「生活習慣病に備える保険はいらない?」「医療保険があれば十分?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
生活習慣病保険とは、がん・心疾患・脳血管疾患の三大疾病に加え、高血圧性疾患や糖尿病、腎疾患、肝疾患に備えられる保険です。
生活習慣病は一度罹患すると完治が難しく、何年も治療を続けなければならないことも珍しくありません。
医療保険だけでは保障が不十分な可能性もあります。
本記事では、生活習慣病保険がいらないといわれている理由や、保険で備えておく必要があるケースについて詳しく解説します。
この記事を読んでわかること
公的医療保険の充実や健康に自信があることを理由に、生活習慣病保険を不要と考える人もいる
生活習慣病は治療が長引くケースが多くその分医療費負担も大きくなるリスクがある
公的医療保険でまかなえない先進医療や収入減少のリスクには、生活習慣病保険で備えておくのがおすすめ
目次
生活習慣病保険がいらないといわれる理由
生活習慣病保険がいらないと考えられている理由はいくつかあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
公的医療保険制度が充実している
日本の国民皆保険制度(公的医療保険制度)は、世界でもトップレベルの充実性を誇ります。
病気やケガをした際、医療費の一部(現役世代は3割、年齢・所得によって1〜2割)を負担するだけで治療を受けられます。
さらに、高額療養費制度を併用することで、経済的な負担を大幅に軽減することも可能です。
しかし、生活習慣病を発症すると、長期的な治療やリハビリ・介護が必要になる場合もあり、その分、累計での自己負担が大きくなることも考えられます。
治療が長引くリスクに備え、経済的な不安を軽減したい場合は、生活習慣病保険への加入を検討するのも一つの方法です。
あなたの年齢で七大・八疾病保険の保険料はいくら?
健康に自信がある
「これまで大きな病気にかかったことがない」「健康に恵まれてきた」という人は、保険の必要性を感じにくいかもしれません。
しかし、病気は誰にでも突然訪れる可能性があります。
特に生活習慣病にかかると、新たな保険に加入しづらくなったり、長期的な治療や介護が必要になるケースも少なくありません。
令和6年厚生労働白書によると、生活習慣病(がん・心疾患・脳血管疾患・糖尿病・高血圧性疾患)の罹患者数は合計2935万人にのぼり、国民の多くが何らかの病に罹患しているといえます。
健康に自信がある今だからこそ、将来への備えを考え、日々の生活習慣を見直すことが大切です。
(参考:令和6年厚生労働白書|厚生労働省
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保険料がもったいない、貯蓄でまかなえると思っている
保険は、病気やケガ、死亡など、予測できないリスクに対して備えることができます。
しかし、リスクに直面した際に十分な貯蓄があれば、その費用を自己負担でまかなうことができます。
十分な貯蓄がある場合は、保険の必要性は低いといえるでしょう。
一方、貯蓄が十分になく、突発的な出費に対応する経済的余裕がない場合は、保険の重要性は高まります。
特に、生活習慣病のように、長期にわたる治療やリハビリ、さらには介護が必要になるケースは、多額の費用がかかる場合があります。
経済的リスクを踏まえた上で、自分にとって保険が必要かどうかを冷静に判断することが大切です。
最適な保険選びは、将来の安心に繋がります。
あなたに必要な保障を『ほけん必要度診断』で診断してみましょう。
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生活習慣病とは?治療にはどれくらいのお金がかかる?
生活習慣病は一般的に、がん・心疾患・脳血管疾患の三大疾病に加え、高血圧性疾患や糖尿病など生活習慣が発症の原因と考えられている病気を加えたものを指します。
では、生活習慣病の特徴と治療にかかる費用について詳しく見ていきましょう。
三大疾病とは
三大疾病とは、日本人の主な死因である「がん(悪性新生物)」「心疾患(急性心筋梗塞など)」「脳血管疾患(脳卒中など)」の3つの病気の総称です。
主な原因は、生活習慣や遺伝的要因であり、年齢が上がるほど発症率・死亡率が高まります。
発症すると長期治療が必要になるケースも多く、治療費や入院期間、後遺症の有無によって経済的負担が大きく変わります。
また、リハビリ期間の長期化で収入に影響が出ることもあるため、医療保険や特定疾病保険といった保険に加入することで経済的なリスクを軽減できます。
日頃から生活習慣を見直し、定期的な健康診断を受けることで、三大疾病の予防と早期発見につながります。
参考)日本人の死因上位を占める病気
日本人の主な死因として上位を占めるのは、「がん(悪性新生物)」「心疾患」「老衰」「脳血管疾患」の4つです。
これらの病気が全体の死因の半数以上を占めており、老衰を除いた、「がん(悪性新生物)」「心疾患」「脳血管疾患」の3つを「三大疾病」と呼びます。
厚生労働省の統計によると、死因の第1位は悪性新生物で38万4099人、第2位は心疾患で22万6277人、第3位は老衰で20万6882人、第4位は脳血管疾患で10万2808人となっています。
心疾患や脳血管疾患は、突然発症することが多く、いずれの病気も命に関わる重大なケースが少なくありません。
(参考:令和6年(2024) 人口動態統計月報年計(確定数)の概況)
七大・八大疾病とは
七大疾患とは、三大疾患(悪性新生物・心疾患・脳血管疾患)に、高血圧性疾患、糖尿病、肝疾患(慢性肝炎)、腎疾患(慢性腎不全)を加えた7つの病気の総称です。
さらに、八大疾病は、上記に加えて膵疾患(慢性膵炎)を含めたものを指します。
これらの病気は、長期の入院や重度の後遺症を伴う可能性が高く、治療費が高額になるケースも少なくありません。中には命に関わる深刻な状態へ進行する場合もあり、一度発症すると完治が難しく、生涯にわたる治療が必要になることもあります。
主な原因は、三大疾病と同様に生活習慣や遺伝的要因が関係しており、定期的な健康診断による早期発見と予防が非常に重要です。
医療保険や特定疾病保険に加入する際は、これら七大・八大疾病に対応した保障が含まれているかを確認し、将来の医療リスクに備えることが大切です。
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生活習慣病の治療にかかる費用
公的データによると、1入院あたりの平均医療費は、循環器系の疾患で約63.5万円、がんで約60.8万円です。
さらに重要なのが入院日数です。
最新の調査では、がんで19.5日、心疾患で20.1日なのに対し、脳血管疾患はリハビリを含め平均77.1日と突出して長くなっています。
高額療養費制度は「月ごと」に自己負担の上限額が設定されています。
平均77.1日(約2.5カ月)の入院は、高額療養費制度の上限額を3回支払うことになるため、短期入院とは異なる経済的備えが必要になります。
また、生活習慣病の治療にかかる費用は、症状の進行度によって変わっていきます。
例えば、がん(悪性新生物)の場合、腫瘍の大きさや広がり、他の臓器への転移の有無によって、治療の難易度や費用は大きく異なります。中には、1度の手術で治療が完了するケースもあります。
同じ病気であっても、治療にかかる費用はさまざまです。
一般的な治療には公的医療保険が適用されるため、自己負担は原則3割にとどまり、さらに高額療養費制度を利用することで経済的な負担を軽減できます。
ただし生活習慣病の治療は長期にわたることが多いため、短期的な負担だけではなく、長期的な費用負担を見据えて備えることが大切です。
(参考:令和4年度 健保組合医療費の動向に関する調査 |健康保険組合連合会)
(参考:令和5年(2023)患者調査の概況|厚生労働省)
参考)高額療養費制度
高額療養費制度とは、1カ月の医療費の自己負担が、所得に応じた上限を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。
日本の公的医療保険に加入していれば利用でき、自己負担の上限は年齢や所得によって異なります。
例えば、年収500万円の場合、1カ月あたりの自己負担額はおおよそ8〜9万円です。
これに加えて、入院中の食事代や差額ベッド代、売店での日用品・飲食物の費用は対象外となり、自己負担が発生します。
さらに、直近12カ月以内に3回以上、自己負担額が上限額に達した場合には、4回目以降は「多数回該当」として自己負担が4万4000円に軽減されるメリットもあります。
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公的医療保険ではまかなえない費用とは?
生活習慣病で治療を受ける際、すべての費用を公的医療保険でまかなえるわけではありません。
公的医療保険が適用されない費用について、詳しく解説します。
先進医療にかかる技術料
先進医療にかかる「技術料」は公的医療保険の対象外となるため、患者が全額自己負担で支払う必要があります。
一方で、診察料や検査料、投薬料、入院料などの基本的な費用については、公的医療保険が適用されます。
先進医療とは、厚生労働省に認められた最新の医療技術を使った高度な治療法であり、内容によっては技術料が300万円を超えるケースもあります。
そのため、多くの民間医療保険には「先進医療特約」が用意されており、これを付加することで高額な技術料をカバーできます。
特約なしでは現実的に負担が難しい場合もあるため、保険加入時には特約の有無を必ず確認しましょう。
差額ベッド代
差額ベッド代とは、入院時に個室や少人数部屋を利用する場合に、患者が自己負担で支払う費用のことです。
通常は6人部屋や8人部屋といった大部屋が基本ですが、快適な環境を希望する場合差額ベッド代がかかります。
厚生労働省によると、個室(1人部屋)の平均は1日約8400円とされており、病院によって料金は大きく異なります。
また、差額ベッド代以外にも、治療費や食事代、日用品などの公的医療保険が適用されない費用も発生するため、入院一日あたりの平均負担額は約21000円とされています。
入院期間が長くなるほど、自己負担額も大きくなります。
(参考:2022(令和4)年度生活保障に関する調査|生命保険文化センター)
通院交通費や食事代などの雑費
公的医療保険では、診察や入院にかかる費用の一部を補助してくれますが、通院時の交通費や入院中の食事代、差額ベッド代、売店での日用品・飲食物の購入費などの雑費は対象外です。
これらの費用は、一つひとつは少額でも、治療や入院が長引けば、無視できない出費になります。
公的医療保険でカバーされない負担に備えて、民間の医療保険への加入や日頃からの貯蓄が重要です。
もしものときに備えて雑費を意識しておきましょう。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2025年10月1日―2025年10月31日))
介護費用や働けなくなったときの生活費
先程の差額ベッド代や雑費と同様に、介護費用や働けなくなった際の生活費も、公的医療保険ではカバーされません。介護費用には、介護保険が利用できますが、施設の入所費やおむつ代、日常の生活費は全額自己負担となります。
また、病気やケガで入院した場合、退院後すぐに仕事復帰できるとは限りません。
筆者も複数回の入院経験からその厳しさを実感しています。
場合によっては、介護やリハビリが必要になるケースもあるため、いざというときに困らないよう、公的医療保険だけに頼らず、生活費や介護費用をカバーする備えや保障が重要です。
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参考)傷病手当金
傷病手当金とは、病気やケガによる療養のために働けなくなった場合に支給される給付金制度です。
対象は会社員や公務員など健康保険に加入している被用者で、一定の条件を満たすことで給付を受け取ることができます。
支給額は「標準報酬日額の3分の2」で、支給期間は支給開始日から通算1年6カ月と定められています。
傷病手当金は自営業・フリーランスの方は対象者外であること、支給額が給与の満額ではないことには注意が必要です。
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自分にとって生活習慣病保険はいる?いらない?4つのチェックポイント
生活習慣病保険に加入する必要性があるかは、個人個人の経済状況や考え方によって異なります。
保険の必要性を判断する4つのポイントについてご紹介していきます。
いざというときに使える資産が十分にあるか
保険の必要性は、人それぞれの状況によって異なります。
いざというときに備えられる十分な資産があれば、保険の必要性は低いかもしれません。
医療費は治療内容や入院期間によって大きく変わり、場合によっては累計で数百万円に及ぶこともあります。
さらに、働けなくなった場合の収入減や生活費まで含めると、経済的なリスクはかなり大きくなります。
もしものとき、すべての必要な費用を自己資金でまかなえるのであれば保険の優先度は低いといえますが、そこまでの資産を持つ人はごく一部に限られます。
また、十分な資金を持っていても「資産を減らしたくない」と考える人にとっては、保険が有効な選択肢となります。
経済的リスクに少しでも不安を感じる場合は、治療が長期化しやすい生活習慣病などへの保障を検討してみると安心です。
家族に生活習慣病の罹患者がいるなど、健康不安があるか
家族や親族に、生活習慣病の罹患者がいる場合、自分自身の健康にも不安を感じるかもしれません。
がん(悪性新生物)や糖尿病、高血圧といった生活習慣病は、遺伝の影響を受けやすいほか、食生活や運動習慣といった生活環境を共有することも発症リスクを高める要因とされています。
健康に不安を感じる人は、生活習慣病保険の加入を検討してみるのも良いでしょう。
ただし、すでに持病を抱えていたり検査で異常を指摘されていると、保険料が割高になったり、新規加入が難しくなるケースがあります。
健康なうちに保険加入を済ませておくことがとても大切です。
先進医療・自由診療を希望するか
先進医療・自由診療といった高度で高額な治療を視野に入れたい場合は、保険の活用を検討しましょう。
先進医療や自由診療は公的医療保険が適用されないため、1回で数百万円の費用がかかるケースもあり、十分な貯蓄がないと自己負担で対応するのは難しいとされています。
特に、自由診療は先進医療よりもさらに高額になる傾向があります。
先進医療に対する保障は、一般的に多くの医療保険・生活習慣病保険に特約として付加できますが、自由診療に対応した特約を用意している保険は少ないため、事前の確認が重要です。
現在の保険料が家計を圧迫していないか
保険料は、毎月もしくは毎年支払う必要がある「固定費」です。
保険料が家計の大きな負担となっている家庭もあるでしょう。
もし、現在の保険料が家計を圧迫している場合は、保障の優先順位を見直すことが大切です。
優先順位を考える際は、まず入院や手術といった医療保障を確保することが基本です。
生活習慣病など長期的なリスクに備える保障は、無理なく長く支払える範囲で検討すると安心です。
一般的に、適正な保険料は10年から20年以上にわたり支払いを続けられる金額が目安とされています。
将来の安心のためにも、家計と保険料のバランスを意識しながら、自分に合ったプランを選びましょう。
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生活習慣病保険とは
生活習慣病保険には、給付金の受け取り方や保障範囲によって異なるタイプがいくつかあります。
それぞれの特徴や選び方のポイントについてご紹介します。
一時金タイプ
一時金タイプとは、保障対象となる生活習慣病に罹患し一定の給付条件を満たした場合に、まとまった金額を一度に受け取ることができるタイプです。
一時金の受け取りパターンは、大きく分けて2つのパターンがあります。
【1回限りタイプ】:初回のみ給付される仕組みで、保険料を抑えやすい一方、1つの病気で給付を受けると保障が終了するケースが多いのが特徴です。
【複数回タイプ】:再発や別の病気などで条件を満たすことで、繰り返し受け取ることができます。
長期的な治療や再発リスクに備えたい人に向いていますが、保険料は1回限りのタイプと比べて割高になりやすい傾向にあります。
一時金タイプの魅力は、まとまったお金を自由に使えることです。
治療費だけではなく、生活費の補填や収入減少への備えとしても活用できるため、もしものときに経済的な安心感を得られます。
参考)一時金タイプの生活習慣病保険の支払要件
一時金タイプの生活習慣病保険は複数の保険会社から販売されていますが、それぞれ一時金の支払い条件が異なります。
がんに関しては、診断確定時点で一時金が支払われるものが一般的です。
一方、心疾患や脳血管疾患に関しては保険会社ごとに違いがあり、1日でも入院をしたり手術を受ければ保障されるものと、「20日以上の入院」などの条件を設けているものもあります。
各保険会社ごとの違いを加入前に確認しておくことが大切です。
治療給付タイプ
治療給付タイプとは、生活習慣病の治療にかかる薬剤治療や放射線治療を受けた際に、月単位で給付金を受け取ることができるタイプです。
治療給付タイプの保険は、治療費そのものをカバーでき、効率よく治療費を保障したい人に向いています。
また、医療保険に特約として付加できる保険商品も多く、柔軟に保障を追加できるのもメリットです。
一方で、一時金タイプや入院給付タイプと比べると、入院費用や生活費の補填に対してはやや弱い傾向にあります。
入院リスクに備えたい場合は、入院給付タイプとの併用も検討するとより安心です。
入院給付タイプ
入院給付タイプとは、生活習慣病などで入院した場合に、入院日数に応じて定額の給付金を受け取る保険タイプや、入院1回ごとに給付金を受け取る保険タイプのことです。
医療保険の上乗せのような役割を持ち、入院費用や差額ベッド代などを補える点がメリットです。
ただし、退院後の通院治療や定期検診、収入減少への対応にはやや弱い傾向にあります。
必要に応じて一時金タイプや治療給付タイプとの組み合わせを検討しましょう。入院給付タイプの生活習慣病保険は、入院リスクに備え、生活を手厚くサポートしたい人には、ピッタリなタイプといえるでしょう。
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Q.医療保険でも生活習慣病に備えられる?
A.医療保険では、生活習慣病に罹患したときの経済的な負担すべてに備えることはできません。
医療保険は、主に入院や手術にかかる費用をカバーできる保険です。
そのため、生活習慣病によって入院や手術が必要になった場合には、一定の保障を受けることができます。
しかし、生活習慣病は長期にわたる通院治療や再発リスクのある慢性疾患が多い傾向にあるため、入院期間が短い場合でも、通院費や収入の減少が継続的に発生するケースがあります。
さらに、治療の影響で仕事が続けられなくなったりする可能性もあるため、医療保険だけでは、経済的リスクを十分にカバーできない可能性があります。
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生活習慣病保険の選び方:後悔しないための3つのポイント
生活習慣病保険はさまざまな保険会社から販売されているため、どれを選んだら良いか分からない人も多いのではないでしょうか。
ここからは、保険を選ぶ際に押さえておきたい3つのポイントについてご紹介します。
保険金・給付金のタイプで選ぶ
生活習慣病保険を選ぶ際には、「保険金・給付金のタイプ」に注目するのがポイントです。
主に「一時金タイプ」「治療給付タイプ」「入院給付タイプ」の3つがあり、自身の生活スタイルや収入状況を踏まえて最適なタイプを選ぶ必要があります。
生活習慣病にかかると、健康面だけではなく、医療費の増加や長期の通院・入院による収入減、生活の質の低下といったリスクも生じます。
経済的なリスクへの備えとして、どの保障が自分にとって必要かを見極めることが大切です。
カバー範囲(対象疾病)で選ぶ
生活習慣病保険を選ぶ際には、「カバー範囲(対象疾病)」に注目することもポイントです。
対象疾病を基準に選ぶことで、自分にとってリスクの高い病気に備えやすくなります。
生活習慣病保険は、保険会社によって保障対象に違いがあります。
例えば、A社では「がん・心疾患・脳血管疾患」が対象でも、B社では、「がん・急性心筋梗塞・脳卒中」と表現されることがあります。
心臓や脳の病気は、どの範囲までカバーされるかが保険会社によって異なり、七大・八大疾病でも対象疾病が違うケースがあります。
加入前には「保障対象と思っていたのに給付金が受け取れなかった」というギャップを防ぐために、必ずカバー範囲(対象疾病)を確認しましょう。
保険料と保障期間で選ぶ
生活習慣病保険を選ぶ際には「保険料」と「保障期間」にも注目しましょう。
保険には、一定期間で更新する「定期型」と、一生涯保障が続く「終身型」の2つが存在します。
定期型は、加入当初の保険料は比較的抑えられる反面、更新ごとに保険料が上がるデメリットがあります。
一方で、終身型は定期型と比較すると保険料はやや割高ですが、保険料が変わらず将来にわたって安定した保障を受けられることができます。
生活習慣病は、年齢を重ねるにつれてリスクが上がっていくため、保険料が一生涯変わらない「終身型」の検討が基本的にはおすすめです。
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生活習慣病保険に関するよくある質問
生活習慣病保険に関するよくある質問に、保険のプロである筆者がわかりやすく回答します。
すでに糖尿病や高血圧の治療中ですが、今から保険に入れますか?
A.糖尿病や高血圧の治療中でも、保険に加入できる可能性はあります。
ただし、保険会社や保険商品によって加入の可否や条件は異なります。
治療中でも加入できる保険は存在しますが、保険料が割高になったり、糖尿病や高血圧に関連する病気が保障の対象外になる場合もあります。
また、症状や治療内容によっては加入自体が難しいケースもあるため、複数の保険商品を比較し、事前に保険会社へ確認することが大切です。
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若いですが、生活習慣病保険は必要ですか?
A.生活習慣病保険が必要かどうかは、ライフスタイルや経済状況によって異なります。
生活習慣病は、中高年がかかる病気と思われがちですが、20代・30代でも発症するケースがあります。
主な原因としては、不規則な食事や喫煙、過度な飲酒、遺伝などが挙げられます。
若いうちは保険料を比較的抑えることができ、健康状態も良好なことが多いため、加入しやすいのが一番のメリットです。
病気になったり検査で異常の指摘を受けてからでは生活習慣病保険に加入できない可能性もあるため、健康なうちに備えておくことをおすすめします。
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生活習慣病保険と医療保険、どちらが良いですか?
A.保険は、加入目的や必要な保障内容によって選ぶべき種類が変わります。
医療保険は、幅広い病気やケガをカバーでき、特に入院や手術に備えることができます。
一方で、生活習慣病保険は、生活習慣病による入院や通院の費用、収入の減少に重点的に備えられるのが特徴です。
最近では、医療保険に「生活習慣病特約」を付けて、両方の保障を組み合わせることができる保険商品もあります。
保険はさまざまなリスクに対して対応できるため、加入目的を明確にすることが大切です。
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会社員なので健康保険がありますが、それでも生活習慣病保険は必要ですか?
A.会社員であっても、公的保障でカバーできないリスクに備えるためには生活習慣病保険の検討がおすすめです。
健康保険に加入していると、病気やケガで入院や手術をした際の自己負担は、原則3割に抑えられます。
さらに、高額療養費制度を利用すれば、自己負担の上限まで負担を減らすことができます。会社員の場合、有給休暇・傷病手当金も受け取ることが可能です。
ただし、健康保険だけでは先進医療費や生活費など、医療費以外の出費をカバーできません。
特に生活習慣病の場合、一度罹患すると治療が何年も必要になったり、リハビリが必要になるケースもあります。
傷病手当金では給与が満額保障されるわけではないため、収入の減少と医療費負担が重なり、家計のバランスが崩れる恐れもあります。
健康保険と民間の生活習慣病保険を組み合わせることで、健康保険の自己負担や上限を超える費用を補填でき、長期治療が必要になった場合でも、経済的負担を抑えられるメリットがあります。
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まとめ
今回は、生活習慣病保険の必要性や保険選びのポイントについて詳しく解説してきました。
日本は公的保障が充実しているため、生活習慣病などの比較的大きな病気に罹患しても、毎月の治療費は一定額で済みます。
ただし、治療が長引くと毎月医療費を負担しなければならず、家計に影響を与えるリスクもあるでしょう。
また、先進医療や差額ベッド代、収入の減少といったリスクには公的保険で対応できません。
民間の医療保険であれば入院や手術を受けた際には給付金を受け取れますが、退院後の治療や収入の減少はまかなうことができないため、必要に応じて生活習慣病保険を検討することをおすすめします。
ほけんのコスパでは、三大疾病や高血圧、糖尿病などの生活習慣病に手厚く備えられる保険を複数掲載しています。
年齢と性別を入力するだけで保険料の見積もりも簡単にできます。
ぜひ、保険選びの参考にしてください。
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