生命保険や住宅ローンのパンフレットにある「高度障害状態」の文字を見て、具体的にどのような状態なのか疑問に感じていませんか。
重い障害状態を負ったときに役立つ保障ですが、高度障害状態を国の障害認定と同じだと誤解している人は多くいます。
本記事では、保険約款に定められた基準を、わかりやすい生活レベルの視点で解説します。
体障害者手帳との違いや対象外となるケースについても紹介するため、ぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
高度障害状態は両名失明や寝たきり状態など重篤な障害状態を指す
高度障害状態に該当して保険金を受け取った時点で保険契約は終了する
病気やケガで働けなくなるリスクには別途就業不能保険で備えておくことがおすすめ
目次
7.まとめ
生命保険における「高度障害状態」とは
生命保険の高度障害状態とは、病気やケガにより回復の見込みがなく、寝たきりや重度の障害状態を負っている状態を指します。
死亡保険では、死亡時だけでなく高度障害状態でも保険金が支払われると定められているものが一般的です。
では、保険における高度障害状態の基準について詳しく見ていきましょう。
死亡保険金と同額の「高度障害保険金」が受け取れる状態
多くの生命保険では、被保険者が死亡したときだけでなく、約款に定める重篤な障害状態になったときにも保険金が支払われます。
具体的には、両目の視力を完全に失ったり、常に寝たきりで介護が必要になったりした状態等が該当します。
高度障害状態に該当して保険金を受け取った場合、保険契約はその時点で終了します。
そのため、高度障害保険金を受け取ってその後亡くなったケースでは、保険金を二重で受け取ることはできません。
重篤な障害状態になると、治療費や介護費用がかさむ一方で収入が途絶える可能性が高く、前倒しで保険金を受け取ることで生活が困窮する事態を避けることができます。
多くの死亡保険では自動的に高度障害状態も保障対象となりますが、中には別途特約を付加しなければ保障されないケースもあります。
保険証券や約款を確認し、加入中の生命保険が高度障害に対応しているか確認しておきましょう。
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「身体障害者手帳」の等級(国の基準)とは全くの別物
生命保険の高度障害状態と、自治体が交付する身体障害者手帳の等級は、認定基準が異なります。
身体障害者手帳は身体障害者福祉法に基づく行政の制度であるのに対し、高度障害状態は民間保険会社の約款に基づく契約上の基準です。
身体障害者手帳の1級を取得したからといって、自動的に高度障害保険金を受け取れるわけではありません。
保険金を請求する際は、必ず保険会社指定の診断書で、独自の基準を満たすか審査を受ける必要があります。
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高度障害状態に該当する「8つの基準」をわかりやすく翻訳
生命保険各社が共通して定めている高度障害状態の基準(通常は8項目)について、専門用語をかみ砕いて分かりやすく解説します。
いずれの基準も「将来にわたって回復の見込みが全くない(永久に失った)」状態であることが重要となります。
1. 両眼の視力を全く永久に失ったもの
病気やケガで両目の視力を完全に失い、将来にわたって回復の見込みが全くない状態を指します。
具体的には、眼鏡やコンタクトレンズなどで矯正しても両目の視力が0.02以下となり、視力が戻らない状態などが該当します。片目のみの失明は含まれません。
2. 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
声を出して言葉を話す機能、または食べ物を噛み砕いて飲み込む機能を完全に失い、回復の見込みがない状態です。
声帯の切除等で発声できない状態や、そしゃく機能の喪失により流動食以外のものを摂取できない状態が将来にわたって続くケースなどが当てはまります。
3. 中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
脳卒中による重い後遺症や、重度の精神障害などにより、生涯にわたって常に他人の介護が必要な状態を指します。
「終身常に介護を要する」とは、衣服の着脱、入浴、食事、排泄などの基本的な日常生活を自分で行うことができない状態です。
一時的な寝たきりや、リハビリ等で回復する見込みがある場合は該当しません。
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4. 胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
心臓、肺、肝臓、腎臓などの胸や腹部の臓器に重篤な病気や障害があり、上記3と同様に、基本的な日常生活において生涯にわたり常に他人の介護が必要な状態を指します。
6. 両下肢(両足)とも、足関節(足首)以上で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの
両足を「足首の関節よりも太ももに近い部分で切断した状態」、または「足の機能を完全に失い、回復の見込みがない状態」です。
足の指だけの切断や、片足のみの機能喪失は含まれません。
7. 1上肢(片腕)を手関節以上で失い、かつ、1下肢(片足)を足関節以上で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの
片方の腕を手首以上で切断し、さらに片方の足を「足首以上で切断した」または「機能を完全に失って回復の見込みがない」状態です。
複数の部位にわたる取り返しのつかない重篤な障害を負った状態が該当します。
8. 1上肢(片腕)の用を全く永久に失い、かつ、1下肢(片足)を足関節以上で失ったもの
片方の腕の「機能を完全に失い(回復見込みなし)」、さらに片方の足を「足首以上で切断した」状態を指します。
事故等で外傷を負い、複数の手足を切断するに至ったケースが考えられます。
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高度障害保険金が支払われない(対象外となる)ケース
仕事ができないほど重い症状であっても、約款の8つの基準のいずれかに当てはまらなければ高度障害保険金は支払われません。
ここからは、対象外となりやすいケースについて解説します。
うつ病などの精神疾患による就業不能
重度のうつ病や適応障害などの精神疾患で長期間働けない状態になっても、高度障害保険金を受け取ることは難しいのが実情です。
精神疾患で高度障害状態の要件である「終身常に介護を要するもの」の認定基準を満たすのは困難で、回復の見込みがないと判断されることもほとんどありません。
精神疾患によって日常生活に支障が出ていても、一生涯にわたる介護が必要と医師に診断されるケースは極めてまれです。
精神疾患による収入減少リスクに備えたい場合、就業不能保険や所得補償保険への加入を検討する必要があります。
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片目だけの失明や、片腕・片足だけの喪失
片目のみの失明や、片腕または片足のみの切断は、高度障害状態には該当しません。
約款で定められた基準では「両眼」「両腕」「両足」など、両側の機能喪失を条件としています。
事故で片目を失明し、仕事に大きな影響が出たとしても、もう片方の目が見えていれば高度障害保険金は支払われません。
介護状態や一部の障害状態に備えておきたい場合は、介護保険や就業不能保険などの検討が必要です。
治療によって回復する見込みがある場合
現在重い障害状態にあっても、将来的に回復する見込みがある場合は対象外となる可能性があります。
高度障害状態の基準には「永久に失ったもの」や「終身常に介護を要するもの」と明記されており、基本的には回復の見込みがないことが条件となります。
大きなケガで一時的に全身不随になり介護が必要な状態でも、リハビリテーションによって歩行できる可能性が残されていれば保険金は支払われないケースもあるため注意が必要です。
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住宅ローンの「団体信用生命保険(団信)」における高度障害
住宅ローンを組む際に加入する団体信用生命保険(団信)にも高度障害の保障が含まれています。
高度障害状態になった場合の住宅ローンの取り扱いについて解説します。
高度障害状態に認定されれば住宅ローンの支払いは免除される
団体信用生命保険に加入している債務者が高度障害状態と認定されると、住宅ローンの残債がゼロになります。
認定された時点で保険会社から金融機関へ保険金が支払われ、ローン残高に充当される仕組みです。
一家の大黒柱が寝たきりになって収入が途絶えても、のこされた家族に住宅ローンを残さず、住居を確保し続けることができます。
高度障害状態の条件は一般的な生命保険(死亡保険)と基本的に同じですが、万一に備えて、契約予定の団体信用生命保険の保障内容を確認しておくことが大切です。
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審査には医師の診断書と保険会社の判定が必要
住宅ローンの支払いが免除されるためには、保険会社による審査を通過する必要があります。
医師の診断を受けて、約款の高度障害状態に該当するかを最終的に判断するのは保険会社です。
保険会社指定の診断書に、症状が固定していることや回復の見込みがないことを明確に記載してもらうことで、ローンの免除を受けられる可能性があります。
高度障害状態の可能性がある場合は、速やかに住宅ローンを借り入れた金融機関に連絡し、手続きを始めましょう。
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高度障害状態に関するよくある質問
高度障害状態に関して多く寄せられる疑問に、保険のプロがわかりやすく回答します。
Q. がんで余命宣告されたり、寝たきりになった場合は高度障害になりますか?
A. がんで余命宣告を受けただけでは、高度障害状態には該当しません。
高度障害状態は病名ではなく、具体的な身体機能の低下や介護の必要性で判定されます。
しかし、がんの進行によって著しい障害が残り、一生涯にわたって常に他人の介護が必要な寝たきり状態になれば、該当する可能性があります。
また、余命6カ月以内と診断された場合、「リビング・ニーズ特約」を利用して保険の前払いを受けられる可能性があります。
主治医と保険会社に相談し、利用できる制度があるか確認してみましょう。
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Q. 高度障害保険金を受け取ったら、その後の死亡保険金はどうなりますか?
A. 高度障害保険金を受け取った時点で、生命保険の主契約は消滅し、その後死亡保険金は受け取れません。
高度障害保険金は、死亡保険と同額が前倒しで支払われる仕組みです。
例えば、被保険者が高度障害状態に認定されて保険金1000万円を受け取った場合、その後に亡くなっても追加で保険金が支払われることはありません。
保険金を受け取ったあとは、治療費や生活費の計画を慎重に立てる必要があります。
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Q. 認知症で家族の介護が必要になった場合は対象になりますか?
A. 認知症になった事実だけでは、高度障害状態とは認められません。
認知症の場合、高度障害の基準である「中枢神経系・精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要する」状態を満たすかどうかが焦点になります。
身体の自由が利き、歩行や食事が自力でできる状態の認知症は対象外です。
認知症による介護リスクに備えるには、高度障害保険金ではなく、民間の介護保険や認知症保険に加入しておく必要があります。
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Q. 受け取った高度障害保険金に税金はかかりますか?
A. 被保険者本人が受け取った高度障害保険金は、全額が非課税となります。
所得税法上、病気やケガに起因して支払われる給付金や保険金は非課税所得として扱われます。
保険金1000万円を受け取っても、所得税や住民税がかかることはなく、全額を治療費や生活費に充てることができます。
ただし、本人が保険金を受け取ったあとに死亡し、保険金が手元に残った場合は相続税の対象となるため注意が必要です。
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「働けなくなるリスク」への備えが必要な理由
高度障害は非常に重い状態で、病気やケガで一定期間働けなくなる状態はほとんどカバーされません。
死亡保険だけではカバーしきれない長期療養リスクに対しての備え方を、保険のプロが解説します。
死亡保険だけではカバーしきれない「長期療養」の現実
生命保険の高度障害保険金は頼りになる保障ですが、実際に受け取れるケースは限定的です。
現代では医療技術の進歩により、重い病気にかかっても命を取り留め、長期間にわたって治療を続けながら生活する人が増えています。
がんや脳卒中の後遺症で仕事に復帰できず、収入が大幅に減少しても、高度障害状態に該当せず保険金が支払われないケースは珍しくありません。
死亡保障だけでなく、生きている間のリスクにも目を向ける必要があるでしょう。
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就業不能保険や医療保険で幅広く生活費をカバーする
高度障害に至らない病気やケガでの収入減少に備えるには、医療保険や就業不能保険が有効です。
医療保険は、障害の有無にかかわらず「入院や手術」を条件に給付金を受け取ることができます。
短期の入院や職場復帰可能な状態でも保障されるため、基本的な保険としてまずは加入を検討してみましょう。
更に長期間の療養に備えるには、就業不能保険がおすすめです。
就業不能保険は、医師から働けない状態であると診断を受けた際に給付金を受け取ることができる保険です。
一般的に、60日前後の免責期間が設けられているため、中長期間の休業をサポートする目的で加入します。
自身の預貯金や公的保障を整理したうえで、足りない部分をカバーできる保険の加入を検討しましょう。
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まとめ
生命保険の「高度障害状態」は、両目の失明や両手足の喪失、常に介護が必要な状態など、約款で定められた基準のいずれかを満たした場合のみ認定されます。
万一の死亡リスクだけでなく、病気やケガで働けなくなるリスクにもバランス良く備えることが大切です。
ほけんのコスパでは、複数の保険会社の就業不能保険を掲載しています。
年齢と性別を入力するだけで簡単に保険料のシミュレーションが可能です。
ぜひ、保険選びの参考にしてください。
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