過酷なスケジュールや客先常駐のストレスで、「うつ病で休職したら生活費はどうなるのか」と不安に感じていませんか。
精神疾患で働けない状態になると収入が減少し、家賃や生活費の支払が難しくなるケースもあります。
本記事では、ITエンジニアがうつ病や適応障害で休職した際に受け取れる公的保障と、生活を守るための保険選びについて解説します。
心療内科を受診してからでは保険に加入しづらくなるため、健康なうちにリスクに備えておくことが大切です。
この記事を読んでわかること
情報通信業はメンタルヘルスによる休職が多い傾向にある
会社員は傷病手当金があるが、フリーランスは収入がゼロになる
心療内科を受診すると保険に加入できなくなるため、健康なうちの対策が必須
目次
7.まとめ
なぜITエンジニアはメンタルヘルス不調(うつ病・適応障害)に陥りやすいのか
ITエンジニア特有の過酷な労働環境や、客先常駐によるストレスがメンタル不調を引き起こす要因となっています。
まずは、ITエンジニアとメンタル不調について解説します。
納期に追われる、客先常駐(SES)のストレスと孤独感
ITエンジニアの業務は納期に追われることが多く、長時間労働が常態化しやすい環境になることも少なくありません。
厚生労働省の調査でも、情報通信業は精神障害の労災認定件数が多い傾向にあります。
特にSES(システムエンジニアリングサービス)などの客先常駐型で働く人は、自社とのつながりが希薄になり孤独感を感じることもあるでしょう。
現場の人間関係の構築をプロジェクトごとに繰り返す必要があり、常に気を張る状態が続きます。
職場環境の急激な変化やコミュニケーションの負担が、うつ病や適応障害といったメンタルヘルス不調の要因となる可能性があります。
(参考:令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況|厚生労働省)
休職や退職によって収入が途絶え、生活費や家賃が払えなくなる恐怖
メンタル不調により出社が困難になると、休職や退職を余儀なくされます。
会社員であれば傷病手当金を受け取ることができますが、給与の満額は保障されません。
一方で、家賃、食費、水道光熱費などの固定費の支払は続きます。
貯蓄が十分でないと、数カ月で生活が行き詰まる恐れがあるでしょう。
精神疾患の治療は長期化しやすく、復職の目途が立たない状態で収入減少が続くと、患者の焦りは大きくなります。
病気自体の苦痛に加え、経済的な不安が治療を妨げることになり、回復が遅れるケースも少なくありません。
もしもの事態に備え、あらかじめ生活費を確保できるよう備えておくことが大切です。
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会社員とフリーランスで天と地ほど違う「休職時の公的保障」
会社員とフリーランスでは、病気やケガで働けなくなった際に利用できる公的医療保険の保障内容が大きく異なります。
| 働き方の種類 | 加入する公的医療保険 | 休職時の「傷病手当金」の有無 |
|---|---|---|
| 会社員 | 健康保険(協会けんぽ・健保組合等) | あり(通算1年6カ月間) |
| フリーランス | 国民健康保険 | なし(原則収入ゼロ) |
会社員(健康保険)は「傷病手当金」で通算1年6カ月カバーされる
会社員が加入する健康保険には、病気やケガで休業した際の所得補償として「傷病手当金」の制度があります。
業務外の病気やケガで連続して3日間休んだ後、4日目以降の休業日に対して支給される仕組みです。
支給額は、おおよそ直近12カ月間の標準報酬月額を平均した額の3分の2に相当する金額で、支給開始日から通算して1年6カ月間が保障対象となります。
給与の満額は保障されませんが、収入がいきなりゼロになることはありません。
会社員は傷病手当金を受給しながら、療養に専念することが可能です。
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【注意】フリーランス(国民健康保険)は傷病手当金がなく収入がゼロになる
フリーランスや個人事業主が加入する国民健康保険には、原則として傷病手当金の制度が存在しません。
病気やケガで業務ができなくなった場合、公的な保障が受けられず、収入が途絶えてしまう可能性があります。
精神疾患で数カ月間働けなくなると、収入が全くない状態に陥ることも考えられます。
会社員のように給与の3分の2を保障する仕組みがないため、フリーランスで働く人は自身の貯蓄で生活費をまかなうか、民間の保険で対策しておく必要があります。
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メンタル不調時に本当に必要なのは「医療保険」より「就業不能保険」
精神疾患の治療では医療費の負担よりも生活費の確保が重要になります。
メンタル不調時に必要な保険の種類を解説します。
精神疾患の治療費自体は「自立支援医療」などで安く抑えられる
精神疾患の治療にかかる費用は、公的制度を活用することで自己負担額を抑えることができます。
代表的な制度として「自立支援医療(精神通院医療)」があります。
自立支援医療を利用すると、精神科への通院や薬代などの自己負担割合が、原則として3割から1割に軽減されます。
世帯の所得に応じて1カ月あたりの自己負担上限額も設定されるため、通院が長期化しても高額な医療費が発生しにくい仕組みです。
入院をともなう場合でも、健康保険の高額療養費制度を利用すれば月々の自己負担額には上限が設けられるため、医療費が青天井になることはありません。
治療費の支払い自体は、公的制度で大部分をカバーすることが可能です。
(参考:自立支援医療制度の概要|厚生労働省)
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本当に怖いのは「生活費の不足」。だから就業不能保険で備える
治療費の負担を抑えられても、休職による収入減少と固定費の支払いは回避できません。
医療保険は入院や手術の費用をカバーする保険で、通院治療が中心となるうつ病や適応障害の場合、給付金を受け取れないケースが大半です。
休職時の生活費を補填するには、働けなくなったときの収入減少をカバーする「就業不能保険」が適しています。
就業不能保険は、病気やケガで一定期間以上働けなくなった場合に、毎月お給料のように給付金を受け取れる保険です。
家賃や住宅ローン、生活費の支払に充てることができるため、経済的な心配をせず治療に専念できます。
ただし、就業不能保険では精神疾患の保障に条件が設けられていることが多く、通院治療をしている段階では給付金を受け取れない可能性があります。
保険を選ぶ際は、精神疾患の保障範囲について確認することが大切です。
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精神疾患をカバーできる「就業不能保険」の選び方と3つの注意点
就業不能保険を検討する際、精神疾患が保障の対象に含まれるか、給付条件がどうなっているかを確認することが大切です。
ここからは、就業不能保険の選び方を詳しく解説します。
注意点1:すべての保険が「うつ病などの精神疾患」を対象とするわけではない
就業不能保険は、商品によって保障の対象となる病気やケガの範囲が異なります。
がん、心疾患、脳血管疾患などの三大疾病や身体のケガのみを保障対象とするものや、精神疾患以外の病気やケガを対象とするものなどさまざまです。
うつ病や適応障害などのメンタルヘルス不調に備えるためには、精神疾患を保障対象として明記している商品を選ぶ必要があります。
また、精神疾患を保障対象とするものでも、基本的には「入院時のみ」と定められていることがほとんどです。
うつ病で仕事を休み、通院治療を始めた段階では給付金を受け取れない可能性があるため、注意しましょう。
注意点2:「支払限度回数」や「免責期間(給付されない期間)」を確認する
精神疾患を対象とする就業不能保険でも、給付回数に制限が設けられていることが一般的です。
精神疾患で支払条件に該当した場合、「通算18回(18カ月)まで保障」などの制限があり、療養が長期化した際に最後まで保障を受けられない可能性があります。
加入時は、精神疾患での給付金支払限度が何回までと定められているか、確認しておきましょう。
また、働けない状態となってから給付金が支払われるまでの「支払対象外期間(免責期間)」にも注意が必要です。
就業不能保険は、働けなくなってすぐに保障が開始されるわけではありません。
30日~180日程度の免責期間が設けられており、免責を越えた時点から給付金が支払われます。
貯蓄が十分あって長期療養だけに備えたい場合は、免責期間が長いプランを選んで保険料を節約する方法もあります。
しかし、「せっかく保険に加入していたのに給付金が受け取れない」といった事態に陥る可能性もあるため、免責期間の設定は重要です。
自身の資産や公的保障も加味して、最適なプランを選びましょう。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年4月1日―2026年4月30日)
心療内科を受診する「前」に保険の備えを確認すべき重要な理由
精神科や心療内科の受診歴があると、生命保険への加入に制限がかかります。
保険の検討は、健康なうちに済ませておくことが大切です。
精神疾患の診断や通院歴がつくと、通常の保険に加入しづらくなる
医療保険や就業不能保険などの生命保険に加入する際は、現在の健康状態や過去の病歴を保険会社に申告する「告知」が必要です。
心療内科や精神科を受診し、うつ病や適応障害の診断を受けたり、抗うつ薬や睡眠薬を処方されたりした履歴があると、保険加入を断られることがほとんどです。
診断名がつかなくても、「不眠で受診した」「ストレスで薬を処方された」という事実があれば、通常の保険への加入は難しくなります。
医療保険であれば持病がある人向けの緩和型保険という選択肢もありますが、就業不能保険には緩和型の商品がほとんどないため、精神疾患の治療歴があると実質加入は困難です。
また心療内科等への受診歴があるのに、それを隠して保険に加入すると、「告知義務違反」として後から大きなトラブルになる可能性があります。
保険の加入手続きは、医療機関を受診する前に行うことが大切です。
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現在の貯蓄で長期の休職期間を乗り切れるか、保険とのバランスを確認する
保険に加入する前に、現在の貯蓄額と毎月の生活費を把握し、休職期間を自己資金でどれだけ乗り切れるかを計算しておくことが大切です。
家賃や食費などの固定費を算出し、会社員の場合は傷病手当金の額を差し引いた不足額を把握しましょう。
フリーランスの場合は生活費の全額が不足分となります。
必要な生活費を計算し、貯蓄だけでは対応できない部分を就業不能保険でカバーするよう設計しましょう。
不要な保障を付けすぎて保険料の負担が重くならないよう、貯蓄と保険のバランスを見極めることが大切です。
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健康なうちに、精神疾患に対応した保険の保険料をシミュレーションする
メンタル不調の兆候を感じてから慌てて保険を探すと、選択肢が限られたり、加入手続きに間に合わなかったりする可能性があります。
また場合によっては、給付金の受け取りを目的に保険に加入する「逆選択」とみなされて、保障を受けられないことも起こりえます。
仕事のストレスが少なく、心身ともに健康な状態のときに、保険会社のウェブサイトや比較サイトを利用して保険料をシミュレーションしておきましょう。
基本的に年齢が若いほど毎月の保険料は抑えられるため、早めの検討がおすすめです。
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ITエンジニアのメンタルヘルスと保険に関するよくある質問
ITエンジニアの健康保険組合や、通院中の保険加入に関するよくある疑問にほけんのプロが回答します。
Q. 関東ITソフトウェア健康保険組合(ITS)の傷病手当金にメリットはありますか
A. 関東ITソフトウェア健康保険組合(ITS)における傷病手当金は、法定給付と同じ「標準報酬日額の3分の2」で、傷病手当金自体に上乗せの付加給付はありません。
ただし、関東ITソフトウェア健康保険組合には高額療養費に対する「一部負担還元金」という付加給付制度があります。
医療機関での自己負担額が一定額を超えた場合、超過分が払い戻されるため、入院などをともなう治療の際に医療費の負担を抑えるメリットがあります。
(参考:病気やケガで働けないとき|関東ITソフトウェア健康保険組合)
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Q. すでにうつ病で通院中ですが、今から入れる保険はありますか。
A. うつ病で通院中の場合、通常の医療保険や就業不能保険への加入は基本的に難しくなります。
医療保険であれば持病がある人向けの「引受基準緩和型保険」が選択肢となりますが、就業不能保険の場合緩和型の商品はほとんど販売されていません。
うつ病と診断されてからでは選択肢が狭まってしまうため、健康なうちに保障を準備しておくことが大切です。
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まとめ
ITエンジニアにとって、メンタルヘルスの不調は他人事ではありません。
休職で収入が減少してしまう事態に備えて、自身の状況にあった保険に加入しておくことが大切です。
ほけんのコスパでは、複数の保険会社の就業不能保険を掲載しています。
年齢と性別を入力するだけで簡単に保険料の見積もりも可能です。
ぜひ、保険選びの参考にしてください。

















