「てんかんを抱えていても入れる保険はある?」「てんかんが理由で保険加入を断られてしまったけどどうしたら良い?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、てんかんの場合、保険会社や保険の種類によって加入できるケースやできないケースが異なります。
本記事では、てんかんでも検討できる保険や保険選びのポイントについて、プロが詳しく解説していきます。
この記事を読んでわかること
てんかんがあると保険加入に制限がかかるが、直近で発作がないことや入院歴がないことを条件に加入を検討できる可能性も
通常の保険に加入できなかった場合は、引受基準緩和型保険を検討しましょう
てんかんの治療では公的制度が利用できる場合も。内容を把握したうえで足りない部分を民間の保険で補いましょう
目次
当サイトにおける申込URLクリック数順(2025年1月1日-2025年1月31日)
てんかんでも保険に入れる?

てんかんは、脳の過剰な電気活動により慢性的な発作が起こる病気です。
今後の治療のためにも、民間の保険で備えておきたいと考える人も多いかもしれません。
てんかんの持病があると、治療の経過や発作の頻度によっては保険加入に制限がかかるケースもあります。
しかし、てんかんだからといってすべての保険に加入できないわけではありません。
保険の種類別に加入できるかどうか、プロが詳しく解説していきます。
(参考:てんかん対策|厚生労働省)
てんかんでも医療保険に入れるのか
てんかんで5年以内に医師の診察を受けていると、通常の医療保険への加入は難しくなります。
特に、16歳以下の場合や重篤な発作が起こっているケースでは厳しい判断となるでしょう。
しかし、一部の保険会社では2~5年以内に発作がないことや入院歴がないことなどを条件に、検討可能としているものもあります。
てんかんは治療しだいで症状をコントロールできる可能性がある病気です。
もし、入院歴がなく何年も発作を起こしていないということであれば、一度医療保険の検討をしてみても良いかもしれません。
加入を断られた場合は、他の保険会社や持病がある方向けの医療保険を検討することも可能です。
Q.共済はてんかんでも入れる?
都道府県民共済の場合、「現在病気やケガの治療中である」という項目に該当すると基本的に加入を断られるため、てんかんで治療中の人は加入が難しいといえるでしょう。
一部、こくみん共済のワイドタイプといわれる商品であれば、入院歴が2年以内になければ検討可能です。
てんかんの治療をしている人は、民間の医療保険か上記のようなワイドタイプの共済を選ぶのが良いでしょう。
【年齢別】医療保険の保険料、あなたはいくら?
てんかんでもがん保険に入れるのか
がん保険は、てんかん患者でも比較的加入しやすい保険です。
がん保険は文字通りがんを保障対象とする保険のため、がんに関連する病気やがんのリスクが高まる病気でなければ、診査への影響は少なくなります。
一部の保険会社では、16歳未満の若年性てんかんの場合は厳しい判断になることもありますが、基本的には問題なく加入できる保険会社が多いでしょう。
がん保険ではてんかんの治療は保障されないため、てんかんでの入院などを保障したい場合は医療保険を検討するようにしましょう。
【年齢別】がん保険の保険料、あなたはいくら?
てんかんでも生命(死亡)保険に入れるのか
てんかんの持病があると、通常の死亡保険への加入は難しくなります。
医療保険と比較すると多少は加入しやすくなっていますが、いずれにせよ直近2~5年以内に発作が起きていないことや入院歴がないことが条件となります。
また、加入できた場合でも割増保険料などの条件が付く可能性が高くなります。
死亡保険を希望しており通常の保険で加入できなかった人は、持病がある方向けの死亡保険などを検討するのが良いでしょう。
Q.団信はてんかんでも入れる?
マイホームを購入しローンを組む際に検討する団信(団体信用生命保険)ですが、生命保険の一種となるため加入時には健康状態に関する診査が発生します。
団信の場合も、てんかんで治療をしていると加入を断られるケースもあります。
てんかんが原因で団信に加入できなかった場合、金利は高くなりますがワイド団信とよばれる引受基準緩和型保険の団信を検討するか、民間の死亡保険で代用する方法もあります。
関連記事
てんかんで保険に入るのが難しいケース

保険会社によって診査の基準は異なりますが、どのような場合に加入を断られることが多いのでしょうか。
ここからは、てんかんで保険に入るのが難しくなってしまうケースについてご紹介します。
年齢が若い、診断から間もない
現在16歳以下の人や、診断されてから1~2年以上経過していない場合は、保険加入を断られる可能性が高くなります。
保険会社によって診査条件は異なりますが、診断から数カ月しか経っていない場合、症状が安定せず、発作がコントロールできるかどうかの判断も難しい段階です。
そのため、保険会社は厳しい判断をすることが多いと考えられます。
入院歴がある
てんかんで入院歴がある場合、通常の保険への加入は難しくなります。
保険会社は、治療の経過を見たうえで、てんかんの発作がコントロールできているかを重要視します。
そのため、てんかんでの入院歴がある場合はリスクが高いと判断され、加入を断られることが多いでしょう。
特に、直近1~2年での入院歴があると、持病がある方向けの引受基準緩和型保険も検討が難しくなります。
入院歴がある人は、一定期間待ってから保険を検討するようにしましょう。
てんかん発作が直近で起きている
てんかん発作が最後に起きた時期も、診査上のポイントになります。
保険会社によって基準は異なりますが、2~5年以内に発作が起きていると厳しい判断になります。
保険を検討する際は、自身の治療経過と最終発作がいつ起きたかを整理しておく必要があるでしょう。
発作の重症度も診査の参考にされるため、保険加入の可否は個々の病状によって大きく変わる可能性があります。
てんかんで保険を検討するときの告知ポイント

保険の申込み手続きの際には、既往歴や持病について申告する「告知」が必要になります。
てんかんの持病がある人が告知をする際におさえておくべきポイントについて、詳しくご紹介します。
診断から現在までの経過を正しく保険会社に伝える
まずは、てんかんと診断されてから現在に至るまでの治療経過を、順序だてて正しく保険会社に伝えることが大切です。
一般的に、保険への加入可否を最終的に判断するのは「人」です。
そのため、わかりやすく治療経過がイメージできるように告知することを心がけるのが良いでしょう。
丁寧に告知することで、再告知や書類の提出といった手間を省ける可能性があります。
また、告知内容が不明瞭だと診査する側も判断が難しく、加入を断られてしまうケースもあります。
診断時期やどのような治療をしてきたか、現在どのような症状があるかなど、正しく告知するようにしましょう。
Q.てんかんを隠して保険に入っても良い?
保険に加入する際には、告知をありのまま正しく行う義務が発生します。
これに違反すると、「告知義務違反」としていざというときに給付金が支払われなかったり、最悪の場合には保険契約を解除されてしまうこともあります。
「持病を隠して加入してもわからないだろう」と考える人もいるようですが、保険会社は医療機関への調査や健康保険の利用履歴などを利用して、過去の傷病歴を調査することができます。
てんかんを隠して保険に加入できたとしても、後々大きなトラブルにつながる可能性があります。
告知は正しく行いましょう。
最終の発作が起きた日を伝える
告知をするうえで、最終の発作がいつ起きたかは重要なポイントになります。
保険会社によっては、最終の発作から2~5年経過していれば加入を検討できることもあります。
症状がコントロールできている期間が長いと、いつ最終発作が起きたかを覚えていないこともあるかもしれませんが、保険に加入する際は正確に申告しましょう。
てんかんで保険の加入審査に落ちたら、どうしたら良い?

一度保険の加入審査に落ちてしまったからといって、保険加入を諦める必要はありません。
保険会社によっては、入院歴や直近での発作がなければ加入できる場合もあるため、まずは他の保険会社で検討を進めていくのが良いでしょう。
直近で発作が起きているケースでは、持病がある人向けの引受基準緩和型の保険を検討するのがおすすめです。
緩和型保険の場合、入院歴が1~2年以内になければ発作が起きていても加入を検討できることが一般的です。
まずは、自身の治療経過を再度整理し、加入できる可能性がある保険を見つけることがポイントです。
てんかんでも入りやすい保険
てんかん患者は保険の加入に制限がかかることもありますが、比較的加入しやすい保険種類もあります。
ここからは、てんかんでも加入しやすい保険種類と、メリットデメリットについて詳しくお伝えします。
引受基準緩和型保険
引受基準緩和型保険とは、通常の保険よりも告知事項が少なく、持病があっても加入しやすいタイプの保険です。
主に医療保険や死亡保険で、引受基準緩和型の商品が多く販売されています。
引受基準緩和型保険は通常の保険に加入できなかった人でも検討しやすいことがメリットですが、その分保険料が通常の保険よりも割増されている点には注意が必要です。
インターネット上で保険料のシミュレーションも可能なため、一度自分の年齢で保険料を確かめてみるのがおすすめです。
【年齢別】持病がある方向け医療保険の保険料、あなたはいくら?
がん保険
がん保険は、てんかんの持病があっても加入しやすい保険のひとつです。
近年、がん治療は通院で行うことが増えており医療保険だけでは十分にカバーできないため、がん保険で別途保障を用意する人も増えています。
てんかん患者でも加入しやすい点はメリットですが、がん保険ではがん以外の病気やケガによる入院は保障されません。
てんかんでの入院に備えたい場合は医療保険を、万が一に備えたい場合は死亡保険をそれぞれ検討するようにしましょう。
てんかんで保険を選ぶときのポイント
保険にはさまざまな種類があり、自分ひとりで選ぶことが難しいと感じる人も多いでしょう。
ここからは、てんかんの持病がある人向けに保険選びのポイントをお伝えしていきます。
自分にとって必要な保障を整理する
まずは、自分にとって必要な保障は何かを整理しておくことが大切です。
主な保険種類とその保障内容は以下の通りです。

てんかんによる入院などに備えておきたい場合は、医療保険で備えておく必要があります。
特に引受基準緩和型医療保険であれば持病の悪化も保障されるため、今後の治療に備えたい人にはおすすめです。
自分に万が一のことがあったときパートナーや子どもにお金をのこしたいと考える人は、「いつまで」「いくら」準備しておきたいかを整理したうえで、死亡保険を検討しましょう。
治療経過を正確に告知する
てんかんの治療歴がある場合、治療経過の詳細は診査上とても重要なポイントになります。
入院の有無や発作の頻度、最終発作の時期などは必ず告知しましょう。
詳細を思い出せないという場合は、少し面倒ですが医療機関に確認したり、お薬手帳など見て告知すると良いでしょう。
できるだけ正確に、順序だてて告知することが大切です。
通常の保険に加入できなかった場合、引受基準緩和型保険を検討する
保険会社にありのままを告知した結果加入を断られてしまった場合、引受基準緩和型の保険を検討しましょう。
引受基準緩和型保険であれば、1~2年以内に入院歴がなければ加入を検討できる可能性があります。
保険料は割増されていますが、持病の悪化も保障されるためてんかんを抱えている人にとっては安心でしょう。
しかし、てんかんだけでなくそのほかの持病がある場合は加入できないこともあるため注意が必要です。
参考)引受基準緩和型保険の主な告知項目
保険会社によって多少異なりますが、一般的な引受基準緩和型保険の告知項目は以下の通りです。
- 直近3カ月以内に、医師により入院・手術・検査・先進医療をすすめられたことがありますか
- 過去2年以内に、病気やケガで入院・手術・先進医療をうけたことがありますか
- 過去5年以内に、悪性新生物または上皮内新生物、肝硬変、認知症、アルコール依存症、統合失調症で医師による診療をうけたことがありますか
てんかんによる入院歴がなければ比較的加入しやすいといえるでしょう。
関連記事
てんかん治療で利用できる公的制度は?
民間の保険は、公的制度でカバーできない部分を補うためのものです。
そのため、まずはどのような公的制度を利用できるかを理解しておく必要があります。
ここからは、てんかんの治療をしている人が利用できる公的制度についてご紹介します。
高額療養費制度
高額療養費制度とは、医療費負担を軽減するための公的制度のひとつです。
通常、現役世代であれば医療機関での医療費負担は3割となっていますが、入院や手術をして医療費が高額になると、3割負担でも大きな出費になる可能性があります。
高額療養費制度を利用すれば、1カ月の医療費自己負担上限額を超えた金額が後日返還され、実質の医療費負担を軽減することができます。
自己負担上限額は年齢や収入によって異なるため、事前に自分の場合上限がいくらかを確認しておくと、いざというときに安心です。
関連記事
Q.医療保険はいらない?
日本は公的医療保険制度が充実しているため、民間の医療保険は必要ないと考える人もいるかもしれません。
しかし、将来いつどんな病気になって、どれくらい入院が必要になるかはわかりません。
高額療養費制度を利用したとしても、入院期間が長引けば医療費負担が毎月発生することになります。
また、この制度内容はあくまでも「現時点」でのものです。
将来的に制度が改正され、自己負担額が増える可能性も考慮しておく必要があります。
貯蓄が十分にあって医療費の支払いにまったく問題がない人以外は、医療保険で備えておくほうが安心でしょう。
関連記事
自立支援医療制度(精神通院医療)

自立支援医療制度とは、精神医療を継続的に受けている人や、体に障害がある人を対象とした医療制度のことです。
てんかんは自立支援医療制度の対象となっているため、通院治療にかかる医療費の自己負担割合が原則1割となります。
申請には、所定の申請書と診断書、保険証の写しや所得が確認できる書類などが必要です。
手続きについて迷ったときは、市区町村の窓口で確認できます。
(参考:自立支援医療制度の概要|厚生労働省)
精神障害者保健福祉手帳
てんかんの症状によって長期間日常生活や社会生活に制限が出ている場合、精神障害者保健福祉手帳を申請することができます。
認定等級は1級から3級までとなっており、発作の頻度などによって判定されます。
初診日から6カ月以上経過した日から申請が可能です。
精神障害者保健福祉手帳を交付されると、所得税や住民税などの控除を受けられたり、さまざまな福祉支援サービスを利用できるようになります。
申請に必要な書類や手続きの流れについては、お住まいの市区町村のホームページでも確認ができます。
(参考:障害者手帳|厚生労働省)
障害者年金制度
.png?w=3840&auto=compress)
てんかんによる発作の頻度や重さによっては、障害年金を受け取れる場合もあります。
障害年金とは、病気やケガで生活や仕事が制限されるようになったときに受け取れる公的年金で、国民年金加入者は「障害基礎年金」、厚生年金加入者は「障害厚生年金」をそれぞれ請求できます。
「障害基礎年金」の場合、初診日から1年6カ月を経過したときに障害等級表1~2級の状態にあることが認定条件とされています。
「障害厚生年金」の場合、障害の程度が3級に該当する場合でも年金を受け取ることができ、それより軽い障害状態であれば障害手当金を受け取れるケースもあります。
まとめ

今回は、てんかんでも入れる保険や保険の選び方について詳しく解説してきました。
てんかんの場合、症状にもよりますが通常の保険では加入を断られてしまうケースもあるため、必要に応じて引受基準緩和型の保険を検討するのがおすすめです。
ほけんのコスパでは、複数の保険会社の引受基準緩和型保険を掲載しています。
加入できる条件は各社によって少しずつ異なっており、毎月の保険料もそれぞれ異なるため、一覧で比較できる保険料シミュレーションが便利です。
ぜひ、ほけんのコスパで自分に合った保険を見つけてください