「住宅ローンの団信に就業不能保障を付けるべき?」「公的保障があるから十分?」と住宅購入に際してお悩みではありませんか?
団体信用生命保険(団信)の就業不能保障は、万が一働けなくなった際の心強い備えです。
一方、金利は上乗せされトータルでの返済額は大きくなってしまうデメリットもあります。
また、保障の範囲も「保険会社が定める就業不能状態に該当したとき」と限定的です。
本記事では、団信の就業不能保障のメリット・デメリットから、傷病手当金などの公的保障、民間の就業不能保険との違いまで、FPが詳しく解説します。
団信のプラン選びで迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
公的保障が手厚い会社員や公務員は団信の特約の必要性が低い
ただし、貯蓄が少ない人や傷病手当金だけで不安を感じる人は要注意
自営業やフリーランスの場合公的保障が手薄。団信特約か民間の保険での備えを検討しましょう
目次
7.まとめ
「団信の就業不能保障」が“いらない”と判断できる3つのケース
団信の就業不能保障が不要と判断できるのは、主に3つのケースです。
- 公的保障が手厚い会社員・公務員
- 十分な貯蓄がある世帯
- 民間の保険で既に備えている
会社員や公務員の場合、病気やケガで働けなくなると、加入している健康保険組合から「傷病手当金」を受け取ることができます。給付額は給与の約3分の2と、満額ではありませんがある程度の収入を確保できるため、団信の就業不能保障特約は優先度が低くなるでしょう。
また、いざというときにローン返済や生活費に充てられるだけの十分な資産を保有している場合、団信の追加金利を負担してまで就業不能保障を準備していく必要性は低いといえます。
就業不能保障特約を付加するか迷ったときは、まず自身の総資産を把握したうえで、一定期間働けなくなったときでもローン返済に不安がないかシミュレーションしてみましょう。
その他、すでに民間の就業不能保険などで備えている場合も、団信で特約を付加する必要性は低くなります。
保障の重複が起こらないよう、自身が加入している保険の保障内容をすべて確認しましょう。

なぜ「いらない」と言われる?団信・就業不能保障の3つの落とし穴(デメリット)
団信の就業不能保障は安心感がある一方で、上乗せされる金利や保障内容から、必要性を感じない人もいます。
まずは、団信の就業不能保障のデメリットについて見ていきましょう。
デメリット1:保険料(金利上乗せ)が生涯続くコストになる
就業不能保障などの特約を団信に付加すると、その分の費用が住宅ローン金利に上乗せされることが一般的です。
多くの場合、金利が年0.1%〜0.3%程度上乗せされます。
上乗せ金利は、住宅ローンの返済期間中ずっと支払い続けることになります。
例えば、3000万円を35年ローンで借り入れた場合、金利が0.5%の場合と0.7%の場合では、総返済額は約113万円の違いがあります。
一見小さな金利差でも、長期にわたる返済では大きな金額差となるため、得られる保障内容と支払うコストのバランスを慎重に検討する必要があるでしょう。
また、特約は一度付加するとローンの借り換えをしない限り解約できません。
将来、家計の状況が変化するリスクもふまえて、付加しておくべきかを検討しましょう。
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デメリット2:「うつ病」など精神疾患の多くは“対象外”
就業不能保障付き団信の注意点として、うつ病などの精神疾患が保障の対象外となっているケースが多いことが挙げられます。
近年、メンタルヘルスの不調により休職する人は増加傾向にありますが、多くの団信特約の約款では、精神障害を原因とする就業不能状態は免責事由として定められています。
「全疾病保障」という名称から、あらゆる病気やケガが対象になると考えがちですが、実際には例外も存在します。
精神疾患による休職リスクに備えたいと考えている場合、団信の就業不能保障ではカバーされません。
加入前には、約款などで免責事項を確認しておくことが大切です。
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デメリット3:支払い条件が厳しい(例:免責期間が長い、回復すると止まる)
団信の就業不能保障は、病気やケガをしてすぐに保障が開始されるわけではありません。
多くの商品では、「就業不能状態が60日以上継続した場合」のように、一定の免責期間が設けられています。
免責期間は商品によって異なりますが、「180日以上」など免責期間が長いものもあるため、加入前に確認しておくことが大切です。
また、保障内容にも注意が必要です。
一般的には、就業不能状態が続いている間、月々のローン返済額が保障され、その状態がさらに長期間(12カ月など)継続した場合に、住宅ローン残高が全額免除されるという二段階の仕組みになっています。
つまり、途中で回復して仕事に復帰すれば、月々の返済保障は終了しローン返済が再び開始されることになります。
ローン残高がゼロになるのは、非常に重い状態が長期間続いた場合に限られるため、想定よりも保障のハードルが高いと感じる人もいるでしょう。
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「団信特約」と「公的保障」の比較|会社員は傷病手当金で十分か?
団信の就業不能保障を検討する際は、必ず公的保障制度について知っておく必要があります。
ここからは、病気やケガで働けなくなった場合の公的保障について見ていきましょう。
会社員・公務員が使える「傷病手当金」でいくら貰える?
会社員や公務員が加入している健康保険には、病気やケガで働けなくなったときに収入が保障される「傷病手当金」の制度があります。
保障額は給与(標準報酬月額)のおよそ3分の2で、支給期間は支給開始日から通算で最長1年6カ月です。
例えば、月収30万円の人であれば、月額約20万円が支給される計算になります。
収入は減少してしまいますが、当面の生活費や住宅ローンの返済を、傷病手当金と貯蓄でまかなうことができるのであれば、団信の特約の必要性は低くなります。
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傷病手当金の「穴」:支給期間終了後と、自営業者のリスク
傷病手当金はもしものときに頼りになる制度ですが、万能ではありません。
注意しておくべきポイントが2点あります。
第一に、支給期間が通算1年6カ月で終了する点です。
もし1年半を超えても仕事に復帰できない場合、傷病手当金の支給は停止し、収入が途絶えるリスクがあります。
その後は障害年金の対象となる可能性もありますが、受給には一定の条件があり、必ずしも受け取れるとは限りません。
第二に、自営業者やフリーランスは傷病手当金の対象外である点です。
国民健康保険には傷病手当金の制度がないため、働けなくなった場合収入が途絶えてしまう可能性があります。
公的な保障は障害状態に認定された場合に受給できる「障害基礎年金」のみで、それまでの期間は貯蓄で生活を維持していく必要があります。
長期療養や、自営業・フリーランスで働く人のリスクを考えると、団信の就業不能特約も選択肢のひとつになるかもしれません。
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「団信特約」と「民間の就業不能保険」の徹底比較|どちらを選ぶべき?
団信に特約として就業不能保障を付加するか、民間の就業不能保険で備えておくべきか、悩んでいる人もいるかもしれません。
団信の特約と民間の就業不能保険にはそれぞれ特徴があり、どちらが自分に適しているかは保障内容やコストを比較しながら判断する必要があります。
では、両者を詳しく比較してみましょう。
団信特約 vs 民間・就業不能保険
団信の就業不能保障特約と、民間の就業不能保険は、働けなくなった際の収入減を補う目的は同じですが、仕組みや特徴には大きな違いがあります。
団信特約は住宅ローン返済に特化しているのに対し、就業不能保険は保障内容や期間を柔軟に設計でき、受け取った保険金の使い道も自由というメリットがあります。
また、団信特約の場合単体での解約は原則不可で、ローンを借り換えない限り解約することができません。
就業不能保険であれば、不要になった時点で自由に解約が可能です。
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メリット解説:団信特約より「民間保険」を選ぶべき理由
団信特約ではなく、あえて民間の就業不能保険を選ぶことには、いくつかのメリットがあります。
就業不能保険のメリット
- 保障額や保険期間を自由に設定できる
- 見直しがしやすい
- 住宅ローンを借り換えても保障を継続できる
民間の就業不能保険は、ローンに関係なく保障額や保険期間を自由に設定することができます。
会社員や公務員の場合、傷病手当金を加味して収入の3分の1だけ保険でカバーする、といったプランを組むことも可能です。
また、ライフステージの変化に応じて保障額を減らしたり、不要になれば解約したりと、柔軟に見直しが可能な点もメリットといえるでしょう。
住宅ローンとは独立しているので、借り換えや繰上返済をしても保険期間まで保障を継続することができます。
Q.団信特約と民間保険、保障の重複はもったいない?
A.それぞれの目的が別であれば問題ありませんが、保障が重複していることで保険料を無駄に支払っている可能性もあるため注意が必要です。
団信特約では住宅費の保障を、就業不能保険では生活費の不足を補う目的で、それぞれの保障を準備しているのであれば問題ありません。
ただし、公的保障などを加味すると保障が過大になっている可能性もあります。
病気やケガで働けなくなったとき、公的保障でいくら受け取れ、どの程度の保障が必要なのかをシミュレーションしてみることが大切です。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2025年12月1日―2025年12月31日)
【職業別】就業不能保障の必要性セルフチェック
就業不能保障の必要性は、職業や働き方によって大きく異なります。
公的保障の手厚さや収入の安定性は、リスクの大きさを左右します。
自身の状況に近いものを参考に、保障の必要性をセルフチェックしてみましょう。
【不要な可能性が高い人】公務員・大企業の会社員、貯蓄が潤沢な人
下記に該当する場合、団信の就業不能保障や民間の就業不能保険の必要性は比較的低いと考えられます。
- 公務員や福利厚生が充実した大企業の会社員
- 十分な金融資産を保有している人
傷病手当金や会社独自の福利厚生が手厚い場合、万が一病気やケガで働けなくなっても、収入のほとんどをカバーできる可能性があります。
あえて団信の特約を付加したり、民間の保険で備えておく必要性は低いといえるでしょう。
また、一時的に収入が途絶えた場合でも貯蓄で生活費やローン返済をまかなえるのであれば、保険で備えておく必要はないかもしれません。
ただし、貯蓄の用途がすでに決まっている場合(例:教育資金、老後の生活費など)、いざというときに取り崩さずに済むよう、団信の特約か民間の保険を検討しておくと良いでしょう。
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【加入をおすすめする人】自営業者・フリーランス、中小企業勤務の人
一方、団信の特約や就業不能保険への加入をおすすめできるのは次のようなケースです。
- 自営業者・フリーランス
- 中小企業に勤務する人
自営業やフリーランスで働く人の場合、傷病手当金を受け取ることができません。
病気やケガで働けなくなったときのリスクが大きいため、団信の特約で備えておくか、就業不能保険の加入を検討するのがおすすめです。
また、中小企業に勤務する人の場合、大企業のような手厚い福利厚生がないことも珍しくありません。
傷病手当金だけでは不安を感じる人は、保険で別途備えておくのも選択肢のひとつです。
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あなたのリスクに最適な備えを見つけよう
働けなくなるリスクには、団信の特約だけでなく、公的保障や民間の保険で備えておくことができます。
とはいえ、自分にとってどの程度の保障が必要なのか、判断が難しいと感じる人も多いでしょう。
自分に最適な備えを見つけるためのポイントを、保険のプロが紹介します。
自分に必要な保障額がわからない場合
「万が一働けなくなったら、毎月いくら必要になるのか」を正確に把握するのは難しいかもしれません。
しかし、ポイントを押さえれば自分で必要な保障額を算出することは可能です。
まずは、現在の生活費、住宅ローン返済額、将来の教育費などの支出を計算します。その上で、公的保障で受け取れる金額を差し引き、差額を必要保障額として見積もります。
家計簿などを利用し、まずは今の家計の状況を把握することから始めてみましょう。
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民間の就業不能保険と所得補償保険を比較したい場合
民間の保険を検討する場合、「就業不能保険」と「所得補償保険」という類似の保険があり混乱するかもしれません。
就業不能保険は生命保険会社が販売する生命保険で、保険期間は60歳や65歳までなど、現役時代をカバーする商品設計になっています。
一方所得補償保険は損害保険会社が販売する損害保険で、1年更新などの短期間の補償が中心です。
免責期間や保障内容にも違いがあるため、まずは両者の違いについて知っておくことが大切です。
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まとめ
団信の就業不能保障が「いらない」かどうかは、個人の職業、貯蓄額、そして既に加入している保険の内容によって異なります。
会社員や公務員であれば、まずは公的保障である「傷病手当金」について知ったうえで、長期療養のリスクや現在の貯蓄額をふまえ総合的に判断することが大切です。
一方、自営業者やフリーランスの場合、公的保障が会社員と比べて手薄なため、団信の特約や就業不能保険の必要性が比較的高くなります。
団信特約はローンと一緒に検討できる手軽さがある一方、保険期間や保障内容に制約があります。
より柔軟で自分に合った保障を求めるなら、民間の就業不能保険も選択肢のひとつです。
ほけんのコスパでは複数社の就業不能保険を掲載しているため、住宅購入を機に就業不能に対する備えを検討している人はぜひ参考にしてください。
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