専業主婦に死亡保障は必要?見落としがちなリスクと賢い選び方をプロが解説

専業主婦に死亡保障は必要?見落としがちなリスクと賢い選び方をプロが解説

(最終更新日:

執筆者:

橋本 優理

監修者:

高橋 明香

専業主婦だから死亡保障はいらない?」「夫の保険を優先していたけど自分の保険は大丈夫?」と不安を抱えていませんか?

専業主婦の場合、収入がないことを理由に保険の検討を後回しにしてしまうケースも少なくありません。

しかし、幼い子どもがいる世帯では特に、専業主婦の死亡保障が必要になる可能性があります。

本記事では、専業主婦の死亡保障の必要性と、賢い保険の選び方についてプロが解説します。

この記事を読んでわかること

  • 子どもがいない場合は葬儀代をまかなえる程度の少額の死亡保険で十分

  • 幼い子どもがいる場合、のこされた家族の家事・育児負担を考慮した保険選びをしましょう

  • 子どもが成人するまでの間を効率的に保障できる「定期保険」や「収入保障保険」がおすすめ

専業主婦の死亡保障は「子どもの有無」で判断する

専業主婦にとって死亡保障が必要かを判断するうえで、最も重要な基準は「子どもの有無」です。

子どもがいるかどうかで、万が一の際にのこされた家族の負担は大きく変わってきます。

具体的に見ていきましょう。

子どもがいない場合:基本的に「不要」または「葬儀費用のみ」

子どもがおらず、経済的に支援が必要な家族がいない場合、高額な死亡保障の必要性は低いといえるでしょう。

家計は夫の収入で成り立っているため、妻が亡くなっても直ちに生活が困窮することはほとんどありません。

ただし、自身の葬儀費用やお墓の準備にかかる費用は考慮しておきましょう。

死亡整理資金として、200~300万円の死亡保険保険に加入していれば万が一の際にかかる費用をまかなうことができます。

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少額の終身保険で、最低限の死亡保障を確保しておけば基本的には十分でしょう。また、今ある貯蓄で整理資金も十分まかなえるのであれば、敢えて民間の保険に加入する必要性は低くなります。

子どもがいる場合:生活を守るために「必要」な可能性が高い

子どもがいる家庭では、専業主婦の死亡保障の必要性が高くなります。

専業主婦は直接的な収入を得ていなくても、家事や育児といった大切な役割を担っています。

妻に万が一のことがあったとき、夫が一人で仕事と家事・育児のすべてをこなすのは現実的ではありません。

特に子どもがまだ幼い場合、ベビーシッター家事代行などの民間サービスを利用することもあるでしょう。

「専業主婦で収入が無いから死亡保障は不要」と安易に考えるのではなく、のこされた家族の経済的・身体的負担も考慮する必要があります。

葬儀代に加え、毎月の生活費として家族にのこせるだけの死亡保障を確保しておくのがおすすめです。

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子どもが成人するまでの一定期間だけ、定期保険収入保障保険で手厚く備えておくのが効率的でしょう。

参考)死別で父子世帯になった割合

令和3年度の統計データによると、父子世帯になった理由が「妻の死別」である割合は全体の約2割となっています

「離婚」に次いで多い理由となっており、病気や不慮の事故などで妻を亡くしたことで父子家庭になるケースも一定数あることがわかります。

妻が専業主婦の場合、平日は家事や育児をお任せしている家庭も少なくないでしょう。

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突然万が一のことがあり、夫が子どもと暮らしていくことになると、経済的な負担だけでなく肉体的・精神的な負担も大きくなります。

(参考:募集情報等提供事業の業務運営要領|厚生労働省)

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「収入がないから不要」は本当?見落としがちな3つの経済的リスク

「専業主婦は収入がないから死亡保障は不要」と安易に判断してしまうのは、危険なケースもあります。

見落としがちなリスクについて考えてみましょう。

1.家事・育児のアウトソーシング費用(月額換算)

専業主婦が担っている家事・育児は、金銭的な報酬こそ発生しませんが、経済的価値があるものです。

内閣府の調査では、専業主婦の無償労働は年収に換算すると約250万円、育児を含めると約500万円相当になるとの試算もあります。

もし専業主婦の妻に万が一のことがあった場合、家事や育児を民間のサービスで代替する必要が出てきます。

家事代行の場合、地域や利用時間・回数によっても費用は異なりますが、1時間あたり3000円~5000円程度が平均的な費用です。

1回の利用は3時間前後が一般的で、1万円以上の支払いが発生することも珍しくありません。

その他、交通費や駐車場料金、延長料金等も負担しなければならない場合もあり、想定以上に支払いが大きくなることもあるでしょう。

ベビーシッターの料金は地域差が大きく、シッターのスキルや子どもの人数によっても変動します。

1時間当たり1500円前後で利用できるものから、3000円以上の費用がかかるものまで幅広くなっています。

その他、外食やミールセットなどの利用による食費の増加など、細かな支出が重なり家計を圧迫するリスクも考えられます。

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夫の給与だけですべてをまかない、さらに子どもの教育費や将来のための貯蓄も並行して取り組むことができるかを考えておく必要があるでしょう。

2.夫の働き方の変化による「世帯収入の減少」

妻が亡くなった場合、夫は家事や育児を一手に担う必要があります。

近くに頼れる親族がいれば良いですが、そうでない場合いわゆる「ワンオペ育児」になり、働き方にも影響が出る恐れがあります。

例えば、子どもの送り迎えや世話のために、これまでのように残業ができなくなったり、場合によっては時短勤務を選択せざるを得なくなったりするかもしれません。

出張が多い職種であれば、働き方そのものを見直す必要も出てくるでしょう。

夫が家事・育児に時間を割くことで労働時間が減少し、結果として給与が下がる可能性があります。

女性コンシェルジュ

家事代行サービスやシッター代などの「支出の増加」に加えて、「収入の減少」という二重の経済的打撃に備えておく必要があるでしょう。

参考)ひとり親世帯の年間収入

令和2年のデータによると、父子家庭の父自身の平均年間就労収入は496万円となっています。

母子家庭の母の平均年間就労収入236万円と比較すると多いですが、子どもを育てながら生活費をまかない、教育費や老後の費用まで準備するのは難しいかもしれません。

特に、子どもがある程度成長すれば妻も働こうと考えていた場合、妻に万が一のことがあるとライフプランに大きな変化が生じます。

妻の収入が見込めなくなるため、教育費の捻出が難しくなるケースもあるでしょう。

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まずは、夫婦で今後のライフプランについて話し合い、妻に万が一のことがあったときのリスクを洗い出しておくことが大切です。

(参考:令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告|厚生労働省)

3.公的保障(遺族年金)における「夫」の支給条件

万が一の際に家計を支える公的保障として「遺族年金」があります。

しかし、専業主婦が亡くなった場合に夫が受け取るためにはいくつかの条件が設けられています。

専業主婦(国民年金第3号被保険者)が亡くなった場合、夫が受け取れる可能性があるのは「遺族基礎年金」のみです。

遺族基礎年金を受け取るためには、「死亡当時に18歳年度末までの子ども(障害等級1級・2級の場合は20歳未満)の生計を維持していたこと」が条件となります。

つまり、次のケースでは遺族基礎年金は支給されません。

  • 子どもがいない場合
  • 子どもが18歳の年度末を過ぎている場合

子どもがいたとしても、その子が成長して18歳年度末を迎えると支給は終了してしまいます。

夫が受け取れる遺族厚生年金はないため、公的保障だけで長期的に生活を支えるのは難しいのが実情です。

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公的保障の不足分を補うために、民間の死亡保障を検討する必要があるでしょう。

当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年4月1日―2026年4月30日)

専業主婦の死亡保障、いくら掛けるのが妥当?

専業主婦に必要な死亡保障額は、各家庭の状況によって異なります。

やみくもに高額な保険に入るのではなく、万が一の際に「何に」「いくら」「いつまで」お金が必要になるのかを具体的に計算し、過不足のない金額を設定することが必要です。

では、必要保障額の算出方法について具体的に見ていきましょう。

保障額の考え方:葬儀代 + 家事代行費 × 必要な年数

専業主婦に必要な保障額は、のこされた家族の支出から収入を差し引いて算出します。

具体的には、次の要素を考慮すると良いでしょう。

遺族の支出
  • 葬儀関連費用 約150万~200万円
  • 家事・育児の代替費用 年間50万円~100万円
  • 子どもの教育費 約400万円(例:私立大の学費として)
遺族の収入
  • 遺族基礎年金 年間83万1700円+子の加算23万9300円(1人当たり)
  • 現在の貯蓄額
  • 夫の収入(働き方の変化を考慮)

例えば、家事育児の代替費用を年間100万円として見積もると、0歳の子どもがいる場合18年間で1800万円必要になります。

遺族基礎年金は、子の加算をふまえると家事育児の代替費用分程度は受け取ることができる計算になります。

つまり、妻の死亡保障としては葬儀費用と子どもの教育費、夫の収入が減少した分の補填をまかなえる金額に設定しておけば安心です。

女性コンシェルジュ

個人の経済状況や働き方によって実際の必要保障額は異なります。夫婦で一度話し合ってみると良いでしょう。

具体的な金額シミュレーション例

子どもが小さいほど、将来にわたって家事・育児のサポートが必要な期間が長くなるため、必要な保障額も大きくなります。

家事育児の代替費用や習い事にかかる費用を遺族年金でまかなうとして、葬儀費用と子どもの大学進学費用の準備収入減少分の補填を検討しなければなりません

例えば未就学児が2人いる家庭の場合、私立大学の学費として2名分800~1000万円が必要になります。

加えて、夫の収入が仮に毎月5万円減少したとすると、18年間でおよそ1080万円のマイナスとなります。

葬儀費用200万 + 学費1000万円(大学のみ) +収入減少分1080万円(18年分) = 2280万円

合わせて約2200万円の保障が子どもが成人するまでの18年間確保できていれば、専業主婦の妻に万が一のことがあってものこされた家族を経済的に守ることができる計算になります。

この高額な保障は、終身で準備する必要はありません。

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定期保険収入保障保険など、一定期間の掛け捨てタイプの保険で準備しておけば、子どもの年齢に合わせて効率よく保障を確保することができます。

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保険料を抑えて賢く備える|保険種類の選び方

専業主婦の死亡保障は、保険料を可能な限り抑えて、無駄無く備えることが大切です。

ここからは、保険料を抑えるポイントをご紹介します。

高額な「終身保険」より「定期保険・収入保障保険」

子どもがいる家庭の場合、専業主婦であっても必要保障額が1000万円~2000万円と高額になることもあります。

しかしこの必要保障額は一生涯に渡って必要になるわけではなく、子どもが成人するまでや大学を卒業するまでの「期間限定」です。

そのため、保障が一生涯続く終身保険ではなく、必要な期間だけを保障する掛け捨ての「定期保険」や「収入保障保険」がおすすめです。

定期保険は保険期間中の保障額が一定で、万が一のことがあった際に遺族がまとまった保険金を受け取れるものです。

収入保障保険は、万が一のことがあった時から毎月◯万円を、保険期間が終了するまで遺族に支払う保険です。

保険期間が短くなるにつれて遺族が受け取る保険金の総額も減少します。

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いずれも、保険期間を子どもが成人する年齢に合わせて設定しておけば、無駄なく必要な期間だけ保障を確保することができます。

「収入保障保険」なら受け取り方を柔軟に選べる

収入保障保険は、万が一の際に保険金を一括で受け取るのではなく、毎月お給料のように分割で受け取る形式の死亡保険です。

のこされた家族の毎月の生活費を安定的に補填するのに適しています。

収入保障保険の大きな特徴は、契約期間が経過するにつれて受け取れる保険金の総額が減少していく点にあります。

子どもの成長とともに必要な生活費や教育費の総額は減っていくため、合理的な仕組みと言えます。

また、保険会社によっては、急な出費に備えて保険金の一部を一時金として受け取り、残りを年金形式で受け取るといった柔軟な対応が可能な商品もあります

保険金をまとめて受け取るとその分受取総額は減少しますが、万が一の際に資金が足りなくなったときには便利な制度です。

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収入保障保険を検討する際は、受け取り方の規定について事前に確認しておくようにしましょう。

専業主婦の保険に関するよくある質問

ここからは、専業主婦の保険選びに関するよくある質問に、保険のプロがわかりやすく回答します。

Q.医療保険と死亡保障、どちらを優先すべきですか?

A.保険未加入の場合、まずは医療保険を優先しましょう。

病気やケガで入院するリスクは、誰もが抱えています。

特に若い人の場合、突然亡くなることよりも入院や手術が必要になる事態のほうが身近に感じるでしょう。

まずは、突発的な医療費の支払いが発生して、家計に影響を及ぼす事態に備えておくのがおすすめです。

その上で、幼い子どもがいるなど万が一の際に遺族への経済的影響が大きい場合に、死亡保障を上乗せで検討すると良いでしょう。

オススメ医療保障30秒診断イメージ

Q1

入院時の費用は?

参考:

Q.妻がパートで働き始めたら、死亡保障は見直すべきですか?

A.見直すことをおすすめします。

パート収入によって世帯収入が増えれば、妻の家計への貢献度も高くなります。

保障を手厚くする必要が出てくるケースもあるでしょう。

反対に、パート収入によって貯蓄額が増えるようであれば、死亡保障を減額することも可能になるかもしれません。

また、勤務先の社会保険に加入して厚生年金の被保険者になれば、遺族厚生年金の対象となり公的保障が手厚くなります。

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働き方と貯蓄額によって、適切な保障額は異なります。妻の働き方が変われば、その都度保障を見直すのが良いでしょう。

Q.死亡保障の代わりに「貯蓄」で備えるのはアリですか?

A.数百万から1000万円以上の必要保障額を貯蓄だけで準備できている場合は、保険が不要なケースもあります。

現時点で大きな資産を保有している場合、敢えて妻の死亡保障を検討する必要性は低いかもしれません。

しかし、いまから貯蓄をスタートする場合、目標額に到達する前に万が一のことが発生するリスクを考慮しておく必要があります。

保険の最大のメリットは、加入直後から少額の保険料で大きな保障を確保できる点です。

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貯蓄が十分でないうちは保険でリスクに備え、資産形成が進んだ段階で保障額を見直すのが効率的でしょう。

Q.独身時代に入った保険のままでいいですか?

A.見直しがおすすめです。

結婚や出産といったライフステージの変化は、保険を見直す絶好のタイミングです。

独身時代に加入した保険は、自身の医療保障などがメインになっていることが多いでしょう。

しかし家族が増えると、のこされた家族の生活を守るための死亡保障の必要性が高くなります。

また、保険金の受取人や指定代理請求人が両親のままになっている可能性もあります。

女性コンシェルジュ

保障内容の見直しと併せて、受取人や代理人の確認もしておくと良いでしょう。

まとめ

今回は、専業主婦の死亡保障について詳しく見てきました。

「収入がないから保険は不要」と安易に考えるのは危険です。

経済的な損失だけでなく、のこされた家族の家事・育児の負担について考慮しておく必要があります。

ほけんのコスパでは、掛け捨てで保険料が割安な死亡保険を複数掲載しています。

お手頃な保険料で最低限の保障を確保しておきたい専業主婦にはおすすめです。

ぜひ参考にしてください。

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監修者 ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

高橋 明香

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

執筆者 保険ライター/2級FP技能士

橋本 優理

大学卒業後、ほけんの窓口グループ株式会社へ入社。約300組のライフプランニングを行い、保険販売業務に従事。その後、異業種にて法人営業を経験し、株式会社エイチームフィナジーで保険EC事業の立ち上げに参画。インターネット上で保険の無料相談ができるサービスの責任者として、自身も多くの世帯のライフプランニングを行う。2023年に株式会社モニクルフィナンシャル入社。経済メディア「LIMO」で300記事以上を執筆。現在は、より多くの人に、より気軽に、自分に合った保険の選び方を知ってほしいとの思いでコンテンツ制作や執筆作業に従事。 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、生命保険募集人資格、損害保険募集人資格保有。

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