30代にとって、三大疾病のリスクはあまり身近に感じられないかもしれません。
しかし、働き盛りで結婚や出産などの大きな出来事が重なるこの時期だからこそ、もしものときの経済的な不安に備えることが大切です。
また、若くて健康だからこそ、将来に備えて保険に加入しておくメリットもあります。
本記事では、30代に三大疾病保険は必要なのか、何を基準に保険選びをすれば良いかを解説します。
保険選びに迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
30代のうちに三大疾病保険に加入しておけば、保険料を抑えて老後までの保障を確保できる
30代は働き盛りで経済的なリスクも大きい。もしもの事態に備える保険選びが大切
公的保障を加味して、不足分を効率よく備えられるよう保障額を調整しましょう
目次
まだ早い?30代こそ三大疾病保険を検討すべき3つの理由
30代のうちは、医療保険など基本的な保険だけで十分と考える人もいるかもしれません。
30代でがんや心疾患、脳血管疾患に罹患する人はゼロではありませんが、高齢者と比べると少ないのは事実です。
しかし、若いうちから三大疾病保険に加入しておくメリットもあります。
まずは、三大疾病のリスクと、今から三大疾病保険に加入するメリットについて見ていきましょう。
理由1:三大疾病は「治療費」と「収入減」が家計を直撃する
三大疾病にかかると、治療費だけでなく、働けなくなることによる収入減が家計に大きな影響を与える可能性があります。
三大疾病は一度罹患するとすぐに完治が難しく、年単位で治療を続けることも珍しくありません。
毎月の医療費負担に加え、これまで通り働けないことによる収入の減少が重なると、家計へのダメージも大きくなります。
会社員や公務員の場合、働けない状態が続くと「傷病手当金」を受け取ることができます。
ただし、給与が満額保障されるわけではなく、社会保険料や住民税の負担も免除されないため、実質の手取り額は減少してしまいます。
特に「脳血管疾患」は入院が長引く傾向にあり、平均在院日数が68.9日と2カ月を超えます。
リハビリなどを加味すると、職場復帰までに3カ月~半年以上かかることもあります。
その間、医療費の支払いと収入の減少が重なっても、今の貯蓄でやりくりしていけるか、家族の生活に影響がないかを考えておきましょう。
特に働き盛りの30代の場合、万が一三大疾病のような大きな病気に罹患すると家族への影響も大きいため、注意が必要です。
(参考:令和5年(2023)患者調査の概況|厚生労働省)
(参考:脳卒中に関する留意事項|厚生労働省)
参考)三大疾病罹患後の経済的リスク
スマートスキャン株式会社の「三大疾病罹患の経済的リスク」に対する実態調査によると、三大疾病罹患後に1カ月あたり10万円以上の収入減を経験した人は約4割にのぼります。
また、調査に回答した人のうち、三大疾病に罹患したときの年齢が30~39歳だった人が25.8%となっており、30代でも三大疾病のリスクは他人事ではないことがわかります。
さらに、現在三大疾病による後遺症や障がいはありますか?との問いに対し、「重度の後遺症や障がいがある」「軽度の後遺症や障がいがある」と答えた人は合わせて54.7%にのぼります。
三大疾病の治療にかかる費用だけでなく、その後のリハビリや、後遺症が残ることでの収入減少にも注意が必要です。
(参考:「三大疾病罹患の経済的リスク」に対する実態調査|スマートスキャン株式会社)
あなたの年齢で三大疾病保険の保険料はいくら?
理由2:公的保険だけではカバーできない費用がある
日本の公的医療保険制度は他国と比較しても充実しています。
現役世代であれば医療費負担は原則3割、さらに高額療養費制度を利用すれば1カ月の自己負担を一定額まで抑えることができます。
高額療養費制度とは
公的医療保険制度のひとつ。
収入や年齢によって1カ月の医療費自己負担に上限が設けられており、上限を超えて医療費を支払った場合差額が返還される。
※ただし、公的医療保険ですべての費用がまかなえるわけではありません。
次の費用は原則として別途自己負担が必要です。
- 差額ベッド代(個室や少人数部屋を利用した場合の費用)
- 先進医療の技術料・自由診療にかかる費用
- 入院中の食事代
- 交通費や宿泊費
- 漢方薬やサプリメントの購入費
- 医療用ウィッグの購入費
三大疾病保険の必要性について考えるときは、公的医療保険が適用されない費用にも目を向けておくことが大切です。
また、そもそも公的医療保険を利用したとしても、治療を受けるたびに費用は発生します。
突発的な医療費を支払う余裕がない人は、三大疾病保険で備えておく必要があるでしょう。
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参考)差額ベッド代
少人数部屋や個室を利用する場合、医療費とは別に「差額ベッド代」を負担する必要があります。
厚生労働省のデータによると、個室(1人室)を利用する際の1日平均費用は8437円です。
入院日数が長引くほど、差額ベッド代の負担も大きくなります。
三大疾病のような大きな病気に罹患すると、精神的にも肉体的にも大きなストレスがかかります。
静かな環境で療養したいと考える人も多いでしょう。
差額ベッド代など公的医療保険ではカバーできない費用に対して、民間の保険で備えておくことも大切です。
(参考:主な選定療養に係る報告状況|厚生労働省)
理由3:若くて健康なうちなら保険料が安く、加入しやすい
30代で三大疾病保険に加入する大きなメリットとして、保険料が安く加入しやすいことが挙げられます。
保険は基本的に、病気のリスクが低い若い人ほど保険料が割安になる傾向にあります。
また、早いうちに加入しておいた方が、毎月の保険料だけでなく、総額で支払う保険料も抑えられる可能性があります。
「リスクが高まる高齢になってからで良い」と考えている人も多いですが、30代のうちに加入しておくほうが経済的といえます。
また、保険加入時には健康状態に関する診査も必要です。
健康診断で指摘を受けたり持病を抱えていたりすると、加入時に条件が付いたり、そもそも加入を断られるケースもあります。
若く健康であれば、加入できる保険の幅も広がります。いつか三大疾病保険に加入したいと考えている人は、今のうちに検討を始めることをおすすめします。
あなたの年齢で三大疾病保険の保険料はいくら?
30代の三大疾病保険選びで失敗しないための5つのポイント
30代で三大疾病保険を検討する際、押さえておきたいポイントをご紹介します。
保険選びで後悔しないよう、ぜひ参考にしてください。
ポイント1:保障額(一時金)はいくら必要か
三大疾病保険は、三大疾病のいずれかに罹患した際にまとまった一時金を受け取れるものが一般的です。
一時金は、当面の治療費や生活費をまかなうためのものですが、保障額が適切でないといざというときに役に立たない可能性があります。
保障額を考える際は、次の2点がポイントになります。
- 治療にかかる初期費用
- 収入減少リスク
治療にかかる費用は、高額療養費制度の上限額を参考に算出します。
年収約370万~770万円の人であれば、1カ月の上限額は約9万円です。
4カ月目からは多数回該当となり、さらに自己負担が4万4400円まで抑えられます。
治療初年度の費用をまかなうことを考えれば、一時金の額は50万円~80万円ほどあれば良いでしょう。
収入減少のリスクも加味する場合、傷病手当金を受け取った後の不足額をまかなえるようにしておきましょう。
傷病手当金は給与の約3分の2が保障されます。
額面月収が40万円の人であれば、13万円ほどの収入が減少します。
半年分の収入補填を加味する場合、約80万円(13万円×6カ月)と治療にかかる費用を合計し、一時金の額は150万円~200万円程度にすると安心できるでしょう。
上記はあくまでも保障額を決める考え方です。
自身の収入に合わせて、適正額を算出しましょう。
(参考:高額療養費制度を利用される皆さまへ|厚生労働省)
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ポイント2:保障期間は「定期」or「終身」?それぞれのメリット・デメリット
三大疾病保険には、保障期間が一生涯続く「終身型」と、一定期間のみ保障される「定期型」があります。
いずれも掛け捨て型のものが一般的ですが、それぞれメリットとデメリットがあります。
定期型は加入時の保険料を抑えやすい点がメリットですが、更新時に保険料が上がる点には注意が必要です。また、一時金を受け取った時点で保障が終了するタイプも多いため、加入時には保障内容や支払条件について確認しておくことが大切です。
終身型の場合、加入時の保険料は定期型と比べて高くなる傾向にありますが、保険料が一定で保障も一生涯続く点がメリットです。一時金も複数回受け取れるタイプが一般的で、病気の再発や転移にも備えやすいのも魅力です。
どちらにもメリットとデメリットがありますが、三大疾病の罹患リスクは年齢を重ねるほど高くなるため、基本的には保障が一生続く終身型がおすすめです。
ポイント3:支払条件を必ず確認 上皮内がんと急性心筋梗塞・脳卒中でも保障されるか
三大疾病保険を比較するうえで最も重要なポイントは、給付金が支払われる条件です。
がん、心疾患、脳血管疾患の定義や支払条件は保険会社によって異なるため、注意が必要です。
【保障範囲の確認ポイント】
- がん:上皮内がん(上皮内新生物)も保障対象になっているか
- 心疾患:保障対象が「心疾患全体」か「急性心筋梗塞のみ」か
- 脳血管疾患:保障対象が「脳血管疾患全体」か「脳卒中のみ」か
最も保障範囲が幅広いのは、「がん(上皮内がんを含む)」「心疾患」「脳血管疾患」と定められているタイプです。
支払条件の確認ポイント
- がん:免責期間/2回目以降の受け取り条件
- 心疾患・脳血管疾患:入院・手術で即時受け取れるか、「60日以上の労働制限」や「60日以上の後遺症継続」といった条件が設けられているか
がんに関しては、一般的に加入から90日間の免責期間が設けられています。加入後すぐにがんと診断されても保障対象とならないため、注意しましょう。
また、がんは再発や転移のおそれがある病気です。
一時金を複数回受け取れるか、受け取れる場合はどんな条件に当てはまれば受け取れるかを事前に確認しましょう。
心疾患/脳血管疾患に関しては、新しい保険の場合「入院もしくは手術」をした時点で受け取れるものが一般的です。
一方で、60日以上の労働制限など、比較的厳しい条件が定められている商品もあるため、加入前に確認することが大切です。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2025年10月1日―2025年10月31日))
ポイント4:保険料払込免除特約の有無
保険料払込免除特約を付加すると、三大疾病に罹患し所定の状態になった場合に、以後の保険料の支払いが免除されます。
保険料を支払うことなく保障を受けられるため、安心して治療に向き合うことができます。
保険料払込免除特約は、特に毎月の生活費に余裕がない人には重要な保障です。
もしものことがあったとき、医療費の支払いや毎月の生活費の工面に追われて保険料が払えない事態になると、大切な保障を失ってしまう恐れがあります。
入院が長引き銀行口座にお金を準備できておらず、「知らない間に保険が失効していた」というケースも実際に起こっています。
大きな病気に罹患したからといってすぐに生活費を抑えることは難しく、特に住宅ローンの支払いなど固定費がある人はリスクが大きくなります。
少しでも経済的な不安がある人は、保険料払込免除特約を付加したプランの検討がおすすめです。
ただし、特約を付加することで毎月の保険料は割増になります。
保障と保険料のバランスを加味して、特約を付加するかどうか決めることが大切です。
ポイント5:支払い続けられる保険料になっているか
どんなに手厚い保障内容でも、保険料を支払い続けられなければ意味がありません。
家計に無理のない範囲で、継続可能な保険料を設定することがポイントです。
また、複数の保険会社で保険料比較をすることで、保険料を抑えられる商品が見つかる可能性があります。
少し手間に感じるかもしれませんが、インターネットで一括見積りができるサービスなどを活用することで、簡単に保険料の比較が可能です。
保険は長く付き合っていくものです。支払い続けられる範囲の保険料で、自分に合った保障を確保することを心がけましょう。
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【ライフステージ別】あなたに最適な三大疾病保険の考え方
家族構成や経済状況によって、必要な保障は大きく異なります。
ここからは、ライフステージ別に三大疾病保険の選び方を解説します。
ケース1:独身・DINKS(共働き・子どもなし夫婦)の場合
独身や子どもがいない共働き夫婦の場合、自分自身の治療費や収入の減少をカバーすることを最優先に、三大疾病保険の保障内容を考えましょう。
独身で一人暮らしをしているケースであれば、大きな病気に罹患したとき、治療にかかる費用だけでなく住居費用や生活費などすべて自分で工面する必要があります。
資産が十分にあったとしても、将来の夢や老後の生活のために貯めていたお金を取り崩すことには不安を感じるかもしれません。
最低限、1年分の治療費や収入減少分がまかなえるよう、三大疾病一時金の保障額を設定しておくと安心です。
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ケース2:子どもがいるファミリーの場合
子どもがいるファミリーの場合、自分にもしものことがあっても、家族の生活水準や子どもの教育費を守れるようにしておくことが大切です。
特に住宅ローンを返済中で、がんや三大疾病特約を付加した団信に加入していない場合、医療費の支払いとローンの返済が重なり、経済的に苦しくなる恐れがあります。
治療費の支払いや生活費確保のために、子どもの教育費を取り崩す事態は最も避けなければなりません。
三大疾病一時金の保障額は、治療費だけでなく生活費の確保も意識して設定しましょう。
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加入前に解決!三大疾病保険に関するよくある質問
ここからは、三大疾病保険に関するよくある質問に、保険のプロがわかりやすく回答します。
Q.女性特有の病気もカバーされますか?
A.乳がんや子宮がんなど女性特有のがんであれば、三大疾病保険の保障対象になります。それ以外の女性疾病には女性向け医療保険で手厚く備えておくことをおすすめします。
三大疾病保険は、がん・心疾患・脳血管疾患に備える保険です。
女性特有のがんは保障対象となりますが、子宮内膜症や卵巣嚢腫、異常妊娠・分娩などの女性疾病は保障対象外です。
女性疾病に備えておきたい人は、三大疾病保険に加え、女性疾病による入院や手術に手厚く備えられる女性医療保険の検討がおすすめです。
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Q.がん保険や医療保険に入っていれば三大疾病保険は不要ですか?
A.がん保険、医療保険、三大疾病保険はそれぞれ保障範囲が異なります。重複を避けながらそれぞれの保険をうまく組み合わせることが大切です。
まず、がん保険はがんのみ、三大疾病保険はがんを含む三大疾病が保障対象になる保険です。
三大疾病保険に加入していればがんの保障も用意できているため、別途がん保険を検討する必要はないでしょう。
医療保険は病気やケガによる入院・手術を保障する保険です。
もちろんがんや三大疾病で入院をすれば医療保険で保障されますが、退院後のリハビリ期間や通院治療、収入の減少は特約を付加しない限り保障対象外です。
病気やケガによる入院に備えるには医療保険、医療保険ではカバーしきれないがんや三大疾病の治療費、収入補填は三大疾病保険でそれぞれ備える必要があります。

Q1
性別をお伺いします
Q.保険を見直すタイミングはいつが良いですか?
A.結婚や出産、住宅購入などライフステージが変わるタイミングで保険を見直すのがおすすめです。
必要な保障は、ライフステージによって変化します。
常に自分と家族に合った保障を用意しておくためにも、ライフステージが変わったタイミングで保険の見直しを行いましょう。
定期的に保険を見直すことで、保障を最新のものにアップグレードできたり、必要ない保障を削減して保険料を抑えられる場合もあります。
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まとめ
30代にとって三大疾病は身近なリスクではないかもしれません。
しかし、若くて健康なうちに保険を検討することには、保険料を抑えられる、診査に通りやすいなどのメリットもあります。
特に三大疾病は一度罹患すると完治が難しく、経済的な負担も大きくなりがちです。
もしもの事態に備えて、今から保険で備えておくことをおすすめします。
三大疾病保険の保険料が気になる人は、ほけんのコスパの保険料シミュレーションをぜひ活用してください。
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