高齢者は転倒事故を起こすリスクが高く、骨折で入院や手術が必要になることも珍しくありません。
治療費はいくらかかるのか、親が加入している保険から給付金が下りるのかと、不安に思う人も多いでしょう。
本記事では、高齢者の骨折における医療保険・傷害保険の対象範囲と、給付金請求時の注意点を紹介します。
両親にもしものことがあったときの対策を考えておきたい人も、ぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
骨折で入院や手術をした場合、医療保険・傷害保険の給付金を受け取れる可能性がある
傷害保険であれば入院を伴わない通院でも補償対象となる
骨粗鬆症など病気が原因での骨折は傷害保険の対象外になる可能性が高い
目次
7.まとめ
親が骨折!今ある保険からお金(給付金)は下りる?
親が骨折した場合、加入中の医療保険や傷害保険から給付金を受け取れる可能性があります。
ただし、医療保険と傷害保険では対象範囲が異なるため、証券で保障内容を確認することが大切です。
医療保険の場合:入院・手術給付金の対象になる
医療保険は、病気やケガによる入院・手術を保障する保険です。
骨折の治療を目的とした入院や手術を受けた場合、医療保険の入院給付金や手術給付金の支払い対象となる可能性があります。
たとえば、大腿骨頸部骨折で人工関節置換術を受け、リハビリのため30日間入院した場合、手術給付金と30日分の入院給付金を受け取ることができます。
保険証券に記載されている入院給付金の日額と、手術給付金の倍率を確認し、保険会社へ連絡して請求手続きを行いましょう。
給付金の請求手続きは原則本人から行いますが、指定代理請求人を指定していれば本人が手続きできない事情がある場合、代理で請求が可能です。
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傷害保険の場合:通院・入院の対象になるが「ケガの原因」に注意
傷害保険は、日常生活におけるケガを保障する保険で、通院給付金や入院給付金を受け取ることができます。
ケガによる通院であれば、入院を伴わなくても補償対象となるのが特徴です。
ただし、傷害保険の支払い対象となるケガは、「急激」「偶然」「外来」の3つの条件をすべて満たす必要があります。
階段から足を滑らせて転落し骨折した場合は3つの条件を満たしますが、骨粗鬆症が原因での骨折は対象外となる可能性があります。
加入している傷害保険の給付条件を確認し、支払対象となるかを保険会社に直接確認してみましょう。
証券に「特定損傷給付金(骨折一時金)」の特約がないかチェック
特定損傷特約(骨折一時金)は、骨折や脱臼、腱の断裂などを負った際に一時金を受け取れる特約で、医療保険に付加されていることがあります。
特定損傷特約付きの保険であれば、給付金で治療費や入院時の日用品代をまかなうことができます。
例えば転倒による骨折と診断された場合、保障額に応じて5万円~10万円程度の一時金を受け取れる可能性があります。
加入している保険の証券を確認し、ケガに関する特約が付加されているかを確認しましょう。
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【要注意】高齢者の骨折で傷害保険が「対象外(下りない)」になるケース
傷害保険はすべてのケガを保障してくれるわけではありません。
高齢者に多い骨粗鬆症などの病気が原因で転倒・骨折した場合、傷害保険の支払い対象外となる場合があるため、注意が必要です。
骨粗鬆症やめまいなど「病気」が原因の転倒・骨折
傷害保険は「外来の事故」によるケガを対象としており、病気を原因とするケガは補償の対象外となります。
骨粗鬆症による病的骨折や、脳梗塞・めまいといった病気の発作で倒れた際の骨折は、外来の事故に該当しません。
くしゃみをしただけで肋骨が折れた、軽くつまづいただけで骨折した、といったケースでは骨粗鬆症が原因とみなされ傷害保険の対象外となる可能性があります。
親の持病や骨折時の詳細な状況を医師に確認し、診断書の記載内容を把握しておきましょう。
保険会社への「事故状況の申告」が給付の分かれ目になることもある
傷害保険の請求では、事故の発生状況を正確に保険会社へ申告する必要があります。
事故状況の申告内容があいまいな場合、病気が原因の転倒と判断され、保険金が支払われない可能性があります。
つまづいた原因が「段差」なのか「めまい」なのかで、傷害保険の対象になるかどうかの判断は分かれます。
請求書類を作成する際は、事故の発生日時、場所、原因、状況を具体的かつ正確に記載しましょう。
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高齢者の骨折による長期入院…自己負担額の目安はいくら?
高齢者の骨折に伴う長期入院では医療費が高額になりがちですが、高額療養費制度を利用すれば1カ月の自己負担額は抑えることができます。
ここからは、高齢者の骨折による長期入院で、自己負担がどれくらいの金額になるかを解説します。
70歳以上は「高額療養費制度」で月の支払い上限が抑えられる
公的医療保険には、1カ月の医療費の自己負担額が上限を超えた場合、超過分が払い戻される高額療養費制度があります。
70歳以上の人は、所得水準に応じて自己負担上限額が細かく設定されています。
年収156万円〜約370万円(一般所得者)の70歳以上の人が入院した場合、1カ月の自己負担上限額は最大5万7600円となります。
ただし、この費用はあくまでも「1カ月」の上限額です。
入院が何カ月も続いた場合、毎月の医療費が徐々に家計の負担になる可能性があります。
親の所得区分を確認したうえで、1カ月の自己負担がどの程度になるか把握しておくことが大切です。
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差額ベッド代や食事代、リハビリ用おむつ代は「全額自己負担」
高額療養費制度の対象となるのは、公的医療保険が適用される診療費や薬代のみです。
個室に入院した際に必要になる差額ベッド代や、食事代、日用品代、リハビリ用のおむつ代などはすべて高額療養費制度の対象外です。
個室を利用して差額ベッド代が1日5000円かかる場合、30日の入院で15万円が全額自己負担として発生します。
医療費だけでなく、入院時にかかる費用をすべて概算したうえで、余裕を持って資金を準備しておくことが大切です。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年4月1日―2026年4月30日)
医療保険の請求前に確認|高齢者の骨折ならではの落とし穴
高齢者の骨折は入院が長期化しやすく、親本人が給付金請求手続きをできないケースもあります。
保険を請求する前に、保険の支払限度日数や代理請求の仕組みを保険証券などで家族が確認しておくことが大切です。
大腿骨骨折などは入院が長引く|保険証券の「支払限度日数」を確認
高齢者の骨折、特に大腿骨頸部骨折は手術後のリハビリを含めると入院が1カ月以上に及ぶことも珍しくありません。
医療保険の入院給付金には、「1入院あたり60日」「1入院あたり120日」といった支払限度日数が設定されています。
支払限度日数が60日の医療保険に加入している場合、90日間入院しても60日分の入院給付金しか受け取れません。
保険証券で支払限度日数が何日かになっているか事前に確認しておきましょう。また入院が長引く場合は、退院前に中間請求ができるか保険会社に相談してみると良いでしょう。

Q1
性別をお伺いします
親本人の体調が悪く手続きできない場合は「指定代理請求特約」を
給付金の請求は、原則として被保険者本人が行う必要があります。
親が認知症を発症している場合や、体調が悪く手続き書類の記入が難しい場合は、指定代理請求人が代理で手続きできます。
加入している保険に「指定代理請求特約」が付加されているかを確認し、誰が指定されているかを把握しておきましょう。
もし特約が付加されていない場合、万が一に備えて保険会社に指定代理人を設定したい旨を連絡してください。代理人の指定には費用はかかりません。
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骨折を機に考えたい、今後の「介護リスク」への備えと見直し
高齢者の骨折は要介護状態につながるリスクが高いため、事前に介護への備えを検討しておくことが大切です。
保険の中身も、入院の長期化や介護に備えられる内容に見直しすると安心です。
骨折は「要介護」になる大きな原因。介護保険の申請も視野に
高齢者が骨折をきっかけに寝たきり状態となり、介護が必要になるケースは少なくありません。
公的介護保険の要介護認定を受けると、所得に応じて1割〜3割の自己負担で介護サービスを利用できます。
退院後のリハビリや自宅での車椅子利用が必要になった場合、要介護認定を受けていれば自治体の補助を受けることも可能です。
退院後の生活に不安がある場合は、病院の医療ソーシャルワーカーや地域の地域包括支援センターに相談し、介護保険の申請手続きを進めましょう。
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限度日数や重複を見直し、今後の備えを比較検討する
年齢とともに必要な保障額や保障内容は変化するため、定期的な保険の確認と見直しが大切です。
加入中の医療保険の入院支払限度日数が短すぎる場合や、複数の保険で保障内容が重複している場合は、保険の見直しを検討しましょう。
ただし、新しく保険に加入する際は健康状態の診査が必要です。
高齢になると持病を抱えていたり入院歴がある人も多いため、新しい保険に加入できない可能性があることを考慮しましょう。
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高齢者の骨折と保険に関するよくある質問
高齢者の骨折と保険に関するよくある質問に、保険のプロがQ&A方式で回答します。
Q. 骨折した後でも、新たに入れる(見直せる)保険はありますか?
A. 完治後であれば加入できる保険もあります。
骨折の治療中に保険を見直すことは難しいですが、完治して治療が終了していれば問題なく加入できる可能性があります。
告知の際は、後遺症がないかや入院日数がどのくらいだったかを問われますので、正しく申告できるよう準備しておきましょう。
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Q. 診断書の発行代金(文書料)は保険会社から戻ってきますか?
A. 給付金請求のために医療機関で発行してもらう診断書の文書料(5000円〜1万円程度)は、原則として全額自己負担となります。
保険会社が支払うのは給付金のみで、文書料は含まれません。
請求額が少額の場合、診断書代が給付金を上回る費用倒れになる可能性があるため、請求前に給付見込額を確認してください。
最近では、短期の入院であれば診断書不要で請求手続きができる保険会社も増えています。
まとめ
親が骨折して入院や手術が必要になった場合、加入中の医療保険や傷害保険から給付金を受け取れる可能性があります。
ただし、傷害保険は病気が原因の転倒では対象外となるケースもあるため注意が必要です。
医療費の負担は高額療養費制度で一定まで抑えることが可能です。
とはいえ高齢者は長期入院のリスクが高く、毎月の医療費が家計の負担になることも考えられます。
長期入院をカバーできる医療保険で、もしもの事態に備えておくことがおすすめです。
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ぜひ保険選びの参考にしてください。
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