、通院給付金や先進医療特約などを組み合わせて医療保険を選ぶと、保険料を抑えつつ、長期の入院や先進医療などの高額な医療費にも備えられます。
また、女性の場合、女性疾病に手厚く備えられる女性特約の付加もおすすめです。
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がんに手厚く備えたい場合
医療保険でがんに手厚く備えたい場合は、がん診断給付特約やがん治療特約などを付加するのも一つの方法です。
基本的に、がん特約付きの医療保険と、医療保険・がん保険の個別契約で、保障内容に大きな差はありません。
契約をひとつにまとめておくことで、いざというときの給付金請求の手間が省けるなど管理が楽になるというメリットがあります。
一方、将来的に医療保険とがん保険をそれぞれを別で見直したい人や、将来医療保険を解約する可能性がある人は、契約を分けておくのがおすすめです。
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まとめ
医療保険の入院一時金は、入院日数に関わらずまとまったお金を受け取れるため、短期入院への備えとしてメリットがあります。
急な出費への備えとして持っておくと安心できるでしょう。
医療保険は多くの保険会社で取り扱いがあります。
保険料を抑えつつ必要な保障を持つには、自分に必要な保障を検討し、そのうえで保険料を比較することがおすすめです。
ほけんのコスパでは、性別と年齢を選ぶだけで複数の保険会社を比較することができます。
一度保険料を確認してみてはいかがでしょうか。
あなたの年齢で医療保険の保険料はいくら?
