「小さい頃から中耳炎を繰り返していたけれど、医療保険に入れる?」「子どもが中耳炎になったけど保険で保障される?」
中耳炎は身近な病気で、過去に罹患歴がある人も少なくないでしょう。
中耳炎でも通常型の保険に加入できる可能性は十分にあります。
また、中耳炎の治療は健康保険が適用になるだけでなく、入院や手術をすれば民間の保険で給付を受けられるケースもあります。
本記事では、中耳炎と保険加入の関係性、公的保険や民間保険の活用方法を詳しくご紹介します。
あなたの年齢で医療保険の保険料はいくら?
この記事を読んでわかること
中耳炎が治癒していれば、通常の医療保険に無条件で加入できるケースが多い
治療中・経過観察中でも、耳の特定部位不担保つきで契約できる可能性がある
告知は診断名・治療期間・治療内容・現在の状態の4点を正確に記入する
目次
【2つのポイント】新たに入れるか・今加入している保険で保障されるか
中耳炎と保険の疑問は「これから加入できるか」と「今の契約で給付金が出るか」の2つに分かれます。
「これから加入できるか」は、告知と引受審査の話です。中耳炎の種類、治療が終わっているか、後遺症があるかによって結論が変わります。
一般的なケースでは、無条件、もしくは特定部位不担保の条件で加入できる可能性があります。
一方「今の契約で給付金が出るか」は、加入中の医療保険の約款に書かれた支払事由の話になります。
判断するために必要なのは、加入している保険の証券や約款、すでに治療済みの場合は診療明細書も用意しておきましょう。
あなたの年齢で医療保険の保険料はいくら?
中耳炎でも通常の医療保険に加入できる可能性は高い
中耳炎は完治する病気のため、既往歴があるという理由だけで加入を断られることは少ないでしょう。
保険会社が重要視するのは、治療の経過と再発や後遺症の有無 濃霧です。
治癒していれば無条件で加入できることが多い
急性中耳炎で治療が終了し、その後に再発していない場合、通常の医療保険に条件なしで契約できるケースも多いでしょう。
保険会社が引受審査で重視するのは、過去にかかったという事実そのものだけでなく、将来の入院や手術の可能性です。
症状が治療を受けるほどではない人や、病気が完治して一定の年数が経過している人は、無条件で契約できる場合があります。
また、告知書で問われるのは最大で「過去5年以内」の治療歴や通院歴です。
幼い頃に中耳炎になったことがあっても、その後通院をしておらず、すでに完治の状態であれば、そもそも告知に該当しない可能性もあります。
「昔かかったことがある」だけで、加入をあきらめる必要はありません。
お薬手帳や診察券で最後の受診日を確認し、告知書の質問期間と照らし合わせてみましょう。
(参考:健康上問題があると、生命保険は契約できないの?| 生命保険文化センター)
治療中・経過観察中は特定部位不担保がつくことがある
現在も耳鼻科に通院している、あるいは経過観察中という状況では、特別条件がついたうえでの契約になる可能性があります。
医療保険の場合、特定部位不担保という条件が付くケースが多いでしょう。
特定部位不担保とは、身体の一部分を、指定された期間だけ保障から外す条件のことです。
耳やその附属器が不担保になった場合、耳の病気による入院や手術については、契約から一定期間内は保障が受けられません。
ただし、不担保がついても契約そのものは有効で、耳以外の病気やケガは通常通り保障されます。
また、不担保期間が終了すれば、耳の病気も保障の対象となります。
治療中だからといって申し込みを止めてしまうと、保障が何もない状態が続くことになります。
条件つきでも契約できるなら、耳以外のリスクには備えられると考え、まずは通常の医療保険で申し込んでみるのも選択肢のひとつです。
代HS-25-529-430(2026.2)
代HS-25-529-430(2026.2)
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年9月1日―2026年9月30日)
加入が難しくなりやすいケース
中耳炎の種類や症状の残り方によっては、引受が難しくなる場合もあります。
詳しく見ていきましょう。
真珠腫性中耳炎の場合
真珠腫性中耳炎と診断されている場合、通常の医療保険では加入を断られるケースもあります。
真珠腫性中耳炎は、鼓膜の一部が中耳側に入り込み、たまった角化物が周囲の骨を溶かしながら広がっていく病気です。
進行すると耳小骨が破壊されて難聴につながり、まれに顔面神経麻痺や頭蓋内の合併症を起こすこともあります。
根治には鼓室形成術などの手術が必要となるのが一般的で、滲出性中耳炎や癒着性中耳炎から進展するケースも報告されています。
将来的に手術や入院が必要になる確率が高いと判断されるため、医療保険では加入を断られるか 、耳の不担保がつく形になりやすいでしょう。
慢性中耳炎で手術を予定している場合も同様の扱いになりがちです。
ただし、引受審査の基準は保険会社ごとに異なります。1社の結果がすべてではないため、他社で検討を進めるか、引受基準緩和型を検討すると良いでしょう。
(参考:よく知る!病気ガイド 真珠腫 性中耳炎|兵庫医科大学病院 小児滲出性中耳炎診療ガイドライン 2022年版|公益財団法人日本医療機能評価機構)
難聴などの後遺症が残っている場合
中耳炎が治癒したあとも難聴が残っている場合、告知の対象となり個別に判断されます。
保険会社が確認するのは、難聴の程度、原因となった中耳炎の種類、現在も治療を続けているかどうかです。
軽度の伝音難聴で治療が終了しているなら、条件なしまたは耳の不担保で契約できる可能性があります。
一方、難聴が進行している、あるいは手術による改善を検討中という状況では、厳しい判断になることも考えられるでしょう。
滲出性中耳炎は小児に難聴を引き起こす病気として頻度が高く、気づかれないまま経過すると言語発達の遅れや学習への影響が生じる可能性が指摘されています。
とはいえ、後遺症があるという理由だけで一律に断られるわけではありません。
程度と現在の治療状況によって結論は変わるため、まずは正確に告知して保険会社の判断を待つのが良いでしょう。
(参考:小児滲出性中耳炎診療ガイドライン 2022年版|公益財団法人日本医療機能評価機構)
通常の医療保険が難しい場合の選択肢|引受基準緩和型保険
通常の医療保険に加入できなかった場合、引受基準緩和型保険という選択肢があります。
告知項目が通常のタイプより少なく、持病や治療歴がある人でも申し込みやすく設計されています。
保険会社によって告知項目は異なりますが、一般的な内容は次のとおりです。
3つの項目すべてに該当しなければ、申込が可能です。
中耳炎の場合、過去1~2年以内に入院・手術歴がなければ検討できます。
ただし、加入しやすい分、毎月の保険料は通常型の保険よりも割高に設定されています。そのため、まずは通常型で申し込み、加入を断られた場合に緩和型を検討する手順が最も合理的です。
(参考:健康状態に不安がある人でも、契約できる医療保険とは?|生命保険文化センター)
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注意)緩和型は20歳未満は加入できないことが多い
引受基準緩和型保険は、加入年齢の下限を20歳前後に設定している商品が多く、子どもは対象外となるケースが一般的です。
治療中の子どもに保障を持たせたい場合、緩和型は選択肢になりにくいと考えてください。
あなたの年齢で医療保険の保険料はいくら?
中耳炎の告知|何をどこまで書けばいいのか
健康告知の際、何をどこまで書けば良いか迷う人も多いでしょう。
告知は正確に書けば不利になるものではなく、書かないことのリスクのほうが大きくなります。
何を、どの範囲まで書けばいいのかを整理しましょう。
告知が必要になるかをチェックする
告知義務とは、保険会社が質問した事項について事実を回答する義務を指します。
質問されていない事項まで自発的に申告する必要はありません。
通常型の保険の場合は最大で過去5年間の通院や治療歴、緩和型の場合は過去1~2年以内の入院・手術歴を問われるのが一般的です。
すでに完治している人は、最後の通院からどれくらいの期間が経っているか、正しく把握しておきましょう。
告知書に書くべき4つのポイント
告知に該当する場合、治療の詳細を申告する必要があります。
以下の4つのポイントを押さえておきましょう。
1. 正式な診断名
急性中耳炎、滲出性中耳炎、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎のいずれかを記入します。
「中耳炎」とだけ書くと種類が特定できず、保険会社から照会が入って審査が長引く原因になります。
領収書や紹介状に記載された、正式な病名を確認してください。
2. 診断日と治療期間
いつから治療を始め、いつ終了したかを記入します。
おくすり手帳の日付や、処方箋の受け取り記録が手がかりになります。
3. 治療内容と手術の有無
投薬のみか、鼓膜切開術を受けたか、鼓膜チューブ留置術を受けたかを明記します。
手術を受けた場合は術式名と実施日も記入してください。
4. 現在の状態と聴力
完治、経過観察中、治療中のいずれかを記入し、難聴や耳鳴りが残っているかどうかを添えます。
後遺症がない場合は、その旨も記入しておくと良いでしょう。
あなたの年齢で医療保険の保険料はいくら?
告知した後に再発しても、あらためて告知する必要はない
告知は、告知を行う時点での健康状態を問われるものです。
契約が成立したあとに健康状態が変わっても、告知をやり直す義務はありません。
そのため、契約後に中耳炎が再発した、症状が悪化した、新たに難聴が出たといった変化があっても、保険会社に報告する必要はありません。
報告しなかったことを理由に、保険料が上がったり契約が解除されたりすることもありません。
加入時点で正しく告知を済ませておけば、その後の健康状態の変化を心配する必要はありません。
告知を先延ばしにするより、今の状態を正確に伝えて契約を成立させるほうが、結果的に安心につながるでしょう。
告知しなかった場合のリスク
告知すべき事実を告げなかった場合、いざというときに給付金を受け取れなくなる可能性があります。
故意または重大な過失によって事実を告げなかったり、事実と異なる内容を告知した場合、告知義務違反に該当します。
保険会社は給付金請求の際に告知内容が正しかったかを調査することがあり、その結果告知義務違反が発覚すると、支払いを拒否されてしまいます。
さらに悪質と判断された場合、契約そのものを解除される可能性もあります。
支払った保険料は返ってこないため、大きな損失につながります。
「軽い中耳炎だから書かなくてもわからないだろう」という自己判断は絶対にやめましょう。
(参考:保険金や給付金が受け取れないのはどのような場合?|生命保険文化センター)
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中耳炎の手術で医療保険は受け取れる?
加入している医療保険がある場合、入院や手術で給付金を受け取れる可能性があります。
詳しく見ていきましょう。
入院給付金・手術給付金の保障対象になる可能性がある
医療保険の給付金は、入院給付金と手術給付金の2本立てが基本です。
中耳炎の場合、日帰り手術だったのか、入院して手術をしたのかによって受け取れる給付額が変わります。
- 外来で手術を受けた場合:入院の扱いがないため、手術給付金のみが対象
- 日帰り入院で手術を受けた場合:手術給付金に加えて、入院給付金も1日分受け取れる可能性がある
現在の医療保険は入院1日目から給付する設計が主流のため、日帰り入院でも入院給付金の対象になります。
鼓膜切開術は耳鼻科の外来で処置されるケースが多く、前者に該当することが多いでしょう、
一方、小児の鼓膜チューブ留置術は全身麻酔で行うために日帰り入院となるケースがあり、両方の給付金を受け取れる可能性があります。
自分がどちらだったかは、診療明細書に入院基本料の記載があるかどうかで確認できます。
(参考:医療保険|主契約の種類|生命保険文化センター)
手術給付金の保障の種類|公的医療保険連動型と88種型
手術給付金の保障対象は、約款の規程によって異なります。
主なタイプは次の2つです。
公的医療保険連動型:公的医療保険の対象となる手術を給付対象とするタイプ。近年の医療保険の主流
88種類式:約款に記載された88種の手術のみを給付対象とするタイプ。古い医療保険に多く見られる。
鼓膜切開術の場合、公的医療保険連動型であれば給付対象になる可能性が高いでしょう。
また、88種ではなく1000種規模の手術を対象とする中間的な商品もあります。
まずは加入している保険の約款を確認してみることが大切です。
(参考:手術したのに手術給付金が受け取れないのはなぜ?|生命保険文化センター)

Q1
入院時の費用は?
鼓膜切開術・鼓膜チューブ留置術は対象になるか
鼓膜切開術と鼓膜チューブ留置術は、いずれも公的医療保険の手術料の算定対象として点数表に定められた手術です。
したがって公的医療保険連動型の商品では、給付対象となる可能性があります。
ただし約款の除外リストに記載がないことの確認が必要です。
一方、88種類の別表方式では、リストに鼓膜の手術が含まれていない商品もあり、対象外となるケースもあります。
詳細は約款を確認したうえで、加入している保険会社に問い合わせるのが確実です。
自分の契約が対象かを確認する3ステップ
中耳炎による治療が保障対象となるか、手元の書類だけで判定する手順を示します。
保険会社へ問い合わせる前に、次の3つを順に進めてみましょう。
ステップ1:保険証券で商品名と契約日を確認する
商品名と契約日をメモします。
契約日は、約款のどの版を参照すべきかを特定する手がかりになります。
ステップ2:約款で支払事由の定義方式を判別する
約款またはご契約のしおりを開き、「手術給付金」の支払事由を探します。
「公的医療保険制度における手術料の算定対象として定められている手術」といった記述があれば連動型。
「別表」として手術名と倍率の一覧が載っていれば88種方式の可能性が高くなります。
ステップ3:除外リストまたは別表を照合する
連動型なら、支払対象外となる手術の一覧に該当がないかを確認します。
別表方式なら、鼓膜に関する手術が列記されているかを確認してください。
判断がつかない場合は、診療明細書に記載された手術名を控え、保険会社のコールセンターに伝えて照会するのが確実です。
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中耳炎の治療費と手術費の目安
民間の保険を検討する前提として、実際にかかる費用の水準を把握しておきましょう。
公的医療保険の適用後にいくら自己負担するのかを確認します。
通院・投薬のみの場合の費用
急性中耳炎や滲出性中耳炎の多くは、投薬と経過観察で治療が進みます。
3割負担の場合、耳鼻科の診察料と処方薬を合わせた1回あたりの自己負担額は、数千円で収まることが一般的です。
初診時は検査が加わるため、やや高くなる傾向があります。
滲出性中耳炎で数カ月にわたって通院した場合でも、累計の自己負担は数万円の範囲に収まるケースが一般的です。
通院と投薬だけで治療が終了した場合、民間の医療保険を利用できる場面はありません。
自費で対応する必要があるため、注意しましょう。
金額は医療機関や処方内容によって変わります。
正確な自己負担額は、会計時に受け取る領収書と診療明細書で確認してください。
鼓膜切開術・鼓膜チューブ留置術の費用
手術に進んだ場合の自己負担額の目安を整理します。
いずれも3割負担で、日帰りを前提とした金額です。
| 術式 | 診療報酬点数 | 医療費全額 | 3割負担 |
| 鼓膜切開術 | 830点 | 8300円 | 2490円 |
| 鼓膜チューブ留置術(局所麻酔・外来) | 2670点 | 2万6700円 | 8010円 |
両耳に行う場合は、上記より金額が増加します。
また全身麻酔を選択すると麻酔料と入院基本料が加わるため、局所麻酔の外来手術より自己負担は高くなります。
小児では体動を抑える必要から全身麻酔が選ばれるケースがあります。
表の金額はあくまで目安です。
診療報酬の点数は令和8年6月1日施行の改定で見直されており、医療機関の体制や併せて行う処置によっても変動します。
確定した自己負担額は、会計時の領収書と診療明細書で必ず確認してください。
(参考:令和8年度診療報酬改定について|厚生労働省)
高額療養費制度の対象になることはほとんどない
高額療養費制度とは、1カ月に医療機関や薬局の窓口で支払った自己負担額が所得に応じた上限額を超えた場合に、超えた分が払い戻される仕組みです。
70歳未満で一般的な所得区分に当てはまる人の場合、ひと月の自己負担限度額は9万円前後となります。
中耳炎の日帰り手術の自己負担は数千円から5万円程度に収まることが多く、上限額に届かないケースがほとんどです。
なお、令和8年8月から高額療養費制度は見直されています。
月単位の自己負担限度額が引き上げられる一方、新たに年間上限が設けられ、長期の療養が必要な人へのセーフティネット機能が強化されました。
令和9年8月にも段階的な見直しが予定されています。
自己負担限度額は所得区分によって異なり、加入している公的医療保険によって手続きも変わります。
正確な限度額と申請方法は、加入先の健康保険組合、協会けんぽ、お住まいの市区町村の国民健康保険窓口で確認してください。
(参考:高額療養費|全国健康保険協会)
(参考:高額療養費制度の見直しについて(第209回社会保障審議会医療保険部会 資料)|厚生労働省)
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入院が必要になるケースと費用
慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎に対して鼓室形成術を行う場合、数日から10日程度の入院を伴うことがあります。
日帰り手術よりも費用は高くなるため、高額療養費制度の対象になることが一般的です。
平均的な収入の世帯であれば、1カ月の自己負担額は9万円前後まで抑えられます。
ただし、入院時の食事代、差額ベッド代、先進医療にかかる費用は高額療養費制度の対象外です。
加えて、入院中の日用品費や家族の交通費といった実費も発生します。
高額療養費の自己負担だけでなく、保険対象外の費用についてもあらかじめ見積もっておくことが大切です。
子どもの中耳炎と保険で知っておきたいこと
滲出性中耳炎は小児に多く、長期の通院や鼓膜チューブ留置術に至るケースがあります。
子どもの保障をどのように準備するか、どんな公的制度を利用できるか、整理していきましょう。
治療中の子どもでも加入できるか
子どもが滲出性中耳炎で通院中でも、保険に加入できないわけではありません。
治療中や経過観察中の場合、耳に関する特定部位不担保がついたうえで契約できる可能性があります。
治療が終了し、一定の年数が経過していれば、無条件で加入できるケースも珍しくありません。
小児の滲出性中耳炎は、成長にともない耳管の機能が改善して自然に治癒することが多い病気です。
将来の加入に長く影響が残るとは限りません。
一方、引受基準緩和型保険は加入年齢の下限を20歳前後に設定した商品が多く、子どもは対象外になりがちです。
子どもについては、通常の医療保険で条件つきの契約を目指すか、治療終了後にあらためて申し込むかのどちらかが現実的な選択肢です。
子どもの医療費助成制度で自己負担が抑えられる
子どもの中耳炎については、公的な助成によって自己負担が抑えられる仕組みが整っています。
まず国の制度として、就学前の児童は公的医療保険の自己負担が3割から2割に軽減されています。
そのうえで、各自治体が独自の医療費助成制度を設けており、令和7年4月1日時点ですべての都道府県および市区町村がこどもに係る医療費の助成を実施しています。
助成の対象年齢は自治体によって異なります。
市区町村では、通院・入院ともに18歳年度末までを対象とするところが最も多くなっています。
自己負担が無料になる自治体もあれば、1回あたり数百円の負担が残る自治体もあります。
(参考:令和7年度「こどもに係る医療費の助成についての調査」|こども家庭庁)
学資保険に医療保障を付ける選択肢はあるか
学資保険(こども保険)は、教育資金の準備を目的とした保険です。
子どもの入学や進学に合わせて祝金や満期保険金を受け取るタイプと、18歳から22歳などの期間に学資年金を受け取るタイプがあります。
主契約者である親などが死亡した場合に以後の保険料払込みが免除されるのが特徴です。
また商品によっては、満期まで育英年金や一時金を受け取れるものもあります。
医療保障を付加できる商品も一部に存在しますが、現在の学資保険は貯蓄機能に特化しているものが多く、医療特約を付けられる商品は限られています。
前述のとおり、自治体の医療費助成がある期間は子どもの医療費の自己負担が抑えられます。
教育資金の準備と医療保障は目的が異なるため、無理に1つの契約にまとめず、分けて考えるのが合理的です。
(参考:教育資金準備のための生命保険を知りたい|生命保険文化センター)
中耳炎の治療が終われば、通常の医療保険を検討できる可能性が高い
ここまで見てきたとおり、中耳炎の治療費自体は公的医療保険の範囲で行うことができます。
そのため、中耳炎に備えるために医療保険へ加入する必要性は、それほど高くありません。
ただし、子どものうちに終身型の医療保険を検討しておく価値はあります。
若いうちであればお手頃な保険料で、将来の病気やケガに備えられる点がメリットです。
また将来大きな病気に罹患して保険に加入できなくなってからでは遅いため、比較的健康状態が良い子どものうちに検討を済ませておくのは合理的です。
「中耳炎のために」ではなく、将来のリスクのために保険を考えるのが良いでしょう。
あなたの年齢で医療保険の保険料はいくら?
中耳炎と保険に関するよくある質問
ここからは、中耳炎と保険に関するよくある質問に、プロがわかりやすく回答します。
Q. 中耳炎で保険を断られたら他社でも断られますか
A. 引受審査の基準は保険会社ごとに異なるため、1社で断られたからといって他の会社でも断られるとは限りません。
また、加入を断られた事実が他社に共有される仕組みもありません。
1社で条件がついても、別の保険会社では無条件で契約できるケースがあります。
申し込みを1社でやめてしまうと、加入できる可能性を自ら狭めることになります。複数社の条件を比べてみてください。
Q. 鼓膜切開術を受けましたが入院はしていません。給付金は出ますか
A. 入院の扱いがなかった場合、入院給付金は対象外となります。手術給付金の扱いは加入している保険商品によって異なります。
入院給付金は、入院算定料の有無で判断されるため、入院扱いでない場合は対象外です。
一方、契約形態によっては手術給付金を受け取れる可能性もあります。
まずは加入している医療保険の約款を確認してみましょう。
Q. 子どもの頃の中耳炎も告知が必要ですか
A. 中耳炎による最後の通院から5年以上経過している場合、基本的に告知は不要になります。
告知は、告知書の質問で定められた期間内の事実について行うものです。
子どもの頃に治療を受け、その後は再発も通院もしていない場合、告知が不要となるケースが一般的です。
ただし、告知すべき期間は商品によっても異なります。
Q. 耳鳴りや難聴が残っていますが加入できますか
A. 症状が続いている場合は告知が必要となり、引受審査で個別に判断されます。
耳の特定部位不担保がついて契約できる場合もあれば、商品によっては謝絶(契約不可)となることもありえます。
なお耳鳴りは中耳炎以外が原因のこともあるため、診断名を確認して告知してください。
Q. 加入後に中耳炎になった場合、保障の対象になりますか
A. 契約が成立し、責任開始期を迎えたあとに発症した中耳炎は、約款の支払事由に該当すれば保障の対象です。
契約後の発症について、告知をやり直す必要もありません。
ただし耳の特定部位不担保がついている契約では、不担保期間中の耳に関する給付は対象外となります。証券で不担保の有無と期間を確認してください。
まとめ|中耳炎は保険加入をあきらめる理由にならない
中耳炎の罹患歴があっても、保険に加入できる可能性は十分にあります。
諦めず、まずは通常型の保険から検討を進めてみましょう。
加入を断られた場合でも、緩和型保険という選択肢があります。
ほけんのコスパでは、複数の保険会社の医療保険を掲載しています。
年齢と性別を入力するだけで、簡単に保険料の見積もりも可能です。ぜひ、保険選びの参考にしてください。

FP橋本
幼い頃に中耳炎にかかった事がある人は多いのではないでしょうか。
ご相談の場では、お子様の中耳炎に関する質問が多く、保険加入に影響するのかどうかを気にしておられる親御さんもいらっしゃいました。
後遺症がなく完治していれば、基本的に保険加入に大きな影響はありません。
子どもは自治体の医療費助成制度を利用できるため、医療保険の必要性は大きくありませんが、将来のリスクのためにお手頃な保険料で保障を確保しておくのも合理的な選択肢です。
親御さんの医療保険とあわせて、子どもの医療保険も加入しておく方も少なくありませんでした。
必要性は家庭によって異なりますが、長い目で見て備えておくべきかを判断するのが良いでしょう。
橋本優理(2級FP技能士)





















