「糖尿病で足の切断手術が必要になったら、一体いくらかかる?」「高額な医療費を支払えるか不安・・・」
と不安を感じていませんか?
病気や事故が原因で足の切断が必要になることがありますが、公的医療保険制度を利用することで自己負担は一定額まで抑えることができます。
足を切断した場合、障害者手帳や障害年金を申請することができるため、医療費や生活費は公的制度で一定程度まかなうことができるでしょう。
また条件に該当すれば民間の医療保険で給付金を受け取れる可能性があります。
今回は、足切断にかかる費用と、利用できる公的制度、また民間保険の重要性についてプロが解説します。
この記事を読んでわかること
足の切断手術をした場合、高額療養費制度で自己負担を抑えられる
足の切断手術後はリハビリ等で入院が長引く可能性が高い
義足の費用や自宅のリフォーム費用も考慮が必要になる
目次
3-1.義足(義肢)の費用
3-4.収入の減少(休職・退職リスク)
6.まとめ
足の切断手術費用は「高額療養費制度」で自己負担額が決まる
足の切断手術のように医療費が高額になる場合でも、「高額療養費制度」で1カ月の医療費の自己負担には上限額が設けられています。
そのため、数百万円の支払いが一度に発生することはほとんどありません。
例えば医療費自体が100万円かかったとして、実際の自己負担額は平均的な所得の人で1カ月あたり9万円~10万円前後になるケースが一般的です。
高額療養費制度の自己負担限度額は年齢や収入によって異なるため、制度の内容について事前に理解しておくことが大切です。
足の切断手術にかかる費用の目安と内訳
糖尿病で膝下を切断した場合の費用を見ていきましょう。
足を切断した場合、入院期間は比較的長期におよびます。
リハビリなどもふまえ2カ月間の入院をしたと仮定すると、必要になる医療費の概算は次のとおりです。
・四肢切断術(上腕、前腕、手、大腿、下腿、足) 2万4320点
・麻酔管理料(麻酔管理料(Ⅰ):L009) 1050点
・マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔 6,000点
・急性期一般入院料1 1688点/日 10万1280点/60日間
・糖尿病合併症管理料170点 月1回加算 340点/60日間
医療費の合計 132万9900円
3割負担分 39万8970円
※2025年11月時点
これはあくまでも一例で、足を切断する理由や、その他の合併症があるかどうかによっても術式や入院日数が異なり、最終的な費用にも違いがでてきます。
ただし、高額療養費制度を利用することで、自己負担額はここから軽減できます。
実際の負担額についてシミュレーションしてみましょう。
高額療養費制度の「自己負担限度額」シミュレーション
高額療養費制度の自己負担上限額は、年齢と収入によって異なります。
年収が約370万円~約770万円の現役世代の場合を考えてみましょう。
足の切断に伴う入院で、医療費が132万円かかったとします。
8万100円+(132万円ー26万7000円)×1%=9万630円
ただし、これは入院が1カ月内に収まった場合です。
足切断手術を行った場合、リハビリ等で入院が2カ月以上におよぶケースもあります。
月が変わると高額療養費の計算はリセットされるため、計算式は次のとおりです。
初月:手術費用+入院30日間+糖尿病管理加算の費用
8万100円+(82万1800円ー26万7000円)×1%=8万5648円
2カ月目:入院30日間の費用+糖尿病管理加算の費用
8万100円+(50万8100円ー26万7000円)×1%=8万2511円
合計:16万8159円
このように、入院が長引くほど医療費の自己負担額は大きくなっていきます。
特に足の切断術は術後の入院が長引くことが多く、リハビリにかかる費用が加算される可能性もあります。
さらに、個室療養をすればその分の差額ベッド代も上乗せされます。
民間の医療保険に加入していれば自己負担分を給付金でまかなうことができるため、加入中の保険の保障内容を今一度確認しましょう。
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高額療養費制度の申請方法と注意点
高額療養費制度を利用するには、自身が加入している健康保険組合への申請をするか、マイナ保険証を利用するかのどちらかが必要です。
健康保険組合への申請は、主に「事前申請」と「事後申請」の2つがあります。
事前申請は、入院や手術の予定があらかじめ決まっている場合に利用できます。健康保険組合に申請して「限度額適用認定証」を取得し、退院時に医療機関の窓口で提示することで、支払い自体を自己負担限度額までに抑えることができます。
事後申請は、緊急入院などで事前申請が間に合わなかった場合に行います。一旦3割分を負担し、その後健康保険組合に申請し差額を払い戻してもらう手続きです。
マイナ保険証を利用する場合は、事前申請や事後申請の必要がありません。保険証の読み取り時に「情報提供に同意する」を選択することで、限度額適用認定証を利用した際と同様の扱いを受けることができます。
高額療養費制度は、医療費の自己負担額を軽減できる非常に有効な制度ですが、すべての費用に適用できるわけではありません。個室療養をした際の差額ベッド代や、食事代などは適用外となり自己負担が必要ですので注意してください。
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公的制度の対象外となる継続的な費用
高額療養費制度によって手術や入院にかかる直接的な医療費の負担は軽減されますが、手術後の生活では、公的制度対象外の日常生活費用や継続的に発生する費用があります。
足の切断後は、日常生活を取り戻すためにさまざまなサポートが必要です。
医療費以外にかかる費用について見てみましょう。
義足(義肢)の費用
足の切断後は、日常に戻るため義足が必要です。義足は、歩行を目的とした日常生活用義足と、ランニングなどのスポーツ活動のためのスポーツ用義足があり、公的補助の扱いや費用が大きく異なります。
日常生活用義足の購入は、障害者総合支援法の補装具費支給制度が利用できます。自己負担は原則1割となりますが、所得に応じて負担上限月額が設定されており、生活保護者と低所得者は負担なし、一般所得者は3万7200円が上限額となっています。
義足は永続的に使えるわけではなく、継続的な費用も発生します。
下腿義足(膝から下)は約2年、大腿義足(太ももから下)は約5年が一般的な耐用年数とされています。耐用年数内の再購入は原則として補助の対象外となり、修理対応が基本となるため注意が必要です。
一方、スポーツ用義足は基本的に公的補助の対象外です。購入費用は数十万円から百万円以上と非常に高額になります。
資金調達が必要な場合は、スポーツ団体・財団による製作支援や貸し出しのプロジェクトを探すか、クラウドファンディングを利用するなどの方法があります。
(補装具費支給制度の概要|厚生労働省)
リハビリテーションの費用(通院・入院)
足の切断手術後は、長期的なリハビリテーション(リハビリ)が不可欠です。
リハビリは入院中から始まり、退院後はリハビリ専門病院への転院や、外来での通院リハビリへと移行します。
リハビリ費用は公的保障の対象になるため、高額療養費制度の自己負担額が上限額となります。
ただし、移動時の交通費や入院時の差額ベッド代は対象外になるため注意が必要です。
また、回復期リハビリテーションには期間制限があり、義肢装着訓練を要する場合の標準的な入院可能期間は最長150日間(約5カ月)と定められています。
この期間を超えると、「維持期リハビリ」として介護保険、または全額自己負担の自費リハビリへと移行します。
住宅改修費用(バリアフリー化など)
足の切断手術後、義足や車椅子での生活になると、自宅のバリアフリー化も視野に入れる必要がでてきます。
2019年4月時点のリフォーム実施調査によると、バリアフリーを目的としたリフォーム費用の相場は一戸建てで300万円未満、マンションでは900~1200万円となっています。
リフォームには非常に大きな費用がかかりますが、足を切断した後の生活の安全確保や、生活の質(QOL)向上のためには重要です。
医療費やリハビリにかかる費用だけでなく、リフォーム費用などの大きな出費についても考慮しておく必要があるでしょう。
(参考:バリアフリーを目的としたリフォーム費用・価格相場情報|SUUMO)
参考)介護保険における住宅改修
足の切断により要介護認定を受けた場合、介護保険制度の「居宅介護住宅改修費」を利用して、自宅のバリアフリー化費用を補助してもらうことができます。
要介護度にかかわらず、生涯20万円を限度に改修費用の1割~3割が自己負担となります。
住宅改修の種類は次のとおりです。
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
- 滑り防止や移動を円滑にするため等の床または通路面の材料の変更
- 引き戸等への扉の取替え
- 洋式便器等への便器の取替え、便器の位置・向きの変更
限度額を使い切った後や、介護保険の対象外となる大規模な工事が必要な場合は、自治体独自の重度身体障害者等住宅改造費助成制度の利用が可能となる場合があります。ただし、補助の内容は自治体によって異なるため、事前の確認が必須です。
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収入の減少(休職・退職リスク)
足の切断手術後は、入院やリハビリが長引き働けない期間が長く続きます。
また、職業によっては、これまで通り働くことが難しくなるかもしれません。
退院後の収入の減少についても、ある程度考慮しておく必要があるでしょう。
一概に「これだけ収入が減少します」とはいえませんが、自身の状況に照らし合わせて、仕事復帰ができなかった場合や、できたとしてもこれまでどおり働けない場合にどうなるかをシミュレーションしておくことが大切です。
退職が必要になった場合、障害年金等公的な給付金が収入の主な柱となります。
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足の切断手術で医療保険は使える?
民間の医療保険に加入していれば、足の切断手術を受けた際、入院給付金と手術給付金を受け取れる可能性があります。
入院給付金は、入院日数ごとに受け取れる日額タイプが一般的です。
1回の入院で保障される日数には、60日や90日など制限が定められているため、事前に保障内容についてしっかり確認しておくことが大切です。
手術給付金は、受けた手術の種類に応じてまとまった一時金が支払われるタイプが一般的です。
手術が決まった段階で、加入している保険会社に給付金請求をしたい旨を伝え、どの金額が適用されるかを確認しておくと良いでしょう。
例):もらえる給付金の目安
足の切断術を受けて2カ月間入院した場合を想定し、医療保険でもらえる給付金のシミュレーションをしてみます。
60日型/入院日額5000円/手術給付金20倍の場合
- 入院給付金 5000円✕60日=30万円
- 手術給付金 5000円✕20=10万円
合計:40万円
この場合、医療保険で受け取れる給付金で、医療費の自己負担分を十分まかなえる計算になります。
保険金(給付金)を請求する際の手続きと流れ
足の切断手術のように重大な傷害を負った場合、入院給付金や手術給付金以外にも、死亡保険の高度障害保険金を受け取れる可能性があります。
請求漏れがないよう、まずは加入している保険会社に現状を伝え、給付金・保険金請求ができるかどうかを確認することが大切です。
保険会社に給付金請求の連絡をした後は、送られてくる案内をもとに必要な書類を準備します。
保険会社所定のフォーマットでの診断書が必要なケースが多いため、必要に応じて医師に作成を依頼しましょう。
診断書作成にかかる費用は原則自己負担です。
必要書類を返送後、保険会社の審査が行われます。
書類に問題がなければ、1~2週間程度で指定口座に給付金が振り込まれます。
保険会社から明細書も送られてくるので、念の為金額に誤りがないか確認しましょう。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2025年12月1日―2025年12月31日)
保険を見直す3つの視点
「持病を抱えていて足切断が不安」「突然の事故に備えたい」と思っている人は、まず加入中の保険の見直しをはじめてみましょう。
ここからは、万が一に備える保険の見直し方をご紹介します。
入院日数の手厚さ、一時金は十分か?
足の切断手術では、手術後の治療だけでなく、義肢装着訓練を含むリハビリテーションを含めて入院期間が長期化するリスクがあります。
そのため、医療保険の「入院日型」が長期入院に対応できているかを確認しましょう。
30日型など短期の入院日型の場合、入院日数すべてをカバーできない可能性があります。
足切断手術に備えるのであれば、最低でも60日型以上の医療保険に加入しておくべきでしょう。
基本的に、長期入院に備えるのであれば「入院日額保障」を重視するのがおすすめです。
一方、短期入院に備えたい場合は入院日数に関係なく一時金を受け取れる「入院一時金保障」を検討しましょう。
足切断術の場合入院が比較的長引くリスクがあるため、入院日額保障を優先することがおすすめですが、必要に応じて入院一時金も付加しておくことでより手厚い保障を準備することができます。

Q1
性別をお伺いします
収入減少リスクに備えられているか?
足を切断した後は、これまで通り働くことが難しいケースもあるでしょう。
医療費の負担だけでなく、収入減少に備えられているかも大切なポイントです。
民間の就業不能保険であれば、傷害を負ったり働けない状態になった場合、毎月の給与のような形で給付金を受け取ることができます。
また、足の切断部位によっては、生命(死亡)保険の高度障害保険金を受け取れる可能性もあります。
自身が加入している保険で、働けなくなったり収入が減少するリスクに十分備えられているかを確かめましょう。
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糖尿病などの持病の悪化にも備えられる保険か?
今加入している保険がある人は、糖尿病など自身が抱えている持病の悪化も保障される保険かどうかを確認しておくことが大切です。特別条件などの制限がついていないか、事前に確かめましょう。
すでに糖尿病の治療を受けていて新しく保険加入を検討している人は、引受基準緩和型医療保険の検討がおすすめです。
通常の保険と比べて健康状態に関する告知事項が緩和されており、持病があっても加入しやすい保険です。
保険料は少し割高になりますが、持病の悪化も保障されるメリットがあります。
ただし、すでに手術の予定が決まっていたり、1~2年以内に手術歴がある場合加入は難しくなるため、注意が必要です。
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まとめ
今回は、足の切断手術にかかる費用と、手術後の生活について解説してきました。
足の切断後はリハビリ等も含めて入院期間が長くなるリスクがあります。
また、差額ベッド代や義足費用、自宅のリフォーム費用などさまざまな費用がかかります。
民間の保険に加入していれば、医療保険や就業不能保険で給付金を受け取れる可能性があります。
万が一に備え、今加入している医療保険が長期入院に対応できているか、収入の減少もカバーできる保険に加入しているかを確認しておきましょう。
ほけんのコスパでは、持病がある方でも加入しやすい保険を複数掲載しています。
保険選びに迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
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