親が80代になり、将来の介護費用や認知症によるトラブルの心配をしていませんか。
遠方から見守る家族にとって、金銭的な負担や賠償リスクは切実な悩みです。
中には、民間の認知症保険を検討したほうが良いのか迷っている人もいるかもしれません。
本記事では、80代から加入できる認知症保険とその必要性について詳しく解説します。
この記事を読んでわかること
選択肢は少ないが80代でも加入できる認知症保険を販売している保険会社はある
毎月の保険料が高くなる傾向にあるため、保障とのバランスに要注意
徘徊による賠償リスクには「個人賠償責任保険」の活用がおすすめ
目次
7.まとめ
80代でも「今から」入れる認知症保険はある?
そもそも、認知症保険は80代からでも加入できるのでしょうか。
加入条件や保障内容の仕組みについて解説します。
80歳以降は認知症保険への新規加入が難しくなる
一般的に、認知症保険の加入可能年齢は70歳~75歳と定められていることが多く、80歳以降は新規加入が難しい傾向にあります。
一部の保険会社では85歳まで加入できる認知症保険が用意されていますが、保険料が割高になる傾向にあり、毎月の負担と保障のバランスに注意が必要です。
「介護保険」と呼ばれる介護状態全般に備える保険であれば、80代でも検討できる商品が一部の保険会社から販売されています。
認知症保険や介護保険は一般的な医療保険と比較して、健康状態の審査条件が緩やかに設定されています。
高齢者で健康不安を抱えている人でも、特定の条件をクリアできれば加入を検討できる可能性があるでしょう。
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【重要】「MCI(軽度認知障害)」と診断された後でも入れる保険はある?
MCI(軽度認知障害)は認知症の一歩手前の状態であり、MCIと診断された後では保険加入を断られることがほとんどです。
一部の保険会社から販売されている「無選択型保険」であれば健康状態は問われませんが、MCIと診断されている場合認知機能に問題があるとみなされ、契約を断られる可能性があります。
基本的には、認知症が疑われる症状が出る前に、保険に加入しておく必要があります。
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保障内容は「一時金」と「年金(継続給付)」の2パターン
認知症保険や介護保険には、診断時にまとまったお金を受け取る一時金型と、毎月一定額を受け取る年金型の2種類あります。
一時金型は、施設の入居費用や自宅のバリアフリー改修費など、初期費用の負担軽減に役立ちます。
年金型は、毎月発生する介護サービスの利用料やオムツ代などの継続的な支出をまかなうことができます。
年金型は継続的に給付を受けられるため、一時金型と比べて保険料が高くなる傾向にあります。
家計の状況と毎月の予算に合わせて給付形式を選択しましょう。
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80代の親に認知症保険は必要?加入を判断する基準
80代の親に認知症保険や介護保険は必要なのでしょうか。
保険の必要性を判断するための基準をご紹介します。
認知症保険が必要な人(介護費用の貯蓄に不安がある人)
生命保険文化センターの調査によれば、介護費用の月額平均は9万円、一時費用の平均は47.2万円となっています。
介護期間の平均は4年7カ月とされており、介護が長期化した場合の費用は数百万円にのぼる可能性があります。
十分な預貯金がなく、年金収入だけで介護費用をまかなうのが難しい場合、認知症保険や介護保険の加入を検討する必要があるでしょう。
また、年齢的に認知症保険に加入できない場合は、医療保険で長期入院に備えるのもひとつの方法です。
子ども世代の経済的なしわ寄せを防ぐためにも、民間の保険で最低限の準備をしておきましょう。
(参考:介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?|生命保険文化センター)
認知症保険が不要な人(十分な貯蓄がある・保険料が負担になる人)
介護費用を全額自己資金でカバーできるだけの十分な預貯金がある人は、認知症保険の必要性は低くなります。
80代から保険に新規加入をしようとすると、毎月の保険料は高額になりやすく、家計を圧迫する原因になります。
健康で長生きした場合、支払った保険料の総額が受け取れる給付金額を上回る可能性も考えられるでしょう。手元の現金を介護費用として確保しておくほうが合理的です。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年4月1日―2026年4月30日)
【最優先】新しい保険に入る前に、既存保険の「指定代理請求」を確認
親の認知機能低下に備え、現在加入している保険の「指定代理請求人」が設定されているかを確認しておくことが大切です。
新しい保障を検討する前に、今ある保険のメンテナンスをしましょう。
親が認知症になると、本人の意思で給付金請求や解約ができなくなる
生命保険の給付金請求や契約内容の変更は、原則として契約者本人が手続きを行う必要があります。
認知症が進行して意思能力がないと判断された場合、本人の署名や捺印が無効となり、手続きが凍結される恐れがあります。
口座の凍結と同様に、給付金を受け取れない事態が発生する可能性もあるでしょう。
家族が介護費用を立て替える負担を避けるため、事前の対策が不可欠です。
認知機能が落ちる前に「指定代理請求人」と「成年後見人」の設定を検討する
生命保険には、契約者・被保険者が何らかの理由で給付金請求の手続きができない場合に、代理で請求できる「指定代理請求人」を指定することができます。
親の認知機能低下に備え、事前に今加入している保険に指定代理請求人が指定されているかどうかを確認しておきましょう。
指定されていない場合、保険会社に連絡し代理人を指定する手続きを行いましょう。
手続きには費用はかかりません。
ただし、保険の解約手続きは指定代理請求人であっても代わりに行うことはできません。
本人の意思能力が低下した後の解約は、原則として家庭裁判所で選任された「成年後見人」が行う必要があります。
しかし近年では、成年後見人がいなくても、あらかじめ指定された代理人が解約や契約内容の変更手続きを代行できる保険契約者代理制度(特約)を設けている保険会社もあります。
なお、よく似た制度に「家族情報登録制度」がありますが、こちらは災害時などに家族へ連絡を取るための「照会専用」の制度であり、解約手続きはできません。
親の認知機能がしっかりしているうちに、加入中の保険会社で契約者代理制度が利用できるか確認し、事前の指定を済ませておくことをおすすめします。
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認知症介護で最も怖い「徘徊による損害賠償」への備え方
認知症が進行すると徘徊行為が続き、場合によっては賠償責任が生じる事故が発生することもあります。
ここからは、賠償責任をカバーするための保険活用法を解説します。
線路への立ち入りや他人の財産を傷つけた場合、家族に賠償責任が及ぶリスク
認知症の人が徘徊中に踏切へ進入して電車を止めたり、他人の物を壊したりして損害を与えた場合、多額の損害賠償を請求される可能性があります。
過去の有名な列車事故の裁判では、初期の判決で家族に数百万円の賠償命令が出されたケースがありました。
最終的な最高裁判決(2016年)では「当該ケースにおいては家族に賠償責任はない」と逆転判決が下されましたが、同時に「日頃の介護状況や関わり方によっては、家族が監督義務者として責任を問われる可能性もある」という厳しい見解も示されています。
万が一、列車の脱線や長時間の遅延を招いた場合、損害額が数千万円〜数億円規模に膨れ上がるリスクは決してゼロではありません。
介護費用だけでなく、不測の事故による賠償リスクに備えるため、個人賠償責任保険などで備えておくことが大切です。
(参考:認知症高齢者による鉄道事故における家族の監督責任|名寄市立大学)
「個人賠償責任保険(特約)」で数億円の賠償に備えることができる
徘徊による賠償リスクには、個人賠償責任保険での備えが有効です。
個人賠償責任保険は、日常生活で他人にケガをさせたり物を壊したりして法律上の損害賠償責任を負った場合に補償される仕組みです。
月額数百円程度の負担で、最大1億円から無制限の補償額を設定できます。
個人賠償責任保険は、火災保険や自動車保険の特約としても付帯できます。
親の加入している損害保険に、個人賠償の保障が付いているかを事前に確認しておきましょう。
(参考:個人賠償責任保険|日本損害保険協会)

Q1
性別をお伺いします
親のプライドを傷つけない「認知症・お金の話」の切り出し方
高齢の親のプライドを守りながら、今後の生活資金や保険について円滑に話し合いをするためのコミュニケーション方法をご紹介します。
「ボケる前に」は禁句。テレビ番組や知人の事例をきっかけにする
親に対して直接的に認知機能の低下を指摘する言葉は、自尊心を傷つけ、心を閉ざしてしまう原因になりかねません。
お金や介護の話題を切り出す際は、テレビの特集番組や新聞記事、親戚の事例などを引き合いに出す方法が有効です。
第三者の話題として自然に話を向けることで、親も自身の状況を客観視しやすくなります。
家族の将来に向けた前向きな相談として伝える姿勢を心がけましょう。
専門家(FPなど)の第三者を交えて客観的に話をする
家族間だけでお金の話題を進めると、感情的な衝突が起こることもあります。
ファイナンシャルプランナーなどの専門家を交えて話し合いの場を設けることで、冷静かつ客観的な視点を取り入れることができます。
専門家からの助言であれば、親も素直に耳を傾けやすくなるかもしれません。
家族だけでの話し合いが行き詰まるようであれば、専門家への相談を検討してみましょう。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年4月1日―2026年4月30日)
80代の認知症保険に関するよくある質問
80代の親を持つ家族から多く寄せられる、成年後見制度の利用や給付金の税務上の取り扱いに関する疑問に、FPがわかりやすく回答します。
Q. 親の財産管理のために「成年後見制度」を利用すべきですか?
A. 判断能力が著しく低下した場合、財産管理を行うために法定後見制度の利用が必要となるケースがあります。
ただし、家庭裁判所への申し立て手続きに時間がかかります。
また、専門家を後見人に選任された場合は継続的に報酬が発生します。
事前の対策として、家族信託の活用も選択肢の1つです。
(参考:成年後見制度について|裁判所)
Q. 認知症保険の給付金を受け取る際、税金はかかりますか?
A. 認知症と診断された際に受け取る診断一時金や給付金は、原則として非課税です。
身体の傷害に基因して支払われる給付金に該当するため、所得税や住民税は課税されません。
ただし、給付金を受け取った後に使い切れずに死亡した場合、残った現金は相続税の課税対象となります。
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まとめ
認知症や介護への備えは、親の判断能力が低下する前に行動を起こすことが何より大切です。
各家庭の預貯金状況や親の健康状態によって、最適な保険の形は異なります。
まずは、親が加入している保険の保障内容を整理し、過不足がないか確認することからはじめましょう。
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