自営業やフリーランスとして働く中で、「もし病気やケガで長期間働けなくなったら、収入はどうなるんだろう?」と不安に感じている人も多いでしょう。
会社員と違い、自営業者は原則として傷病手当金を受け取れないため、自身で備えを準備しておく必要があります。
本記事では、傷病手当金の代わりになる保険や、自身の状況にあった保険の選び方を詳しく紹介します。
この記事を読んでわかること
自営業やフリーランスで働く人は傷病手当金を受け取れない
働けなくなるリスクに備えるには「就業不能保険」や「所得補償保険」がおすすめ
自身の貯蓄額や生活費と照らし合わせて無駄のない保障を準備しましょう
目次
4-1.生命保険料控除
4-2.障害年金(1級・2級)
5.まとめ
自営業・フリーランスは原則「傷病手当金」の対象外
結論として、個人事業主やフリーランスなどの自営業者は、原則として「傷病手当金」を受け取ることができません。
傷病手当金は、会社員などが加入する「健康保険」に備わっている制度であり、業務外の病気やケガで働けなくなった際の収入を補償するためのものです。
一方、自営業者が加入する「国民健康保険」には、この傷病手当金の制度が設けられていません。
そのため、病気やケガで働けない状況が続くと、収入が完全に途絶えてしまうリスクに直面することになります。
公的保障の違いが、自営業者にとって民間の保険で備える必要性が高いといわれる大きな理由です。
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国民健康保険と社会保険(会社員)の保障の違い
自営業者が加入する「国民健康保険」と、会社員が加入する「健康保険(社会保険)」では、休業時の収入保障に明確な違いがあります。
会社員が加入する健康保険には、傷病手当金という制度があります。
傷病手当金は、業務外の病気やケガで働けない状態が連続して3日間続いた後、4日目から支給が開始され、通算で1年6カ月間、給与のおよそ3分の2にあたる金額が支給されるものです。
一方で、自営業者が加入する国民健康保険には、この傷病手当金の制度が原則としてありません。
医療費の自己負担を軽減する「療養の給付」や「高額療養費制度」は共通して利用できますが、休業中の収入を直接補う機能はないため、もしものときのリスクが高くなります。
働けなくなった際のセーフティーネットに差があるため、自営業者は自身の収入を守るための対策を別途講じる必要があります。
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入院だけでなく「自宅療養」も収入減の要因になる
病気やケガで収入が減少するリスクは、入院期間中だけに限りません。
近年の医療現場では入院の短期化が進んでおり、退院後も通院治療や医師の指示に基づく自宅療養が必要となるケースが増えています。
会社員であれば、このような自宅療養期間も傷病手当金の対象となる場合があります。
しかし、自営業者の場合は、たとえ医師の指示であっても仕事を休めば収入は途絶えてしまいます。治療費の負担に加えて、療養期間中の生活費が確保できなくなるという二重の経済的リスクを抱えることになります。
そのため、自営業者が保険を検討する際は、入院保障だけでなく、長期化する可能性のある自宅療養期間中の収入減までカバーできるかを考慮することが必要です。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年2月1日―2026年2月28日)
傷病手当金の代わりとなる保険は主に2種類
公的な傷病手当金の代わりに収入減少リスクに備えるための民間保険は、主に「就業不能保険」と「所得補償保険」の2種類です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 就業不能保険(生命保険会社が主力)
就業不能保険は、病気やケガが原因で、保険会社が定める「所定の就業不能状態」が一定期間続いた場合に、毎月の給与のように定額の給付金を受け取れる保険です。
主に生命保険会社が販売している商品です。
大きな特徴は、入院だけでなく、医師の指示による在宅療養も保障の対象となる商品が多い点です。
入院が短期で終わった後の療養期間中の収入減少にも備えることができるため、傷病手当金を受け取れない自営業者には特におすすめです。
保障期間も60歳や65歳までと比較的長期に設定できるため、現役で働く期間をカバーすることができます。
ただし、うつ病などの精神疾患は保障の対象外であったり、保障に条件が付いたりする場合があるため、加入前に保障内容を詳細に確認することが大切です。
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2. 所得補償保険(損害保険会社が主力)
所得補償保険は、病気やケガで働けなくなった場合に、その期間中の収入減少分を補うことを目的とした保険です。
主に損害保険会社が販売している商品です。
就業不能保険との大きな違いは、保険期間が1年更新など短期であることが多い点です。
また支払われる保険金額は、契約時に設定した金額ではなく、前年の所得などを基準に算出されるのが一般的です。
保障される期間は1〜2年程度と比較的短く設定されている商品が多く、長期的な療養よりも、突発的なケガなどによる短期的な休業リスクに備えるのに適しています。
【比較】それぞれの特徴と向いている人の傾向
就業不能保険と所得補償保険の違いは次のとおりです。
就業不能保険は保険期間を60歳や65歳まで設定することができ、現役で働く期間を長くカバーできる点が特徴です。
また、免責期間も比較的長く、どちらかというと中長期間の療養を保障したい人に適しています。
保障額は年収に応じた上限までの間で自由に設定でき、自身の経済状況に合わせてプランニングできるのもメリットといえます。
一方所得補償保険は、短期的なリスクに手頃な保険料で備えておきたい人におすすめです。
免責期間も短いため、短期間の療養でも保障を受けられる可能性があります。
ただし、基本的に保険期間が1年程度と短く、療養期間が保険期間を超えて続いた場合には保障が受けられないことが多いため注意が必要です。
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保険料と保障のバランスを整える3つの選び方
傷病手当金の代わりとなる保険に加入する際、手厚い保障を求めると保険料が高くなり、家計を圧迫しかねません。
逆に保険料を抑えすぎると、いざという時に保障が不足する可能性があります。
保険選びでは「保険料と保障のバランス」が重要です。では、バランスの良い保険選びのためのポイントを見ていきましょう。
①「支払対象外期間(免責期間)」を調整する
主に就業不能保険の場合、「支払対象外期間(免責期間)」を選べるものが多く存在します。
免責期間とは、就業不能状態になってから給付金の支払いが開始されるまでの待機期間を指します。
免責期間を長く設定するほど、月々の保険料は安くなる傾向にあります。
もちろんその分給付金を受け取れるまでの期間は長くなってしまうため、やみくもに免責期間を長くするのはおすすめできません。
60日、90日、180日から選べる商品が一般的ですが、自身の資産状況等に合わせて適切な日数を選ぶことが大切です。
十分な資産があり、半年程度であれば収入がなくても生活できるのであれば180日の免責でも問題ありませんが、「いざというときになかなか給付金を受け取れなかった」という不満につながりやすいのも事実です。
あらためて貯蓄額と毎月の生活費を把握したうえで、どの程度の免責期間が適切かを考えてみましょう。
②給付金額は「生活費の最低必要額」を目安にする
就業不能保険では、毎月の給付金額を年収に応じた上限までの間で自由に設定できます。
給付金額を高くすればいざというときも安心ですが、一方で毎月の保険料も高くなってしまいます。
最適な給付金額を設定するためには、まず「もしものときに必要となる最低限の生活費」を把握することが重要です。
以下の項目を洗い出してみましょう。
- 住居費(家賃、住宅ローン)
- 水道光熱費
- 通信費
- 食費
- 事業所の家賃やリース料などの固定経費
毎月の支出の合計額が、就業不能状態になった際に必要になる金額の目安となります。
自営業者は傷病手当金を受け取ることができないため、最低限毎月の生活費をまかなえるだけの金額を就業不能保険で保障しておくことが必要です。
過度に大きな金額を設定する必要はありませんが、いざというときに保障が不足してしまわないよう注意しましょう。
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③保障期間は「60歳・65歳まで」などリタイア時期に合わせる
就業不能保険は、主に現役で働いている期間の収入減少に備えるための保険です。
そのため、保障が終了する「保険期間」は、自身が引退を予定している年齢に合わせるのが一般的です。
例えば、65歳でのリタイアを計画している場合、保険期間を65歳満了に設定します。
リタイア時期が明確でない場合は、少し長めに保険期間を設定し、保険が不要になった段階で解約する方法がおすすめです。
保険期間を短く設定すればその分毎月の保険料は抑えられますが、あとから「保障を長くしたい」と思っても変更はできません。
ライフプランの変化により柔軟に対応するためにも、保険期間は多少余裕を持って設定しておくと良いでしょう。
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保険加入前に確認したい税制と公的支援
民間の保険を検討する際は、合わせて公的保障や税制についても確認しておくことが大切です。
自営業者が知っておきたい公的支援について解説します。
生命保険料控除
生命保険料控除は、1年間に支払った生命保険料の金額に応じて、その年の所得から一定額が控除される制度です。
課税対象となる所得が減るため、結果的に所得税や住民税の負担が軽減されます。
生命保険料控除には、「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つの枠があります。
傷病手当金の代わりとなる就業不能保険の保険料は、このうち「介護医療保険料控除」の対象となります。
自営業者の場合、毎年行う確定申告の際に、保険会社から送付される「生命保険料控除証明書」を添付して申告することで控除を受けられます。
(参考:生命保険料控除|国税庁)
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障害年金(1級・2級)
障害年金は、病気やケガが原因で、法令で定められた障害等級(1級または2級)に該当するような重い障害状態になった場合に、現役世代でも受け取ることができる公的な年金制度です。
自営業者が加入する国民年金からは、「障害基礎年金」が支給されます。
民間の保険とは別に国から支給されるセーフティーネットであり、万が一の際の生活を支える重要な収入源となります。
ただし、障害年金は受給するための要件が厳格に定められています。
障害等級1級から2級に該当することが必須で、さらに初診から1年6カ月以上経過しなければ申請手続きができません。
また申請から認定まで時間がかかることもあります。
障害年金の対象にならない程度の働けない状態や、障害年金を請求できるまでの1年6カ月間の生活費をカバーするために、民間の就業不能保険を検討すると良いでしょう。
(参考:障害年金のご案内|日本年金機構)
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まとめ
自営業者やフリーランスは、会社員と異なり傷病手当金を受け取ることができないため、病気やケガで働けなくなった際の収入減少リスクに自身で備える必要があります。
特に、長期療養をカバーするには就業不能保険がおすすめです。
保障を決める際は闇雲に手厚い保障にするのではなく、「免責期間」「給付金額」「保障期間」の3つのポイントを調整し、自身の貯蓄状況やライフプランに合った無理のない保険料で、必要な保障を準備することが大切です。
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保険選びに迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
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