がん保険の評判が悪いのはなぜ?5つの原因と「入るべき人・不要な人」の判断基準をプロが解説

がん保険の評判が悪いのはなぜ?5つの原因と「入るべき人・不要な人」の判断基準をプロが解説

(最終更新日:

執筆者:

橋本 優理

監修者:

高橋 明香

がん保険って本当に必要?」「がん保険の悪い評判をよく見かけるけど大丈夫?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

がん保険は、がん治療の費用や収入減少をカバーすることができる一方で、保障範囲ががんに限定されているため加入を迷うこともあるかもしれません。

本記事では、がん保険の評判が悪い理由と、後悔しないがん保険の選び方をFPの視点で解説します。

この記事を読んでわかること

  • 加入前に保障内容や保険の仕組みについてしっかり理解していないと後悔につながりやすい

  • 高額療養費制度を利用すれば一定額の負担で治療を受けられるが、長引くがん治療では家計のバランスが崩れやすい

  • 貯蓄が十分でない人や精神的な安心を求める人にはがん保険がおすすめ

がん保険の評判が悪い5つの主な原因

がん保険の評判が悪い主な原因として、保険商品の仕組みや保障内容への理解不足が挙げられます。

詳しく見ていきましょう。

原因①がんにならなければ無駄だと思っている

がん保険は、がんになったときに給付金を受け取ることができる保険です。

そのため、「がんにならなければ保険料が無駄」と感じる人も少なくありません。

特に、健康な期間が長いほど「掛け捨てはもったいない」と思ってしまうかもしれません。

しかし、保険の本質は万が一のリスクに備えるためのものです。

自動車保険や火災保険と同様に、事故や災害が起こらなければ保険料は戻ってきませんが、その期間の安心を得るためのコストと考えるのが合理的です。

貯蓄性を備えたがん保険も存在しますが、その分だけ月々の保険料負担は大きくなる傾向があります。

また、貯蓄性がある分保障内容も限られていることが多く、保障の手厚さを求めるのであれば掛け捨て型のがん保険がおすすめです。

女性コンシェルジュ

保障と貯蓄は分けて考え、がん保険はあくまで「がんになった際の経済的リスクを軽減するための備え」と位置づけることが大切です。

原因②更新型で保険料が高くなった

「加入時は安かったのに、更新したら保険料が急に高くなった」という不満は、「定期タイプ(更新型)」のがん保険で起こりやすい減少です。

定期タイプのがん保険は、10年ごとなど一定期間で契約を更新する仕組みです。

加入時の保険料は割安に設定されていますが、更新時にはその時点の年齢で保険料が再計算されます

がんにかかるリスクは年齢とともに高まるため、更新のたびに保険料は上昇します。

女性コンシェルジュ

特に、がんの罹患率が急増する50代以降に保険料が大幅に上がり、家計を圧迫することが「こんなはずではなかった」という後悔や不満の原因となることがあります。

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原因③診断一時金がない、または1回しか出なかった

診断時にまとまったお金を受け取れる「診断一時金(診断給付金)」は、がん保険のメインとなる保障です。

しかし、保障内容や給付金の支払条件によっては、「加入していても意味がなかった」と感じてしまう場合があります。

特に診断一時金がないタイプのがん保険では、診断時にまとまった保障を受けられず、治療費に対応できないリスクがあります。

また診断一時金がある場合でも、1回限りしか受け取れないケースでは、再発や転移のリスクに対応できず不満が生まれやすくなります。

2回以上診断一時金を受け取れる商品でも、「入院」を給付の条件としている場合があります。

近年のがん治療は通院での化学療法などが増えているため、再発しても入院しなければ給付金を受け取れず、「保障が不十分だ」と感じる要因になることが考えられます。

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がん保険を選ぶ際は、診断一時金の有無や支払条件について確認しておくことが大切です。

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あなたはがん保険について、
どのような考えをお持ちですか?

原因④上皮内新生物が保障の対象外だった

医療技術の進歩により、ごく初期のがんが発見されるケースが増えています。

この初期のがんを「上皮内新生物(上皮内がん)」と呼びます。

保険商品によっては、上皮内新生物が保障の対象外であったり、診断一時金が大幅に減額されたりする場合があります

せっかくがん保険に入っていたのに、いざというときに十分な保障を得られないと、「保険料を支払っていた意味がない」と感じてしまうかもしれません。

女性コンシェルジュ

近年のがん保険では上皮内がんを満額で保障するものも増えているため、加入前に保障範囲を確認しておくようにしましょう。

原因⑤90日間の免責期間について理解していなかった

がん保険には一般的に契約してから90日間の免責期間があります。

免責期間中にがんと診断されても給付金は支払われず、ほとんどの場合契約自体が無効になります

契約時に免責期間について理解しておらず、運悪く免責期間中にがんが発覚した場合、保険が全く役に立たない事態に陥ってしまいます。

「保険に入ったばかりなのに、がんになったらお金が支払われなかった」という経験で、保険会社への不信感につながることもあるかもしれません。

「がん保険は不要・無駄」という極論は信じても大丈夫?

ここまで、がん保険の評判が悪くなる理由について見てきましたが、果たして「がん保険は必要ない」という意見は信じても良いのでしょうか。

結論から言うと、個人の経済状況や価値観によって保険の必要性は大きく異なるため、一概に不要とは言えません。

詳しく見ていきましょう。

「高額療養費制度があるから不要」の落とし穴

日本の公的医療保険には「高額療養費制度」があり、1カ月の医療費の自己負担額には所得に応じた上限が設けられています。

このため、保険適用の治療であれば、医療費が際限なく高額になることはありません。

とはいえ、がんは治療が長引くリスクが高い病気です。

1カ月の医療費負担には上限があるとしても、毎月のように治療費が必要になる生活が何年も続くと、家計への影響も徐々に大きくなっていきます。

また、高額療養費制度の対象となるのは、あくまで保険が適用される治療費のみです。

入院中の差額ベッド代、食費、先進医療や自由診療など最先端の治療にかかる費用は自己負担が別途必要になります

特に、がん治療に用いられる重粒子線治療や陽子線治療といった先進医療は、200万~300万円程度の費用がかかります

女性コンシェルジュ

公的医療保険があるからといって、民間のがん保険が一切必要ないと判断するのは危険です。

本当のリスクは治療費よりも「収入減少」

がん治療における経済的なリスクは、治療費の負担だけではありません。

より深刻なのが治療に伴う収入の減少です。

近年では、働きながらがん治療を受ける人も増えていますが、健康だったときと同じような働き方は難しく仕事をセーブする必要が出てくるかもしれません。

パートで働いている人の場合、抗がん剤治療を受けるために休みを取れば収入の減少に直結します。

また、薬剤治療の深刻な副作用で、一定期間仕事を休まなければならないケースもあります。

一般社団法人 患者家計サポート協会の調査によると、働くがん患者の6割が収入の減少を経験していることがわかっています。

またそのうちの9割が、収入が減少しても高額療養費制度の負担区分が変わらず、経済的な影響を受けています

がん治療に伴う収入減少には、がん保険の一時金保障が有効です。

診断時にまとまった金額を受け取れ、使い道も自由な一時金は、治療費だけでなく毎月の生活費の補填としても活用できます。

女性コンシェルジュ

保険の必要性について考えるときは、治療費の負担だけでなく収入が減少して家計のバランスが崩れるリスクについても考慮しておく必要があるでしょう。

(参考:がん患者の経済的負担に関する実態調査|一般社団法人 患者家計サポート協会)

当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年4月1日―2026年4月30日)

評判の良いがん保険の選び方

いざというときに本当に役立つがん保険を選ぶためには、いくつかの大切なポイントがあります。

ここからは、後悔しないがん保険選びのポイントをご紹介します。

条件①終身タイプのがん保険

がん保険には、保障が一生涯続く「終身タイプ」と、10年ごとなどに契約を更新する「定期タイプ」があります。

女性コンシェルジュ

長期的な安心を考えるのであれば、基本的には終身タイプのがん保険がおすすめです。

がんの罹患率は年齢とともに高まり、特に50代以降に急増します

定期タイプは加入時の保険料が安くても、更新のたびにその時点の年齢で保険料が再計算されるため、高齢になるほど保険料負担が重くなります。

最悪の場合、保険料が高すぎて継続を断念せざるを得ない状況にもなりかねません。

一方、終身タイプであれば、加入時の保険料が変わることなく一生涯の保障を確保できます

若いうちに加入すれば、割安な保険料のまま、がんリスクが高まる年齢まで備えられる点がメリットです。

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条件②診断給付金(一時金)が「1年に1回」何度でも受け取れる

がんは、再発や転移のリスクがある病気です。

女性コンシェルジュ

そのため、診断給付金(一時金)の支払条件は事前に必ず確認しましょう。特におすすめのタイプは、一時金を「1年に1回」を限度に、回数無制限で受け取れるタイプです。

商品によっては「2年に1回」や「初回のみ」といった制限がありますが、より短期間での再発に備えたい場合は「1年に1回」を限度に受け取れるものを選びましょう。

また、2回目以降の支払い条件も重要です。

初回はがん診断時、2回目以降はがん治療による「入院」を条件にしている商品もありますが、近年は通院での治療が主流となっています

2回目以降も「抗がん剤等の薬剤治療」や「再発の診断確定」を受けた時点で受け取れるものがおすすめです。

条件③上皮内新生物も保障の対象

検診技術の向上により、がんが早期発見されるケースは増えています

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がんに幅広く備えるのであれば、上皮内新生物とよばれる初期段階のがんでも保障されるものを選ぶのが良いでしょう。特に、上皮内新生物でも通常のがん(悪性新生物)と同額の保障が受けられるものがおすすめです。

上皮内新生物は再発や転移のリスクが少ない初期段階のがんですが、一度診断されるとその後がん保険に入り直すことは難しくなってしまいます

早期発見であっても、精密検査や治療には費用がかかるため、がん保険で保障が受けられないと「加入していても意味がなかった」と感じてしまうかもしれません。

がんの進行度にかかわらず満額の保障が受けられるがん保険に加入しておくことで、経済的な心配をせずに治療に向き合うことができます。

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Q1

あなたはがん保険について、
どのような考えをお持ちですか?

条件④抗がん剤治療・放射線治療への保障が手厚い

現在のがん治療は、手術・抗がん剤治療・放射線治療の「三大治療」が中心です。

特に抗がん剤や放射線による治療は、通院で行われることが多く、長期間にわたることもあります。

そのため、入院の有無にかかわらず、がん治療を受けた月ごとに給付金が支払われる「薬剤治療保障」があると安心です。

薬剤治療保障は、「抗がん剤治療を受けた月に10万円」のような形で、治療の都度給付を受けられるものです。

女性コンシェルジュ

長引きがちな薬剤治療に備えることができるため、診断一時金と併せて検討するのがおすすめです。

保険商品によって、対象となる薬剤にホルモン剤が含まれている場合とそうでない場合があります。

事前に保障範囲については確認しておくようにしましょう。

がん保険が必要な人・不要な人の決定的な違い

がん保険の必要性は、個人の経済状況や働き方、価値観によって大きく異なります。

一概にはいえませんが、がん保険が必要なケースと必要性が低いケースについて考えていきましょう。

【必要性が低い】貯蓄が500万円以上あり、会社員の人

がん保険の必要性が比較的低いのは、十分な貯蓄があり、かつ公的な保障が手厚い会社員の場合です。

目安として500万円以上の貯蓄があれば、高額療養費制度の対象外となる差額ベッド代や先進医療費、当面の生活費などを自己資金でカバーできる可能性があります。

また会社員の場合は、病気で働けなくなっても傷病手当金を受け取ることができるため、当面は収入が途絶えてしまうことはないでしょう。

ただし、今ある貯蓄をがん治療に使ってしまうことで、子どもの教育費や老後の生活費に影響が出ないかは十分に留意する必要があります。

女性コンシェルジュ

「貯蓄は十分にあるけど、老後まで取り崩したくない」「将来使う目的を持ってお金をためている」という人には、別途がん保険に加入しておくことをおすすめします。

【必要性が高い】自営業やフリーランスの人・貯蓄300万円以下の人

がん保険の必要性が比較的高いのは、自営業やフリーランスで働く人、そして貯蓄がまだ十分でない人です。

自営業やフリーランスの方は、国民健康保険に加入しているため、会社員のような傷病手当金制度がありません。

つまり、病気やケガで働けなくなると、収入が直接途絶えてしまうリスクがあります。

また、働き方にかかわらず、貯蓄が300万円以下の場合、高額な先進医療費や長期の治療による生活費の補填を自己資金だけでまかなうのは難しくなります

女性コンシェルジュ

がん保険の診断一時金治療給付金で、いざというときの生活費や長引く治療費の負担をカバーできるよう準備しておくことをおすすめします。

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【必要性が高い】家系にがんが多く、精神的な安心が欲しい人

がん保険の価値は、経済的な保障だけではありません。

万が一の時でも、お金の心配をせずに最善の治療を受けられる」という精神的な安心感が得られることも、保険の価値のひとつです。

特に、家族や親族にがん経験者が多く、「自分もいつかなるかもしれない」という不安を抱えている人にとっては、がん保険は心強いお守りになるでしょう。

実際にがんと診断された時、治療方針や副作用への不安に加えて、経済的な心配まで重なると、精神的な負担は計り知れません。

事前に保険で備えておくことで、お金の心配から解放され、治療に専念できる環境を整えることができます

女性コンシェルジュ

合理的な損得勘定だけでなく、「精神的な安心」の観点からがん保険の必要性を考えることが大切です。

まとめ

今回は、がん保険の評判が悪い理由と、後悔しない保険の選び方について解説してきました。

がん保険の評判が悪くなる主な原因は、更新による保険料の値上がりや、診断一時金の支払い回数、上皮内新生物の保障範囲、免責期間といった商品の仕組みに対する理解不足が考えられます。

また、「高額療養費制度があるから保険は不要」という意見もありますが、がんのように治療が長引く病気に罹患すると徐々に家計への負担が大きくなるリスクがあるため注意が必要です。

ほけんのコスパでは、さまざまな保険会社のがん保険を掲載しています。

保険料の見積もりはもちろん、保障内容の違いも比較して検討することができます。

ぜひ、がん保険選びに迷っている人は参考にしてください。

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監修者 ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

高橋 明香

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

執筆者 保険ライター/2級FP技能士

橋本 優理

大学卒業後、ほけんの窓口グループ株式会社へ入社。約300組のライフプランニングを行い、保険販売業務に従事。その後、異業種にて法人営業を経験し、株式会社エイチームフィナジーで保険EC事業の立ち上げに参画。インターネット上で保険の無料相談ができるサービスの責任者として、自身も多くの世帯のライフプランニングを行う。2023年に株式会社モニクルフィナンシャル入社。経済メディア「LIMO」で300記事以上を執筆。現在は、より多くの人に、より気軽に、自分に合った保険の選び方を知ってほしいとの思いでコンテンツ制作や執筆作業に従事。 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、生命保険募集人資格、損害保険募集人資格保有。

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