住宅ローンを組む際、「団信だけで大丈夫?」「今の生命保険はどうすれば?」と迷う人は多くいます。
また、団信は住宅ローンに付随する保険ですが、生命保険とどう違うのか、どちらを選ぶべきか、わかりにくいと感じている人もいるでしょう。
この記事では、団信と生命保険のメリット・デメリットを保険のプロが比較します。
あなたのライフプランに合わせた最適な選び方の参考にしてください。
この記事を読んでわかること
団信でカバーしきれない遺族の生活保障には、生命保険で備えておくのがおすすめ
団信は住宅ローンの金利に保険料が組み込まれている。ローン返済の総額を要確認
団信はローン返済期間中のみの保障。老後のリスクに備えるには生命保険の検討が必要
目次
5.【ライフステージ別】団信と生命保険で効率的にリスクに備える方法
5-1.独身の場合
5-2.共働き夫婦の場合
5-3.専業主婦(夫)の場合
7.まとめ
団信と生命保険、そもそもの違いは何?
住宅ローンを組む際に加入する団信は、契約者が亡くなったときや高度障害状態になったときに、ローンの返済が不要になる保険です。
契約者に万が一のことがあっても、遺族は費用を負担することなく、持ち家に住み続けることができます。
一方、生命保険は民間の生命保険会社が販売しており、死亡保険や医療保険、がん保険など保障によってさまざまな種類があります。
団信とよく比較されるのは生命保険の中でも「死亡保険」で、死亡もしくは高度障害に該当したときに保険金が支払われるタイプの保険です。
それぞれの違いや特徴について、詳しく見ていきましょう。
団信は住宅ローンに付随する「掛け捨て」の保険
団体信用生命保険、通称「団信」とは、住宅ローン契約者の万が一に備えるための生命保険です。
支払われる保険金は住宅ローン残債に充当され、遺族のローン返済が免除になる点が特徴です。
団信は掛け捨て型の保険で、保障期間はあくまで住宅ローンを支払っている間のみと限定的です。
また、団信の中には死亡・高度障害時だけでなく、がんや生活習慣病まで保障範囲を広げているものもあります。
保障範囲が広くなると、その分保険料(住宅ローン金利)も高くなるため、総支払額と保障のバランスを確認しておく必要があります。
多くの金融機関では、住宅ローンを組む際に団信への加入がほぼ必須条件とされています。
加入には健康状態の審査があるため、持病があったり健康状態に不安がある人の場合、加入を断られるケースもあります。
参考)団信に加入せず住宅ローンは組める?
ほとんどの金融機関で団信への加入が義務付けられていますが、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している「フラット35」では、団信加入は任意となっています。
健康状態の問題で団信に加入できない人や、団信ではなく生命保険でいざというときに備えたい人は、フラット35のような団信加入が任意のローンを選ぶのもひとつの方法です。
フラット35は、最長35年の全期間固定金利の住宅ローンです。
変動金利のローンと比べて金利は高く設定されていますが、金利が変わらないため返済計画が立てやすいことや、保証人が不要であるなどのメリットもあります。
必ずしも団信に加入しなければローンを組めないわけではないので、複数の金融機関で比較してみると良いでしょう。
(参考:団体信用生命保険(団体信用生命保険制度のご案内)|フラット35)
生命保険は「万が一」に備えるための保険
一般的な生命保険(死亡保険)は、被保険者が死亡した場合や高度障害状態に該当した場合に、保険金が支払われるものです。
死亡保険の特徴は、保険金の用途が自由であり、遺族が住宅ローンの返済だけではなく生活費、教育費、葬儀費用などに使用できる点です。
死亡保険にはいくつかのタイプがあり、目的によって使い分けることができます。
- 平準定期保険:一定期間の死亡保障。掛け捨てタイプ。
- 逓減定期保険:一定期間の死亡保障。保障額が保険期間の経過とともに減少。掛け捨てタイプ
- 収入保障保険:一定期間の死亡保障。保険金が遺族に毎月支払われる。掛け捨てタイプ
- 終身保険:一生涯の死亡保障。解約時に解約返戻金を受け取れる。貯蓄性のあるタイプ
例えば定期保険や収入保障保険の場合、一定期間だけ保障が必要な場合に適しており、掛け捨てのため比較的お手頃な保険料で大きな保障を確保できるメリットがあります。
また、一部の収入保障保険では、死亡時だけでなく介護や就業不能も保障対象にする商品もあり、幅広いリスクに備えておきたい人におすすめです。
終身保険は一生涯の保障が特徴で、解約時には解約返戻金を受け取れる貯蓄性のある保険です。
掛け捨ての保険に抵抗がある人にはおすすめですが、保険料はその分割高になるため、保障額をあまりに大きくするのは現実的でない場合があります。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2025年12月1日―2025年12月31日)
経済的メリットを比較:保険料と保障のコスパは?
では、団信と生命保険のどちらが経済的に効率的なのでしょうか。
団信と生命保険を保険のプロが比較します。
団信と生命保険の保険料の違い
団信と生命保険では、保険料や保障の内容に大きな違いがあります。
団信は、住宅ローンに付随する「掛け捨て型」の保険です。
住宅ローンの金利に保険料が含まれるため一見安く見えますが、総支払額で比較することが大切です。
一方、生命保険は、保障内容や保険期間によって保険料が大きく変動します。
保険料の決まり方も団信とは大きく異なり、「加入時の年齢」「性別」「保険期間」「保障額」によって決まります。
団信と生命保険の保険料を比較するには、団信に加入した場合にローン返済額がどれだけ高くなるかを確認する必要があります。
特に、がん・生活習慣病団信は通常の団信と比べてローン金利の上乗せが大きくなるため、注意が必要です。
場合によっては、手厚い団信にするよりも民間のがん保険や生活習慣病保険を検討したほうが良いと判断する人もいます。
関連記事
参考)生命保険料の平均
2022年の生命保険文化センターによる調査では、生命保険料の平均は年間17.9万円(1カ月あたり約1.5万円)となっています。
この額は死亡保険、医療保険、がん保険など、生命保険全般に支払っている保険料の合計です。
生命保険の保険料と団信は単純な比較はできません。
家計全体のバランスを見ながら、最低限の必要な保険は生命保険で準備しておくと良いでしょう。
(参考:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター)
参考)団信の保険料の目安
団信の保険料は住宅ローンの金利に含まれるため、返済期間や借入額によって支払額は異なります。
例えば、借入額3000万円で返済期間が35年、借入金利が0.5%の場合、団信特約の総支払額目安は約192万円になります。
がんや生活習慣病団信を付加した場合は、追加金利として0.2%~0.3%が上乗せされることが多く、その分保険料の総支払額も高くなります。
実際の支払額が気になる人は、住宅金融支援機構のサイトでシミュレーションが可能です。
家計負担を考える際には、手持ちの資金やライフプランに合わせて住宅ローン全体のコストを把握しましょう。
(参考:機構団信特約料シミュレーション|住宅金融支援機構)
知っておきたい生命保険料控除のメリット
生命保険に加入すると、保険料控除を受けられる点は大きなメリットです。
生命保険料控除は、1年間で生命保険に支払った保険料の一定額を所得から控除することで、課税所得を減らすことができる仕組みです。
締結日が平成24年1月1日以後と平成23年12月31日以前の保険契約では、生命保険料控除の取扱いが異なります。
締結日が平成24年1月1日以後の保険契約の場合は、死亡保障などが対象の「一般生命保険料控除」、医療保険やがん保険が対象の「介護医療保険料控除」、個人根金保険が対象の「個人年金保険料控除」の3つの枠があり、それぞれ最高4万円まで所得控除を受けられます。
一方、団信は住宅ローンの金利に含まれるため、直接的に保険料控除の対象とはなりません。
しかし、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を利用する場合、間接的に税負担を軽減できる仕組みがあります。
保険選びの際には、税制のメリットも理解しておくと良いでしょう。
(参考:No.1140 生命保険料控除|国税庁)
保険料 見積シミュレーション
人気の商品をカンタン比較

あなたに最適な保険は?ケース別にシミュレーション
一般的な金融機関の住宅ローンでは、団信の加入が義務付けられています。
しかし、団信があるからといって生命保険がまったく不要になるわけではありません。
団信と生命保険はどちらか片方だけでなく、保障をうまく組み合わせてリスクに対して効率よく備えることが大切です。
では、ケース別に最適な保険の組み方について紹介します。
【ケース①】3000万円の住宅ローンを組む場合
3000万円の住宅ローンを組む場合、ほとんどの金融機関では団信への加入が必須となります。
団信の保険料は住宅ローン金利に上乗せされることが多く実感しづらいものの、他の生命保険より割安になるケースもあります。
一方、団信の保障内容ではカバーできないリスクに備えたい場合は、生命保険に追加で加入する必要があります。
団信の保障範囲はあくまでも「死亡・高度障害時」です。
がんや生活習慣病まで幅広く備えられる団信もありますが、その他の病気やケガで長期間働けなくなった場合など、団信では保障されないリスクもあります。
必要に応じて、医療保険や就業不能保険などの民間の保険を検討するのも良いでしょう。
また、万が一の際は団信でローンは免除されますが、のこされた家族の生活費や子どもの教育費までまかなうことはできません。
特に子どもが小さい家庭では、定期保険や収入保障保険で一定期間の死亡保険を準備しておきましょう。
関連記事
【ケース②】健康に不安がある場合
大きな病気に罹患していたり、現在治療中の病気がある場合、通常の団信に加入できないケースもあります。
通常の団信の加入審査に落ちてしまったら、条件が緩和された「ワイド団信」をまず検討しましょう。
ただし、ワイド団信は上乗せ金利が高めに設定されていることが多いため、ローンの総支払額については事前に確認することが大切です。
団信の代替として民間の生命保険を検討する場合、引受基準緩和型の死亡保険が選択肢になります。
保障額は住宅ローンの残高を補える額にしておくと良いでしょう。
団信に加入しない場合、フラット35などの団信加入が任意のローンを選ぶ必要があります。
関連記事
住宅ローン完済後も安心!保険を見直すタイミングと注意点
「団信に入っていたら保険はいらない?」「ローン完済後はどうしたら良い?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
団信はあくまでも住宅ローンを返済している期間の保障です。
しかし、住宅ローン完済後に新たに保険を検討しようとすると、年齢や健康状態の問題で加入が難しいケースがあります。
住宅ローンの返済と生命保険の見直しタイミングについて、詳しく解説します。
団信の保障は住宅ローン完済で終了する
団信は、死亡や重度障害に備えて住宅ローンの残高を肩代わりする保険のため、ローンを完済すれば保障も自動的に終了します。
ローン返済後もリスクに備えておきたい場合は、別途保険加入を検討する必要があります。
ただし、保険は加入時の年齢によって保険料が決まるため、ローン返済が終わってから保険を検討する場合、保険料が高いと感じるケースもあるでしょう。
また、健康状態によっては加入を断られる可能性もあるため注意が必要です。
「団信に入ったから保険は解約して良い」と判断するのは早計です。
将来のリスクもふまえて、保険をどの程度持っておくかを決めることが大切です。
保険料 見積シミュレーション
人気の商品をカンタン比較

既存の生命保険はどうする?保障の重複に注意
団信に加入している状態ですでに生命保険に加入している方は、保障内容の重複に注意しましょう。
万が一の際は団信でローンは返済されるため、のこされた家族は住居費用を負担する必要がありません。
死亡保険の保障が過大になっていないか、確認しておくと良いでしょう。
保障を最適化するポイントとして、団信で住宅ローン分の保障をまかなえるのであれば、生命保険の保障額を減額して家計の負担を軽減することも検討しましょう。
一方、住宅ローン完済後は、年齢を重ねることで病気やケガ、介護のリスクが高まっていきます。
若いうちから医療保険やがん保険など、医療費に備える保険に加入しておくことで、老後の保障も確保できます。
がんや生活習慣病に幅広く備える団信に加入している人は、「医療保険やがん保険を解約していいのでは?」と悩むかもしれません。
しかし、がん・生活習慣病団信もあくまでもローン返済期間中の保障です。
実際に病気のリスクが高まる老後に備えておくためには、別途保険加入を検討すると良いでしょう。
関連記事
【ライフステージ別】団信と生命保険で効率的にリスクに備える方法
効率的にリスクに備える方法は、家族構成などのライフステージによって異なります。
ここからは、ライフステージ別に団信と生命保険で効率よくリスクに備える方法を解説します。
独身の場合
独身の方が住宅ローンを組む場合、別途大きな額の死亡保険に加入する必要性は低いでしょう。
自分に万が一のことがあったときの保障よりも、病気やケガで医療費負担が発生したり、一定期間働けなくなるリスクに、民間の保険で備えておくことがおすすめです。
また独身の場合、フラット35のような団信加入が任意のローンを選んで、団信に加入しない選択肢を取る人もいるかもしれません。
しかし、がん・生活習慣病団信といった死亡時以外にも備えられる団信は、独身の人にもおすすめできます。
独身だからといって一概に団信が不要とは言い切れませんが、金利や団信の保障内容、将来家族が増える可能性があるのかなど、複数の視点で検討しておくことが大切です。
関連記事
共働き夫婦の場合
共働き夫婦の場合、団信と生命保険の使い分けがカギとなります。
夫婦どちらも収入があるため、どちらかに万が一の事態が起こっても、その後の生活を支えていける可能性があります。
とはいえ、住宅ローンの負担を軽減できる団信への加入は欠かせません。
生命保険については、夫婦どちらかが亡くなった際の生活費や、子どもの学費などに備えられる十分な額を用意しておきましょう。
子どもがいない場合は、死亡保障を抑える代わりに、医療保障やがん保障などを充実させておくと効率的です。
団信でカバーできない収入減少リスクには、収入保障保険を検討することがおすすめです。
関連特集
専業主婦(夫)の場合
専業主婦(夫)の場合、住宅ローンの契約者である側が団信に加入することが一般的です。
専業主婦(夫)は自身の収入がないため、のこされた家族の生活基盤を維持するためにも、団信は欠かせない保険であるといえます。
また、生命保険については、働き手だけでなく専業主婦(夫)自身の万が一に備えることも重要です。
特に子どもがいる場合、葬儀費用や家庭内での負担を軽くするため、一定の死亡保険を検討しても良いでしょう。
関連記事
団信と生命保険に関するよくある質問
ここからは、団信と生命保険に関するよくある質問に、保険のプロがわかりやすく回答します。
Q.団信への加入が向いているのはどんな人?
A.住宅ローンを組む人は基本的に団信へ加入することになります。独身の人から夫婦、子どもがいる人まで幅広く検討できます。
団信は特にパートナーや子どもがいる家庭では重要な保障です。
また独身の場合でも団信に加入する人はいます。
特にがんや生活習慣病団信など、死亡時だけでなく特定の病気に罹患したときにローン残高が免除されるタイプは、独身の人にもおすすめです。
Q.生命保険への加入が向いているのはどんな人?
A.住宅ローンの返済リスク以外にも、家族の生活を保障する必要がある人や、病気やケガのリスクに備えておきたい人は生命保険を検討しましょう。
団信は主に住宅ローンの残債をカバーするための保険ですが、生命保険は遺族の生活資金や、病気やケガによる医療費負担、がんの治療など保険種類によってさまざまなリスクに備えることができます。
団信だけではカバーできないリスクには、生命保険で備えておく必要があります。
また、ローン完済後も保障が必要な場合は、終身型の生命保険で保障を確保しておくことがおすすめです。
保険料 見積シミュレーション
人気の商品をカンタン比較

Q.団信に生命保険を「上乗せ」する考え方は効率的?
A,団信と生命保険を組み合わせることで、効率よくリスクに備える方法もあります。
団信はあくまで住宅ローン残高に対する保険のため、それ以上の保障を求める場合には、生命保険を上乗せして家族の生活保障を確保することが必要です。
また、就業不能など団信では備えられないリスクには、就業不能保険などの生命保険の検討が別途必要です。
「団信だけでは保障が不十分」と感じる場合には、生命保険の上乗せを検討することをおすすめします。
まとめ
団信と生命保険にはそれぞれ異なる目的やメリットがあり、どちらが得かは個人のライフステージや状況によって異なります。
団信は、保険料が金利に組み込まれている場合が多く、あまり意識せずに加入できるメリットがある一方、保障範囲がローンの残債に限定される点に注意が必要です。
住宅ローン返済中だけでなく、完済後の生活設計を見据えて生命保険を検討することや、状況に応じて保険の見直しをすることも重要です。
ほけんのコスパでは、年齢や家族構成などの簡単な質問に答えるだけで、生命保険の必要性がわかる診断を無料で受けられます。
保険選びに迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

最適な保険選びは、将来の安心に繋がります。
あなたに必要な保障を『ほけん必要度診断』で診断してみましょう。























