「人工透析を受けることになったけど今から入れる保険はある?」と悩んでいませんか?
透析治療は長期間にわたり、経済的な負担も気になるところです。
結論から言うと、透析治療中でも加入を検討できる保険商品はあります。
ただし、保険選びをする際にはいくつかのポイントに注意が必要です。
本記事では、人工透析中で保険加入を検討している方向けに、加入しやすい保険種類や保険選びのポイントをご紹介します。
この記事を読んでわかること
人工透析中でも「引受基準緩和型保険」であれば加入を検討できる可能性がある
透析治療にかかる費用は公的制度で軽減できる
万一の死亡保障や、がん・三大疾病に備える保険でもしもに備えるのが合理的
目次
2-1.正直に告知しないとどうなる?
4-1.「万が一」の時の葬儀代
5-1.通院回数と就労制限による収入減
5-2.食事制限と日常生活のコスト
6.まとめ
透析治療中でも加入可能な保険の種類
人工透析を受けている場合でも加入できる可能性がある保険として、主に「引受基準緩和型保険」と「無選択型保険」の2種類があります。
それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。
引受基準緩和型保険
引受基準緩和型保険とは、健康状態に関する告知事項を緩和することで、持病や既往歴がある人でも加入しやすく設計された保険です。
一般的な保険の告知では、過去5年間の治療歴や現在の健康状態について詳細に問われます。
慢性腎不全などで透析治療を受けている場合、告知項目に該当し診査に通らないことがほとんどです。
緩和型保険の場合、2~3個程度のかんたんな質問に「いいえ」と答えられれば申込みが可能です。
透析治療を受けている人でも、告知項目に該当しなければ加入できる可能性があります。
また、緩和型保険は持病の悪化も保障対象となるため、腎不全の悪化が心配な人にもおすすめの保険です。
ただし、保険料は一般的な保険と比べて割高に設定されています。加入を検討する際は、保険料と保障のバランスに注意が必要です。
参考)引受基準緩和型保険の告知項目
引受基準緩和型保険の告知項目は保険会社によっても少しずつ異なりますが、一般的なものは次のとおりです。
主に、「現在入院や手術などをすすめられているか」「過去1~2年以内に入院・手術歴があるか」「過去5年以内にがんや肝硬変等の治療歴があるか」を問われます。
腎不全の治療歴については問われないことが多いため、透析治療中でも入院歴がなければ検討できる可能性があります。
ただし、合併症の治療歴などによっては告知項目に該当する場合もあるため、まずは複数社の緩和型保険の告知について事前に確認しましょう。
緩和型保険は基本的に、告知項目にひとつでも該当すると加入が難しくなります。
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無選択型保険
無選択型保険とは、医師の診査や健康状態に関する告知が一切不要で、どんな健康状態の人でも加入できる保険です。
引受基準緩和型保険の告知項目にも該当してしまい、加入が難しい場合の選択肢となります。
ただし、保険料は引受基準緩和型保険よりもさらに割高に設定されています。
また、無選択型の医療保険の場合、加入から一定期間は保障が開始されない「免責期間」が設けられていることが一般的です。
加入してからすぐに入院や手術が必要になった場合、給付金が受け取れない可能性があるため注意しましょう。
また、無選択型の死亡保険の場合、加入後数年間は病気で死亡した場合の保険金が、支払った保険料相当額に限定されるなどの制約があります。
保障内容と保険料のバランスを十分に考慮したうえで、最終的な手段として検討すると良いでしょう。
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保険加入時の注意点
透析治療中の人が保険に加入する際は、いくつかのポイントに気をつけておく必要があります。
ここからは、保険加入時の注意点について解説します。
正直に告知しないとどうなる?
保険に加入する際は、健康状態について問われたことに正しく答える必要があり、これを「告知義務」といいます。
透析治療の事実を隠して一般の保険に加入した場合、入院や手術で給付金を請求する際、保険会社の調査で発覚し、給付金支払いを拒否される可能性があります。
さらに悪質と判断された場合は契約自体を解除されてしまう恐れもあります。
たとえ保険に加入できたとしても、肝心な時に保障が受けられなければ意味がありません。
「バレないから良い」と安易に考えずに、告知は必ず正しく行いましょう。
参考)告知義務違反はなぜバレる?
「告知しなくてもバレないのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、告知義務違反は高い確率で発覚します。
保険金や給付金の請求があった際、保険会社は支払事由が妥当であるかを調査します。
調査の過程で、医療機関への問い合わせや診療記録の確認が行われることもあります。
その際、告知内容と実際の治療歴に食い違いがあれば告知義務違反とみなされ、給付金の支払いを拒否される可能性が高くなります。
軽い気持ちで事実と異なる告知をすることは、結果的に自分自身を不利な状況に追い込むことになるため、絶対にしてはいけません。
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慌てて加入する前に!透析の「自己負担」と公的制度
人工透析の治療費は高額ですが、日本には手厚い公的医療制度があり、実際の自己負担額は大幅に軽減されます。
民間の保険を検討する際は、まず公的制度を理解したうえで不足分だけを補うよう心がけることが大切です。
特定疾病療養受療証と重度心身障害者医療費助成制度
人工透析の医療費負担を軽減する制度として、「特定疾病療養受療証」があります。
「特定疾病療養受療証」を医療機関の窓口で提示することで、1カ月の自己負担額が原則1万円(所得によっては2万円)に抑えられます。
さらに、多くの自治体では「重度心身障害者医療費助成制度」を設けています。
透析患者は身体障害者手帳の交付対象となることが多く、重度心身障害者医療費助成制度を利用できる可能性があります。
助成内容は自治体によって異なりますが、医療費の自己負担分が全額または一部助成され、実質的な負担がさらに軽くなります。
公的制度を活用することで、透析治療そのものの医療費負担はほぼゼロか、あってもわずかに抑えることができます。
(参考:高額療養費・70歳以上の外来療養にかかる年間の高額療養費・高額介護合算療養費|全国健康保険協会)
(参考:重度障がい者医療費の助成|大阪市)
障害年金
障害年金は、病気やケガによって生活や仕事に支障が出ている場合に受け取れる公的な年金です。
人工透析を継続的に受けている場合、原則として「障害等級2級」に該当し、障害年金の受給対象となる可能性があります。
受給できる年金額は、加入している年金制度(国民年金か厚生年金か)や家族構成によって異なります。
令和7年度の障害基礎年金の受給額は、次のとおりです。
| 1級 | 103万9625円(月額8万6635 円)+子の加算 |
| 2級 | 83万1700円(月額6万9308円)+子の加算 |
※子(18歳到達年度末までの生計を維持している子ども)の加算
1人目・2人目の子1人につき23万9300円(月額1万9942円)
3人目以降の子1人につき7万9800円(月額6650円)
障害厚生年金の受給額は、働いていた期間の収入によって異なります。
障害年金は、治療費だけでなく、収入が減少した場合の生活費を支える重要な経済的基盤となります。
申請手続きには専門的な知識が必要な場合もあるため、お近くの年金事務所や専門家である社会保険労務士に相談することをおすすめします。
(参考:障害年金の制度をご存じですか?がんや糖尿病など内部疾患のかたも対象です|政府広報オンライン)
(参考:障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構)
身体障害者手帳
人工透析を受けていると、身体障害者福祉法に基づき「身体障害者手帳」の交付を申請できます。
腎臓機能障害の場合、多くは障害等級1級に認定されます。
手帳を取得することで、前述した「重度心身障害者医療費助成制度」の対象となるほか、自治体によっては次のような支援やサービスを受けられます。
- 所得税や住民税などの税金の控除・減免
- 公共交通機関(JR、バス、タクシーなど)の運賃割引
- 高速道路など有料道路の料金割引
- 携帯電話の基本料金割引
- NHK放送受信料の減免
身体障害者手帳の申請手続きは、お住まいの市区町村の福祉担当窓口で行えます。
(参考:身体障害者手帳|厚生労働省)
既存の生命保険から「給付金」は出る?
透析治療を始める前に生命保険や医療保険に加入していた場合、契約内容によっては給付金を受け取れる可能性があります。
受け取れる可能性がある給付金
- 入院給付金:透析導入のための入院が対象となる可能性
- 手術給付金:シャント設置手術などが対象となる可能性
- 特定疾病(八大疾病など)給付金:透析の原因となった病気(例:糖尿病性腎症)が特約の対象であれば、一時金が支払われることがある
現在加入している保険があれば、保険証券を確認し、保険会社や代理店に問い合わせてみましょう。
特に、医療保険や生活習慣病に備える保険に加入している場合、思わぬ給付金を受けとれる可能性があります。
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透析治療費よりも「今後の入院・手術」に備える
これまで見てきたように、公的制度を活用すれば人工透析そのものにかかる月々の医療費は、かなり抑えることができます。
そのため、民間の医療保険で備えるべきは透析治療費のカバーではなく、将来起こりうる合併症による入院や手術のリスクです。
例えば、シャントのトラブルによる再手術や、心血管系の疾患による入院などが考えられます。

Q1
性別をお伺いします
透析患者が「本当に備えるべき」2つのリスク
公的制度で医療費の大部分がカバーされることを踏まえると、透析患者が備えておきたいリスクは主に2点です。
1つ目は、自身が亡くなった後の整理資金、特に葬儀費用です。
2つ目は、透析の合併症としてリスクが高い、がんや心疾患、脳血管疾患といった重い病気への備えです。
上記のリスクは公的医療保険だけではカバーしきれない部分で、家計に大きな影響を与える可能性があります。
具体的に見ていきましょう。
「万が一」の時の葬儀代
人が亡くなると、葬儀費用やお墓の費用、身の回りの整理費用など、まとまったお金が必要になります。
場合によっては遺族に大きな負担がかかる恐れがあるため、事前に準備しておくことが大切です。
死亡保険に加入しておくことで、自身に万が一のことがあった際、保険金で必要なお金をまかなうことができます。
保険金は、保険会社に請求書類を送ることで数日から2週間程度で受け取ることができます。
故人の銀行口座凍結の影響を受けず、スムーズに遺族にお金をのこすことができるのがメリットです。
必要な保障額は、どのような葬儀を望むか、お墓の準備はできているかなどによって異なりますが、一般的に200万円〜300万円程度を目安に準備する人が多いです。
参考)死亡保険の種類
死亡保険には、主に「定期保険」と「終身保険」の2種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
| 保険期間 | 貯蓄性の有無 | |
| 定期保険 | ◯年間/◯歳まで など一定期間のみ | なし(掛け捨て) |
| 終身保険 | 一生涯 | あり(解約時に解約返戻金を受け取れる) |
葬儀費用のように「いつか必ず必要になるお金」に備えるのであれば、保障が一生涯続く終身保険が適しています。
ただし、貯蓄性がある分毎月の保険料は割高になるデメリットがあります。
できるだけ保険料を抑えて死亡保障を確保したい場合、定期保険の保険期間を可能な限り長くしておく方法もあります。
とはいえ定期保険では一生涯の保障は用意できないため、注意が必要です。
透析治療を受けている場合、一般的な死亡保険に加入するのは難しくなります。そのため、「引受基準緩和型定期保険」や「引受基準緩和型終身保険」など持病がある方向けの商品がおすすめです。
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「がん・脳卒中・心筋梗塞」への備え
透析患者は動脈硬化が進行しやすく、心筋梗塞や脳卒中といった心血管系の疾患を発症するリスクが一般の人より高いとされています。
また免疫機能の低下から、がんのリスクも懸念されます。
がん・脳卒中・心筋梗塞のいわゆる「三大疾病」に罹患した場合、治療が長期化し医療費が高額になる可能性があります。
また、治療のために仕事を休まざるをえず、収入が減少してしまうリスクもあります。
引受基準緩和型医療保険やがん保険などで、もしものときのために備えておくことをおすすめします。
持病がある方向けの商品であれば、透析治療を受けていても加入を検討できる可能性があります。
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透析生活の経済リスク
人工透析を始めると、医療費以外にも経済的な影響が及ぶことがあります。
透析患者が抱える経済的なリスクについて見ていきましょう。
通院回数と就労制限による収入減
血液透析の場合、一般的に週3回の通院が必要となり、1回あたり4〜5時間の治療時間を要します。
通院のため、仕事の継続に大きな影響が出る可能性を考慮する必要があります。
職種によっては勤務時間を短縮せざるを得なかったり、体力的な問題から以前と同じように働けなくなったりすることもあります。結果として、収入が減少してしまうケースは少なくありません。
前述の「障害年金」は、透析治療による収入減少を補うための大切な制度です。自身の状況に合わせて、利用できる制度は積極的に活用しましょう。
(参考:人工透析の最適な頻度は?週2回に減らした場合の体への影響も解説|北千住・腎臓内科・透析クリニック)
食事制限と日常生活のコスト
透析患者は、塩分、カリウム、リン、水分の摂取量を管理する食事療法を受ける必要があります。
栄養バランスを考慮した食事を準備するため、栄養価が調整された治療用の特殊食品を利用することもありますが、一般的な食材と比べて価格が高い傾向にあります。
治療費だけでなく、食費の増加が家計の負担となる恐れもあるでしょう。
また、通院のための交通費も継続的に発生する費用です。
身体障害者手帳による公共交通機関の割引などを活用し、少しでも負担を軽減する工夫を心がけましょう。
(参考:透析食についての基礎知識と食事管理のポイント|TMG透析サイト)
まとめ
人工透析を受けていても、引受基準緩和型保険など持病がある方向けの保険であれば、加入を検討できる可能性があります。
病状が悪化し保険の検討が難しくなる前に、自分に合った最低限の保障を準備しておきましょう。
加えて、日本の手厚い公的制度を最大限に活用することも大切です。
「特定疾病療養受療証」や「重度心身障害者医療費助成制度」により、透析治療の自己負担は大幅に軽減されます。
また、「障害年金」は収入減を補う大きな支えとなります。
公的制度をふまえた上で、不足する葬儀費用や三大疾病などのリスクに対して民間の保険で備えておくことが合理的です。
ほけんのコスパでは、透析治療中でも検討できる持病がある方向けの保険を複数掲載しています。
年齢と性別を入力するだけで保険料の見積もりも可能です。
ぜひ、保険選びの参考にしてください。
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