突然の骨折で手術が必要になった際、「手術費用は一体いくら?」「医療保険は使える?」と不安に思うこともあるかもしれません。
骨折の治療は高額な医療費がかかるイメージがありますが、公的制度や民間の保険をうまく活用することで、自己負担は大きく軽減できます。
今回は、骨折の手術や入院にかかる費用相場や、自己負担を抑える方法、民間の医療保険の給付金請求手順まで、保険のプロがわかりやすく解説します。
いざというときに慌てないためにも、ぜひ最後まで記事をご覧ください。
この記事を読んでわかること
骨折の手術にかかる費用は部位や重症度によっても異なるが、3割負担で15~60万円ほど
高額療養費制度を利用することで、自己負担額はさらに抑えられる
医療費や療養中の収入減に備えるためには民間の保険が必要
目次
骨折の手術・入院にかかる費用相場はいくら?
骨折の手術や入院にかかる費用は、骨折した部位や重症度、手術の内容によって大きく異なります。
いざというときに慌てないためにも、骨折時の医療費がどれくらいかかるのか、また保険適用でどの程度の自己負担になるかを把握しておくことが大切です。
部位別・手術別の費用目安(3割負担の場合)
部位や手術別に、費用の目安を見ていきましょう。
例1)手首の骨折(プレート固定)の場合
手術に必要になる費用は主に次のとおりです。
- 手術費用
- 診療報酬点数1万8370点(18万3700円)自己負担約5万5110円
- 麻酔費用
- 特定保険医療材料料(プレートやスクリューの材料費)
手術費用(約5万5110円)のほか、麻酔費用やプレート、スクリューの材料費が高額になるため、総額での3割負担費用は10~25万円程度を見ておくと良いでしょう。
例2)足首の骨折(プレート固定の場合)
足首の骨折の場合も算定される手術費用は手首の場合と同様です。
しかし、材料費が手首骨折の場合よりも高くなる点と、入院が長引く可能性が高い点には留意が必要です。
例3)大腿骨骨折(人工骨頭)の場合
手術に必要になる費用は主に次の通りです。
- 手術費用
- 診療報酬点数1万9500点(19万5000円) 自己負担5万8500円
- 緊急挿入加算4000点(4万円) 自己負担1万2000円
- 麻酔費用
- 特定保険医療材料料(ステム、骨頭の材料費)
上記の手術費用(約5万8500円)や緊急挿入加算(約1万2000円)のほか、その他の骨折時と同様に材料費や麻酔費用などが加算されます。3割負担で45~60万円ほどを見積もっておきましょう。
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意外とかかる「保険適用外」の自己負担費用
骨折の入院時にかかる費用は、すべてが公的医療保険の対象になるわけではありません。
公的医療保険が適用されない費用の例
- 差額ベッド代
- 食事代
- 日用品のレンタル費用などの雑費
- 診断書などの文書作成費用
- 通院交通費
特に、個室や少人数の病室を利用した際にかかる「差額ベッド代」は負担が高額になりがちなため注意が必要です。個室の場合、入院1日あたり平均8000円ほどの負担がかかります。
2週間入院したと仮定すると、差額ベッド代だけで約11万円の自己負担が必要です。
その他、入院時は食事代として1食あたり510円の負担が必要です。
売店での買い物や日用品のレンタル代など、こまごまとした費用も積み重なってそれなりの負担になる可能性があります。
治療費の自己負担額に加えて、公的医療保険が適用されない費用についても準備をしておく必要があるでしょう。
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高額療養費制度の利用で自己負担は抑えられる
骨折の手術で医療費が高額になったとしても、3割負担分を全額支払わなくて良い可能性があります。
ここからは、高額療養費制度の利用で自己負担を抑える方法を解説します。
あなたの自己負担上限額はいくら?
高額療養費制度とは、1カ月に負担する医療費の上限があらかじめ定められており、上限を超えて支払った医療費はあとから返還される制度です。
自己負担の上限額は年齢によって異なります。
多くの人が該当する「69歳以下で年収約370万~約770万円」の区分を例に見てみましょう。
例えば、骨折の手術で3割負担前の医療費が100万円かかった場合、自己負担は次のとおり計算できます。
8万100円+(100万円-26万7,000円)×1%=8万7430円
仮に医療機関の窓口で、3割負担で30万円の支払いをしたとしても、差額の21万2570円はあとから払い戻されることになります。
69歳以下の所得区分別の自己負担限度額は次のとおりです。
【約1,160万円~】25万2,600円+(100万円-84万2,000円)×1% =25万4180円
【約770万~約1,160万円】16万7,400円+(100万円-55万8,000円)×1% =17万1820円
【約370万~約770万円】8万100円+(100万円-26万7,000円)×1% =8万7430円
【~約370万円】 5万7,600円
【住民税非課税者】 3万5,400円

Q1
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負担を安くする「限度額適用認定証」の申請方法
高額療養費制度は後から払い戻しを受けられますが、一時的に高額な医療費を立て替える必要があります。そこで、「限度額適用認定証」を事前に発行しておけば、窓口での支払いを限度額までに抑えることできます。
事前に入院や手術で医療費が高額になることが分かっている場合、加入している健康保険組合に認定証の申請をしましょう。
申請は、WEBから申請書類を印刷して郵送するか、直接健康保険組合の窓口で申請書類を受け取る方法があります。
なお、マイナンバーカードを健康保険証として利用登録している場合、対応している医療機関であれば、限度額適用認定証がなくても同様の扱いを受けることができます。
これまでの保険証は新規発行が終了していますので、マイナ保険証の活用をぜひ検討してみましょう。
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もし申請が間に合わなかったら?(事後申請)
限度額認定証やマイナ保険証の準備が間に合わなかった場合、退院時に一度3割負担分を支払い、その後申請することで払い戻しを受けることができます。
申請先は自身が加入している健康保険組合の窓口で、手続きには保険証や領収書などが必要となります。
払い戻しには通常3カ月以上かかるため、それまでの期間は医療費を自身で立て替えることになります。
また、申請には時効があり、診察を受けた月の翌月の初日から2年を経過すると、差額分の返還を請求する権利が消滅してしまいます。うっかり忘れることがないよう、事後申請はできるだけ早く済ませておくことをおすすめします。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2025年11月1日―2025年11月30日)
民間の医療保険・傷害保険は使える?もらえる給付金と請求手順
骨折で入院や手術が必要になった場合、公的医療保険制度だけでなく、民間の医療保険や傷害保険から給付金を受け取れる可能性があります。
医療保険:病気やケガによる入院・手術を保障
傷害保険:「急激・偶然・外来」の事故によるケガを補償。入院の有無を問わず通院のみでも補償されることが一般的。
チェックすべき4つの給付金
民間の生命保険会社が販売している医療保険では、次の給付金を受け取れる可能性があります。
ただし、通院や特定損傷の保障は特約を付加していなければ受け取れないため、自身の保険証券を確認し、保障がついているかを確認しておくことが大切です。また、損害保険会社が販売している傷害保険(ケガの保険)でも、骨折時の保障を受けられます。
保険金(給付金)を請求する「3ステップ」
骨折の治療が落ち着いたら、加入している医療保険や傷害保険の給付金請求手続きを行いましょう。請求手続きは次の3つのステップです。
まずは、加入している保険会社のカスタマーセンターや担当者に連絡し、骨折で治療を受けた旨を伝えます。
入院日数や術式等を聞かれる場合があるため、事前に準備しておきましょう。
また、本人確認のために証券番号を伝える必要があるため、連絡する際には手元に保険証券を用意しておくとスムーズです。
後日、保険会社から請求書類一式が送られてきます。
請求書に必要事項を記入し、保険会社から指示された必要書類を揃えて返送します。
請求に必要な診断書は保険会社所定のフォーマットであることが一般的です。保険会社から受け取った診断書を医師に渡して、書類作成を依頼しましょう。
書類作成にかかる費用は自己負担になります。
最近では、給付金請求依頼から実際の手続きまでをWEBでできる保険会社も増えています。
自身が加入している保険会社がWEB請求に対応しているか、事前に確認しましょう。
書類を提出後、保険会社の審査に問題がなければ、指定口座に給付金が支払われます。
書類に不備がなければ1週間前後で着金し、併せて支払明細書が保険会社から送られてきます。
着金額と明細に差異がないか、確認しましょう。
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Q.仕事中や交通事故の場合は?
A. 仕事中や通勤中の骨折は「労災保険」、交通事故の場合は「自賠責保険」などが優先されます。
業務中や通勤途中のケガは、労災保険の適用対象となります。
労災保険が認定されると、治療費の自己負担は原則として発生しません。
さらに、仕事を休んだ日に対しては、給与のおおよそ8割が「休業(補償)等給付」として支給されます。
交通事故で骨折した場合は、原則として加害者が加入している自賠責保険や任意保険から治療費が支払われます。
どちらのケースでも、医療保険や傷害保険など自身で加入している民間の保険があれば、そこから給付金も受け取ることができます。重複して受け取れないわけではないので、忘れずに請求手続きを行いましょう。
高額療養費制度があっても、民間保険が必要な理由
「高額療養費制度があるなら、民間の医療保険は必要ないのでは?」と考える人も少なくないでしょう。
確かに、1カ月の医療費負担を一定まで抑えられるため、「お金がなくて治療を受けられない」といった事態に陥ることは考えにくいです。
とはいえ、高額療養費制度は万能ではありません。
ここからは、高額療養費制度を利用したとしても、民間の医療保険で備えておくべき理由について解説します。
高額療養費制度でカバーできない費用を補うため
高額療養費制度では、治療にかかる費用がすべてカバーされるわけではありません。
差額ベッド代や入院中の食費、その他の雑費などさまざまな費用が医療費とは別で必要になります。
特に差額ベッド代は、入院が長引けば数十万円にのぼることもあります。
民間の医療保険から受け取る入院給付金や手術給付金は使い道が自由なため、保険適用外の支払いに充当することができ、家計の負担を軽減できる点がメリットです。
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入院中の収入減少をカバーするため
医療費の支払いだけでなく、入院中の収入減少にも目を向けておく必要があります。
特に骨折の場合、退院後もしばらくは仕事復帰ができない可能性もあるでしょう。
現場仕事など体を使う仕事に就いている人であれば、さらに収入減少のリスクが大きくなります。
また、自営業者やフリーランスの場合、国民健康保険に傷病手当金の制度がないため、休業中の収入はゼロになってしまうリスクがあります。
生命保険文化センターの調査によると、入院時の逸失収入(働いていれば得られたはずの収入)の平均額は約30万円にものぼります。
働き方や現在の貯蓄額によっては、医療保険や就業不能保険でもしものときの収入減に備えておくことが必要になります。
(参考:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター)
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理想の治療環境を整えるため
民間保険は、医療費の補填だけでなく、より快適で質の高い治療環境を選択するための資金としても役立ちます。
例えば、入院中に他の患者に気兼ねなく過ごしたい、家族とゆっくり面会したいといった理由で個室を選んだ場合、公的保険ではカバーされません。
入院期間が長引くと、個室の利用料だけで数十万円を支払う必要がでてきます。
また、将来的に先進医療や自由診療など、公的保険適用外の治療を選択肢に入れたい場合も、医療保険が役立ちます。
医療保険に特約として保障を付加しておくことで、公的保険適用外の治療を受けたときの費用が全額実費で保障されるものもあります。
「経済的な理由で治療の選択肢を狭めたくない」「療養に専念できる環境を整えたい」と考えている人は、医療保険でプラスアルファの保障を準備しておきましょう。

Q1
性別をお伺いします
あなたの医療保険は大丈夫?見直しチェックリスト
「自分の保険はケガにも対応できている?」と心配になった人もいるのではないでしょうか。
もしもの事態に備え、自身の医療保険が今のニーズに合っているか、この機会に確認しましょう。
もしチェックリストの中で不安な項目がある場合、一度保険の見直しを検討してみましょう。
保険料 見積シミュレーション
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まとめ
今回は、骨折の治療にかかる医療費について詳しく見てきました。
高額療養費制度を利用することで、自己負担額は平均約8~9万円程度に抑えることができます。
しかし、骨折の場合その後のリハビリが長引いたり、長期間働けないことで収入が減少するといったリスクがあります。
公的保険でカバーできないリスクには、民間の医療保険の検討がおすすめです。
ほけんのコスパでは、複数の保険会社の医療保険を掲載しています。
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ぜひ、保険選びの参考にしてください。

Q1
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